ライティング・タスク2対策

【問題タイプ別】回答の注意点

最終更新日:2025年3月17日

IELTSのライティングは4科目のなかで最も平均点が低く、多くの受験者を悩ませています。特にライティング・タスク2はライティング・タスク1に比べて配点が大きく、ライティング全体のスコアを決定する上で非常に重要です。ライティングのスコアを向上させるには、ライティング・タスク2を攻略することが鍵になります。その第一歩として、出題される問題タイプ別の回答の方法や注意点について知っておきましょう。

ライティング・タスク2の問題はインストラクション(タスクで求められている質問の種類)に応じて、いくつかの問題タイプに分けることができます。さまざまな分類方法がありますが、ここでは以下の6つのタイプに分類することにします。

  • 問題タイプ1:To what extent do you agree or disagree?
  • 問題タイプ2:Discuss both views and give your own opinion.
  • 問題タイプ3:利点(Advantage)・欠点(Disadvantage)
  • 問題タイプ4:原因(Cause)・問題点(Problem)・影響(Effect)・解決策(Solution)
  • 問題タイプ5:Is this a positive or negative development?
  • 問題タイプ6:上記の組み合わせ、イレギュラー問題

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与えられた意見(opinion)や記述(statement)に対して「どの程度、賛成または反対であるか」を答える問題です。最もよく出題される問題タイプの1つです。「to what extent」は「どの程度」という意味です。答え方として、「100%賛成」あるいは「100%反対」ような回答以外にも、例えば「この部分には賛成だがこの部分には反対である」あるいは「このような場合には賛成だがこのような場合には反対である」のような答え方も考えられます。「to what extent」の部分がなく、単に「Do you agree or disagree?」と聞かれる場合もあります。

例えば、以下のような問題が出題されます。

  • Many people believe that countries should produce food for the whole population and import as little food as possible. To what extent do you agree or disagree?
  • 多くの人々は、国々は全人口の食料を生産し、できるだけ少ない食料を輸入すべきだと考えています。あなたはどの程度賛成または反対ですか?

構成パターン(テンプレート)

「To what extent do you agree or disagree?」の問題に対する答え方をみてみましょう。まず、「賛成(または反対)」のどちらかのポジションだけを論じるワンサイドの議論にするか、「賛成」と「反対」の両方のポジションを論じる両サイドの議論にするかに分けられます。

両サイドを議論する方法は、さらに「他人の意見として紹介する方法」と「譲歩をする方法」に分けられます。また、やや上級者向けですが、場合分けをして議論をする方法などもあります。また、これに加えて「客観的に2つの意見を比較する方法」もあります。以下では、それぞれの構成パターンについて解説します。

Agree/Disagreeの構成パターン

  • 1. ワンサイドで議論する方法
  • 2. 両サイドを議論する方法(1) - 他者の意見
  • 3. 両サイドを議論する方法(2) - 譲歩
  • 4. 両サイドを議論する方法(3) - 例外・場合分け
  • 5. 両サイドを議論する方法(4) - 客観的比較

構成パターン1: ワンサイドで議論する方法

「To what extent do you agree or disagree?」の問題に対して、「賛成(または反対)」のどちらかのポジションだけを論じる方法です。この方法は、1つのポジションに集中して議論を展開するため、首尾一貫性を保ちやすいのが特徴です。この方法では、対立意見(自分のポジションとは反対側の意見)については論じません。

トピックセンテンスの作り方

ワンサイドで議論する場合のトピックセンテンスについて確認しましょう。ボディ1もボディ2も自分のポジションに沿って書くことになります。トピックセンテンスの詳細については『6.0以上では必須知識!トピックセンテンスはなぜ重要なのか?』もぜひご参照ください。

ワンサイドで議論する場合のトピックセンテンス

構成例1
  • ボディ1
  • トピック because メインアイデア1
  • ボディ2
  • In addition, メインアイデア2

構成例2
  • ボディ1
  • Firstly, The main reason why トピック is that メインアイデア1
  • ボディ2
  • Another reason is that メインアイデア2

このように、ワンサイドで議論する場合には、ボディ1とボディ2で同じトピックについて議論をすることになります。そのため、ボディ2ではしばしばトピックが省略されることがあります。

では、先ほどのタスクの例を使ってトピックセンテンスを確認してみましょう。

  • Many people believe that countries should produce food for the whole population and import as little food as possible. To what extent do you agree or disagree?
  • 多くの人々は、国々は全人口の食料を生産し、できるだけ少ない食料を輸入すべきだと考えています。あなたはどの程度賛成または反対ですか?

賛成の立場で議論をする場合、トピック(議論の方向性)は、「countries should produce food for the whole population and import as little food as possible(国々は全人口の食料を生産し、できるだけ少ない食料を輸入すべきである)」となります。このトピックに対して、例えばボディ1で「it is important for food security(食料安全保障に重要である)」という理由を、ボディ2で「it is environmentally friendly(環境にやさしい)」という理由を挙げることにしましょう。

トピックセンテンスは以下のようになります。

  • ボディ1
  • Countries should produce food for the whole population and import as little food as possible because it is important for food security.
  • ボディ2
  • Another reason is that it is environmentally friendly.

このように、賛成の立場をとる場合には「トピック=タスク」の関係が成り立つことになります。ただし、このままではタスクとまったく同じ表現を使っていることになりますので、実際の回答ではある程度の言い換えをする必要があります。

  • ボディ1
  • Nations should produce enough food to feed their populations while limiting imports because it is crucial for food security.
  • 国々は自国民を養うために十分な食料を生産すべきであり、輸入を制限するべきです。なぜなら、それは食料安全保障にとって極めて重要だからです。
  • ボディ2
  • Another reason is that enhancing food self-sufficiency contributes to environmental protection.
  • もう1つの理由は、食料自給率を高めることが環境保護に貢献するということです。

構成パターン2: 両サイドを議論する方法(1) - 他者の意見

ボディ1に対立意見(自分のポジションとは反対側の意見)を「他人の意見」として紹介しつつ、ボディ2で自分のポジションを展開する方法です。「賛成」と「反対」の両方の立場についてアイデアを考えるので、比較的アイデアを出しやすいのが特徴です。

この方法では、ボディ1で「このような意見の人がいるかもしれない」と推測しながら、自分のポジションとは反対側の意見を考察します。ボディ2では、ボディ1の議論を踏まえて、「しかし、自分はこのように考えます」と、自分の主張の根拠を添えて議論を展開します。

トピックセンテンスの作り方

両サイドを議論する方法(他者の意見)の場合のトピックセンテンスについて確認しましょう。ボディ1では、対立意見(自分のポジションとは反対側の意見)を紹介します。ボディ2では、ボディ1の議論を踏まえて自分のポジションを展開します。

他者の意見を示して両サイドを議論する場合のトピックセンテンス

構成例
  • ボディ1
  • Some people may argue that トピック1 because メインアイデア1
  • ボディ2
  • However, I believe that トピック2 because メインアイデア2

先ほどのワンサイドの議論とは異なり、ボディ1とボディ2で異なるトピックについて議論をすることになります。したがって、ボディ2でトピックを省略することはできません。

では、先ほどのタスクの例を使ってトピックセンテンスを確認してみましょう。

  • Many people believe that countries should produce food for the whole population and import as little food as possible. To what extent do you agree or disagree?
  • 多くの人々は、国々は全人口の食料を生産し、できるだけ少ない食料を輸入すべきだと考えています。あなたはどの程度賛成または反対ですか?

