ニュースレター過去配信 リーディングで時間が足りない!本当の原因と解決策!

配信日:2024年11月27日

「読むのが遅くて、いつも最後まで解けません」

「時間がなくて焦ってしまって、うまく頭に入ってこないんです」

このように、リーディングで困っている方、多いんですよね><

IELTSのリーディング試験では、60分で40問の設問の解答を探さなければなりません。アカデミックなら約900ワードの長文パッセージが3つ、ジェネラルなら500ワード程度の短い文章が4つと、1000ワード程度の長文が1つ。

なかなかのボリュームです。これをしっかり理解して問題を解きながら読むとなると相当時間がかかりそうですよね?

実際、6.5くらいまでのスキルの方でもギリギリ終わるくらいの時間の使い方になるようです。6.0が取れるか取れないかくらいだと、あまり読まずに飛ばしている箇所もある、という状況ですね。

しかし、本当に、「読むこと」にそんなに時間を使っているのでしょうか?

自分の試験中の行動を思い出してみてください。

何度も同じところを読んでいませんか?

特定の設問で苦戦して、考え込んでいませんか?

行ったり来たり、なかなか見つからない解答を探していませんか?

そうです、テストの問題を解くことをしながらパッセージを読んでいるので、読むこと自体が遅いと誤解しがちなのですが、実際にはさまざまなことに時間を費やしてしまっています。

「解くのに時間がかかる」というのはそのとおりなのですが、果たしてそれは、「読むスピードが遅いから」なのでしょうか?

今日はこの点について、もう少し深掘りしてみたいと思います^^

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文章を読む作業と、その内容を理解する、つまり、脳が情報を処理する作業は、同一ではありません。

みなさんもきっと感じているとおりですね^^

日本語の本を読んでいても、時々、あれ、何の話しだっけ?と、数秒前に読んだ内容が頭に入っていないなんて事ありますよね?

集中していなかったとか、他の考え事してたとか、何かしら理由はあるかもしれませんが、それでも、その文面は読んでいたはずです。

つまり、文字を追っているだけの時がある、ということです。

英語を読む時なんかは、尚更それが起こりやすいでしょう。知らない単語があったり、1文が長過ぎてうまく意味が取れない、というだけでなく、脳が言葉を情報として処理する時間が母国語と第二習得言語ではまったく異なるのです。しかも、「できるだけ早く読まなくては」と思って読んでいるので、情報を処理する前にどんどん先を読み進めてしまう。

そんなことはないですか?

しかしこれを続けていると、読むスピードに理解のスピードが追いつかず、高い頻度で「あれ?今の段落何言ってたっけ?」となってしまうのです。

ただ文字を追っても、意味(情報)を取ることができなければ、IELTSの設問には解答できません。

このため、是非トライしてほしいのが、自分の読むスピードを、自分の理解のスピードにできるだけ合わせることです。理解しながら読むように意識する。または情報を得るために読む。ときどき、情報を処理するために少し待ってから進むイメージです。

そんなにゆっくり読んでいたら、それこそ最後まで読めないのでは。。。?

そう思うかもしれませんが、大丈夫です。かなりゆっくり目に読み上げてみても、1パッセージ読むのに20分かかることはないでしょう。また、後で紹介しますが、問題を解くのに、実際には全てを丁寧に読むわけではありません。ここで節約するべきなのは、無駄に読んでいる時間です。意味が入ってきていないのに読む時間です。焦っても余計に無駄な時間を使うことになる可能性が高いのであれば、最初からある程度丁寧に、理解しながら読んだ方が効率がよいのです。

もちろん、効率よく読む、素早く意味を取るための工夫もありますのでこの後紹介していきますね。

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さて、いくら早く読んだとしても、情報として頭に入っていないなら時間の無駄になってしまう!ということがわかりました。しかしそれでも、できるだけ読む時間を節約したい。なぜなら、難しい問題を解くためには、より詳しく精読して、解答を吟味する時間が必要だからですね。

手っ取り早く読む効率を上げる方法が、目的を持って読むことです。

先ほど、難しい問題を解くために精読の時間が必要と書きましたが、そうです、設問に関わる場所以外は「精読する」必要がありません。

設問と関係ない場所を何度も読んで時間を浪費していた。。。そんな記憶はありませんか?

どこを読んでも解答が見つからなくて、行ったり来たり彷徨って時間がなくなってしまったことはありませんか?

精読はしなくてよい場所がある、では何を目的として読むのでしょうか?

また、どのようにその場所を見分けるのでしょうか?

IELTSの問題を解くためには、基本的には2種類の目的を切り替えながら文章を読みます。それこそが、①解答根拠の場所を探す目的と、②解答根拠を確認する(精読)」目的です。このうち、じっくり時間をかけて何度も読み直すべきなのは、明らかに後者②ですね。もちろん、①ができて初めて②に取り掛かることができますので、①のスキルを高めて、より早くより確実に解答根拠の場所を見つけることができればよいわけです。

とりあえずざっと読んで、だいたいの内容がどこに書いてあるかを掴む(スキミングといいます)、みたいなことができるのは超上級者です。

時間を無駄に使いますので、あまりおすすめしません。

リーディングの効率を考えるなら、この場所に解答の答えがあるのかないのかサーチしながら読む(スキャニングといいます)ことを重視し、可能な限り素早く解答根拠の場所を探すことが重要なのです。

