スコア9.0の講師が教える
パート別・目標スコア別対策方法
英語のリスニングは、日本人が英語学習をしていく上で苦手とされていることの一つです。特にIELTSのリスニングは、1度しか音声が流れず本番で自身の実力が出しきれないと悩む方が多いです。IELTS リスニング対策を行っている講師として言えるのは、英語のリスニングのスキルに加えて、IELTSのリスニング問題の傾向と対策を把握しているかどうか、ということがスコアに大きく影響します。これらを知り練習することで、自身の実力を最大限発揮した、もしくはそれ以上のスコアを取ることができます。
本記事では、そんなIELTSリスニングの練習に役立つ情報をご紹介したいと思います。問題傾向、それに対するスコア別の対策から本番の試験の流れまで、リスニング試験の対策に役立ててくださればと思います。
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IELTSのリスニング試験はアカデミックとジェネラルトレーニング共通の試験となっています。試験時間は約40分間で、試験は次のように進みます。まずはじめに解答用紙が配られ、試験官のインストラクションを聞きながら氏名等の必要事項の記入を一斉に行います。全ての記入が終わった後、問題の冊子が配布されます。
ペーパーベースのIELTS試験であれば、ほとんどの会場でオーディオプレーヤーを使用し、一斉にリスニング問題を聞きます。一部の会場ではヘッドホンを使用することが可能です。問題の冊子は音声の案内があるまで開いてはいけません。
コンピューターベース(CDI:Computer-Delivered IELTS)のリスニング試験では試験の始めに、サウンドチェックとして音量やヘッドホンの不具合を確認する時間が設けられていますので、その時間を有効に活用し、リスニングの音量が適切であるかどうか確認しましょう。
サウンドチェック以降の指示は、リスニングの試験の音声案内に従います。問題は全て1回ずつの放送のみとなります。ペーパーベースのリスニング試験では、リスニング問題の最後に10分間、解答用紙に答えを記入する時間が設けられていますが、コンピューター試験の場合、最後の確認時間は2分間しかありません。
なお、リスニング試験中の退室は許可されていません。いかなる理由でも退室してしまった場合は、試験の再開は認めらないため、その点は注意しましょう。
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IELTSにはペーパーベースの試験とパソコンで受験ができるComputer-Delivered IELTS(CDI)の二つの試験があります。最近では、CDIを実施する地域が増加しています。結果も早く受け取ることができるため、CDIでの受験を検討してもよいでしょう。
リスニング試験については、ペーパーベースとCDIで大きな違いが5つあります。CDIを受験される方は、これらの違いをしっかりと把握して、CDIに備えたIELTS対策をしておきましょう。
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CDIでは必ずヘッドホンを使用することができます。ペーパーベース試験では、会場によりほとんどの場合ヘッドホンが使えません。ペーパーベースの試験では、音声は基本的にオーディオプレーヤー、または会場の備え付けのスピーカーから流されます。席によって音の聞こえ方が違い、音量の調整も自由に行うことができず、周囲の雑音で聞き取りにくくなることもよくあります。コンピュータベースでは必ずヘッドホンが利用できるため、このようなデメリットがなくなります。
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ペーパーベースの試験では、問題用紙を開く案内があるまで問題を見ることができません。一方、CDIの場合、試験開始時間と同時にパソコンの画面に問題が表示されるため、ペーパーベースよりは、少し早めに問題に目を通すことができます。
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ペーパーベースとCDIとでは各パートの終了から開始までの時間が異なります。パートの前半と後半の間や、各パートの終了から開始までの間には、問題を先読みしたり、自分の解答をチェックするための時間があります。この時間がペーパーベースでは30秒程度のところ、CDIでは45秒ほどあるため、CDIの方が少し時間的な余裕を持つことができます。
