IELTS語彙


表現の微妙な違いを知ろう


これとこれ、どう違うの?

表現の微妙な違いを知ろう

IELTSのライティングやスピーキングではさまざまな言い換えをしますが、同じような意味を持つ表現であっても微妙にニュアンスが違う場合があります。この記事はプラスワンポイントの受講生からよく質問をいただく表現の違いを随時更新しながらまとめています。

let vs allow

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「let」も「allow」も「許可する」という意味で覚えることが多いですので、同じように使ってしまったり「allow」の言い換えとして「let」を使ってしまう人もおられますが、両者は厳密にはニュアンスが異なります。「let」の基本的な意味は「手助け」あるいは「容認」です。「したいことを叶えるために手伝ってあげる」「好きなようにさせてあげる」という意味から「許可する」という意味になります。一方「allow」はより客観的な観点から許可をする場合に使われ、「手助けをする」というニュアンスは含まれません。以下の例文で違いを確認してみましょう。

  • Let me talk about my experience.
  • (私の経験について話させてください。)
  • The company does not allow its employees to work from home.
  • (その会社は従業員が自宅から働くことを許可していない。)

mental illnesses vs mental diseases

02

「illness」も「disease」もどちらも「病気」を表す単語ですが、微妙にニュアンスが違います。「disease」は固い響きを与え、医療機関でしっかりとした診断を受けているような場合に用います。一方、「illness」はよりカジュアルな場面でも使われます。重症度も「disease」のほうが重く聞こえます。ちなみに、Google Ngram Viewerでは1980年以前は「mental diseases」が好んで使われていたのに対して、1980年以降は「mental illnesses」のほうがよく使われていることがわかります。

引用元:Google Ngram Viewer

discern vs distinguish

03

「discern」も「distinguish」も「見分ける」という意味で共通していますが、両者は厳密にはニュアンスが異なります。「discern」の注意深く観察をして細かな違いを見分ける場合に使います。一方「distinguish」はより明確な違いがある場合に使われる傾向にあります。以下の例文で違いを確認してみましょう。

  • A detective dog can discern a faint odor left at a crime scene.
  • (探偵犬は犯罪現場に残されたかすかな臭いを識別することができます。)
  • Customers can easily distinguish the product from others by its colour.
  • (顧客は色でその製品を他の製品と容易に区別することができます。)

must vs have to

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「must」も「have to」も「〜しなければならない」という意味で使われますが、「must」が自発的に「〜しなければならない」という意志を示唆しているのに対して、「have to」は外部要因によって「〜しなければならない」と感じている様子や場合によっては「(自分の意志に反して)〜せざるを得ない」という強制されている様子を示すこともあります。以下の例文で違いを確認してみましょう。

  • I must join the gym to keep fit.
  • (健康を維持するためにジムに加入しなければならないと思っています。)
  • I have to send this email by 9pm tonight.
  • (このメールを今夜9時までに送らなければなりません。)

sustain vs maintain

05

「sustain」も「maintain」も「〜を維持する」という意味で使われますが、「sustain」が「なにか困難な状況において努力をして何かを維持すること」を意味するのに対して、「maintain」は「維持管理をしながらー定の状態を保つ」という意味になります。「maintain」は車などの機械はもちろん、生活レベル、生活スタイルなど幅広く用いられます。以下の例文で違いを確認してみましょう。

  • Australia has maintained economic growth for the past 30 years.
  • (オーストラリアは過去30年間経済成長を維持してきました。)
  • However, it may be difficult to sustain this level of economic growth for another 10 years.
  • (しかしながらこのレベルの成長を向こう10年続けるのは難しいかもしれません。)

ensure vs assure

06

「ensure」も「assure」も「〜を保証する」という意味で使われますが、「ensure」が「何かが実現されるようにすることを保証する」を意味するのに対して、「assure」は「他人に対して確約を与える」という意味になります。以下の例文で違いを確認してみましょう。

  • Please ensure that you haven not left anything behind when you leave the room.
  • (退室する際には忘れものがないこと確認してください。)
  • The doctor assured the patient that the surgery would go smoothly.
  • (医師は患者に手術が順調に行われることを保証しました。)

problem vs issue

07

「problem」も「issue」も「問題」という意味で使われます。実際に言い換え可能なものも多いですが、厳密には、「problem」が「解決を必要とする問題」を意味するのに対して、「issue」は「検討を必要とする問題、意見が別れている議題(争点)」という意味で使われます。以下の例文で違いを確認してみましょう。

  • The problem of air pollution in metropolitan cities is becoming a grave concern.
  • (大都市における大気汚染の問題は、深刻な懸念事項になってきています。)
  • In the digital age, protecting privacy is a major issue.
  • (デジタル時代においてプライバシーの保護は大きな問題です。)

admit vs recognise

08

「admit」も「recognise」も「〜を認める」という意味で使われますが、「admit」が「(特に自分の過ちなどを)しぶしぶ認める」というニュアンスであるのに対して、「recognise」は「(特にポジティブな事実などを)認めてあげる」という意味で使われます。以下の例文で違いを確認してみましょう。

  • Many people are beginning to admit that they have no choice but to change jobs due to the rapid advancement of AI.
  • (AIの急速な進化により、転職せざるを得ないと認め始めている人も少なくない。)
  • People of the same profession with the same years of experience should be paid the same salary, regardless of their gender.
  • (同じ職業で同じ経験年数の人は、性別に関係なく同じ給料をもらうべきです。)

affect vs influence vs impact

09

「affect」も「influence」も「impact」も「〜に影響を与える」という意味で使われますが、それぞれニュアンスが異なります。「affect」は「結果に変化をもたらす」という意味がベースにあります。物理的な変化はもちろん、感情などにも使います。「influence」は「(直接的ではなく)潜在的に影響を及ぼす」という意味で使われます。「impact」は「より直接的で衝撃的な影響を与える」という意味で使われます。以下の例文で違いを確認してみましょう。

  • Lack of sleep often affects a person's mood.
  • (睡眠不足は、しばしば人の気分に影響を与えます。)
  • Even with the widespread use of the internet, television still considerably influences the audience in shaping various public opinions.
  • (インターネットが普及した今もテレビはさまざまな世論を形成する上で今なお大きな影響力を持っています。)
  • Recent inflation has significantly impacted small and medium-sized businesses with weaker financial foundations.
  • (昨今のインフレは特に財政基盤の弱い中小企業に大きな打撃を与えています。)

despite ... vs regardless of ...

