IELTS対策専門学校 プラスワンポイント
代表Hibikiの本音トーク

#2 海外の大学に留学するのは語学向上のため?

海外の大学や大学院への進学を夢見てIELTSの勉強をしている人も多いと思います。そのような人は、なぜ自分が海外の大学や大学院で勉強をしようと考えているかを考えてみてください。もしそのような状況でない人も、海外の大学や大学院で勉強をする自分を想像してみてください。

おそらく多くの人が「自分のスキルアップのため」「将来のキャリアの選択肢を広げるため」といった目的を思い描いたと思います。しかし、これがIELTSライティングの問題になるとなぜか違う見え方がしてしまうようです。

先週の「エッセイチャレンジ」「ライティングサミット」「マイエッセイ」で共通の課題タスクとなっていた問題では、「海外の大学で学ぶことの利点」を回答していただきました。提出をいただいたエッセイを拝見すると、非常に多くの方が「語学の向上」を第一の利点に挙げておられました。確かに、海外での学びは語学力の向上に大いに寄与します。しかし、先ほど皆さんに考えていただいたように、多くの場合、それが本来の目的ではありません。数百万円というお金を払って、数年という貴重な時間を使って、語学を上達させるために海外の大学や大学院で勉強するのでしょうか。冷静に考えると、それは少なくとも第一目的ではないと思えるでしょう。

このように冷静に考えれば明らかなことですが、実際の問題を解くときになると異なるアイデアを用いてしまう現象はなぜ起こるのでしょうか。その背景には様々な理由がありますが、主な理由としては、タスクの本質(今回の場合は留学の本来の目的)を深く理解していないことが挙げられます。その結果、本来の目的よりも、それに付随する、言わば「副産物的な結果」(この場合は語学力の向上)を、本来の目的かのように誤解してしまうのです。つまり、海外の大学で学ぶ自分を想像した時、英語が上達した姿を想像し、本来考慮すべき留学の目的を十分には考慮せずにアイデアとして採用してしまいます。

確かに、IELTSのエッセイではアイデアの良し悪しは問われません。しかし、説得力のある回答に仕上げることができるかどうかは別問題です。今回のようなアイデアであってもエッセイを書くことはできますが、読み手(試験官)を説得するような内容を考える必要があります。エッセイを書き始める前に少し立ち止まって、タスクの本質を考えるようにしてみましょう。

この記事を書いたIELTS講師

Hibiki TAKAHASHI

日本語で学ぶIELTS対策専門スクール 『PlusOnePoint(プラスワンポイント)』創設者・代表。『英語ライティングの鬼100則』(明日香出版社)著者。1997年に大阪大学医学部を卒業後、麻酔科専門医として活躍。2012年渡豪時に自身が苦労をした経験から、日本人を対象に IELTS対策のサービスを複数展開。難しい文法・語彙を駆使するのではなく、シンプルな表現とアイデアで論理性・明瞭性のあるライティングを指導している。これまでの利用者は2,500名を超え、Twitterで実施した「12週間チャレンジ」では、わずか4週間で7.0、7週間で7.5など、参加者4名全員が短期間でライティングスコア7.0以上を達成(うち2名は7.5を達成)。「IELTSライティングの鬼」の異名を持つ。オーストラリア在住10年、IELTS 8.5(ライティング 8.0)、CEFR C2。

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