賛成の立場のトピック(議論の方向性)は、「countries should produce food for the whole population and import as little food as possible(国々は全人口の食料を生産し、できるだけ少ない食料を輸入すべきである)」でした。対立意見のトピックはその反対、すなわち「countries need not produce food for the whole population and can import it if necessary(国々は全人口の食料を生産する必要はなく、必要なものは輸入すればよい)」などとなります。

このトピックに対して、例えばボディ1で「it is more efficient to import food from other countries(他国から食料を輸入する方が効率的である)」という理由を、ボディ2で「it is important for food security(食料安全保障に重要である)」という理由を挙げることにしましょう。先ほどと同様に、タスクの言葉をそのまま使うことを避けながらトピックセンテンスを作成してみましょう。

  • ボディ1
  • Some people may argue that countries need not produce food for the whole population and import it if necessary because this strategy is more efficient.
  • 一部の人々は、国々は全人口の食料を生産する必要はなく、必要なものは輸入すればよいと主張するかもしれません。なぜなら、この戦略の方が効率的だからです。
  • ボディ2
  • However, I believe that nations should focus on self-sufficiency in food production and reduce reliance on imports because this is essential for food security.
  • しかし、私は、国々は食料生産の自給率に焦点を当て、輸入に依存を減らすべきだと考えます。なぜなら、これが食料安全保障にとって不可欠だからです。

構成パターン3: 両サイドを議論する方法(2) - 譲歩

ボディ1に対立意見(自分のポジションとは反対側の意見)を「譲歩」として紹介しつつ、ボディ2で自分のポジションを展開する方法です。

この方法では、ボディ1で「確かに、〜かもしれない」と自分のポジションとは反対側の意見を一部認めます。ボディ2では、ボディ1の議論を踏まえて、「しかし、自分はこのように考えます」と、自分の主張の根拠を添えて議論を展開します。

トピックセンテンスの作り方

両サイドを議論する方法(譲歩)の場合のトピックセンテンスについて確認しましょう。ボディ1では、対立意見(自分のメインポジションとは反対側の意見)を一部認める議論をします。ボディ2では、ボディ1の議論を踏まえて自分のメインのポジションを展開します。

譲歩を示して両サイドを議論する場合のトピックセンテンス

構成例
  • ボディ1
  • It is true that トピック1 because メインアイデア1
  • ボディ2
  • However, I believe that トピック2 because メインアイデア2

構成パターン2「両サイドを議論する方法(1) - 他者の意見」と似ていますが、ボディ1で対立意見を他人の意見として紹介するのではなく、自分の意見の一部として紹介する点が大きく異なります。

同様に、先ほどのタスクの例を使ってトピックセンテンスを確認してみましょう。

  • Many people believe that countries should produce food for the whole population and import as little food as possible. To what extent do you agree or disagree?
  • 多くの人々は、国々は全人口の食料を生産し、できるだけ少ない食料を輸入すべきだと考えています。あなたはどの程度賛成または反対ですか?

先ほどは、対立意見として紹介しましたので、「Some people may argue that ...(中にはそのような意見の人もいる)」という表現を使いましたが、今回は自分の意見の一部として紹介しますので、「It is true that ...(〜なのは確かである)」というような表現を使います。

繰り返しになりますが、これはあくまで自分の意見の一部として紹介する方法ですので、その認識を持っておきましょう。

  • ボディ1
  • It is true that countries need not produce food for the whole population and import it if necessary because there are economic and practical advantages to this strategy.
  • 国々は全人口の食料を生産する必要はなく、必要なものは輸入すればよいというのは確かである。なぜなら、この戦略の方が経済的で実用的だからです。
  • ボディ2
  • However, I believe that nations should focus on self-sufficiency in food production and reduce reliance on imports because this is essential for food security.
  • しかし、私は、国々は食料生産の自給率に焦点を当て、輸入に依存を減らすべきだと考えます。なぜなら、これが食料安全保障にとって不可欠だからです。

構成パターン4:両サイドを議論する方法(3) - 例外・場合分け

やや上級者向けですが、例外を示したり場合分けをしたりする方法を紹介します。

ボディ1に対立意見(自分のポジションとは反対側の意見)を「例外」として紹介しつつ、ボディ2で自分のメインの立場を展開する方法です。ボディ1では、「例外として、〜のような状況があるかもしれない」と自分のポジションとは反対側の立場を一部認めます。ボディ2では、ボディ1の議論を踏まえて、「しかし、多くの場合はこうである」と、自分の主張の根拠を添えて議論を展開します。

トピックセンテンスの作り方

両サイドを議論する方法(例外・場合分け)の場合のトピックセンテンスについて確認しましょう。ボディ1では、対立意見(自分のメインポジションとは反対側の意見)を例外として認める議論をします。ボディ2では、ボディ1の議論を踏まえて自分のメインのポジションを展開します。

例外を示して両サイドを議論する場合のトピックセンテンス

構成例
  • ボディ1
  • In some cases, トピック1 because メインアイデア1
  • ボディ2
  • However, in many cases, トピック2 because メインアイデア2

「構成パターン3: 両サイドを議論する方法(2) - 譲歩」と同様に、この構成パターンでも、ボディ1・ボディ2ともに自分の意見を述べることになります。

先ほどのタスクの例を使ってトピックセンテンスを確認してみましょう。

  • Many people believe that countries should produce food for the whole population and import as little food as possible. To what extent do you agree or disagree?
  • 多くの人々は、国々は全人口の食料を生産し、できるだけ少ない食料を輸入すべきだと考えています。あなたはどの程度賛成または反対ですか?

