IELTSライティング・タスク2の問題タイプの中には、ある社会的な傾向や変化について、それがポジティブな発展なのか、ネガティブな発展なのかを問う問題があります。この問題タイプは、与えられた事実に対して客観的な分析と評価を行う力が求められます。
この記事では、「Is this a positive or negative development?」というタイプの問題の理解、効果的なエッセイ構成、回答の際の注意点まで、実例を交えて詳しく解説します。
developmentとは?
「Is this a positive or negative development?」タイプの問題は、社会的な傾向や変化について、それが社会にとって良い発展なのか、悪い発展なのかを評価することを求められます。
まず「development」という単語の意味を確認しておきましょう。「development」は「発展」という意味ですが、「ポジティブな発展」「ネガティブな発展」と訳したところでピンときませんよね。そこで「社会として」「国として」というような表現を補ってみると、「発展」の意味が見えてきます。
多くの場合、この質問の前提にある「背景」には何らかの最近の傾向が示されています。つまり、このdevelopmentは「(社会としての)傾向」と捉えることができます。
- developmentの捉え方
- development = 社会的な変化や傾向
- a positive development = 社会にとって好ましい傾向
- a negative development = 社会にとって好ましくない傾向
例えば、「結婚式がより高価になっている」という傾向が提示された場合、これが個人的にどうかではなく、社会にとって良い変化(傾向)なのか、悪い変化(傾向)なのかを評価することになります。
基本的なインストラクション
「Is this a positive or negative development?」タイプの問題には、大きく分けて2つのインストラクションのパターンがあります。それぞれのパターンを理解することで、何を書くべきかが明確になります。
パターン1: ポジティブ・ネガティブのみを問う場合
最もシンプルな形で、傾向に対してポジティブかネガティブかのみを問うパターンです。
- ポジティブ・ネガティブのみを問うタスクの例
- In many countries, people are moving away from rural areas and towards urban areas. Is this a positive or negative development?
- 多くの国で、人々は農村地域から都市部へと移動しています。これはポジティブな発展でしょうか、それともネガティブな発展でしょうか。
パターン2: 原因とポジティブ・ネガティブを問う場合
傾向の原因を説明した上で、それがポジティブかネガティブかを問うパターンです。
- 原因とポジティブ・ネガティブを問うタスクの例
- Weddings are more expensive in many countries nowadays when compared to the past. What is the reason behind this? Is this a positive or negative development?
- 最近、多くの国で結婚式は過去と比べてより高価になっています。これにはどのような理由があるのでしょうか。これはポジティブな発展でしょうか、それともネガティブな発展でしょうか。
エッセイの構成パターン
「Is this a positive or negative development?」タイプの問題のエッセイ構成は、前述のインストラクションのタイプに応じて分けて考えておくといいでしょう。
パターン1: ポジティブ・ネガティブのみを問う場合
質問が「Is this a positive or negative development?」のみの場合、さらに2つのアプローチが考えられます。
- 1つの質問の場合の主なアプローチ
- ワンサイドアプローチ: 完全にポジティブ、または完全にネガティブと主張する
- 両サイドアプローチ: ポジティブとネガティブの両面を検討する
パターン2: 原因とポジティブ・ネガティブを問う場合
「原因」や「影響」など、他の要素と組み合わせて問われる場合は、それぞれの質問に対して段落を作るのがセオリーです。
- 2つの質問の場合の基本構成
- Body 1: 1つめの質問に答える(原因・影響など)
- Body 2: 2つめの質問に答える(ポジティブ/ネガティブの判断)
ワンサイドで議論する方法
ワンサイドで議論する方法は、すべてのボディを通して自分のポジションを展開する方法です。例えば、「ポジティブな傾向である」というポジションであれば、「ネガティブな傾向である」と考える人の意見については論じません。
基本構成
- ワンサイドで議論するエッセイの構成
- Introduction: 自分のポジションを明確に示す
- Body 1: 1つめの理由を展開する
- Body 2: 2つめの理由を展開する
- Conclusion: ポジションを再確認する
ワンサイドで議論する場合、2つの独立したアイデアが必要になります。それぞれのボディ段落で異なる角度から自分のポジションを支持する理由を展開します。
- ワンサイドアプローチの例
