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論理的なライティングへの第一歩

プランニングの基本

プランニングの基本
IELTSのライティングは、採点基準表に示されている通り、表現力(語彙・文法)に加えて、論理性・明瞭性などのコミュニケーション能力も評価されます。特にライティング・タスク2では、アイデアを整理して分かりやすく説明する力が求められるため、事前のプランニングが非常に重要になります。
皆さんはエッセイを書く前にプランニングをしていますか?

多くの方がプランニングの存在すら知らないかもしれません。でも安心してください。プラスワンポイントの講座を受講し始める方の大半の方が、プランニングをしていないどころかプランニングの存在すら知らなかったと言います。

この記事をお読みいただき、プランニングについて少しでも理解を深めていただけると、いままでより論理的でわかりやすいエッセイを書くことができ、スコアアップにもつながります。

プランニングとは?

プランニングとは、これから書くエッセイのアイデアを整理し、事前に構成を考える作業のことです。エッセイを書く前に少し時間を取ってプランニングを行うことで、不必要なアイデアを排除したり、問題への対応を明確にすることができます。結果的に、スコアアップにもつながる重要なプロセスです。

プランニングなしで書くとどうなるのか?

プランニングを行わないでエッセイを書くと、以下のような問題が発生します。

プランニングなしの問題点

途中で書くことがなくなる
議論が繰り返しになる
具体例が思いつかない
時間が足りなくなる
議論に矛盾が生じる
うまく話がまとまらない
具体例中心の議論になる
対立意見よりも自分の意見が弱い
このような経験をお持ちもの方が多いと思います。しかし、これらの問題は、プランニングの正しいやり方を知り、実践することで解決することができるのです。

プランニングとアイデア出しの違い

「プランニング=アイデアを考えること」と誤解している人も少なくありません。アイデアを考えること、いわゆる「ブレーンストーミング(アイデア出し)」という作業は、すべての方が行っているはずです。エッセイを書くにあたってアイデアを考えるプロセスがなければ、そもそもエッセイが書けないですからね。

しかしこれは厳密な意味でのプランニングではありません。

アイデア出しで考えたアイデアをもとに、アイデアを取捨選択したり、メインアイデアを決定したり、あるいは最終的なポジションを決める作業こそがプランニングの本質なのです。

プランニングですること

アイデアを取捨選択する
メインアイデアを決める
ポジションを決める
もちろん、それだけではありません。もし対立意見の考察(Some people argue ...のような段落を作ること)もするのであれば、その意見よりも自分の意見が強いことを確認しておく必要があります。また、エッセイ全体を通してアイデアの重複や繰り返しがないか、アイデアの矛盾はないかなど、レベルによってはさらに細かなチェックを行うことになります。

目指すスコアに応じて...

プランニングでするべきことは、究極のところ「あとは英語にするだけ」の状態にまで考えを詰めておくことです。ただ、一方で時間的な制限もあります。また、プランニングに慣れていない段階では時間をかけても十分なプランニングができない可能性もあります。

そこで、目指すスコアや現在のレベルに応じて、プランニングでなにをするのかを決めるといいでしょう。

語数をまだクリアできない方

必要な語数をまだまだクリアできていないという方は、アイデアが不足していることが原因でしょう。この段階では、プランニングでなるべく多くのアイデア出しを足しておくことを最優先に考えると良いでしょう。目標スコアが5.0-5.5くらいまでであれば、それだけでもかなりの確率でスコアアップが期待できます。

5.0-5.5達成に必要なプランニング

なるべく多くのアイデアを考える

5.0-5.5を達成できている方

すでにライティングで5.0-5.5を達成できている方は、時間内に指定された語数(250語以上)を書くことにはそれほど抵抗を感じていないでしょう。一方で、語数はクリアできるのになかなか結果に結びつかないという悩みを抱えておられることと思います。6.0-6.5のスコアを目指すためには、ある程度の論理性や明瞭性を追求しなければならないため、単なるアイデア出しだけでは不十分なのです。エッセイを書き始める前に、自分のアイデアがタスクへの回答になっているかを確認する、メインアイデアを吟味する、エッセイ全体で繰り返しを減らすなどの作業が推奨されます。

6.0-6.5達成に必要なプランニング

アイデアがタスクへの回答になっているかを確認する
メインアイデアを吟味する
エッセイ全体で繰り返しを減らす

6.0-6.5を達成できている方

6.0-6.5を達成できている方は、メインアイデアを決定したり、エッセイ全体の大まかな構成は作れているはずです。Task ResponseやCoherence/Cohesionの採点項目でBand 7以上を狙っていくために、さらに綿密なアイデアの組み立てをしていきましょう。具体的には、各段落のトピックセンテンスからコンクルーティングセンテンスまでの流れをほぼ決めておくくらいの綿密なプランニングができるといいでしょう。また、エッセイ全体を通して無駄がなく、かつ隙のない議論ができるようにしたいところです。