例えば、「自国の気候や地形に適していない作物については輸入に頼るべきだ」がそうではないものについては自給率を高めるべきだというように、例外を示すことにしてみましょう。

  • ボディ1
  • For crops that are unsuited to their climate or terrain, countries should rely on imports because domestic production can be both inefficient and expensive.
  • 気候や地形に適していない作物については、国々は輸入に頼るべきです。なぜなら、それらを現地で生産することはしばしば非効率的でコストがかかるからです。
  • ボディ2
  • However, for others products, nations should focus on self-sufficiency in food production and reduce reliance on imports because this is essential for food security.
  • しかし、他の製品については、国々は食料生産の自給率に焦点を当て、輸入に依存を減らすべきです。なぜなら、これが食料安全保障にとって不可欠だからです。

構成パターン5:両サイドを議論する方法(4) - 客観的比較

最後に、与えられている2つの意見について、ボディ1・ボディ2をともに客観的に比較する方法を紹介します。この方法は、自分のポジションをコンクルージョンに至るまで明確にすることなく、2つの意見を客観的に比較する方法です。

ボディ1、ボディ2とも、自分のポジションとは関係なく議論を展開できるため、プランニングが不十分であってもボディを作ることができるので、参考書や語学学校で初級者によく勧められる方法です。

一方で、コンクルージョンでポジションを示す際に、「なぜそのポジションに至るのか」の根拠を十分に示しづらいこともあり、上級者がハイスコアを狙うにはやや不利な書き方とも言えます。

トピックセンテンスの作り方

両サイドを議論する方法(客観的比較)の場合のトピックセンテンスについて確認しましょう。ボディ1では、与えられている意見のうちの1つ(自分のポジションはまだ明確にしていない状態)を議論をします。ボディ2では、もう一つの意見について(こちらも自分のポジションを明確にしない状態で)議論をします。

客観的に比較しながら両サイドを議論する場合のトピックセンテンス

構成例1
  • ボディ1
  • On the one hand, トピック1 because メインアイデア1
  • ボディ2
  • On the other hand, トピック2 because メインアイデア2

構成例2
  • ボディ1
  • Some people argue that トピック1 because メインアイデア1
  • ボディ2
  • Others argue that トピック2 because メインアイデア2

先ほどのタスクの例を使ってトピックセンテンスを確認してみましょう。

  • Many people believe that countries should produce food for the whole population and import as little food as possible. To what extent do you agree or disagree?
  • 多くの人々は、国々は全人口の食料を生産し、できるだけ少ない食料を輸入すべきだと考えています。あなたはどの程度賛成または反対ですか?
  • ボディ1
  • Some people argue that countries should produce food for the whole population because it is essential for food security.
  • 一部の人々は、国々は全人口の食料を生産すべきだと主張します。なぜなら、それが食料安全保障にとって不可欠だからです。
  • ボディ2
  • Others may contend that countries should import food as necessary because it is more efficient in some cases.
  • 他の人々は、国々は必要に応じて食料を輸入すべきだと主張するかもしれません。なぜなら、それがいくつかの場合においてより効率的だからです。

ワンポイントコラム

「他人の意見」と「譲歩」の違い

「構成パターン2: 両サイドを議論する方法(1) - 他者の意見」と「構成パターン3: 両サイドを議論する方法(2) - 譲歩」は、どちらも両サイドの議論をする方法ですが、そのアプローチには違いがあります。

「他人の意見」として対立意見を紹介するということは、自分はその意見について同意をしていないことを意味します。あくまで「自分はその意見に同意はできないが、このような意見の人がいるかもしれない」と推測をしているに過ぎないのです。

一方、「譲歩」として紹介する場合には、自分はその意見についても一部認めていることになります。「確かに、〜かもしれない」と一部認めつつ、「しかし、自分はこのように考えます」とメインの主張をしているのです。

他人の意見として紹介する場合
ボディ1の書き出し Some may argue that ...
対立意見への同意 同意していない
譲歩として紹介する場合
ボディ1の書き出し It is true that ...
対立意見への同意 一部認めている

ワンポイントコラム

両サイドの議論をしたほうがスコアに有利か?

「両サイドの議論をしたほうが高いスコアを狙いやすい」「ワンサイドの議論でも十分」など、いろいろな情報が出回っていますので、受験生は混乱してしまうかもしれません。結論から言うと、一概にどちらか一方が有利とは言えない、ということになります。

というのも、ワンサイドの議論をする方法と両サイドの議論をする方法にはそれぞれ長所と短所があり、「有利な方法」はその人の目指すスコアや現在のスキルによって変わってくるからです。

まずはそれぞれのメリットとデメリットを確認してみましょう。

ワンサイドの議論
メリット
  • 対立意見を出さないので議論の矛盾などが生じにくい(首尾一貫性を保ちやすい)
  • 賛成または反対のどちらか一つの立場について複数のアイデアが必要
デメリット
  • 対立意見については考察をしないので議論の隙が生じる可能性がある
  • 賛成または反対のどちらか一つの立場について複数のアイデアが必要
両サイドの議論
メリット
  • 対立意見についても考察をするので議論の隙が生じにくい
  • 賛成および反対の立場について最低1つずつアイデアがあればエッセイを書ける
デメリット
  • 対立意見については考察をしないので議論の隙が生じる可能性がある
  • 賛成および反対の立場について最低1つずつアイデアが必要

首尾一貫性の観点から見ると両サイドの議論をするほうが有利なようにも見えますが、首尾一貫性を保つことができなかった場合にはリスクを伴うことがわかります。プラスワンポイントの授業では目標スコアに応じてアプローチ方法を変えることをおすすめしています

目標スコア6.0以下

この辺りのスコアを目指す方は、アイデアを考えることに苦戦をすることが多いです。そのため、両サイドの議論をする方法をベースに戦略を練るといいでしょう。なぜなら、両サイドの議論を考える方がアイデアを出しやすい傾向にあるからです。また、このレベルでは、首尾一貫性についてもそれほど気にしなくてもいいですので、その意味でも両サイドの議論をする方法がおすすめです。もちろん、対立意見についてアイデアが浮かばず、一方の意見でも十分に議論できるくらいのアイデアがある場合はワンサイドの議論をする方法も選択肢の1つとして考えるといいでしょう。

目標スコア6.5以上

一方で、6.5以上のスコアを目指す方は、より戦略的に構成を考える必要があります。このレベルでは、首尾一貫性についてもしっかりと考える必要があります。まず、そもそもワンサイドの議論ができそうか(タスクによってはワンサイドの議論が難しい場合もあります)、ワンサイドで議論するのに十分なアイデア出しができているか、それぞれのアイデアについて段落を構成するだけのサポートアイデアが整理できているか、などを確認してみましょう。

もし、アイデアが十分に出せているのであれば、ワンサイドの議論をする方法を選択することも検討してみてください。ちなみに、仮にワンサイドで議論をしたとしても議論がしっかりできていれば、8.0あたりのスコアまでは達成可能です。