- ポジション: 都市部への移住はネガティブな発展である
- Body 1: ネガティブな発展である理由は、農村地域の経済が衰退するから。
- Body 2: ネガティブな発展であるもう一つの理由は、都市部の過密化によって都市の生活の質の低下するから。
ワンサイドのメリット・デメリット
- ワンサイドのメリット
- ポジションが明確で、一貫性を保ちやすい
- ワンサイドのデメリット
- 複数の観点からの分析が必要
両サイドで議論する方法
両サイドで議論する方法は、ポジティブな面とネガティブな面の両方を検討するアプローチです。この方法では、バランスの取れた視点を示すことができます。
基本構成
- 両サイドで議論するエッセイの構成
- Introduction: 両面があることを示す
- Body 1: ポジティブな面を論じる
- Body 2: ネガティブな面を論じる
- Conclusion: 全体的な判断を示す
両方を論じる際の注意点
両サイドで議論する場合でも、最終的にはどちらがより重要か、またそれはなぜか、という判断を示すことが必要です。
- 両サイドで議論するエッセイの構成例
- Body 1: 都市部への移住のポジティブな面(経済的機会、教育へのアクセス)
- Body 2: 都市部への移住のネガティブな面(農村の衰退、都市の過密化)
- Conclusion: ネガティブな面がポジティブな面を上回ると結論づける
両サイドのメリット・デメリット
- 両サイドのメリット
- アイデアを考えやすい
- バランスの取れた分析を示せる
- 両サイドのデメリット
- 比較が必要になる
- 首尾一貫性を保ちにくい
2つの質問がある場合の構成
「Is this a positive or negative development?」タイプの問題では、「原因」や「影響」など、他の要素と組み合わせて問われることがあります。このような場合は、それぞれの質問に対して段落を作るのがセオリーです。
原因 + ポジティブ・ネガティブの場合
- 原因 + ポジティブ・ネガティブの構成
- Introduction: エッセイの方向性を示す
- Body 1: 傾向の原因を説明する
- Body 2: ポジティブ/ネガティブの判断とその理由を述べる
- Conclusion: メインアイデアをまとめる
タスク例
- 2つの質問の例
- Weddings are more expensive in many countries nowadays when compared to the past. What is the reason behind this? Is this a positive or negative development?
- 最近、多くの国で結婚式は過去と比べてより高価になっています。これにはどのような理由があるのでしょうか。これはポジティブな発展でしょうか、それともネガティブな発展でしょうか。
エッセイ例の構成
- 2つの質問に答える構成例
- Body 1: 結婚式が高価になっている理由(ソーシャルメディアの影響、商業化など)
- Body 2: これがネガティブな発展である理由(経済的負担、本質的な価値観の喪失など)
2つの質問がある場合、ポジティブ・ネガティブの議論が1つの段落になることが多いため、ポジティブ・ネガティブの両方を考察すると十分な議論ができない場合があります。その場合には、ワンサイドの議論を選択する方がいいでしょう。
- 2つの質問がある場合の注意点
- それぞれの質問に対して十分な議論をする
- 理想的には各ボディで1つずつ応える
- ポジティブ・ネガティブの両方を考察する必要はない
まとめ
「Is this a positive or negative development?」タイプの問題は、IELTSライティング・タスク2で頻出する重要な問題タイプです。与えられた社会的傾向について客観的に分析し、論理的に評価する力が求められます。
- まとめ
- 「development」は「社会的な傾向」として理解する
- 質問が1つか2つかを確認し、適切な構成を選ぶ
- ワンサイドまたは両サイドのアプローチから選択する
- 2つの質問がある場合は、それぞれに段落を作る
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この記事を書いた人
Hibiki Takahashi
日本語で学ぶIELTS対策専門スクール 『PlusOnePoint(プラスワンポイント)』創設者・代表。『英語ライティングの鬼100則』(明日香出版社)著者。1997年に大阪大学医学部を卒業後、麻酔科専門医として活躍。2012年渡豪時に自身が苦労をした経験から、日本人を対象に IELTS対策のサービスを複数展開。難しい文法・語彙を駆使するのではなく、シンプルな表現とアイデアで論理性・明瞭性のあるライティングを指導している。これまでの利用者は4,500名を超え、Twitterで実施した「12週間チャレンジ」では、わずか4週間で7.0、7週間で7.5など、参加者4名全員が短期間でライティングスコア7.0以上を達成(うち2名は7.5を達成)。「IELTSライティングの鬼」の異名を持つ。オーストラリア在住14年、IELTS 8.5(ライティング 8.0)、CEFR C2。
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