IELTSのスピーキング試験で緊張しないためには?

IELTSのスピーキング試験は、試験官と1:1の対面で行われます。パート1からパート3まで、おおよそ12〜14分の試験です。緊張してしまってうまく話せなかった、、、緊張が和らいできた頃には試験が終わっていた、、、という方も多いかと思います。IELTSのスピーキング試験で緊張しないための方法について、PlusOnePointのIELTS専門講師であり医師でもあるHibiki先生にお話をいただきます。

ちょっと医学的な話

人前で話すことにまったく緊張をしない人はいないと思います。
誰でも緊張しますよね・・・。

しかしそれは特別なことではないのです。
なぜなら、それは人間にもともと備わっている正常な機能だからです。

人間も元を正せば動物です。
動物は、厳しい自然界で生き残るためには敵から身を守る必要があります。
そのためには、得体の知れないものに対して警戒をしなければ生き残れないのです。

緊張は医学的には交感神経優位な状態です。

動物の体の中では、交感神経と副交感神経という二つがバランスを取っています。
この2つのことを自律神経と言います。

自律神経は、体の様々な臓器(心臓、胃腸、呼吸器など)の動きを調整するしています。
よく「自律神経失調症」などと言われるのはこれらのバランスが乱れている状態ですね。

交感神経と副交感神経は全く逆のことをします。

交感神経は緊張系、副交感神経はリラックス系です。

例えば、敵が襲ってくるかもしれないという状況ではリラックスしていては困りますよね。
そのような状況では交感神経が優位になって
いつでも敵に対応できるように体が準備を始めるわけです。

心拍数が早くなるのは体にたくさん血液を送って筋肉がいつでも動けるようにしておくためです。

一方、敵が襲ってくる危険がなく仲間とゆっくり休むような状況では、
副交感神経が優位になります。

人はなぜ緊張するのか?

話を戻して、人前で話すときに緊張するのはなぜでしょうか?

もうお分かりですよね。

人は、相手に対して警戒をしている場合に緊張するのです。

たとえば、スピーキングの試験では「試験官」という、
名前からも警戒したくなるような人(かつ初対面の人)と1:1で母国語以外の言葉で話すわけです。

それは、緊張しない方が不思議です。
もしそれでリラックスできるのであれば、動物として逆に警戒心がゆるすぎかもしれませんね(笑)。

まずは、緊張するのが当然の体の反応だということを知っておきましょう。
この知識はのちに役立ちます。

緊張を克服するための2つの方法

では、緊張をなくす方法はないかというと、そうではありません。
以下の2つの方法を実践することで、どなたでも緊張を和らげることができます。

緊張を克服するための方法①:相手を知る

まずは相手のことを知ることです。
「よく」知ることです。

試験官は、確かに私たちのスピーキングのスコアをつける役割をしています。
しかし、決して私たちを裁こうとしているわけではありませんし、
できなかったからといって非難してくるわけでもありません。
ましてや襲いかかってくるわけではありません。

確かにあまり表情を変えない試験官もいます。
しかし、それは彼らが無感情なわけでもなく怒ってるわけでもありません。

IELTSの試験官は、表情で受験生に意思を伝えてはいけないことになっているからです。
つまり、彼らは彼らの仕事をしているだけなのです。

もう一つ、知っておいていただきたいこと。

それは試験官は実は我々の味方であるということです。
これまで多くの試験官(もしくは元試験官)の方とお話をしましたが、
誰一人として受験生になるべく厳しくしよう、などとは思っていません。

むしろ、どうしたらこの受験生になるべくいいスコアを取ってもらえるだろうと考えながら質問をしています。

もちろん、彼らも仕事ですから採点基準に合わないようなスコアをつけることはできませんが、
可能な範囲で「協力」してくれているのです。

中には、身振り手振りでガイドしてくれる試験官もいます。

このように、試験官は私たちの敵でなく、むしろ「味方」であるということを
しっかり理解しておきましょう。

なんとなく思っているだけでは体が反応をしてしまいますので、
心の底からそう思えるようになりましょう。

緊張を克服するための方法②:成功体験を積む

緊張を克服するためのもう一つの方法は、成功体験を積むことです。

緊張はすぐには無くならないかもしれませんが、
色々方法を試しているうちに、
「前回よりは緊張しなかった」
「あまり緊張しなくなってきた」
と感じることがあります。

それが成功体験です。

これを積み重ねていくことで、
「話すのが楽しくなってきた」
と感じるようになります。

そうなればシメたものですね!

willingness to speak at length(話したい意欲を感じる)
speak at length without noticeable effort(英語を話すのに努力を感じさせない)

というのが採点基準にあるように、IELTSのスピーキングでは
英語に不自由さがどの程度あるかを評価の対象の一つにしています。

そのためには、場数を踏むことが重要です。
どんな人であっても100回、200回と練習していくうちに緊張の度合いも減ってきます。

しっかり成功体験を積んで、緊張を克服しましょう!

投稿者: Hibiki先生

PlusOnePoint代表。大阪大学医学部卒業。日本では医師(麻酔科医)として活躍。2012年よりオーストラリア在住。IELTS 最高スコア8.5 (科目別最高スコア:リスニング8.5、リーディング9.0、ライティング8.0、スピーキング8.0)を保有。 2014年以降、5回連続で全科目7.0以上を達成。得意科目はライティング。