IELTS対策専門学校 プラスワンポイント
代表Hibikiの本音トーク

#10 なぜ私たちは問題を読み違えてしまうのか?

私たちはライティングのエッセイを書く際に、問題を正しく理解し、それに基づいて回答を書く必要があります。しかし、時として全く異なる答えを書いてしまい、誰かから指摘されるまでその誤りに気づかないことがあります。一度でもこのようなミスを経験すれば、今後は慎重になってタスクを一語一句注意深く読むはずなのですが、それでも誤った回答をしてしまうことがあります。私たちはなぜこのようなミスを繰り返すのでしょうか?

勘の鋭い方はもう答えがわかっているかもしれませんが、この現象は「確証バイアス(confirmation bias)」と言われる現象です。「確証バイアス」とは、自分がすでに持っている考えや理解をサポートするような情報に注意が向いてしまい、否定するような情報を無視または軽視してしまう傾向のことです。例えば、投資などにおいて自分が保有している株に都合の良い情報ばかりに目が入ってしまい、ネガティブなニュースからは目を背けてしまうような現象です。この確証バイアスのために、一度自分なりの解釈が固まってしまうと、正しい解釈に気づきにくくなるのです。タスクを再度確認しているにも関わらず、自分の最初の理解に支配されてしまって、誤りに気づきにくくなってしまうのです。

では、このような確証バイアスを排除して、タスクを見直した際に間違いに気づくためにはどうすれば良いのでしょうか?僕のおすすめの方法の一つは、自分の理解に疑問を持つことです。「(自分の過去の経験から)きっと何か間違っているはず」という疑いの目を常に持ち、「今回は何を間違えているのか」というくらいの気持ちで確認することが重要です。

最初のうちは、自分の先入観を取り除いて客観的にタスクを理解することは難しいかもしれませんが、ある程度練習をすることで「確証バイアス」に打ち勝てるようになります。せっかくタスクを見直すのであれば、間違いに気づけるようになりたいですね。

この記事を書いたIELTS講師

Hibiki TAKAHASHI

日本語で学ぶIELTS対策専門スクール 『PlusOnePoint(プラスワンポイント)』創設者・代表。『英語ライティングの鬼100則』(明日香出版社)著者。1997年に大阪大学医学部を卒業後、麻酔科専門医として活躍。2012年渡豪時に自身が苦労をした経験から、日本人を対象に IELTS対策のサービスを複数展開。難しい文法・語彙を駆使するのではなく、シンプルな表現とアイデアで論理性・明瞭性のあるライティングを指導している。これまでの利用者は2,500名を超え、Twitterで実施した「12週間チャレンジ」では、わずか4週間で7.0、7週間で7.5など、参加者4名全員が短期間でライティングスコア7.0以上を達成(うち2名は7.5を達成)。「IELTSライティングの鬼」の異名を持つ。オーストラリア在住10年、IELTS 8.5(ライティング 8.0)、CEFR C2。

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