learnとlearn aboutは、どちらも「学ぶ」という意味を持ちますが、学習の深さと対象が大きく異なります。この記事では、両者の使い分けを具体例とともに詳しく解説します。IELTSライティングで正確な語彙を使用するために、この違いをしっかり理解しましょう。
基本的な意味の違い
learnとlearn aboutは、どちらも学習に関する表現ですが、最も重要な違いは体系的に学ぶのか、特定のトピックについて知るのかという学習の範囲です。
- 基本的な意味
- learn: 〜を習得する、〜を体系的に学ぶ(スキル、科目、言語)
- learn about: 〜について学ぶ、〜の情報を得る(特定のトピックや事柄)
learnは、言語、楽器、スポーツ、科目など、体系的に学習して習得するものが目的語になります。学習の結果として「できるようになる」または「その分野の知識を身につける」ことを強調します。
一方、learn aboutは、特定の出来事、人物、事実など、あるトピックに関する情報や知識を得るというニュアンスを持ち、部分的な理解や情報収集に焦点を当てています。
使い分けのポイント
両者を使い分ける際の最も重要なポイントは、体系的・包括的に学ぶのか、特定のトピックについて知るのかです。
- 使い分けの判断基準
- learn:言語、スキル、技能の習得、科目全体の学習、to不定詞(〜する方法)
- learn about:特定の歴史的出来事、人物、概念、部分的なトピック、情報を得る行為
記憶のヒント
learnは「その分野全体を学ぶ」という包括性を表します。"learn science"(科学という科目を学ぶ)のように、体系的な学習を意味します。
learn aboutは「〜について知る」という部分性を表します。"learned about photosynthesis"(光合成について学んだ)のように、特定のトピックについての学習を意味します。
具体例で理解する
- learnの使用例
- Children learn a second language more easily than adults.
- 子どもは大人よりも容易に第二言語を習得します。
この文では、言語という体系全体を習得するため、learnを使います。言語全体を「使えるようになる」という包括的な習得を表しています。
- learn aboutの使用例
- Students learn about different cultures through exchange programs.
- 学生は交換留学プログラムを通じて、異なる文化について学びます。
こちらは、文化というトピックについての情報を得るという意味です。文化全体を「習得する」のではなく、部分的に「知る」という学習なので、learn aboutを使います。
その他の使用例
- learnの使用例
- She learned to play the piano at the age of five.
- 彼女は5歳でピアノを弾けるようになりました。
- Students need to learn practical skills for the workplace.
- 学生は職場で使える実践的なスキルを習得する必要があります。
- He is learning programming to advance his career.
- 彼はキャリアアップのためにプログラミングを学んでいます。
- learn aboutの使用例
- We learned about climate change in our science class.
- 私たちは理科の授業で気候変動について学びました。
- Many people want to learn about their family history.
- 多くの人が自分の家族の歴史について知りたいと思っています。
- The documentary helps viewers learn about wildlife conservation.
- そのドキュメンタリーは視聴者が野生動物保護について学ぶのを助けます。
科目名での使い分け
科目名を使う場合、learnとlearn aboutの使い分けは特に重要です。科目全体を学ぶのか、その科目内の特定のトピックについて学ぶのかで使い分けます。
learn + 科目名
learn science、learn historyのように、科目名を直接使う場合は、その科目を体系的に学ぶという意味になります。カリキュラムの一部として、その科目全体を学習することを表します。
- learn + 科目名の使用例
- Students learn science from elementary school.
- 学生は小学校から理科を学びます。
- I learned history and geography in high school.
- 私は高校で歴史と地理を学びました。
- Many children learn mathematics through practical activities.
- 多くの子どもは実践的な活動を通じて算数を学びます。
learn about + 科目内のトピック
learn about historyのように、aboutを使う場合は、その科目内の特定のトピックや出来事について学ぶという意味になります。科目全体ではなく、部分的な学習を表します。
- learn about + トピックの使用例
- In history class, we learned about the Industrial Revolution.
- 歴史の授業で、私たちは産業革命について学びました。
- Students learn about photosynthesis in biology.
- 学生は生物学で光合成について学びます。
- We learned about World War II and its impact on society.
- 私たちは第二次世界大戦とその社会への影響について学びました。
文脈による使い分け
同じ科目でも、学習の範囲によって使い分けることができます。
- 比較例:history
- Learn history: Students learn history as part of their curriculum.
- 学生はカリキュラムの一部として歴史を学びます。
- (歴史という科目全体を体系的に学ぶ)
- Learn about history: I want to learn about the history of ancient Egypt.
- 私は古代エジプトの歴史について学びたいです。
- (歴史の中の特定のトピック・時代について学ぶ)
- 比較例:science
- Learn science: Children begin to learn science in primary school.
- 子どもは小学校で理科を学び始めます。
- (理科という科目全体を学ぶ)
- Learn about science: The program helps students learn about environmental science.
- そのプログラムは学生が環境科学について学ぶのを助けます。
- (理科の中の特定の分野について学ぶ)
- 比較例:medicine
- Learn medicine: Medical students learn medicine for six years.
- 医学生は6年間医学を学びます。
- (医学という学問全体を学ぶ)
- Learn about medicine: We learned about traditional Chinese medicine in our cultural studies class.
- 私たちは文化研究の授業で中国伝統医学について学びました。
- (医学の中の特定の分野について学ぶ)
理解度チェッククイズ
以下の文で、learnとlearn aboutのどちらが適切か選んでください。
- 問題1
- Many people _____ a musical instrument as a hobby.
- 多くの人が趣味として楽器を___います。
- 問題2
- Students _____ mathematics from an early age.
- 学生は幼少期から算数___ます。
- 問題3
- In our class, we _____ the French Revolution.
- 私たちの授業で、フランス革命___ました。
- 問題4
- The workshop will help participants _____ effective communication strategies.
- そのワークショップは参加者が効果的なコミュニケーション戦略___のを助けます。
- 問題5
- I _____ biology in high school and found it fascinating.
- 私は高校で生物___、とても興味深いと思いました。
- 問題6
- The documentary helped me _____ renewable energy sources.
- そのドキュメンタリーは再生可能エネルギー源___のに役立ちました。
- 問題7
- Children _____ social skills through interaction with peers.
- 子どもは仲間との交流を通じて社会的スキル___ます。
- 問題8
- Students _____ the causes of World War I in their history lesson.
- 学生は歴史の授業で第一次世界大戦の原因___ました。
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この記事を書いた人
Hibiki Takahashi
日本語で学ぶIELTS対策専門スクール 『PlusOnePoint(プラスワンポイント)』創設者・代表。『英語ライティングの鬼100則』(明日香出版社)著者。1997年に大阪大学医学部を卒業後、麻酔科専門医として活躍。2012年渡豪時に自身が苦労をした経験から、日本人を対象に IELTS対策のサービスを複数展開。難しい文法・語彙を駆使するのではなく、シンプルな表現とアイデアで論理性・明瞭性のあるライティングを指導している。これまでの利用者は4,000名を超え、Twitterで実施した「12週間チャレンジ」では、わずか4週間で7.0、7週間で7.5など、参加者4名全員が短期間でライティングスコア7.0以上を達成(うち2名は7.5を達成)。「IELTSライティングの鬼」の異名を持つ。オーストラリア在住13年、IELTS 8.5(ライティング 8.0)、CEFR C2。
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