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CDIの場合、各パートの終了から開始までの時間がペーパーベースの試験と比較しやや長く確保されている一方で、最後に解答を書き写す時間はありません。ペーパーベースでは最後に10分間、自分の解答をを解答用紙に書き写す時間が取られていましたが、CDIではその場で解答を埋めていくため最後の10分間はなくなりました。最後には見直しのための2分間が取られるだけです。CDIのIELTSで受験を予定される方は、CDIに合わせた時間配分の対策が必要になってくるでしょう。
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ペーパーベースだと問題用紙にメモを取れたり問題のキーワードに印がつけられたりします。CDIでも問題のキーワードを選択、クリックしてハイライトをしたり、事前に渡されるペンと紙を使って聴きながらメモをとることができますが、時間やタイミングが勝負の試験のため、画面上でハイライトをしたり別の紙にメモをとるような時間的余裕はほとんどないでしょう。ペーパーベースのように下線やしるし付け、メモなどに慣れている方がCDIで受験する場合は、練習の方法を変える必要があるでしょう。
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リスニング試験は4つのパートで構成されています。それぞれに進行のパターンが決まっていて、特徴もパートごと異なります。
パート別、目標スコア別の対策については後ほど詳しく述べますが、ここでは簡単に特徴を表にまとめてみました。
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IELTSのリスニング試験は40問で構成されており、40問中何問正解するかでスコアが決定されます。IELTSのリスニングはアカデミックとジェネラルトレーニングの共通試験のためスコアの計算方法も同様です。問題の難易度によって1〜2問の誤差は生じますが、概ね下記の表の通り採点されます。
まずは自分のレベルを知りましょう。実際の試験を受けるのもいいですが、リスニング・リーディングは得点数によって決まるため、公式問題集を使って問題を解いてみれば、すぐに自分のスコアがわかります。その上で「どのくらい余裕があるのか?」「足りていないのか?」を知り、練習によって目標スコアとの差を縮めていくことが基本的な学習方法となります。まずは、Cambridge IELTS公式問題集に取り組み、自分のスコアを把握しましょう。
ここから各パートの特徴、問題タイプごとの特徴を捉えた対策をし、必要な正答数を得られるように練習をします。 各パートの特徴や問題タイプごとの対策についてはまた後ほど述べたいと思いますが、基本的にIELTSリスニングは先に進むほど話の内容が難しくなります。つまりパート1の内容が1番簡単でパート4が1番難しいということになります。 パート1、パート2では日常的な内容となっており、パート3、パート4では大学のアサイメントや講義についての内容です。ただし、これは話の内容、つまり「理解のしやすさ」という意味で、問題の難易度については少し話が変わってきます。IELTSの問題には独特なタイプがあり問題タイプ別にも難易度が異なるためです。
実は、パート1を除いて、パート別に見ると問題の難易度「正解のしやすさ」は意外にもほぼ同じと言えます。英語力が高くなると、パート2やパート3よりもむしろパート4のほうが簡単と感じるようになります。
英語力に自信のない人にとって前者は、あまり聞き取れなくても「解答を選択して記入することができる」ため、正答率を上げてくれる問題です。しかし後者は聞き取れなければそもそも「解答を記入することができない」ため、高い確率で失点してしまう問題です。どちらかというと前者のほうが解答しやすいと感じると思います。
