IELTS学習のコツ リスニングはリスニング力だけにあらず!

IELTSのリスニング対策では、聞き取りだけでなく、先読みスキルが重要です。でも限られた時間で全部読むのは無理だし、どのように先読みすればスコアにつながるのでしょうか。今回は、プラスワンポイントのMika先生に、効果的なリスニング対策を教えてもらいましたよ。一緒にスコアアップを目指しましょう!

配信日:2024年10月9日

こんにちは^^

プラスワンポイントのルイです!
いきなりですが、リスニングは得意な方ですか?苦手な方ですか?

以前(と言っても10年くらい前)は、リスニングはIELTSの中でも最も難易度が低く取り組みやすい科目でしたが、近年の若干の難化を受けて少し事情も変わってきているようですね。

リスニングの伸ばし方についての質問も、ライティングの次くらいに多くいただいていまして、共通して苦手意識のある方や練習方法について迷っている方が結構いらっしゃるのではないかという印象です。

実は、リスニングというのは英語学習の中でも最後まで難しい課題として残るテーマです。大人になってから学習を始めた場合は尚更です。

意外ですか?

そう思われた方は、IELTSの練習がうまくいっているのかと思います!

ただ、試験としてのリスニングと、生活の中で必要となるリスニングでは、難易度に大きな差があります。試験のリスニングはまだまだ序の口、今後出会うリスニングの難しさに比べたら楽な方なんです。

例えば、映画を見て、「ちゃんと聞き取れる、理解できる範囲」ってかなり限られてしまうと思いませんか?試験ではそこそこ点数が取れていたとしても?

以前、リスニングの難しさを話していた時にMika先生が、

「飛行機でプライベートライアン見てたんだけど、英字幕ないと何かを叫んでるってことしかわかんない場面多いのよね〜笑」

と言われていて思ったのですが(僕は日本語字幕か吹き替えでしか見たことなかったですが)、たしかに、リアルな英語のコミュニケーションには試験では扱わない要素が膨大にあり、分野や専門性によってその範囲にはかなり幅があります。

映画ひとつとっても、時代背景や地域、階級、職業、習慣、訛り・方言、口語など、理解するために必要な語彙や表現が非常にさまざまで、試験勉強では知るチャンスはないものもたくさんあります。つまり、IELTSのリスニングで9.0が取れていても、プライベートライアンの中で使われている英語が必ずしも理解できるとはかぎらない、むしろ理解できなくても自然なことなのです。

日常のコミュニケーションで、時代背景など関係なくても、訛りやアクセントが違うだけで聞き取れなくなってしまうこともありますよね。ネイティブの先生の言葉はわかるけど、ネイティブの若者が何話しているのかわからない。。。なんて状況がザラですからね。しかもそれに加えて、今やグローバルな世界でノンネイティブの英語も理解しなければならないという大変さです。例えば、インド英語、早くて、リズムや抑揚が一定で、日本人にとっては大変聞き取りが難しい英語です。

これから先、試験を乗り越えた後に関わることになる英語の範囲を思うと、気が遠くなってしまいますね^^;

というわけで、そんな広い英語の世界の、少し手前のIELTS界のリスニング。まずはこの世界で必要なスコアを取れるように頑張っていきましょう!

「IELTSリスニングはリスニング力だけの試験ではない」ということについては、前からたびたび話題には上げていますが、今回は、ではどんなスキルが必要になるのか、少し詳しく紹介していきたいと思います!

先読みスキルを習得する!


先読みは、IELTSリスニングでは最も重要なテストスキルの一つです。

IELTSリスニングでは、音声を聞くのと同時に解答を書き込んだり選んだりしなければなりません。内容を考えて後から記述するタイプではなく、その場で即答するわけですね。このスタイルで解かなければならないため、音声を聞きながら問題を読むのでは間に合いません。あらかじめ問題を読んでおく必要があります。

しかし、問題を読むために使える時間はそれほど多くありません。
パートの前後、回答チェック時間を入れても長くて1分〜1分半、パート中間では40秒ほどです(前半後半それぞれのボリュームによって若干調整されています)。
この短い時間で全ての設問について理解するのはかなり大変で、すぐに効率よくできるわけではないので、やはり練習しておく必要があるのです。

全て読むことができたとしても、

・何を意識して読むのか?
・時間内に読めない場合は何を優先するのか?
・どうしたら効率よく情報が取れるのか?


