IELTS対策専門学校 プラスワンポイント
代表Hibikiの本音トーク

#13 定型文は自分の成長とともに変えていこう

IELTSのライティングではいわゆるテンプレート的な書き方は良くないとされています。完全な丸暗記と思われる回答は、Band 0(writes a totally memorised response)と判断されることもあります。しかし、これからIELTSのライティングの勉強を始める人にとっては250語以上のエッセイを書くことは簡単なことではありません。やはり最初はある程度、「型」を覚えて、それを徐々に自分なりにアレンジして使っていくという人が多いのではないでしょうか。

テンプレート、パターン、定型文などいろいろな呼び方がありますが、ここでは「定型文」と呼ぶことにしましょう。では、定型文が悪いのかというと、必ずしもそうではありません。むしろIELTSの学習を始めてからしばらくの間は定型文を使って書くことが推奨されます。これは定型文を使うことで、エッセイの形を整えやすくなり、アイデアのほうに集中しやすくなります。また一定の語数を定型文で稼ぐことができますので、エッセイ全体を速く書きあげることができます。スコアで言うと、おおよそ5.5(からギリギリ6.0)あたりのスコアが取れるまではこの方法をうまく活用するといいでしょう。

しかし、いつまでも定型文に頼った書き方をしているとライティングは向上しません。最初の頃に使っている定型文はいわば自転車の補助輪のような役割ですので、自転車に乗れるようになったら補助輪を外した方がむしろ自然な走りができるようになるのです。自分のライティングスキルの向上とともに、定型文の利用方法を徐々に変えていくことが大切ですね。5.5レベルのエッセイが書けるようになったら定型文の使い方を少しずつ変えていきましょう。

具体的には、定型文として使っているフレーズをより細かく分けて、状況に応じて使い分けられるようにしていきましょう。例えば、イントロダクションの最初の一文が毎回同じになってしまっている人は、定型文の中でさらに細かいパーツに分けて使うにしてみましょう。

6.5レベルを超えてきたら、覚えているフレーズをより正確に使えるようにしていきましょう。微妙なニュアンスの違いや適切な時制などを辞書で調べていくことが大切です。ライティング上級者の方であっても定型文(フレーズ)なしにエッセイを書ける人はほとんどいません。上級者であっても定型フレーズを多用しているのです。ただ、上級者の方は、定型化しているフレーズの長さが短くなり、バリエーションも増え、正確性も上がるので、とても自然に使っているように見えるのですね。

この記事を書いたIELTS講師

Hibiki TAKAHASHI

日本語で学ぶIELTS対策専門スクール 『PlusOnePoint(プラスワンポイント)』創設者・代表。『英語ライティングの鬼100則』(明日香出版社)著者。1997年に大阪大学医学部を卒業後、麻酔科専門医として活躍。2012年渡豪時に自身が苦労をした経験から、日本人を対象に IELTS対策のサービスを複数展開。難しい文法・語彙を駆使するのではなく、シンプルな表現とアイデアで論理性・明瞭性のあるライティングを指導している。これまでの利用者は2,500名を超え、Twitterで実施した「12週間チャレンジ」では、わずか4週間で7.0、7週間で7.5など、参加者4名全員が短期間でライティングスコア7.0以上を達成(うち2名は7.5を達成)。「IELTSライティングの鬼」の異名を持つ。オーストラリア在住10年、IELTS 8.5(ライティング 8.0)、CEFR C2。

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