逆に、単語力のある一定以上の英語力を有する方の場合、ピンポイントで単語を聞き取る2のタイプは簡単に感じるでしょう。ただ、ハイスコアを目指す場合は、1のタイプの解答を運任せにすることができないため、問題用紙の質問の内容を正確に理解した上で、スピーチの細かい部分まで内容の理解度を高めなくては解答の精度が上がりません。つまり、1のタイプのほうが難しく、対策が必要と感じるでしょう。
このように、自分の現時点でのレベルと目標スコアによって学習のフォーカスが変わります。よって、これらを理解した上で、「自分はどのくらいの理解度で解答を決めているのか?」を意識することで、効率的で、戦略的な対策ができるようになるためです。
それでは、具体的にはどのような対策が有効なのか、パートごとに特徴と目標スコア別の取り組み方を見ていきましょう。
パート1では、2人の話者が、問い合わせなど日常的な対話をしています。電話での会話も多く出題されます。問題形式は穴埋め問題が中心で、人名や地名のスペル、人数や電話番号などの数字、日時や集合場所など、話の主要なポイントとなる単語が問題となっています。会話のなかで、言い直したり、いくつか似たようなオプションが登場したりすることもあるので注意が必要です。 3つの選択肢から解答を選ぶタイプの、選択問題もまれに出題されますが、それでも後半のパートに比べるとそれほど難易度は高くありません。
他のパートと比べて格段に易しい問題であるため、どのスコアを目指す方にとっても、パート1は最も得点しておきたいパートです。しかし、ひっかけ問題も多く、なかには、誰もが間違えやすい問題が1、2問は含まれています。少々のミスは仕方ありません。
一人の人が日常に関する話をしています。選択問題、地図問題、状況判断、分類など、選択肢から選ぶタイプの問題が非常に多いです。たまに、表などを埋めるタイプの穴埋め問題が出ます。特徴として、近年レベルが高くなっていることが挙げられます。特に選択問題では、ほぼ全ての選択肢が読まれるため単に聞き取れた単語を選ぶだけでは、間違えてしまう可能性が高くなります。質問文の内容をきちんと理解する必要があります。 パート2の問題において、表の穴埋め問題や、選択肢の言葉が本文中で言い換えられていないときなどは比較的解答するのが易しくなります。逆に、選択肢が長いとき、選択肢の言葉が本文中で大きく言い換えられているときには選択肢を選ぶのが困難になります。 パート2において質問文の選択肢は本文中で以下の3つのパターンで出てきます。
金額等の数字や、短い言葉、比較的難しい言葉などは言い換えがなくそのまま出てくることがあります。問題文の内容にあった選択肢を選んで下さい。
「Jewelry(ジュエリー)」が「bracelet(ブレスレット)」に、「weekdays(平日)」が「Monday to Friday(月-金)」といった、似た意味の別の言葉に言い換えられているパターンです。パート2では、比較的初級者の方でも気付ける語彙レベルの単語が使われています。
金額等の数字や、短い言葉、比較的難 しい言葉などは言い換えがなくそのまま出てくることがあります。問題文の内容にあった選択肢を選んで下さい。
比較的長い選択肢によくあります。日本語でみるとそこまでの違いは感じないかもしれませんが、英語で聞いたとき、選択肢と主語が変わるため気づきづらくなります。選択肢を単語レベルではなく文として理解している必要があります。
どのレベルを目指す受験者にとっても、パート3は最も難易度の高いセクションです。学術的な難しい語彙が使われている上に、2人以上の対話で、さらに話が二転三転します。また、選択肢の言い換えも非常に複雑になっているため、ただ英語を聞き取れるだけではなく、話されている内容をきちんと理解する、ということが求められます。 パート3の選択肢の本文での言い換えは、「抽象>具体」です。選択肢が抽象的で、本文でその抽象的な選択肢がどのようなことか、というのを具体的に説明しています。
間違ったところに立っていたとはどういうことなのか、というのが具体的に長々と説明されています。 “Wrong place“と言われるのをいつまでも待っていては到底正解できないようになっています。また、一度出てきた名詞が代名詞に置き換えられている、“mountain“が“there“と変わる、ということも頻繁にあります。この抽象的な選択肢に対して言われている具体的な本文の一致を理解する、というところがパート3の大変難しいところになります。