アイデアを考えることに苦労するタスクの場合は、両サイドの議論をする方法を選択するといいでしょう。一般的にトピックが異なる方がアイデアを出しやすいですので、両サイドの議論をする方法を選択することでアイデアを出しやすくなるかもしれません。ただし、その場合には、ボディ1とボディ2のアイデアのつながりをプランニングで意識しておくことが重要です。ボディ1の議論とボディ2の議論が平行線になってしまうと、首尾一貫性が保てなくなるからです。

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与えられた2つの意見(opinion)または記述(statement)に対して「それぞれの意見の対する考察をした上で、自分の立場を示す」ことが求められている問題です。「To what extent do you agree or disagree?」と並んで最もよく出題される問題タイプの1つです。

「To what extent do you agree or disagree?」とは異なり、与えられた2つの意見についてそれぞれ考察をした上で、最終的な自分の意見を述べることが求められています。ワンサイドの議論はできません。回答が不十分だとスコア(Task Response)に影響します。

例えば、以下のような問題が出題されます。

  • Some people prefer to watch movies at the cinema, while others like watching movies at home as home theatres become more popular. Discuss both views and give your own opinion.
  • (一部の人々は映画館で映画を観ることを好みますが、他の人々はホームシアターの普及に伴い、家で映画を観ることを好みます。両方の意見について議論し、あなたの意見を述べてください。)

構成パターン(テンプレート)

「Discuss both views and give your own opinion.」の問題に対する答え方をみてみましょう。前述の通り、与えられている2つの意見について両サイドの議論にする必要があります。両サイドを議論する方法は、「1. To what extent do you agree or disagree? の答え方」で解説したように、「他人の意見として紹介する方法」、「譲歩をする方法」、「例外や場合分けを示す方法」が考えられます。

Discuss both views ...の構成パターン

  • 両サイドを議論する方法(1) - 他者の意見
  • 両サイドを議論する方法(2) - 譲歩
  • 両サイドを議論する方法(3) - 例外・場合分け
  • 両サイドを議論する方法(4) - 客観的比較

構成パターン1: 両サイドを議論する方法(1) - 他者の意見

「To what extent do you agree or disagree?」の「構成パターン2」に準じて考えます。ボディ1に対立意見(自分のポジションとは反対側の意見)を「他人の意見」として紹介しつつ、ボディ2で自分のポジションを展開する方法です。

この方法では、ボディ1で「このような意見の人がいるかもしれない」と推測しながら、自分のポジションとは反対側の意見を考察します。ボディ2では、ボディ1の議論を踏まえて、「しかし、自分はこのように考えます」と、自分の主張の根拠を添えて議論を展開します。

トピックセンテンスの作り方

他者の意見を示して両サイドを議論する場合のトピックセンテンス

構成例
  • ボディ1
  • Some people may argue that トピック1 because メインアイデア1
  • ボディ2
  • However, I believe that トピック2 because メインアイデア2

この構成例を元に先ほどのタスクのトピックセンテンスを作ってみましょう。

  • ボディ1
  • Some people may argue that watching movies in the comfort of one's home is preferable to going to the theater because it is more comfortable and convenient.
  • 一部の人々は、自宅で映画を観ることが映画館に行くよりも好ましいと主張するかもしれません。なぜなら、それはより快適で便利だからです。
  • ボディ2
  • However, I believe that the cinema provides a superior movie-watching experience because it allows for a more engaging and immersive experience.
  • しかし、私は、映画館が優れた映画鑑賞体験を提供していると考えます。なぜなら、それはより魅力的で没入感があるからです。

構成パターン2: 両サイドを議論する方法(2) - 譲歩

「To what extent do you agree or disagree?」の「構成パターン3」に準じて考えます。ボディ1に対立意見(自分のポジションとは反対側の意見)を「譲歩」として紹介しつつ、ボディ2で自分のポジションを展開する方法です。

ボディ1で「確かに、〜かもしれない」と自分のポジションとは反対側の意見を一部認めます。ボディ2では、ボディ1の議論を踏まえて、「しかし、自分はこのように考えます」と、自分の主張の根拠を添えて議論を展開します。

トピックセンテンスの作り方

譲歩を示して両サイドを議論する場合のトピックセンテンス

構成例
  • ボディ1
  • It is true that トピック1 because メインアイデア1
  • ボディ2
  • However, I believe that トピック2 because メインアイデア2

この構成例を元に先ほどのタスクのトピックセンテンスを作ってみましょう。

  • ボディ1
  • It is true that watching movies at home is preferable to going to the theater because it provides a comfortable and convenient experience.
  • 自宅で映画を観ることが映画館に行くよりも好ましいというのは事実です。なぜなら、それは快適で便利な体験を提供するからです。
  • ボディ2
  • However, I believe that the cinema provides a superior movie-watching experience because it allows for a more engaging and immersive experience.
  • しかし、私は、映画館が優れた映画鑑賞体験を提供していると考えます。なぜなら、それはより魅力的で没入感があるからです。

構成パターン3: 両サイドを議論する方法(3) - 例外・場合分け

「To what extent do you agree or disagree?」の「構成パターン4」に準じて考えます。ボディ1に対立意見(自分のポジションとは反対側の意見)を「例外」として紹介しつつ、ボディ2で自分のメインの立場を展開する方法です。

ボディ1では、「例外として、〜のような状況があるかもしれない」と自分のポジションとは反対側の立場を一部認めます。ボディ2では、ボディ1の議論を踏まえて、「しかし、多くの場合はこうである」と、自分の主張の根拠を添えて議論を展開します。

トピックセンテンスの作り方

例外・場合分けを示して両サイドを議論する場合のトピックセンテンス

構成例
  • ボディ1
  • In some cases, トピック1 because メインアイデア1
  • ボディ2
  • However, in many cases, トピック2 because メインアイデア2

この構成例を元に先ほどのタスクのトピックセンテンスを作ってみましょう。

  • ボディ1
  • Certain films are best experienced in a theater, as the immersive environment and unique atmosphere enhance their emotional and visual impact.
  • 特定の映画は、没入感のある環境と独特の雰囲気が感情的および視覚的なインパクトを高めるため、映画館で最もよく体験されます。
  • ボディ2
  • However, many movies can be enjoyed just as much at home, where convenience and comfort outweigh the need for a cinematic environment.
  • しかし、多くの映画は、映画館の環境を必要とするよりも、自宅で同じくらい楽しむことができます。便利さと快適さが映画館の環境を上回るからです。

構成パターン4: 両サイドを議論する方法(4) - 客観的比較

「To what extent do you agree or disagree?」の「構成パターン5」に準じて考えます。ボディ1・ボディ2それぞれで、与えられた2つの意見を客観的に比較しつつ、コンクルージョンで自分のポジションを示す方法です。

