IELTSのリスニングはもっとも対策されない科目かもしれません。特に、少し前の公式過去問(Cambridge IELTS 9より前の過去問)を使って練習をされている方は、リスニング対策なんていらない、って思っておられるかもしれませんね。

しかし、最近のIELTSリスニングはとても難しくなってきており、しっかりとした対策をせずに試験を受けに行くと、思ったようなスコアにならないこともよくあります。また、しっかりとIELTS対策をしている方であっても、ライティングやスピーキングにばかりフォーカスをした対策をしていると、リスニングで足下をすくわれてしまいかねません。

IELTSのリスニングでスコアが伸び悩む原因は3つです。

  • 問題の先読みスキルが足りない
  • 問題の種類別に対策ができていない
  • 過去問題集を使った対策ができていない

この記事を書いている筆者は、IELTS講師歴10年。2006年にNAATI 通訳・翻訳の資格取得し、医療通訳など第一線で活躍。科目別最高スコアは、リスニング9.0、リーディング8.5、ライティング7.5、スピーキング8.0(Overall 8.0を保有)。

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リスニングが伸びない原因と対策1:問題の先読みスキルが足りない

リスニングが伸びない原因の一つは、問題の先読みスキルが足りないことにある場合が多いです。IELTSのリスニングの問題が解けるかどうかは、あらかじめ問題用紙の内容をどのくらい把握できているかで決まってきます。問題用紙の読み方が上手な人はそれだけ点数がとりやすくなります。

対策としては、練習段階では少し時間を多めにとって「予習」をしてから問題の内容理解を深めましょう。特に、与えられた時間内でまだうまく読めないという場合には、思い切ってそれぞれのセクションで予習の時間を数分取ってから挑戦をしてみてください。もちろん、徐々に「予習」の時間を短くしていくことが重要です。最終的には音声を止めずに解いても必要なスコアが取れるようになる必要がありますからね。

先読みのテクニックについては以下の記事も参考にしてみてください。

リスニングが伸びない原因と対策2:問題のタイプ別に対策ができていない

リスニングが伸びないもう一つの原因は、問題の種類ごとに対策ができてないことです。

IELTSのリスニングの問題タイプは、おおよそ7種類あります。

  • 穴埋め問題(メモ、表、図、フローチャート、センテンス)
  • 選択問題(3択)
  • マルチプルチョイス
  • 状況判断マッチング
  • マップ、順路
  • 分類問題
  • ショートアンサー

この中には、頻出の問題とそうでない問題がありますが、それぞれに解き方のコツがありますので、問題タイプ別に解いていく中でしっかりコツを掴んでいくことが重要です。

例えば、最近の問題傾向ではセクション2やセクション3で出題される、状況判断マッチング、分類問題、選択問題などの難易度が最も高くなっています。特にセクション3では、2〜3人のスピーカーが対話をしています。対話が進む中で、話が二転三転することがあり、ここがこのセクションの難しさとなっています。Aさんがこうしようと提案したことに対して、Bさんは、同意をすることもあれば、反対して別の提案を持ちかける場合もあります。

問われている内容が何であるのかしっかり把握し、話の進行の中で最終的な回答を聞き取る必要があります。先のAさんの提案だけ聞いて答えだと考えると間違えてしまうわけです。

このようなことを理解していくと、例えば選択問題では、最初の提案に飛びついてはいけない!と、気をつけるべき点がわかってきます。もちろん、たくさん練習問題を解く中で、自然に気が付くことができるものですが、自分ではよくわからない方、すぐにコツを知りたい場合は、対策講座などで信頼できる先生に習うのが良いでしょう。

リスニングが伸びない原因と対策3:過去問題集を使った対策ができていない

リスニングでスコアが伸び悩む最後の原因は、過去問題集を使った対策ができていないことです。

前述の「原因と対策2」とも共通しますが、IELTSのリスニングの問題には独特の形式があります。これに慣れることがリスニングのスコアをアップするための一番重要な対策方法となります。ですので、もし過去問題集をまだ1冊しか解いていないという方は、最低でも4冊程度は解きましょう。

また、復習をして、繰り返しなんども解くことも重要です。わからなかった部分を「わかる」経験をたくさんすることで、英語力、IELTS対応力が上がります。同じ問題を解くのって、意味あるの?と聞かれる方がいますが、もちろんあります。当然ですが、知っている回答をそのまま記入しても意味はありません。練習とは、回答にたどり着くプロセスを覚えること、そして、英語理解を深めることです。解いたことのある問題でも、プロセスがわかっているか?そのプロセスに従って回答が導いたか?英語が聞き取れたのか?確認しながら練習してください。そして、なんとなくの理解で取れている問題を、確実な理解へと変えていきましょう。