パート4では、一人の人が学術的な内容を話します。使われている単語のレベルが上がるため、初心者の方には難しく感じるかもしれませんが、答えに当たる単語などは比較的易しいものが多いです。リスニングは基本的に、問題の内容が上から順番に読まれていくため、解答が必要ではない箇所の文も本文を聞きながら見ていくことで、今どの辺が読まれているのかと言うことを終始確認できます。また、小見出しなども場所を判断する上でのよいヒントとなります。 さらに、スクリプトが約6分と長いため、途中で問題文には書いていないような話をしていることもよくあります。そのような箇所に遭遇したとき、今どこが読まれているのかを見失なったかのように感じます。そんなときは落ち着いて次のキーワードが聞こえてくるのを待ちましょう。
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リスニング試験はIELTSの4科目のなかでは最も難易度の低い科目です。その理由は、問題形式の幅が少なく、リーディングと比べて語彙も簡単なものが多いためです。しかし近年は、特にセクション2、セクション3で複雑な内容理解が必要な問題が増えてきています。自習する難しさからも、近年はリーディングよりもスコアを上げにくいと感じている日本人学習者が多いようです。実際、リスニングの相談に来られる方でリスニングよりリーディングのスコアが高い方も多いです。
リスニング試験が難しく感じる理由の一つとして、リスニング力や英語のスキル以上のものが求められているから、というのが挙げられます。「内容を理解しながら聞く」というのはもちろんのこと、「問題を素早く読む」「選択肢が本文でどのように言われそうか先に予想しておく」「スペルをマスターしている」「引っ掛けを見抜く」などIELTSのテストならではのスキルが必要になります。
逆に言えば、IELTSのリスニングで求められていることしっかりと理解し対策をすることが、得点に繋がると言えるでしょう。
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リスニングの問題形式にはいくつかタイプがあります。IELTSが公式ウェブサイトでは以下のように問題タイプを紹介しています。
ただ、実際に問題を解いてみると、必ずしもこのタイプごとに同じアプローチ方法が有効というわけではないことに気が付きます。似たように見える問題でも、キーワードの探し方や特徴が異なるのですね。
例えば、選択問題(multiple choice)では、3択の選択肢のなかから1つを選ぶタイプ(single choice)と、5択の選択肢のなかから2つ、または3つの解答を選ぶタイプ(multiple choice)があります。それぞれに難易度も注意点も異なります。
PlusOnePointでは、その問題タイプの難易度、特徴をより実践ベースで捉え、独自のタイプ分けをしています。それぞれにどのようなプロセスで問題を解くのが効率的なのか?どのような点に注意すべきか?を考え、以下のように分類しているため、より実践で活用しやすい対策方法となっています。
次の項で、各問題の特徴を詳しく見ていきましょう。
一般的にIELTSのリスニング問題のなかで、穴埋め問題が最も得点しやすい問題と言われています。特にこの問題形式は、パート1とパート4でよく出題されます。スペルのミスには気をつけて解答しましょう。 穴埋め問題で出題される形式は次のようなものです。
選択問題のシングル形式の問題とは、3~4つ程度の選択肢のなかから正しい答えを一つ選ぶ問題です。 特にパート2、3で多く取り入れられています。
この形式の問題には、選択肢のなかにひっかけ問題が含まれていることが多いため、聴こえてきた言葉が含まれているものを闇雲に選ぶのは避けましょう。問題が読まれる前に、質問文をきちんと理解してその質問の答えとなっている部分を選ぶことが大切です。
選択問題のマルチプル形式の問題とは、選択肢のなかから複数の解答を選ぶタイプの問題です。
この形式の問題は難易度が高く、全ての答えが見つけ出せないこともあるかもしれません。たとえ、聞き逃してしまった部分があり、全ての答えが分からなかったとしても、聞き取った答えについては確実に点数を取るようにし、次の問題に引きずることのないようにしましょう。
パート2でときおり出題されます。地図形式の問題では、大学のキャンパスマップ、施設図などがよく出題されます。施設を案内してくれる方の説明を聞いて、地図を完成させていくような問題です。この形式の問題は、難易度にばらつきがあります。 方角や物の位置関係に関する単語をしっかりと覚えておくことが大切です。
