ライティングサミット講義資料(Unit 6)

トピックセンテンスは簡潔に

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トピックセンテンスは段落の主旨を示す重要な文です。この段落でどのようなことを議論するのかという「トピック」と、そのトピックに対するメインの主張である「メインアイデア」を含むセンテンスです。

ライティング・タスク2

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トピックセンテンスは、その性質上、簡潔にまとめることが求められます。トピックセンテンスが長くなりすぎると、何について議論しているのかが不明瞭になり、またそれに対する主張も曖昧になってしまいます。特に、メインアイデアが長い文の中に埋もれてしまうと、段落全体の論理展開が不明瞭になり、読み手は混乱してしまいます。

例えば、以下のようなトピックセンテンスを考えてみましょう。

  • It is true that governments implementing nutrition and food choice laws aimed at enhancing people's well-being may interfere with their personal choice and responsibility because, in a society where freedom of choice and independence are emphasized, people should be allowed to eat what they want to eat according to their preferences and needs.
  • 政府が人々の健康を向上させることを目的として栄養や食の選択に関する法律を施行することは、個人の選択や責任に干渉する可能性があるのは確かです。なぜなら、選択の自由や自立が重視される社会においては、人々は自分の好みやニーズに基づいて、食べたいものを自由に食べるべきだからです。

これは以下のタスクに対して書かれた受講生の方のエッセイの一部です。

  • Public health is becoming an urgent issue nowadays. Some argue that governments should create nutrition and food choice laws to improve public health, while others believe that it is a matter of personal choice and responsibility. Discuss both views and give your opinion.
  • 公衆衛生は現在、緊急の課題となっています。政府が公衆衛生を改善するために栄養や食の選択に関する法律を作るべきだと主張する人もいれば、それは個人の選択と責任の問題だと考える人もいます。両方の意見について議論し、自分の意見を述べなさい。

受講生の方のトピックセンテンスは実に54語もあります。IELTSの段落は、ボディを2つにする場合、概ね90-100語前後になりますから、このトピックセンテンスは段落全体の半分近くを占めていることになります。

このように長いトピックセンテンスは、読み手にとって非常に理解しづらいものです。特に、メインアイデアが長くなってしまうと、この段落でどのような主張をしたいのかをまとめたことになりません。

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現代の英語ライティングでは、特にアカデミックやビジネスの分野において「明確さ」と「簡潔さ」が重視される傾向があります。長すぎる文は、読者にとって意味をとりにくくなり、論理構造も曖昧になりがちです。特に、複数のアイデアや主張がひとつの文に詰め込まれていると、どの部分が主張の核なのかを読み取るのが困難になります。

加えて、英語母語話者であっても、30語以上の長文になると注意力が散漫になりやすく、内容の把握にストレスを感じることがあります。したがって、読み手に配慮するならば、文を適度な長さで区切り、一文一意(one sentence, one idea)の原則に従うことが望ましいです。文が長くなる場合は、思い切って2文、あるいは3文に分ける工夫が求められます。

この点については、拙著『英語ライティングの鬼100則』(Must 39)でも詳しく述べています。そこでは、「1文を25〜30語に収める」「接続詞や関係詞でダラダラと長くしない」といった具体的なテクニックや、実際の添削例を交えて、読みやすく説得力のある英文を書くための指針を紹介しています。長い文は書き手の自己満足になりがちであることを意識し、常に読者目線を忘れないことが重要です。

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メインアイデアを簡潔に表現することには、複数のメリットがあります。

まず第一に、読み手にとって内容が一目で理解しやすくなります。特にIELTSライティングでは、試験官が限られた時間で大量の答案を読むため、メインアイデアが瞬時に把握できるかどうかが、スコアに大きく影響します。要点を端的に述べることで、試験官に「この受験者は論理的に書けている」と印象づけることができます。

第二に、簡潔なメインアイデアは、段落全体の構成を明確にします。メインアイデアがはっきりしていれば、その後に続くサポート文(理由や例など)がぶれることなく展開できます。逆に、長すぎたり複雑すぎるメインアイデアは、何を補強すればよいのかが不明確になり、段落全体が曖昧な印象になってしまいます。

最後に、簡潔なメインアイデアは、読み手だけでなく書き手自身の思考の整理にもつながります。明確なメッセージを短い文で表現しようとすることで、余計な情報を削ぎ落とし、自分が本当に主張したいことが何なのかが見えてきます。このように、簡潔さはただのスタイルではなく、論理的で説得力のあるライティングを支える基盤なのです。

このように、メインアイデアを簡潔に表現することは、IELTSライティングにおいて非常に重要です。

  • 読み手にとって理解しやすい
  • 段落全体の構成が明確になる
  • 書き手自身の思考の整理にもつながる

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この記事はライティグサミット受講生限定記事です。

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Hibiki

この記事を書いた人

Hibiki Takahashi

日本語で学ぶIELTS対策専門スクール 『PlusOnePoint(プラスワンポイント)』創設者・代表。『英語ライティングの鬼100則』(明日香出版社)著者。1997年に大阪大学医学部を卒業後、麻酔科専門医として活躍。2012年渡豪時に自身が苦労をした経験から、日本人を対象に IELTS対策のサービスを複数展開。難しい文法・語彙を駆使するのではなく、シンプルな表現とアイデアで論理性・明瞭性のあるライティングを指導している。これまでの利用者は4,000名を超え、Twitterで実施した「12週間チャレンジ」では、わずか4週間で7.0、7週間で7.5など、参加者4名全員が短期間でライティングスコア7.0以上を達成(うち2名は7.5を達成)。「IELTSライティングの鬼」の異名を持つ。オーストラリア在住13年、IELTS 8.5(ライティング 8.0)、CEFR C2。

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