公式過去問を使ったIELTSリスニングの対策法

IELTSリスニングの対策(練習方法)は、過去問を解くことがすべて、と言っても過言ではありません。基本的には他の教材を使う必要はありません。なぜかと言うとIELTSの問題には独特のスタイルがあり、IELTS対策としては、

  • IELTSのリスニングの問題形式に慣れること
  • IELTSのリスニングのスピーチのスタイルになれること
  • IELTSのリスニング試験の時間の使い方に慣れること

が非常に重要になるからです。全40問のなかで何問正解できるかでバンドスコアが決まりますので、目標スコアに合わせて正解問題数を上げていく練習をしましょう。

過去問題集は最新バージョン(Cambridge IELTS 14)まで出版されています。もちろん新しいバージョンは試験の最新の傾向が反映されていますので、これから勉強を始める方はCambridge IELTS 14から遡って入手していくと良いでしょう。一冊の本には4回分のテストが入っていますので、最低でも4冊(16テスト) をこなしIELTSのリスニング試験に慣れましょう。

BCCラジオや映画は?

そうは言っても、日常的にBBCのラジオを聴いたり映画を見たりすることが必要なんじゃないかと思う方もいるかもしれません。もちろんそういった練習も英語の上達には役立つかもしれませんが、試験の内容とはかけ離れているため即効性が全くありません。一般的な(ジェネラルな)英語力を高める練習と、IELTSのスコアを伸ばす練習は別に考えた方がいいでしょう。

リスニング対策としてのシャドウイングの効果

IELTSのリスニング対策として、シャドーイングを実践されている方も多いかもしれませんが、上級者を除いてあまり有効ではないと考えたほうがいいでしょう。

以下の記事でも紹介をしていますが、シャドーイングは同時通訳者などが練習する非常に高度な学習方法です。スピーキング対策としては有効な部分もありますが、リスニング対策としてはあまり効果が期待できないと考えておいた方がいいでしょう。

IELTSのリスニング対策におけるシャドーイングの効果については以下の記事も参考にしてみてください。

練習を3段階に分ける!予習・実践・復習のすすめ

IELTSの過去問題集を使った練習方法が難しいと感じている方に、おすすめの勉強方法があります。過去問が難しいと感じる方の多くは、おそらく途中で何を言っているのか分からなくなったり、何を聞いたらいいのか分からなくなったりしてしまうのだと思います。このような方は練習を、予習・実践・復習の3段階に分けてみてください。

予習

まずはじめに予習を行います。問題用紙をじっくりと読み、設問の内容を理解しましょう。試験ではゆっくり読む時間がありませんのでしっかりと理解ができないかもしれませんが、このように予習をしておくことで、自分が何を聞くべきなのかを把握しておくことができます。

予習には何分かけても構いません。もちろん分からない単語や表現などは辞書で調べておきましょう。予習をする際に気をつけるポイントは、以下の2点です。

  • 話しの場所(答えが出てくるポイント)のヒントとなるキーワード
  • 意味の要(かなめ)となる部分

です。 その上で自分は「何の情報を聞いたら良いのか?」を考えておきましょう。

実践

次に実践を行います。テスト形式で問題を解いていきます。問題が頭に入っているのでいきなりテストをやるよりも理解できる箇所が増えてくるのではないでしょうか。

復習

最後に、復習を行います。復習は特にリスニングに苦手意識のない方でも、積極的に行っていただきたい対策です。なぜなら、復習によって自分の英語力を飛躍的に上げることができるからです。ここでも何点か注意しておきたいポイントがあります。

  • キーワードがしっかりと聞けて、スピーチについていけているかどうか
  • 聞き取るべき内容がはっきりしているかどうか、
  • 解答のかぎとなる部分が聞こえない場合は、繰り返し聴く
  • スクリプトを見ながら実際に何と言っているのか確認して発音に慣れる

ただし、復習にかける時間は最大でも1時間程度にしておきましょう。あまり根を詰めてやり過ぎると逆に効率が悪くなってしまいます。1回の復習で完璧を目指すよりも、何度も繰り返し解いてその都度復習をするほうが効果的な対策となります。

IELTSのリスニング対策のまとめ

いかがでしたでしょうか。普段、なんとなく問題を解いて答え合わせをして終わりにしている方は、スコアが伸び悩む原因と対策を確認しながら、上記の方法を試してみてください。

  • 問題の先読みスキルをあげる
  • 問題のタイプ別に対策をする
  • 公式過去問を使った対策をする(予習・実践・復習)

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