トピックセンテンスの作り方

客観的比較を示して両サイドを議論する場合のトピックセンテンス

構成例1
  • ボディ1
  • On the one hand, トピック1 because メインアイデア1
  • ボディ2
  • On the other hand, トピック2 because メインアイデア2

構成例2
  • ボディ1
  • Some people argue that トピック1 because メインアイデア1
  • ボディ2
  • Others argue that トピック2 because メインアイデア2

この構成例を元に先ほどのタスクのトピックセンテンスを作ってみましょう。

  • ボディ1
  • Some people argue that watching movies at home is preferable to going to the theater because it is more comfortable and convenient.
  • 一部の人々は、映画館に行くよりも自宅で映画を観ることが好ましいと主張します。なぜなら、それがより快適で便利だからです。
  • ボディ2
  • Others contend that the cinema provides a superior movie-watching experience because it allows for a more engaging and immersive experience.
  • 他の人々は、映画館が優れた映画鑑賞体験を提供していると主張します。なぜなら、それはより魅力的で没入感があるからです。

ワンポイントコラム

イントロダクションでは自分のポジションを示すほうがいい?

結論から言うと、6.5以上を狙うならイントロダクションでポジションを示したほうがいいと言えます。

すでに紹介したように、エッセイの構成方法はいくつかあり、「Agree/Disagree の構成パターン」の「5. 両サイドを議論する方法(4) - 客観的比較」や、「Discuss both views and give your own opinion. の構成パターン」の「構成パターン4: 両サイドを議論する方法(4) - 客観的比較」のように、イントロダクションで自分のポジションを示さずに展開を進める方法もあります

ここでも、それぞれの書き方のメリット・デメリットをしっかり理解した上で、「自分の目指すスコアに有利な方法」を選択する必要があります。まずは、イントロダクションで自分のポジションを示す方法のメリット・デメリットを見てみましょう。

イントロダクションで立場を示す書き方
メリット
  • 読み手がイントロダクションを読んだ段階で書き手の立場を理解できる
  • イントロダクションからポジションの一貫性を保ちながら議論を進めることができる
デメリット
  • 書き始める前にエッセイ全体の流れを決めておく必要がある
  • プランニングが不十分であると、ボディ1とボディ2で矛盾を生じる可能性がある
イントロダクションで立場を示さない書き方
メリット
  • イントロダクションからポジションの一貫性を保ちながら議論を進めることができる
  • プランニングが不十分であっても書き進められる
デメリット
  • コンクルージョンになるまで立場を示さないので読み手は書き手のポジションを把握しづらい
  • 各ボディの議論を独立して考えがちなので、議論が平行線になる可能性がある

このように、首尾一貫性やつながり(Coherence and Cohesion)の観点から見ると、イントロダクションでポジションを示すほうが有利と言えます。ただ、事前にエッセイ全体の流れを決めておく必要があるので入念なプランニングが必要になります。目標スコアが6.0までであればどちらでも問題ありませんが、目標スコアが6.5以上であればイントロダクションでポジションを示してしまうほうが有利になります。

ワンポイントコラム

どのようなタスクでも譲歩はできるか?

「譲歩」はタスクによっては議論として成り立たない場合があります。

「To what extent do you agree or disagree?」では、意見または記述が1つしか与えられていませんので、多くの場合に「譲歩」という手法が成立します。一方、「Discuss both views and give your own opinion.」では問題に2つの意見(または記述)が与えられています。そのため、一方の意見を譲歩できない場合があるので注意が必要です。

例えば、「〜するべきである」という意見と「〜するべきではない」という意見が与えられている場合、「確かに〜するべきだが、〜するべきではない」というような議論は成り立たないことに気づきます。パターンに当てはめてどんなタスクであっても同じ書き方をするのではなく、与えられた問題の意味をしっかり理解して、どのようなエッセイ構成が適切であるのかを都度考えることが大切です。

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与えられた事実に対して、その利点と欠点を議論するタイプの問題です。「利点と欠点を紹介するだけの問題」と「利点と欠点を比較してどちらが上回るかを答える問題」があります。

「利点と欠点を紹介するだけの問題」では、利点と欠点の比較は必ずしも必要なく、単純に考えうる利点と欠点を紹介することが求められています。一方、「利点と欠点を比較してどちらが上回るかを答える問題」では、利点と欠点の比較が必須で、単純に考えうる利点と欠点を紹介するだけでは不十分な回答となります。

アカデミックでは主に後者が出題される傾向にあります。

  • 問題タイプ3A:What are the advantages and disadvantages of this?
  • 問題タイプ3B:Do the advantages of this outweigh the disadvantages?

3A. What are the advantages and disadvantages of this?

利点と欠点を紹介することだけを求められている問題です。例えば、以下のような問題が出題されます。

  • The worldwide population of children aged 15 and younger is rising. What are the current and future advantages and disadvantages for countries with this kind of growth?
  • (世界中で15歳以下の子どもの人口が増加しています。このような人口増加がもたらす、各国にとっての現在および将来的な利点と欠点は何でしょうか?)

このような問題タイプでは、利点と欠点の比較は必ずしも必要なく、単純に考えうる利点と欠点を紹介しましょう。

構成パターン(テンプレート)

与えられた事実に対して、それぞれのボディで利点と欠点を紹介するのが一般的です。構成パターン(テンプレート)は1つだけ覚えておけば十分でしょう。

トピックセンテンスの作り方

利点と欠点を紹介する場合のトピックセンテンスについて確認しましょう。ボディ1では、与えられた事実の利点(または欠点)について、できれば複数の観点から考察します。ボディ2では、欠点(ボディ1で欠点を紹介した場合は利点)について、同様に複数の観点から考察します。

Advantage/Disadvantage(比較なし)のトピックセンテンス

  • ボディ1
  • The main advantage of トピック is メインアイデア
  • ボディ2
  • On the other hand, there are also disadvantages to トピック. A major disadvantage is メインアイデア

先ほどのタスクの例を使ってトピックセンテンスを確認してみましょう。

  • ボディ1
  • The main advantage of the increasing global population of children aged 15 and younger is that it may contribute to a larger workforce in the coming years.
  • 15歳以下の子どもの世界的な人口が増加している利点の主な点は、将来より大きな労働力を提供する可能性があることです。
  • ボディ2
  • On the other hand, there are also disadvantages to the rise in the number of children under 15 worldwide. A major disadvantage is that it could put a strain on social welfare systems.
  • 一方、15歳以下の子どもの世界的な人口が増加している欠点もあります。主な欠点は、社会福祉制度に負担をかける可能性があることです。

3B. Do the advantages of this outweigh the disadvantages?