自分の今ある能力で、できる限り最大のパフォーマンスを引き出すためにできる対策、戦略が、この先読みなのです。

性質上、IELTS以外の別のマテリアルでは練習できませんので、必ずIELTSの問題形式の教材を使ってくださいね。
試験の形式に合わせて、読む優先順位やタイミングを調整するのです。

先読みの目的とは?


先読みをする一番の目的は、音声を聞いている時に

「今自分が何を聞かなければならないのか」
「何を確認しようとしているのか」


明確しておくためです。

IELTSの問題には質問がありますので、それに回答するための情報を得ることが必要なのですね。なんとなく話の内容がわかるだけでは回答できない問題がたくさんあります。

また、自分が今どの場所の音声を聞いているのか、指標となるキーワードをチェックすることも大切です。キーワードにより、音声を聞きながら、いつ、どの設問についての説明が始まっているのか把握しながら進めることができるようになります。

キーワードをヒントに場所の特定ができないと、今どこの話をしているのかわからなくなってしまう、つまり置いていかれてしまうことがあります。

リーディングスキルも必要


さて、この先読みをするためには、当然ながらリーディングのスキルが必要です。設問の意味がわからない場合は、正確に回答を理解することができません。もちろん100%の理解ができなくても、70%くらいの理解でも正解することはできるかもしれませんが、理解が曖昧であればあるほど、ともすれば間違えたかもしれないリスクのある正答であり、正答数のブレの原因になるわけです。

素早く、設問の意味を捉える練習もしておきたいですね。

IELTSの設問には、特徴や性質、傾向があります(リスニング、リーディングともに)。「またこのタイプだ」と思えるようになると、かなり先読みが上達している証拠です^^

問題の種類を知る


さらに、問題ごとの特徴もあります。分類方法にもよりますが、リスニングの問題タイプは、ざっと6種類くらいあります。穴埋め問題、選択問題などはお馴染みですね。

当然、それぞれの特徴がありますので、読む時に注目すべき点や、注意したい点があり、それらを知っておくことが、先読みや、正確な回答を捉えるためのコツになります。

また、それぞれ出題頻度が異なり、必ず出題される問題と、入れ替わり、時々出題される問題がありますので、どれが出ても驚かないように対策しておきましょう^^

リスニングの問題タイプについては【完全保存版】IELTSリスニング対策で詳細を解説していますので、ぜひご覧くださいね!

スペリングミスを排除せよ!(穴埋め問題)


スペリングは代表的な、「もったいない失点」の原因ですね。リスニングの穴埋め問題の解答では、いわゆる日常的な基本単語しか出題されませんが、間違いやすいスペリングが選択的に選ばれている傾向があり、間違えれば失点となります。そうです、つまりIELTSリスニングではスペリング知識も試験に含まれているということです。

よく出題されそうな単語の例を挙げてみましょう。

日本人が不得意なLRの違いを含む単語


library / glass / grass / ladder / rubber

アルファベットが2つ必要、必要か迷う単語(Double letters / Double consonants)


innovation / beginning / reference / cheese / cheap / meet / meat

発音されないアルファベットを含む単語(Silent letters)


castle / receipt / knife / autumn / climbing / science / design

職業


counsel(l)or / hairdresser / engineer / auditor / architect / lawyer / accountant

楽器


guitar / flute / trumpet / violin


どうですか?みなさんスペリングは得意ですか?
どれも基本単語ではありますが、迷ってしまいそうな単語も含まれているのではないでしょうか?