そしてこの目的のために、「解答がありそう」「解答がなさそう」だけを判断しながら読むことで、細かく理解できなくてもよい部分を見極め、あまり時間を費やさずに読み進めることができるわけです。

実際のテクニックは、レッスンで問題を見ながら聞いていただくとより理解しやすいのですが、ここでも押さえておくべき基本的なポイントを紹介しておきます。

キーワード

言わずと知れた場所を特定するための重要ワードですね。基本的にはその状況を説明している部分だけに登場する単語やフレーズに注目します。また、できるだけ2つ以上のキーワードをヒントに探すようにすると、確実に場所を特定しやすくなります。1つだけ探しても該当箇所が複数ある場合もありますからね。キーワードは言い換えが可能なものだと、読み進めながら反応しにくいこともありますので、2つ以上のキーワードを意識しておくと見逃しにくくなります。

問題の種類

設問は、問題の種類によって順番どおりに登場するものと、バラバラに登場するものがあります。メモや表の穴埋め問題、TRUE, FALSE or NOT GIVEN、選択問題(シングル)は基本的に順番どおりに登場しますね。この特徴を利用することで場所の特定はかなり楽になります。

人物のマッチングは、順番どおりに出てきたら簡単すぎてしまうのでもちろんバラバラに登場します。ただし、人物の名前は順番どおりに登場します。また、人物名は見つけやすいので、先に本文の名前をチェックしてから、設問のキーワードと合わせてみるとマッチングがしやすくなります。

ヘッドラインマッチングやインフォメーションマッチングなど、根拠の探しにくい問題ももちろんあります。しかしこれらの問題も特徴を踏まえて練習することで、「どこに登場する可能性があるのか」「何を探して、何を見つけたら反応すべきなのか」意識すべきポイントをある程度把握することができるようになります。

これが、①の、解答根拠の場所を探すスキルです。

このスキルが上達してくると、IELTSリーディングに本当の意味で「慣れた」と実感できるでしょう。

もちろん場所が探せたらOKではなく、正答を得るためには「精読して解答根拠の確認ができる」ための英語力が必要になりますが、それは英語理解の問題ですのでまた別の機会に触れることにしましょう。その前に、もうひとつ、スピードに関係する、鍛えておきたいスキルがあります。もう少しだけお付き合いください。

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IELTSはどのレベルの人も同じ問題を解く試験です、英検のようにレベルによって試験問題が変わるものではありません。当然、超難問が含まれていますし、なかには9.0取れる人を8.5に落とす問題もあります。

試験全体のパフォーマンスを上げるには、この、問題の難易度を見極めるスキルが重要になります。自分にとって、この設問は時間をかける価値がある問題なのか?

受講生さんの話を聞いていると、タイムマネージメント話が出て、よくこのようにおっしゃる方がいます。

「パッセージ1が難易度が低いから、15分で終わらせるよう時間配分をするようにしています」

「難易度の高いパッセージ3を捨てて、1と2に全振りしています」

「このタイプの問題は難しいから、いつも当てずっぽうで答えを入れています」

もちろん苦肉の策かもしれません。ただ、本当にそれで最大のパフォーマンスにつながる練習になるのか?

ここは、自分のスキルと、目標スコア(必要正答数)と、問題の難易度をすり合わせて、よく考えるべきところかなと、僕は思います。

個人差があるため一概にこうするべきという提案はできませんが、

例えば、比較的簡単な問題が含まれているパッセージ1を15分で急いで終わらせて、ちょっとした勘違いで、凡ミスで誤答になってしまったら。。。?

あるいは、難しそうだからと、全捨てにしてしまった最後のTRUE, FALSE or NOT GIVEN問題の中に、冒頭ちょっと読んで30秒考えたら分かるサービス問題が含まれていたら。。。?

もったいなくないですか?

試験において最大のパフォーマンスを出す、というのは、英語力よりもこういうスキルを上げることだと思います。もったいない失点をしないスキルです。

「これは、自分の今の英語力では仕方なかった」

「このひっかけは意地悪すぎだ」

以外の問題をしっかり取ることができていることです。

IELTSリーディングの効率的な解き方というのは、このようなスキルが大きく関係しているのです。ここを意識して練習することで、きっと掴めるものが変わってくると思います。

「ははあ、そうきたか(ニヤリ)」なんて、IELTSとの勝負を楽しむ日が来るかもしれません。。。(一部を除いて、だれもそこまでは望んでいませんかね^^;)

やり方がわかれば、解ける問題が増えます。正答数が増えれば理解できる範囲が広がります。理解できることが増えたら、今よりもずっと、楽しい挑戦になってくることは間違いありません!

ぜひ楽しんで挑戦していきましょう!

今回もここまで読んでくださりありがとうございました!

みなさんのIELTSへの挑戦を応援しています!

Rui

この記事を書いた人

Rui Atsue

プラスワンポイントの創業メンバーであるMika先生とともに、日々IELTS対策記事や動画の制作に力を入れています。最新のトレンドや効果的な学習法を読者にわかりやすく伝えることを心掛け、学生や社会人問わず、多くの受験者に貢献してきました。現在は、ニュースレターの編集をメインに担当し、読者が常に新鮮な情報を得られるよう努めています。受験者一人ひとりの目標に寄り添い、実現に向けてサポートしています。