利点と欠点を比較してどちらが上回るかを答える問題です。例えば、以下のような問題が出題されます。

  • In many countries, it is easy to apply and to get a credit card. However, credit card debt causes many problems and is hard to pay back. Do you think the advantages of credit cards outweigh the disadvantages?
  • (多くの国では、クレジットカードの申し込みや取得が簡単です。しかし、クレジットカードの借金は多くの問題を引き起こし、返済が難しい場合があります。クレジットカードの利点は欠点を上回ると思いますか?)

この問題タイプでは、利点と欠点の比較は必須で、単純に考えうる利点と欠点を紹介することだけでは不十分な回答となります。

構成パターン(テンプレート)

与えられた事実に対して、それぞれのボディで利点と欠点を紹介しつつ、どちらがどちらを上回るかを答えるのが一般的です。この問題タイプについても構成パターン(テンプレート)は1つだけ覚えておけば十分でしょう。

トピックセンテンスの作り方

利点と欠点を比較する場合のトピックセンテンスについて確認しましょう。ボディ1では、与えられた事実の利点(または欠点)について、できれば複数の観点から考察します。ボディ2では、欠点(ボディ1で欠点を紹介した場合は利点)について、同様に複数の観点から考察しますが、先ほどの問題タイプ(3A)とは異なり、なぜそれが上回ると思うのかを明確に示す必要があります。

Advantage/Disadvantage(比較あり)の構成パターン

  • ボディ1
  • A possible advantage of トピック is メインアイデア
  • ボディ2
  • However, there are more disadvantages to トピック. A major disadvantage is メインアイデア

例えば、「欠点が利点を上回る」というポジションで書く場合、ボディ1で「可能性として以下のような利点が考えられる」というように、まずは利点のついての考察をします。そのうえで、ボディ2で「しかし、(全体として考えると)その利点よりも欠点が上回ると思う」というように反論をします。

先ほどのタスクの例を使ってトピックセンテンスを確認してみましょう。

  • ボディ1
  • A possible advantage of credit cards is that they are convenient and widely accepted.
  • クレジットカードの利点として考えられるのは、それらが便利で広く受け入れられていることです。
  • ボディ2
  • However, there are more disadvantages to credit cards. A major disadvantage is that they can lead to overspending and debt.
  • しかし、クレジットカードの欠点はより多くあります。主な欠点は、過剰な支出と借金につながる可能性があることです。

ワンポイントコラム

複数のアイデアを紹介しないといけない?

厳密には利点と欠点それぞれについて複数のアイデアを展開するのが理想的です。一方で、提示するメインアイデアをしっかりサポートすることも大切です。バランスを考えるとそれぞれ2つずつ、多くても3つのアイデアを示すことができれば十分です。もちろん、1つのアイデアをしっかり掘り下げることができていれば、仮に1つしかアイデアを示せていなかったとしても大きなマイナス要素にはなりません

ワンポイントコラム

比較の必要がない問題で比較をすると減点?

IELTSライティングの採点は加点・減点方式ではないため、何かをしたら減点になるということはありません。あくまで最終的な回答を4つの採点項目で評価することになります。利点と欠点の比較を求められていないにも関わらず比較をした場合にもスコアダウンの原因になるということはありません

ただし気をつけなければいけないことがあります。それはエッセイ全体の首尾一貫性やつながりに悪い影響を与えないようにする必要があるという点です。うまく比較ができている場合にはむしろ首尾一貫性やつながりが向上しますが、逆に比較が不十分であったり議論に矛盾をはらんでいるような場合にはCoherence and Cohesionのバンドスコアに影響を与える可能性があります。

ワンポイントコラム

Some people argue ...のような他者の意見を紹介してもいい?

形式が問題タイプ2(Discuss both views ...)と似ているので、他者の意見を紹介する書き方(Some people argue ...)に当てはめてしまいがちですが、このタスクで求められているのは利点と欠点の比較であり、他者の意見と自分の意見の比較ではありません。他者の意見、すなわち自分と対立する意見を導入するためには、ボディ1とボディ2で全く逆のことをしなければならず、エッセイの整合性を取りづらくなるからです。

例えば、自分は「欠点が利点を上回る(利点<欠点)」というポジションを示すとすれば、それに対立する意見は「利点が欠点を上回る(利点>欠点)」となります。つまり、ボディ1で、利点と欠点を紹介した上で利点が欠点が上回るという他者の意見を述べた上で、今度はボディ2で再び利点と欠点を比較して今度は欠点が利点を上回るという反論をすることになります。このような書き方は、エッセイ全体の首尾一貫性が損なわれる可能性があるため、おすすめできません。

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与えられた事実に対して、原因(cause)、問題(problem)、影響(effect)、解決策(solution)を答える問題です。通常は、これらの4つの要素から2つを選んで出題されます。

  • 原因と解決策(cause & solution)
  • 原因と影響(cause & effect)
  • 影響と解決策(effect & solution)
  • 問題点と解決策(problem & solution)

問題に記載されている質問の数を把握し、回答に漏れがないように注意が必要です。例えば、以下のような問題が出題されます。

  • Today, an increasing number of people are overweight all over the world. Why is it happening? What are the main effects of this?
  • (今日、世界中で過体重の人が増加しています。これはなぜ起こっているのでしょうか?その主な影響は何でしょうか?)

このタスクは、原因(cause)と影響(effect)を組み合わせた問題です。あるいは、次のような問題も出題されます。

  • An increasing number of professionals, such as doctors and teachers, are leaving their own poorer countries to work in developed countries. What problems does this cause? What solutions can you suggest to deal with this situation?
  • (医師や教師などの専門職が、自国の貧しい国を離れ、先進国で働くケースが増えています。これによりどのような問題が生じるでしょうか?この状況に対処するためにどのような解決策が考えられるでしょうか?)

