IELTS対策専門学校 プラスワンポイント
代表Hibikiの本音トーク

#4 アイデアの暗記からアイデアの考案へ

「アイデアが思いつかない」「何を答えたらいいかわからない」「考えるのがしんどい」...ライティングの問題を解く時に多くの人が直面するこれらの悩みは、急速にデジタル化が進む現代社会において、「ゆっくり考える」という習慣が失われつつあることが一因かもしれません。デジタルツールは便利ですが、同時に私たちの思考プロセスを加速させ、表面的な理解にとどまりがちにしています。

多くの人はそれぞれのタスクに対して事前にアイデアを暗記しようと努力しますが、IELTSのライティングで出題されるテーマは多岐にわたり、環境問題だけを取っても「空気汚染」「観光地のゴミ問題」など、様々なアングルから問題が提示されます。こうした幅広い問題に一つ一つ具体的なアイデアを暗記することは現実的ではなく、また問題を少し変えられるだけで対応ができなくなるなど、非効率的でもあります。

そこでお勧めしたいのは、どんな問題にも対応できるように「いつでもその場でアイデアを生み出せるようになる方法」を身につけることです。「それができれば苦労はしない」と反論されそうですが、「アイデアを暗記する」という考え方から「アイデアを考案する」という考え方にスイッチをすることで誰でもできるようになります。もちろん、このようなスキルを習得するにはある程度の訓練が必要ですが、どのような問題にも柔軟に対応できるメインアイデアをその場で作り出せるようになることが、試験で安定して高得点を取るための鍵となります。

まずは、取り組む問題をいくつか選び、じっくりとアイデアを考えることから始めましょう。理想的には、このプロセスを通じて出てきたアイデアが「妥当かどうか」を誰かにチェックしてもらうといいですが、できない場合には自分であとで分析をしてみるのでもいいでしょう。そして、生み出されたアイデアを「このテーマに対して使うアイデア」として覚えるのではなく、そのアイデアを生み出すに至ったプロセスをしっかり分析し、どのような理由で他のアイデアを捨て、どのような根拠でそのアイデアを最終的なメインアイデアとして導き出したのかをしっかり時間をかけて理解します。

この分析がとても重要で、やがてどのような問題が出題されても同じような手法でアイデアを自分で導き出せるようになります。コツを掴んだら、このプロセスをさまざまなタスクに対して繰り返し練習しましょう。アイデアを暗記するのではなく、アイデアを生み出す力を養うことで、ライティングのスキルは格段に向上し、安定して高いスコアを狙えるようになるでしょう。

この記事を書いたIELTS講師

Hibiki TAKAHASHI

日本語で学ぶIELTS対策専門スクール 『PlusOnePoint(プラスワンポイント)』創設者・代表。『英語ライティングの鬼100則』(明日香出版社)著者。1997年に大阪大学医学部を卒業後、麻酔科専門医として活躍。2012年渡豪時に自身が苦労をした経験から、日本人を対象に IELTS対策のサービスを複数展開。難しい文法・語彙を駆使するのではなく、シンプルな表現とアイデアで論理性・明瞭性のあるライティングを指導している。これまでの利用者は2,500名を超え、Twitterで実施した「12週間チャレンジ」では、わずか4週間で7.0、7週間で7.5など、参加者4名全員が短期間でライティングスコア7.0以上を達成(うち2名は7.5を達成)。「IELTSライティングの鬼」の異名を持つ。オーストラリア在住10年、IELTS 8.5(ライティング 8.0)、CEFR C2。

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