7.0-7.5達成に必要なプランニング

メインアイデアを十分に吟味する
メインアイデアとサポートのつながりを考える
ボディ全体のフローをしっかりイメージする
段落間のつながりを確認する
エッセイ全体の議論の進行を確認する
最適なポジションを吟味する
ただ、このレベルになると独学では難しいと感じる場合もあります。プラスワンポイントの最高峰のライティング集中対策講座「ライティングサミット」などを活用しながら、スコアアップに直結するプランニング力を高めることも検討してもいいでしょう。

プランニングにかけられる最大時間を知る

次は、プランニングにかける時間について考えてみましょう。

プランニングにかける時間もまた、目指すスコアによって異なります。まだ書くことにまだ十分に慣れていない方は、プランニングに十分な時間をかけることはできません。一方で、書くことにある程度慣れている方は、プランニングに多く時間をかけることができます。

プラスワンポイントの受講生の多くは、プランニングに5〜10分の時間をかけています。一般的には、目標スコアが5.5までの方であればプランニングにかける時間は5〜6分、目標スコアが6.0以上の方であればプランニングにかける時間は5〜10分が目安となるでしょう。ただし、これはあくまで目安であり、超ハイスコアを狙うような方の中にはプランニングに15〜20分ほどかける人もいます。後述の通り、プランニングにかける時間は、自分が書くスピードに合わせて調整する必要があります。

プランニングにかける時間の目安

目標スコア5.5まで → 5〜6分
目標スコア6.0以上 → 5〜10分
超上級者 → 10〜20分

最大のプランニング時間を知る

自分がかけることができる最大のプランニング時間を知る簡単な方法を紹介します。

最大のプランニング時間を知るためには、以下の2つのことを知る必要があります。

最大のプランニング時間を知るために必要なこと

自分が書くスピード(1分間に書ける語数)
自分が目指すエッセイの語数

自分が書くスピード(1分間に書ける語数)

エッセイを書くスピードを測定する最も簡単な方法は実際にエッセイを書いてみるのも一つの方法です。ただし、この方法ではあまり正確に測定をすることができません。なぜなら、プランニングができていない状態でエッセイを書くスピードと、プランニングができている状態でエッセイを書くスピードは全く異なるからです。

私たちが今知りたいのは、プランニングができている状態でエッセイを書くスピードです。すなわち、書く内容が日本語でほぼ決まっていて、「あとは英語にするだけの状態」というところから、センテンスを作るのにどのくらいの時間がかかるかを知りたいのです。

タイマーを用意していただき、時間を測りながらこの2つの例文を英語にしてみてください。

練習用例文

例文1:最近、ますます多くの人がインターネットで買い物をするようになっています。
例文2:オンラインでの買い物はクレジットカードの情報漏洩の危険を伴います。
それぞれの英文を書くのにかかった時間を記録しておいてください。

練習用例文(解答例)

例文1:Recently, an increasing number of people have started to shop on the Internet.
例文2:Online shopping carries the risk of credit card information leakage.
多少の文法ミスなどは個々では無視していただいて結構です。おおよそ、このような英文になったかと思います。1分程度で書けた方が多いのではないでしょうか。上級者であればそれぞれ30秒程度で書けたかもしれません。

次に、自分の書いたセンテンスの語数をカウントしてみましょう。上記の例文であれば、例文1は13語、例文2は10語です。ほとんどの方がこのくらいの語数になったと思います。

皆さんはいま、約10〜15語のワードを書くのにかかる平均的な時間を知ったことになります。実際にはこれよりも難しいセンテンスも出てきますので、1.2倍くらいの時間を想定しておくほうがいいですので、10語書くのに45秒かかった人は「45秒 x 1.2 = 54秒」という計算にしておきましょう。

10語あたりにかかる時間をまずは把握しておきましょう。

自分が目指すエッセイの語数

みなさんがエッセイを書く際、「目指す語数」を意識していますか?
IELTSのライティング・タスク2では、「250語以上」という指定はあるものの、何語書けばいいという明確なルールはありません。ただ、「語数が多くなる=時間がかかる(ミスも多くなる)」という大原則があるため、まずは「260-270語」を目指すようにしてみましょう。

では、270語のエッセイを書くのにかかる時間を計算してみましょう。先程計測していただいた「10語あたりにかかる時間」を、ここでは仮に1分として計算してみます。

270語のエッセイを書くのにかかる時間

10語あたりにかかる時間:1分
270語のエッセイを書くのにかかる時間:1分 × 27 = 27分
この27分が、エッセイを書くために必要な時間です。

一方で、エッセイ全体にかけられる時間は40分と決まっていますので(厳密にはタスク1の時間を削ってその分を充当することも可能)、差し引きしたものが「プランニングにかけられる最大の時間」となります。つまり、上記の例であれば、プランニングにかけられる最大の時間は13分となります。

実際は27分では書けない・・・?