状況理解のマッチングでは、各問題に割り当てられた短い言葉に対して、本文中で言われた内容を複数ある選択肢のなかから選ぶ問題です。選択肢は、全ての問題で同じものから選びます。難易度は高めです。 この問題は、選択肢が多いためひっかけとなる選択肢が少ない分、話の移り変わりが速く話についていくのが大変です。また、本文中で言われていることと選択肢での表現が大きく異なることも多いために、本文は理解できたが、選択肢が選べないということもあります。
基本的にIELTSのリスニングでメモを取ることはお勧めしておりませんが、この問題に関してのみ、聴こえてきた内容を軽くメモし後ほど見返して選択肢を選ぶ、という方法の方がやりやすいこともあります。
ショートアンサーの問題では、内容に関する短い質問が与えられます。この形式の問題には、必ず”NO MORE THAN TWO WORDS”のように語数の指定があり、語数の指定を守った上で、解答しなければいけません。 このような問題は、単語を聞き取る以上に内容の理解が重要なため、難易度は高めの問題と言えるでしょう。
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IELTSのリスニング対策で最も効果的なのは公式問題集の演習です。 特に、スコアアップのためには、同じ問題を繰り返し解くことがおすすめです。一度解いた問題を復習し、2−3週間ほどの期間を空けて、もう一度解くような勉強方法を取り入れましょう。 何度か演習を重ねるうちに、答えを覚えてしまうかもしれませんが、覚えてしまっていても構いません。そのような時は、答えを思い出すのではなく、答えの根拠になる部分を明確にしながらリスニングの問題を解いてみましょう。 さらに、問題に正解することだけを目標とするのではなく、話全体を理解できるかどうかという点にも着目しながら勉強を行うと、学習効果が高まります。
他の英語能力試験と異なり、IELTSリスニングには単語の書き取りがあります。 そのため、たとえ対話の内容が理解できたとしても、正しいスペルが書けなければIELTSでは点数にはつながりません。 その特徴を理解した上で、リスニングの過去問題を取り組む際は、2回以上出てきた単語はIELTSリスニング問題の頻出単語であると捉え、単語のスペルを正しく書けるようにしましょう。
IELTSのリスニング試験で点数を伸ばすためには公式問題集に取り組むことが効果的です。しかし、公式問題集をやるだけでは十分にリスニングの力を身につけることはできません。 リスニングの力を伸ばすためには、一通り問題を解いた後にしっかりと復習をすることが大切です。 復習を丁寧に行うことで、リスニング力を飛躍的に上げることができます。復習では問題のスクリプトを見ながら、実際に何を話していたのか、内容を確認してみましょう。そうすることで、聞き取れていなかった英語の発音を学ぶことができます。
IELTSのリスニングでは、複数人が話している対話を聞きとる問題が出題されます。そのなかには、会話特有の言い回しも多く含まれているため、このような会話のフレーズに慣れておく必要があります。 例えば、電話番号を相手に伝える際、電話番号の数字が連続しているとします。その場合は、同じ数字を2-3回繰り返して言うのではなく、“double” “triple”という単語を使って表現します。
このように会話で使う表現があるため、公式問題集のスクリプトを見て復習をしながら、特徴的な会話のフレーズを確認しましょう。
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IELTSのリスニング試験では、問題は1回しか放送されません。この1回の放送で内容を聞き逃さないためには、メモに時間をかける以上に、話の全体を理解することの方が大切です。 一部の受験生の方は、リスニングを聞きながらメモを残し、後から考える方法を取っていると思います。しかし、この方法でスコアメイキングに繋がっていないようでしたら、メモに集中してしまっているがために、内容を聞き逃しているかもしれません。 どうしても答えに悩んだときには、選択肢問題であれば、絶対に異なる解答にバツ印をつけたり、その時点で聞き取ったことを、簡単にカタカナでメモをする程度にしましょう。