IELTSでは同じ単語がなん度も繰り返し出題される傾向にありますので、苦手な方は公式問題集をしっかり解き込んでくださいね。また、上記の「職業」や「楽器」のように日常単語を種類別にリスト化して覚えてしまうというのもいいですね。

文法知識(穴埋め問題)


リスニングでは、主に品詞の見極め(基本文法)と、単数複数の判断が重要です。

穴埋め問題の解答の90%くらいは「名詞」です。まれに「形容詞」や「動詞」もありますがごくわずかです。基本文法さえ押さえておけば、この品詞の見極めはほとんど迷うことはないでしょう。

日本人にとってより難易度が高いのは、単数複数の判断です。

語尾の「s」を聞くことができれば問題ありませんが、日本人の脳はもともと意識していない領域ですし、他にも聞かなければならない要素はありますので、なかなか「s」にばかり注目しておくことができません。

ここで役に立つのが文法知識です。

・単数複数を区別する冠詞や形容詞:a, the, some, many, なし
・名詞の種類:可算名詞、不可算名詞


この知識により「s」を聞くことができなくても解答を判断することが可能です。もちろん自信がない時もあるかもしれませんが、少なくともヒントにはなりますし、凡ミスを防ぐチェッカーにもなってくれます。

例えば、 ギャップの前に”a” がついているのに、複数形にしてしまうというようなミスはほとんどの人がしませんね。coffeeやsatisfactionは不可算名詞なので通常は単数です。”some”がついていたら複数か不可算名詞になる可能性が高い。こんな感じです。

さらに文法知識や単語についての知識があれば、その他のヒントも見逃さなくなります。単数複数のどちらもある”structure”などは、「今の文脈であればこの意味で使われているはずだから——」という判断もできるようになります。ここまで来るとかなり上級者ですね^^

このように、やってしまいがちなミスのポイントを知って、ちゃんと対策しておけば、少なくとも「もったいない失点」「凡ミス」は防げるのです!1問の正解が明暗を分けるIELTS試験です。やらない手はありませんね。

想像力!


最後に、リスニングやリーディングで非常に重要になるのが、想像力です。普段の生活では、相手の言っていることがわからなかったら聞き返せる場面も多いですね。双方向のコミュニケーションが可能な場合です。しかし、試験では、理解できた部分だけで判断することしかできません。これを補うことができるのが想像力です。「こういうことかな?」「多分こう言っているのだろう」。この想像力を恐れずに使って欲しいのです。もちろん見当違いな想像をしている時だってあります。そんな時は後でスクリプトを見て愕然としますね^^; しかし、ただ「わからない」だけよりはまだ可能性があるのです。そしてこのように毎回毎回想像力を鍛えておくことで、次回の想像力の精度を上げることにもつながるのです。想像とは、ある意味シミュレーションですあり、シミュレーションは経験になるのです。

ちなみに、実際の生活でも聞き返しができないけど理解しなきゃならない場面もたくさんあります。レクチャーや会議ですね。。。まさか中断して英語の説明をしてもらうことはできません。IELTS試験は、このような場面をかいくぐり、生きていくためのはじめの一歩です^^

まとめ!


★ 実生活ではリスニングは最後までムズカシイ!
★ IELTSリスニングはリスニング力だけが問題じゃない!
★ テストスキル最重要な『先読みスキル』
★ 凡ミスを徹底排除するための知識をつけるべし!

今回もここまで読んでくださりありがとうございました!
みなさんのIELTSへの挑戦を応援しています!


Rui

この記事を書いた人

Rui Atsue

プラスワンポイントの創業メンバーであるMika先生とともに、日々IELTS対策記事や動画の制作に力を入れています。最新のトレンドや効果的な学習法を読者にわかりやすく伝えることを心掛け、学生や社会人問わず、多くの受験者に貢献してきました。現在は、ニュースレターの編集をメインに担当し、読者が常に新鮮な情報を得られるよう努めています。受験者一人ひとりの目標に寄り添い、実現に向けてサポートしています。

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