まずは、こちらの段落を読んでみましょう。
- The main reason for the rising cost of weddings is the increase in commodity prices. During weddings, many commodities, such as dresses and liqurs, are used. Since wedding ceremonies play a crucial role in expressing gratitude to guests, couples find it difficult to cut costs. As a result, higher commodity prices directly drive up wedding expenses.
- 結婚式の費用が上昇している主な理由は、商品価格の上昇です。結婚式では、ドレスや酒など多くの商品が使用されます。結婚式はゲストへの感謝を表すために重要な役割を果たすため、カップルはコストを削減するのが難しいと感じています。その結果、商品価格の上昇が結婚式の費用を直接押し上げています。
いかがでしょうか。「During weddings, many commodities, such as dresses and liqurs, are used.」の部分で、議論の流れが少し途切れてしまっているのに気づきましたでしょうか。
もしそう感じた方は、>議論の流れをしっかり追えている証拠です。そう感じなかった方も、心配はいりません。この記事を最後まで読んでいただければ、議論の流れを途切れさせてしまうような書き方を知り、改善する方法を学ぶことができます。
まずは、先ほどの例で話の流れが途切れてしまった部分をもう一度見てみましょう。
そうすると、「During weddings, many commodities, such as dresses and liqurs, are used.(結婚式ではドレスや酒など多くの商品が使用されます。)」というように、事実のみ紹介されていることがわかります。では、この段落のトピック(すなわちこの段落で議論していたこと)やメインアイデア(それに対する書き手の主張)はなんだったかを思い出してみましょう。そうすると、「あれ、なんの話をしていたっけ?」というような感覚になるかもしれません。そうなんです。読み手をそのような感覚にしてしまう=話の流れが途切れてしまっている、ということなのです。
トピックは、「結婚式の費用が上昇している理由」でした。そして、メインアイデアは「商品価格の上昇」です。この主張を裏付けるために、「結婚式ではドレスや酒など多くの商品が使用される」と説明を広げたかったのです。
ただ、事実の紹介だけでセンテンスを切ってしまうと、議論の流れが途切れてしまうことに注意しなければなりません。では、どのようにすればこのような事実の紹介を避けることができるのでしょうか。
それは、サブタイトルにもあるように、事実のみの紹介を避けることです。具体的には、事実の紹介だけでなく、その事実がどのようにトピックやメインアイデアに関連しているのかを説明することです。
例えば、以下のように書くことで、話の流れを途切れさせることなく、スムーズに議論を進めることができます。
- The main reason for rising wedding costs is the increase in commodity prices. Since it is customary for the bride and groom to wear luxurious attire and offer guests good food and drinks as a token of gratitude, it is difficult to cut down on expenses. As a result, these higher prices directly drive up the overall cost of weddings.
- 結婚式の費用が上昇している主な理由は、商品価格の上昇です。新郎新婦が豪華な衣装を着用し、ゲストに感謝の気持ちを込めて美味しい食事や飲み物を提供するのが慣習であるため、コストを削減するのは難しいです。その結果、これらの高い価格が結婚式の総費用を直接押し上げています。
このように、単に「結婚式で商品が使われる」という事実を述べるのではなく、そのような事実から、書き手がどのような考察をするのかまでをひとまとめにして書くのです。そうすることで、議論の流れを途切れさせることなく、読み手がトピック(結婚式の費用高騰の理由)とメインアイデア(商品価格の上昇)がどのように関連しているのかをより深く理解できるようになります。
この記事を書いた人
Hibiki Takahashi
日本語で学ぶIELTS対策専門スクール 『PlusOnePoint(プラスワンポイント)』創設者・代表。『英語ライティングの鬼100則』(明日香出版社)著者。1997年に大阪大学医学部を卒業後、麻酔科専門医として活躍。2012年渡豪時に自身が苦労をした経験から、日本人を対象に IELTS対策のサービスを複数展開。難しい文法・語彙を駆使するのではなく、シンプルな表現とアイデアで論理性・明瞭性のあるライティングを指導している。これまでの利用者は4,000名を超え、Twitterで実施した「12週間チャレンジ」では、わずか4週間で7.0、7週間で7.5など、参加者4名全員が短期間でライティングスコア7.0以上を達成(うち2名は7.5を達成)。「IELTSライティングの鬼」の異名を持つ。オーストラリア在住13年、IELTS 8.5(ライティング 8.0)、CEFR C2。