自分の書くスピードがなんとなくわかり、プランニングにかけられる時間の上限もわかったところで、皆さんの中には少しもやもやしている人もいるかもしれません。「実際に書いているときはもっと時間がかかっている気がするのはなぜ?」という疑問です。

そうですよね。先程の例文ならたしかに1分前後で書けるかもしれませんが、そのペースで最後まで書けることなんかないですよね。それはなぜなのでしょう。勘の鋭い方ならもうお気づきかもしれませんが、それはプランニングが十分にできていないからなのです。ちょっと逆説的に聞こえるかもしれませんが、最初にプランニングをしっかりできていないと、書いている途中でアイデア不足に陥ったり、アイデアの繰り返しや矛盾に気づいて修正したりすることに余計に時間がかかってしまうのです。

確かに最初に10分近くプランニングに時間を使うことは勇気がいります。早く書き始めなければ書き終わらないのではないか、という不安は誰でも経験するところです。しかし、プランニングが不十分な状態で書き始めても、結局途中で考えるプロセスが必要になり、途中でプランニングをしているのと変わらなくなるのです。それであれば、最初にしっかりとプランニングをしてから書き始めたほうが、結果的には早く書き終わることになるのです。

まずは5分プランニングをするところから始めてみてください。それだけでも途中でアイデア不足に陥ったり、アイデアの繰り返しや矛盾に気づいて修正したりすることに余計に時間がかかってしまうのを防ぐことができます。

ワンポイントコラム

300語以上のエッセイは圧倒的に不利

なるべく多くの語数を書く方が、英語の能力もたくさん見せることができるし、アイデアもたくさん書けるので、最終的にスコアアップにつながると思っておられる方も多いかもしれません。しかし、実際には300語以上のエッセイは、スコアアップにつながるどころか、逆にスコアを下げる可能性すらあります。その理由は大きく分けて3つあります。

1. 時間がかかる

当然のことながら、規定の語数よりはるかに多く書くわけですから、時間もそれだけかかります。プランニングにかける時間が短くなるのはもちろん、エッセイの内容をじっくり考える時間も削られてしまいます。300語以上書いている方は、30語でも40語でも減らすことで、細かな文法ミスや語彙選択ミスを修正する時間に当てることができるかもしれません。

2. ミスの数が増える

目標スコア6.5以上になると、文法や語彙の正確性が大切になってきます。たくさん書くということは、それだけ文法ミスや語彙ミスの確率が上がることを意味します。

3. 繰り返しや逸脱が増える

意外と盲点になるのが、繰り返しや逸脱が増えるということです。エッセイが長くなると、なるべく詳しく説明したいと思うあまり、同じことを繰り返したり、トピックやメインアイデアから逸脱した議論に発展させてしまうことがあります。

300語以上書いているのになかなかスコアが良くならないという方はこのトラップにはまっている可能性があります。まずはプランニングをしっかり行い、何を書くかをしっかり最初に決めておくことで、行き当たりばったりで議論を広げすぎてしまうことを防ぐことができます。もちろん、超上級者は本当に必要で300語以上の議論をすることもありますが、最初からそれを真似してしまうと上記のようなトラップに陥ってしまう可能性があることを覚えておきましょう。

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Mika

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Hibiki

この記事を書いた人

Hibiki Takahashi

日本語で学ぶIELTS対策専門スクール 『PlusOnePoint(プラスワンポイント)』創設者・代表。『英語ライティングの鬼100則』(明日香出版社)著者。1997年に大阪大学医学部を卒業後、麻酔科専門医として活躍。2012年渡豪時に自身が苦労をした経験から、日本人を対象に IELTS対策のサービスを複数展開。難しい文法・語彙を駆使するのではなく、シンプルな表現とアイデアで論理性・明瞭性のあるライティングを指導している。これまでの利用者は4,500名を超え、Twitterで実施した「12週間チャレンジ」では、わずか4週間で7.0、7週間で7.5など、参加者4名全員が短期間でライティングスコア7.0以上を達成(うち2名は7.5を達成)。「IELTSライティングの鬼」の異名を持つ。オーストラリア在住14年、IELTS 8.5(ライティング 8.0)、CEFR C2。

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