こちらは問題点(problem)と解決策(solution)を組み合わせた問題です。最初の質問に「cause」という単語が入っているので惑わされるかもしれませんが、これは「引き起こす」という意味の動詞のcauseです。「このことが引き起こす問題はなんでしょう?」と聞かれています。

構成パターン(テンプレート)

原因(cause)、問題(problem)、影響(effect)、解決策(solution)の4つの要素の中から通常2つ質問されます。聞かれている2つのことについて、それぞれのボディで回答するのが一般的です。

構成パターン1:質問ごとにボディをまとめる方法

問題で問われている要素について、それぞれのボディで回答をする方法です。先ほどのタスクの例であれば、ボディ1で「過体重の人が増加している原因」、ボディ2で「過体重の人が増加している影響」について述べます。

トピックセンテンスの作り方

Cause & Solutionタイプの問題のトピックセンテンスについて確認しましょう。ボディ1では、与えられた2つの質問のうちの1つについて、できれば複数の観点から考察します。ボディ2では、残りの1つの質問について、同様に複数の観点から考察します。

質問ごとにボディをまとめる場合のトピックセンテンス

構成例
  • ボディ1
  • The main cause of トピック is メインアイデア
  • ボディ2
  • In order to solve this, メインアイデア

先ほどのタスクの例を使ってトピックセンテンスを確認してみましょう。

  • ボディ1
  • The main cause of the increasing number of overweight people is a sedentary lifestyle and unhealthy eating habits.
  • 過体重の人が増加している主な原因は、運動不足の生活習慣と不健康な食習慣です。
  • ボディ2
  • The increasing number of overweight people can lead to a rise in lifestyle-related diseases such as diabetes and heart disease.
  • 過体重の人が増加することは、糖尿病や心臓病などの生活習慣病の増加につながる可能性があります。

構成パターン2:2つの質問をまとめて1つの段落で答える方法

それぞれのボディで、問題で問われている要素について組み合わせて回答をする方法です。原因と解決策(cause & solution)の問題であれば、ボディ1に「1つ目の原因とその解決策」、ボディ2に「2つ目の原因とその解決策」を述べます。

それぞれの原因に対する解決策を考える必要があるため、構成例1よりもやや難易度が上がります。ただし、構成例1よりも構成例2のほうがハイスコアを狙いやすいというわけではありませんので、より話の流れがスムーズになると思う方法を選択するといいでしょう。

こちらの構成パターンを使って、先ほどのタスクについてトピックセンテンスを確認してみましょう。

トピックセンテンスの作り方

2つの質問をまとめて1つの段落で答える場合のトピックセンテンスについて確認しましょう。原因と解決策(cause & solution)の問題であれば、ボディ1に「1つ目の原因とその解決策」、ボディ2に「2つ目の原因とその解決策」を述べます。

構成例1よりもやや難易度が上がりますが、構成例2のほうがハイスコアを狙いやすいというわけではありませんので、より話の流れがスムーズになると思う方法を選択するといいでしょう。

2つの質問をまとめて1つの段落で答える場合のトピックセンテンス

構成例
  • ボディ1
  • The main cause of トピック is メインアイデア. In order to solve this, メインアイデア
  • ボディ2
  • Another cause is メインアイデア. To tackle this, メインアイデア

先ほどのタスクの例を使ってトピックセンテンスを確認してみましょう。

  • ボディ1
  • The main cause of the increasing number of overweight people is a sedentary lifestyle and unhealthy eating habits. In order to solve this, people should exercise regularly and eat a balanced diet.
  • 過体重の人が増加している主な原因は、運動不足の生活習慣と不健康な食習慣です。これを解決するためには、人々は定期的に運動をし、バランスの取れた食事をとるべきです。
  • ボディ2
  • Another cause is a lack of awareness about the importance of a healthy lifestyle. To tackle this, the government should promote public health campaigns.
  • もう1つの原因は、健康的な生活の重要性についての認識の欠如です。これに対処するためには、政府は公衆衛生キャンペーンを推進すべきです。

ワンポイントコラム

解決策を考える際に気をつけるべきこと

解決策を答える場合には、提示する解決策が本当に解決策になっているのかを考えてみましょう。

例えば、「都会の人口が増えすぎている」ことに対する解決策として、「より多くの人に田舎に住んでもらう」という解決策はどう聞こえるでしょうか?「誰が」「具体的に何をするのか」が見えてきませんね。これは解決策に「具体性」がないからです。

また、「公共の場での携帯電話の使用が問題になっている」ことに対する解決策として、「携帯電話の販売を禁止する」という解決策はどうでしょうか?もちろん、問題はそれで解決するかもしれませんが、実際にそのようなことができそうかどうかを考えると、やや「非現実的な解決策」に聞こえます。

  • 誰が具体的に何をするのか?(具体性)
  • 実際にそれができそうか?(実現可能性)

解決策を考える際には、これらの両方が満たされていることを確かめてみましょう。

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与えられた事実に対して、それがポジティブな発展なのか、ネガティブな発展なのかを答える問題です。例えば、以下のような問題が出題されます。

  • Weddings are more expensive in many countries nowadays when compared to the past. What is the reason behind this? Is this a positive or negative development?
  • 最近、多くの国で結婚式は過去と比べてより高価になっています。これにはどのような理由があるのでしょうか?これはポジティブな発展でしょうか、それともネガティブな発展でしょうか?

構成パターン(テンプレート)

構成パターン1:ワンサイドで議論する方法

すべてのボディを通して自分のポジションを展開する方法です。例えば、「ポジティブな傾向である」というポジションであれば、「ネガティブな傾向である」と考える人の意見については論じません。

トピックセンテンスの作り方

ワンサイドで議論する場合のトピックセンテンスについて確認しましょう。ボディ1では、与えられた事実がポジティブ(またはネガティブ)な発展であると考える理由を考察します。ボディ2では、ボディ1とは別の観点からポジティブ(またはネガティブ)な発展であると考える理由を展開します。

ワンサイドで議論する場合のトピックセンテンス

構成例
  • ボディ1
  • トピック is a positive development because メインアイデア
  • ボディ2
  • In addition, メインアイデア

先ほどのタスクの例を使ってトピックセンテンスを確認してみましょう。

  • ボディ1
  • Weddings becoming more costly in various nations is a positive development because it reflects the importance of marriage and the desire to celebrate it in a special way.
  • 最近、多くの国で結婚式は過去と比べてより高価になっています。これはポジティブな発展であると考えられます。なぜなら、それは結婚の重要性とそれを特別な方法で祝うという願望を反映しているからです。
  • ボディ2
  • In addition, hosting an elaborate wedding strengthens family bonds and social networks, ensuring that cultural traditions are passed down through generations.
  • さらに、華やかな結婚式を開くことは家族の絆や社会的ネットワークを強化し、文化的伝統が世代を超えて受け継がれることを保証します。

構成パターン2:両サイドを議論する方法

ボディ1に対立意見(自分のポジションとは反対側の意見)を「他人の意見」として紹介しつつ、ボディ2で自分のポジションを展開する方法です。

例えば、「ポジティブな傾向である」というポジションであれば、「ネガティブな傾向である」と考える人の意見をボディ1で展開した上で、ボディ2では「しかし、自分はポジティブな傾向だと思う」と、自分の主張の根拠を添えて議論を展開します。

ただし、一般的にこの方法は議論の整合性を取ることが難しく、上級者はCoherence/Cohesionを崩す原因になるので避ける方がいいでしょう。

トピックセンテンスの作り方

両サイドを議論する場合のトピックセンテンスについて確認しましょう。ボディ1では、対立意見(自分のポジションがポジティブな発展と思うのであれば、ネガティブな発展と考える人の意見)を考察します。ボディ2では、ボディ1で紹介した対立意見に反論をする形で自分のポジションを展開します。

両サイドを議論する場合のトピックセンテンス

構成例
  • ボディ1
  • Some people may argue that ... is a negative development because ...