パート1の穴埋め問題や、パート2、3の選択式の問題では、答えと思われる内容が聴こえてからそれを後に否定する、ということがよくあります。答えになりそうな内容が聴こえたらすぐにそれに飛びつがず、必ず最後までその内容が変わらないかしっかりと聞いてください。 特に、“but”などの逆説の表現がでてきた場合は、その前に言われたことをを覆すような内容が言われることが多いの注意して聞いてください。
穴埋め問題には、解答の語数制限があります。このような語数の指定は、各パートのインストラクションに明記してあるため、問題を答える前に、インストラクションに目を通し、必要であれば重要事項にアンダーラインをするなどの工夫をして、確認漏れがないようにしましょう。 “NO MORE THAN TWO WORDS”というのが指示の場合、解答は1語のものもあれば2語のものもあります。 “Write ONE WORD OR/AND A NUMBER”の場合、解答は、1語の単語だけのもの、数字だけのもの、もしくは1語の単語と数字を一緒に書くものがあります。
IELTSのリスニングではスペルミスの他に、単数形と複数形の間違いも減点対象です。 基本的には、本文で聞こえた通りに書くことが大切です。 また、内容全体を聞き取ることができるようになると、話の流れとして「単数形が適切なのか?」「複数形が適切であるのか?」という点を判断することが可能です。 さらに、穴埋め問題であれば、前後の文脈や穴埋めに必要な語彙数にもヒントが隠されていることがよくあります。文章全体を確認して単数形や複数形の違いを判断しましょう。
選択問題では、ひっかけの選択肢がたくさんあります。そのため、リスニング問題を聞く際、単語だけを聞き取るような解き方をしていると、間違った選択肢を選びかねません。 リスニングの本文を聞く前に、質問文の意味をしっかりと確認して、質問に合った選択肢を内容から選ぶことが大切です。特に選択肢の内容が読まれた後に“but”などの逆説の表現がでてきた場合は、その前に言われたことを覆すような内容が言われることが多いため特に注意して聞いてください。
質問文を読む際に、特に以下の言葉が出てきたら要注意です!
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問題の先読みとは、リスニングの問題が始まる前に、質問の内容や選択肢を読んでおくことを意味します。事前に質問や選択肢を理解しておくことで、リスニングを聞きながら答えを見つけやすくなります。 先読みのテクニックを使う場合、パート1のインストラクションの放送が流れているなか、パート2以降の問題を読むことに時間をかける必要があります。そして、パート1の問題が始まった瞬間、パート1に戻りリスニングの内容に集中力しなければいけないため、素早い切り替えの能力が必要になってきます。 先読みテクニックを使うことでリスニング試験の点数向上に繋がることは確実です。しかし、あまり英語に自信のない方であれば、先読みに集中しすぎてしまうと、パート1で点数を落としてしまいかねません。ご自身の英語力と目標点に応じて先読みテクニックを適度に取り入れてみましょう。
ペーパーベースのリスニング試験では、まずはじめに問題用紙に答えを記入することをおすすめします。IELTSのリスニングは1回しか読まれないため、少しでも聞き逃しを減らすためにも、問題用紙から目を逸らさないようにしましょう。また、後から答えを解答用紙に転写することで、スペルミスのチェックができたり、解答欄の記入ミスも防ぐことができます。 ペーパーベースのIELTS試験であれば、リスニング試験の最後に答えを転写する時間が10分間あります。この時間を有効に活用して、解答の転写や見直しをしながら、悩んだ問題を振り返ってみましょう。悩んだ問題でも、話の展開を概ね掴み取っていれば、問題をゆっくりと読むことで、正しい答えが分かる場合もあります。同時に、スペルミスの確認も行いましょう。じっくりと、一つひとつスペルの確認を行い、この時間を使って小さなミスを防ぎましょう。 対して、 CDIの場合解答用紙に答えを写す必要がないため、最後の確認の時間は2分間しかありません。問題の画面を見ながら、本文が流れている最中にクリックをしたり答えを記入したりしていきます。確認の時間が短いため、未記入の問題があると大変です。なるべく空欄を作らず問題を解いていくことをおすすめします。
