1. To what extent do you agree or disagree? の答え方
与えられた意見(opinion)や記述(statement)に対して「どの程度、賛成または反対であるか」を答える問題です。最もよく出題される問題タイプの1つです。「to what extent」は「どの程度」という意味です。答え方として、「100%賛成」あるいは「100%反対」ような回答以外にも、例えば「この部分には賛成だがこの部分には反対である」あるいは「このような場合には賛成だがこのような場合には反対である」のような答え方も考えられます。「to what extent」の部分がなく、単に「Do you agree or disagree?」と聞かれる場合もあります。
例えば、以下のような問題が出題されます。
- Many people believe that countries should produce food for the whole population and import as little food as possible. To what extent do you agree or disagree?
- 多くの人々は、国々は全人口の食料を生産し、できるだけ少ない食料を輸入すべきだと考えています。あなたはどの程度賛成または反対ですか?
構成パターン(テンプレート)
「To what extent do you agree or disagree?」の問題に対する答え方をみてみましょう。まず、「賛成(または反対)」のどちらかのポジションだけを論じるワンサイドの議論にするか、「賛成」と「反対」の両方のポジションを論じる両サイドの議論にするかに分けられます。
両サイドを議論する方法は、さらに「他人の意見として紹介する方法」と「譲歩をする方法」に分けられます。また、やや上級者向けですが、場合分けをして議論をする方法などもあります。また、これに加えて「客観的に2つの意見を比較する方法」もあります。以下では、それぞれの構成パターンについて解説します。
Agree/Disagreeの構成パターン
- ワンサイドで議論する方法
- 両サイドを議論する方法(1) - 他者の意見
- 両サイドを議論する方法(2) - 譲歩
- 両サイドを議論する方法(3) - 例外・場合分け
- 両サイドを議論する方法(4) - 客観的比較
構成パターン1: ワンサイドで議論する方法
「To what extent do you agree or disagree?」の問題に対して、「賛成(または反対)」のどちらかのポジションだけを論じる方法です。この方法は、1つのポジションに集中して議論を展開するため、首尾一貫性を保ちやすいのが特徴です。この方法では、対立意見(自分のポジションとは反対側の意見)については論じません。
トピックセンテンスの作り方
ワンサイドで議論する場合のトピックセンテンスについて確認しましょう。ボディ1もボディ2も自分のポジションに沿って書くことになります。トピックセンテンスの詳細については『6.0以上では必須知識!トピックセンテンスはなぜ重要なのか?』もぜひご参照ください。
6.0以上では必須知識!トピックセンテンスはなぜ重要なのか?
構成例1
- ボディ1:
- トピック because メインアイデア1
- ボディ2:
- In addition, メインアイデア2
構成例2
- ボディ1:
- The main reason why トピック is that メインアイデア1
- ボディ2:
- Another reason is that メインアイデア2
このように、ワンサイドで議論する場合には、ボディ1とボディ2で同じトピックについて議論をすることになります。そのため、ボディ2ではしばしばトピックが省略されることがあります。
では、先ほどのタスクの例を使ってトピックセンテンスを確認してみましょう。
- Many people believe that countries should produce food for the whole population and import as little food as possible. To what extent do you agree or disagree?
- 多くの人々は、国々は全人口の食料を生産し、できるだけ少ない食料を輸入すべきだと考えています。あなたはどの程度賛成または反対ですか?
賛成の立場で議論をする場合、トピック(議論の方向性)は、「countries should produce food for the whole population and import as little food as possible(国々は全人口の食料を生産し、できるだけ少ない食料を輸入すべきである)」となります。このトピックに対して、例えばボディ1で「it is important for food security(食料安全保障に重要である)」という理由を、ボディ2で「it is environmentally friendly(環境にやさしい)」という理由を挙げることにしましょう。
トピックセンテンスは以下のようになります。
トピックセンテンスの実例(1)
- ボディ1:
- トピック Countries should produce food for the whole population and import as little food as possible because メインアイデア it is important for food security.
- ボディ2: Another reason is that メインアイデア it is environmentally friendly.
このように、賛成の立場をとる場合には「トピック=タスク」の関係が成り立つことになります。ただし、このままではタスクとまったく同じ表現を使っていることになりますので、実際の回答ではある程度の言い換えをする必要があります。
トピックセンテンスの実例(2)
- ボディ1:
- トピック Nations should produce enough food to feed their populations while limiting imports because メインアイデア it is crucial for food security.
- 国々は自国民を養うために十分な食料を生産すべきであり、輸入を制限するべきです。なぜなら、それは食料安全保障にとって極めて重要だからです。
- ボディ2:
- Another reason is that メインアイデア enhancing food self-sufficiency contributes to environmental protection.
- もう1つの理由は、食料自給率を高めることが環境保護に貢献するということです。
構成パターン2: 両サイドを議論する方法(1) - 他者の意見
ボディ1に対立意見(自分のポジションとは反対側の意見)を「他人の意見」として紹介しつつ、ボディ2で自分のポジションを展開する方法です。「賛成」と「反対」の両方の立場についてアイデアを考えるので、比較的アイデアを出しやすいのが特徴です。
この方法では、ボディ1で「このような意見の人がいるかもしれない」と推測しながら、自分のポジションとは反対側の意見を考察します。ボディ2では、ボディ1の議論を踏まえて、「しかし、自分はこのように考えます」と、自分の主張の根拠を添えて議論を展開します。
トピックセンテンスの作り方
両サイドを議論する方法(他者の意見)の場合のトピックセンテンスについて確認しましょう。ボディ1では、対立意見(自分のポジションとは反対側の意見)を紹介します。ボディ2では、ボディ1の議論を踏まえて自分のポジションを展開します。
構成例
- ボディ1:
- Some people may argue that トピック1 because メインアイデア1.