  • ボディ2
  • However, I believe that ... is a positive development because ...

先ほどのタスクの例を使ってトピックセンテンスを確認してみましょう。

  • ボディ1
  • Some people may argue that weddings becoming more expensive in many countries nowadays is a positive development because it reflects the importance of marriage and the desire to celebrate it in a special way.
  • 多くの人は、最近、多くの国で結婚式が高価になっていることはポジティブな発展であると考えるかもしれません。なぜなら、それは結婚の重要性とそれを特別な方法で祝うという願望を反映しているからです。
  • ボディ2
  • However, I believe that the rising cost of weddings in many countries is a concerning trend because it places a significant financial burden on couples and their families.
  • しかし、私は、最近、多くの国で結婚式が高価になっていることは懸念すべき傾向であると考えます。なぜなら、それはカップルやその家族に財政的なプレッシャーをかけるからです。

ただし前述の通り、この構成方法はボディ1とボディ2の議論が平行線に終わる可能性が高いので、ハイスコアを目指す方にはあまりオススメできません。なるべく「構成パターン1」の方法で書くことを考えてみましょう。

ワンポイントコラム

developmentとは?

このタイプの問題では、まずdevelopmentという単語の意味でつまずくことがあります。

developmentは「発展」という意味ですが、「ポジティブな発展」「ネガティブな発展」と訳したところでピンときませんよね。そこで少し言葉を補ってあげる必要があります。

「社会として」「国として」というような表現を補ってみると、「発展」の意味が見えてきます。多くの場合、この質問の前提にある「背景」には何らかの最近の傾向が示されています。つまり、このdevelopmentは「(社会としての)傾向」と捉えることができます。

「〇〇する人が増えてきているが、それは(社会や国にとって)ポジティブな発展(傾向)か?」と聞かれているのです。言い換えるなら、このタイプの問題は「個人レベル」でのポジティブ・ネガティブを考えるのではなく、もう少し大きな視点(社会・国、場合によっては世界全体)でその傾向を考える必要があります。

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問題タイプ1〜5を組み合わせた問題、もしくはいずれのタイプにも当てはまらない問題です。例えば、以下のような問題が出題されます。

  • Nowadays, many people choose to be self-employed, rather than to work for a company or organisation. Why might this be the case? What could be the disadvantages of being self-employed?
  • (今日、多くの人々が企業や組織で働くのではなく、自営業を選ぶようになっています。これはなぜでしょうか?自営業にはどのような欠点があるでしょうか?

上記の問題は複数の問題タイプを組み合わせたタスクの例です。「原因」と「欠点」が組み合わせられています。また、以下のような問題も出題されます。

  • Economic progress is often used to measure a country's success. However, some people believe that other factors are more important. What other factors should also be considered when measuring a country's success? Do you think one factor is more important than others?
  • (経済的進展はしばしば国の成功を測る指標として使われますが、他の要素の方が重要だと考える人もいます。国の成功を測る際には、他にどのような要素も考慮すべきでしょうか?あなたは、ある一つの要素が他の要素よりも重要だと思いますか?)

こちらはいずれのタイプにも当てはまらないタスクの例です。1つめの質問では、「国の成功を測る時に考慮されるべき他の要素」について問われています。2つ目の質問は「1つの要素が他の要素よりも重要であるか?」を聞かれています。

構成パターン(テンプレート)

構成パターン:ボディ1で1つ目の質問に、ボディ2で2つ目の質問に答える

質問が複数(通常2つ)ある場合には、「問題タイプ4:Cause / Problem / Effect / Solution」の「構成パターン1」に準じて答えるといいでしょう。すなわち、ボディ1で1つ目の質問に対して答え、ボディ2で2つ目の質問に対して答えます。

トピックセンテンスの作り方

複数の質問に答える場合のトピックセンテンスについて確認しましょう。ボディ1では、与えられた2つの質問のうちの1つについて、できれば複数の観点から考察します。ボディ2では、残りの1つの質問について、同様に複数の観点から考察します。

質問ごとにボディをまとめる場合のトピックセンテンス

構成例
  • ボディ1
  • The main cause of トピック is メインアイデア
  • ボディ2
  • A possible disadvantage of トピック is メインアイデア

先ほどの1つ目のタスクの例を使ってトピックセンテンスを確認してみましょう。

  • ボディ1
  • The main cause of many people choosing to be self-employed is the desire for independence and flexibility in work.
  • 多くの人が自営業を選ぶ理由の主な原因は、仕事における独立性と柔軟性への願望です。
  • ボディ2
  • A possible disadvantage of being self-employed is the lack of job security and benefits such as paid leave.
  • 自営業の欠点の1つは、雇用の安定性や有給休暇などの福利厚生の不足です。

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IELTSのライティング・タスク2の問題には、さまざまなタイプがあります。この記事ではそれらを大きく6つに分けて、それぞれの問題タイプ別に基本的な構成パターンをご紹介しました。問題タイプごとにどのような構成で回答するのかを把握しておくことは、テスト本番でスムーズに回答を展開するために非常に重要です。

もちろん、エッセイの書き方は自由です。上記の構成パターンはあくまで一例であり、他にも様々な書き方が考えられます。上級者の方は、これらの基本の構成を理解した上で、自分なりの構成を考えてみるのもいいでしょう。

Hibiki

この記事を書いた人

Hibiki Takahashi

日本語で学ぶIELTS対策専門スクール 『PlusOnePoint(プラスワンポイント)』創設者・代表。『英語ライティングの鬼100則』(明日香出版社)著者。1997年に大阪大学医学部を卒業後、麻酔科専門医として活躍。2012年渡豪時に自身が苦労をした経験から、日本人を対象に IELTS対策のサービスを複数展開。難しい文法・語彙を駆使するのではなく、シンプルな表現とアイデアで論理性・明瞭性のあるライティングを指導している。これまでの利用者は4,000名を超え、Twitterで実施した「12週間チャレンジ」では、わずか4週間で7.0、7週間で7.5など、参加者4名全員が短期間でライティングスコア7.0以上を達成(うち2名は7.5を達成)。「IELTSライティングの鬼」の異名を持つ。オーストラリア在住13年、IELTS 8.5(ライティング 8.0)、CEFR C2。

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