IELTSの試験はイギリスやオーストラリアで広く活用されています。そのため、イギリス英語やオーストラリア英語の発音が多く使われているのは事実です。しかし、出題される問題はイギリス英語やオーストラリア英語には限定されていません。なかには、インド人の英語・日本人の英語なども出題されます。 普段、英語圏に住んでおられる方は、日常生活のなかで様々な国の人の英語に触れる機会が多いと思いますが、日本に住んでおられる方は学校教育で教わったアメリカ英語にしか慣れていない方も多いでしょう。IELTS リスニング対策の際には、公式問題集を解いたり、日常生活で英語のニュースを見たりしながら、色々な英語に慣れていきましょう。
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穴埋め問題は、イギリス英語のスペルにこだわることはありません。イギリス英語の綴りでも、アメリカ英語の綴りでも、自分が慣れているスペルで解答しましょう。しかし、解答用紙全体を通して、イギリス英語とアメリカ英語のスペル両方が入り乱れるような解答は避けましょう。 また、リスニングの解答の大文字表記、小文字表記も採点には影響しません。文の先頭にくる文字は大文字、などと考える必要はありません。大文字でも小文字でも、慣れていてスペルミスが気付きやすい方で解答しましょう。また、日付が答えになるとき、その記述方法は国によってさまざまです。よって、日付を解答するときには正しい解答が複数あります。
“January” を“Jan”、 “Wednesday”を “Wed”と、一般的に使われているものなら略して解答することもできます。しかし曖昧なものや、一般的に使われていないと判断されたものは不正解になることがあるため気をつけましょう。 また、選択肢問題で1つの問題から2つ選択肢を選ぶマルチプルチョイスの問題は、正しい解答さえ書けていればどの順で書いても正解になります。また、正解したものが2つのうち1つだった場合は、正解した1点が得点となります。
万が一聞き逃した部分があったとしても、後ろ髪を引かれないことが大量失点をしないための一番のポイントです。どれだけ英語力に長けている人でも、2〜3問の聞き逃しはあって当然のことです。最も重要なことは、その次の問題を落とさないために、話の流れにすぐに戻ることです。 気持ちの問題とも関わってくることもありますが、自分の目標点の達成のためには、何問正解すれば達成できるのかということを頭に入れておくと、何問まで失点してよいのかを計算することができます。その失点を許容範囲として考えることで、答えを聞き逃したときも、気持ちを切り替えて次の問題に臨むことができます。 全問正解しようと意気込んでいると、聞き取れなかったときのショックがとても大きく、その後にも引きずってしまい、結果として多くのミスを出してしまうことになりかねないため、気持ちの切り替えが非常に重要です。
問題の先読みのテクニックの話にも関連しますが、リスニングで最も重要なのは集中力です。 たった1回しか聞くことができないリスニングの問題で、先読みのテクニックを使い、パート間の行き来をしたり、パッと次の問題に気持ちを切り替えたりするには、集中力の高さが関わってきます。 そのため、日々の学習でもパートごとに区切って練習する日もあれば、本番のような緊張感を持って、パート1〜4までを通して練習してみるなど、集中力を高めるトレーニングをすることもIELTSリスニングの効果的な対策であると言えるでしょう。
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いかかでしたでしょうか? IELTSリスニングは、英語のリスニングスキルを上げるとともに、IELTSの問題傾向をきちんと把握し対策ができていることが目標スコアを取る上で重要になります。PlusOnePointでは、常日頃IELTS試験の最新の情報を手に入れながら問題の傾向を研究し、最善の対策法を練り出しています。ご自身での対策が難しく感じている方はお気軽に、IELTS無料学習相談をご利用ください。IELTS学習のプロが、皆様の目標スコア、状況などに合った対策法を親身になってお伺いいたします。
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