- ボディ2:
- However, I believe that トピック2 because メインアイデア2.
先ほどのワンサイドの議論とは異なり、ボディ1とボディ2で異なるトピックについて議論をすることになります。したがって、ボディ2でトピックを省略することはできません。
トピックセンテンスの実例
- ボディ1:
- Some people may argue that トピック1 countries need not produce food for the whole population and import it if necessary because メインアイデア1 this strategy is more efficient.
- 一部の人々は、国々は全人口の食料を生産する必要はなく、必要なものは輸入すればよいと主張するかもしれません。なぜなら、この戦略の方が効率的だからです。
- ボディ2:
- However, I believe that トピック2 nations should focus on self-sufficiency in food production and reduce reliance on imports because メインアイデア2 this is essential for food security.
- しかし、私は、国々は食料生産の自給率に焦点を当て、輸入に依存を減らすべきだと考えます。なぜなら、これが食料安全保障にとって不可欠だからです。
両サイドの議論をしたほうがスコアに有利か?
結論から言うと、一概にどちらか一方が有利とは言えません。ワンサイドの議論と両サイドの議論にはそれぞれ長所と短所があり、「有利な方法」はその人の目指すスコアや現在のスキルによって変わってくるからです。ワンサイドの議論のメリットは、対立意見を出さないので議論の矛盾などが生じにくい(首尾一貫性を保ちやすい)ことです。一方、両サイドの議論のメリットは、対立意見についても考察をするので議論の隙が生じにくいことです。一般的に、ライティングで7.5〜8.0までのスコアであればワンサイドの議論でも十分達成可能と考える試験官が多いですので、(8.0を超えるスコアを狙う超上級者を除いて)プランニングのしやすいほうを選ぶといいでしょう。
構成パターン3: 両サイドを議論する方法(2) - 譲歩
ボディ1にて対立意見(自分のメインのポジションとは反対側の意見)を一部認めつつ、ボディ2で自分のメインのポジションを展開する方法です。
この方法では、ボディ1で「確かに、このような面もあるかもしれない」と譲歩しながら、自分のメインのポジションとは反対側の意見を考察します。ボディ2では、ボディ1の議論を踏まえて、「しかし、自分は全体としてこのように考えます」と、自分の主張の根拠を添えて議論を展開します。
トピックセンテンスの作り方
両サイドを議論する方法(譲歩)の場合のトピックセンテンスについて確認しましょう。ボディ1では、対立意見(自分のポジションとは反対側の意見)を一部認めます。ボディ2では、ボディ1の議論を踏まえて自分のメインのポジションを展開します。
構成例
- ボディ1:
- It is true that トピック1 because メインアイデア1.
- ボディ2:
- However, I believe that トピック2 because メインアイデア2.
2. Discuss both views and give your own opinion. の答え方
与えられた2つの意見(opinion)または記述(statement)に対して「それぞれの意見の対する考察をした上で、自分の立場を示す」ことが求められている問題です。「To what extent do you agree or disagree?」と並んで最もよく出題される問題タイプの1つです。
「To what extent do you agree or disagree?」とは異なり、与えられた2つの意見についてそれぞれ考察をした上で、最終的な自分の意見を述べることが求められています。ワンサイドの議論はできません。回答が不十分だとスコア(Task Response)に影響します。
例えば、以下のような問題が出題されます。
- Some people prefer to watch movies at the cinema, while others like watching movies at home as home theatres become more popular. Discuss both views and give your own opinion.
- 一部の人々は映画館で映画を観ることを好みますが、他の人々はホームシアターの普及に伴い、家で映画を観ることを好みます。両方の意見について議論し、あなたの意見を述べてください。
構成パターン(テンプレート)
「Discuss both views and give your own opinion.」の問題に対する答え方をみてみましょう。前述の通り、与えられている2つの意見について両サイドの議論にする必要があります。両サイドを議論する方法は、「1. To what extent do you agree or disagree? の答え方」で解説したように、「他人の意見として紹介する方法」、「譲歩をする方法」、「例外や場合分けを示す方法」が考えられます。
Discuss both views ...の構成パターン
- 両サイドを議論する方法(1) - 他者の意見
- 両サイドを議論する方法(2) - 譲歩
- 両サイドを議論する方法(3) - 例外・場合分け
- 両サイドを議論する方法(4) - 客観的比較
トピックセンテンスの実例
- ボディ1:
- Some people argue that トピックmovies at home is preferable to going to the theater because メインアイデアit is more comfortable and convenient.
- 一部の人々は、映画館に行くよりも自宅で映画を観ることが好ましいと主張します。なぜなら、それがより快適で便利だからです。
- ボディ2:
- Others contend that トピックthe cinema provides a superior movie-watching experience because メインアイデアit allows for a more engaging and immersive experience.
- 他の人々は、映画館が優れた映画鑑賞体験を提供していると主張します。なぜなら、それはより魅力的で没入感があるからです。