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「despite ...」も「regardless of ...」も「〜にもかかわらず」という意味で使われますが、「despite ...」が「ある事実に反して」というニュアンスを含むのに対して、「regardless of ...」は「条件に影響されずに」というニュアンスが含まれます。以下の例文で違いを確認してみましょう。

  • Despite being aware of the importance of a balanced diet, many people still opt for junk food due to busyness and convenience.
  • (バランスの良い食事の重要性を認識しているにもかかわらず、忙しさや利便性からジャンクフードを選んでしまう人も少なくありません。)
  • Some people argue that mandating vaccines, regardless of an individual's wishes, goes against human rights.
  • (本人の意志に関わらず、ワクチンを強制することは人権に反すると言う意見の人もいます。)

during the nightvs at night

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「during the night」も「at night」も「夜間に」と訳されますが、「during the night」が「夜間を通して繰り返し行われている、もしくは継続して行われている様子」を表すのに対して、「at night」は回数や継続性のニュアンスはなく、単に「夜間に行われている様子」を表します。以下の例文で違いを確認してみましょう。

  • Many young people these days tend to stay up late at night.
  • (最近の若者はよく夜遅くまで起きている傾向があります。)
  • The human brain is believed to organize information during the night.
  • (人間の脳は夜間に情報を整理すると考えられています。)

economic vs economical

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「economic」も「economical」も経済的な観点に関連していますが、それぞれ異なるニュアンスが含まれます。「economic」は経済全体や経済学に関連したことを指します。「economical」は節約、効率、または価値についての意味合いが強いです。以下の例文で違いを確認してみましょう。

  • The economic situation in the country has been challenging due to the pandemic.
  • (パンデミックのため、その国の経済状況は厳しいものとなっています。)
  • This car is very economical as it requires less fuel than others.
  • (この車は他の車よりも燃料を少なく消費するため、非常に経済的です。)

care about vs care for

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「care about」も「care for」も他者に対する気遣いや関心を表しますが、その表現の仕方が異なります。「care about」は一般的に情感や関心、価値観に関することを表し、「care for」は物理的なケアや看護、養育に関する事を指します。以下の例文で違いを確認してみましょう。

  • She cares deeply about environmental issues.
  • (彼女は環境問題に深く関心を持っています。)
  • He has been caring for his elderly mother for several years.
  • (彼は数年間、年老いた母親の世話をしてきました。)

learn vs learn about

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「learn」も「learn about」も学習を意味しますが、その焦点が異なります。「learn」は特定のスキルや知識を習得することを表し、「learn about」は一般的な情報や事実、理解についての学習を意味します。以下の例文で違いを確認してみましょう。

  • She is learning politics to understand how government systems work.
  • (彼女は政府システムの仕組みを理解するために政治を学んでいます。)
  • They are learning about the history of Europe in school.
  • (彼らは学校でヨーロッパの歴史について学んでいます。)

seek vs seek for

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「seek」も「seek for」も何かを探し求めるという意味ですが、「seek」は直接的に目的や目標を追求することを指し、「seek for」は具体的な物や人を探し求めることを示します。「seek for」はあまり一般的な表現ではなく、「seek」がより広く使用されます。以下の例文で違いを確認してみましょう。

  • Many people seek happiness in material possessions.
  • (多くの人々は物質的な所有物に幸せを求めます。)
  • We are seeking for a lost kitten in the neighborhood.
  • (私たちは近所で迷子になった子猫を探しています。)

search vs search for

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「search」と「search for」の両方とも「探す」という意味ですが、その使い方が少し異なります。「search」は一般的に特定の場所やエリアを探すときに使います。「search for」は特定の物、人、情報などを探し求めるときに使います。以下の例文で違いを確認してみましょう。

  • The police searched the house for any evidence.
  • (警察は何か証拠がないか家を捜索しました。)
  • She is searching for a good book to read.
  • (彼女は読むための良い本を探しています。)
Mika
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この記事を書いた講師

hibiki
Hibiki TAKAHASHI
日本語で学ぶIELTS対策専門スクール 『PlusOnePoint(プラスワンポイント)』創設者・代表。『英語ライティングの鬼100則』(明日香出版社)著者。1997年に大阪大学医学部を卒業後、麻酔科専門医として活躍。2012年渡豪時に自身が苦労をした経験から、日本人を対象に IELTS対策のサービスを複数展開。難しい文法・語彙を駆使するのではなく、シンプルな表現とアイデアで論理性・明瞭性のあるライティングを指導している。これまでの利用者は2,500名を超え、Twitterで実施した「12週間チャレンジ」では、わずか4週間で7.0、7週間で7.5など、参加者4名全員が短期間でライティングスコア7.0以上を達成(うち2名は7.5を達成)。「IELTSライティングの鬼」の異名を持つ。オーストラリア在住10年、IELTS 8.5(ライティング 8.0)、CEFR C2。
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