確証バイアスとIELTSライティング

確証バイアスとは?

確証(かくしょう)バイアス、英語ではConfirmation Biasといいますが、心理学で使われる考え方で、Wikipediaでは以下のように説明されています。

Confirmation bias is the tendency to search for, interpret, favor, and recall information in a way that confirms one’s preexisting beliefs or hypotheses. It is a type of cognitive bias and a systematic error of inductive reasoning. People display this bias when they gather or remember information selectively, or when they interpret it in a biased way. The effect is stronger for desired outcomes, emotionally charged issues, and for deeply entrenched beliefs. Confirmation bias is of particular current interest because of the increasing polarisation between left-wing and right-wing political viewpoints, and the gullible acceptance of the current rapid spread of fake news.

引用元: Wikipedia

要約すると、人間というものは自分の中に既にある信念や仮説をサポート(確証)するような情報だけを探し、それらの情報を自分の都合のいいように解釈をしてしまうものである、このことを確証(かくしょう)バイアス、英語ではConfirmation Biasと呼んでいます。

逆に言うと、自分の中に既にある信念や仮説を反証するような情報については目を向けず、気づいてもバイアスをかけて解釈をしてしまう性質があると言うことです。

確証バイアスの実例

確証バイアスの実例をいくつかご紹介します。

皆さんの中には、株式投資をされている方も多いのではないでしょうか?株式投資では、買った株がなぜか安くなってしまう、という経験をされる方も多いようです。これも、実は確証バイアスが影響しているケースがあるそうです。自分が買った株は高くなってほしいという潜在的な信念が働くため、株価が上がる理由にばかり目が行き、客観的にはネガティブだと思われるニュースからも目を背けてしまうからなのですね。

また、「あばたもえくぼ」という言葉がありますが、自分が好意を抱く相手に対しては、いい部分のみ見るようになり、ネガティブなことがあっても「きっとそういう意図ではなかったはず」といいように解釈をしてしまうのです(それ自体は、決して悪いことではないと思いますが・・・)。

このように、私たちは、日常生活において様々なところで確証バイアスを経験しているのですね。

IELTSライティングにおける確証バイアス

この確証バイアスは、実はライティングのタスク理解において非常に厄介なものとなります。

ライティングでは、冷静に考えるとなぜそのようなタスク理解をしてしまったのだろうか、なぜ書いている途中には気づかなかったのだろうか、と不思議に思うことがありませんか?

あるいは、他の受講生のエッセイなら簡単に間違いを指摘できるのに、自分のエッセイになると間違いに気づけないのはなぜでしょうか?

これこそが、確証バイアスの仕業です。

よく授業で「自分の書いたエッセイは可愛いですからね」などと言っておりますが、自分のタスクへの解釈、自分の出したアイデア、自分の書いたエッセイはいずれも正しいはずであるという確証バイアスが無意識のうちに働いてしまい、自分の間違いに気づけないことが多いのです。

確証バイアスを最小限にするための対策

私は以前、医師として働いておりましたので、人間が犯しうるミスやその原因、心理的な背景などを勉強する機会がありました。医療ミスの原因の一つが「思い込み」です。

最近ではなくなりましたが、一時期、患者取り違えや手術部位の左右ミスなど、第三者から見るとあり得ないミスがニュースで報道されたこともあったかと思います。

これらは、いずれも確証バイアスに影響されてしまったケースです。

そういったミスを防ぐため、医療の現場で導入されたものの一つが「ネームバンド」です。これは、手術患者の腕に名前を書いたバンドをしておき、手術前に本人と名前を確認をするわけです。このようなダブルチェック・トリプルチェックの徹底により、患者取り違えのミスは大幅に減りました。

IELTSのライティングでも、確証バイアスに影響されてしまうことのないように、人間は自分の決定に対して正しい判断ができないものであることを知っておき、自分の決定が間違えているという前提で疑ってかかる習慣をつける、タスクを何度も見返して確認する(ダブルチェック、トリプルチェックを心がける)ことで、Task ResponseやCoherence/Cohesionを伸ばしていくことが可能になります。

まとめ

IELTSのライティングでなぜタスクを外してしまうのか、確証バイアスの観点からを考えました。IELTSのライティング試験では以下の点に注意をするようにしましょう。

・自分の決定に対して正しい判断ができないものであることを知る(確証バイアス)
・自分の決定が間違えている前提で考える
・ダブルチェック、トリプルチェックを心がける