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ライティング・タスク2

議論を曖昧にする some をやめよう

議論を曖昧にする some をやめよう
エッセイライティングにおいて、意識せずに "some" を多用していませんか。"This can lead to some environmental issues ..." のように書いてしまうのは、日本人学習者にとって非常によくあるパターンです。しかし、この "some" はしばしば議論の説得力を下げ、試験官にもやもやした気持ちを残します。この記事では、なぜ "some" が問題になるのか、どう言い換えればよいのかを具体例とともに整理します。

some が議論を曖昧にする理由

"some" は日本語にする場合、「いくつかの」「ある程度の」という訳語をあてられることが多いですが、実際には「数が不明確」「重要度が不明確」「具体性がない」というシグナルを読み手に与えます。一方で、エッセイは自分の主張を論理的に展開するためのものですので、このような曖昧な表現はなるべく避けたいのです。

例として、次の文を見てください。
This can lead to some environmental issues such as air pollution and deforestation.
"some environmental issues" という表現は、問題が存在することは伝えますが、どの程度深刻なのかが一切伝わりません。読み手の立場から見ると、「書き手は本当にこの問題の深刻さを伝えたいのだろうか」と疑問を持つことになります。

曖昧になる some の典型例

このように "some" は書き手の意図しない曖昧さを読み手に伝えてしまうことがあるのです。代表的なパターンは以下の通りです。それぞれ、日本語で意味を補うとどのようなニュアンスになるかも確認しておきましょう。

some issues / some problems

「なんらかの問題」というニュアンスです。問題がどのくらいあるのか、どれほど重大なのかが読み手に伝わりません。「特に程度については触れないが、あるにはある」というようにも聞こえます。
This policy may create some issues for low-income households.
問題があることは伝わりますが、どのような問題なのか、どれほど深刻なのかが何も示されていません。

some benefits / some drawbacks

「多少の利点がある」というニュアンスで、利点を積極的に主張したいというよりも、利点が全くないわけではない、というように、むしろ自信のなさを印象づけます。
Working from home has some benefits for employees.
benefits があると言いながら、どのくらいの利点なのかが伝わらず、主張としての重みを失っています。

なぜ日本人学習者は some を多用するのか

日本語には英語の "some" に直接対応する語が多くあります。「いくつか」「一部の」「ある程度の」「多少の」など、日本語でも似たような曖昧表現を使う場面は珍しくありません。そのため、英語を書くときにも無意識に "some" を選んでしまいやすいのです。

また、言い切ることへの抵抗感も関係しています。「断定するのは怖い」「例外があるかもしれない」という心理から、"some" でぼかすことで安心感を得ようとするパターンです。しかし、アカデミックライティングでは、根拠のある主張は明確に述べることが求められます。断定を避けた結果として表現が弱くなるのは、スコアメイクの上では得策とはいえません。

どう言い換えればよいか

"some" を取り除いて、より具体的・正確な語に置き換えるのが基本的な方針です。

深刻さ・重要度を示す形容詞に変える

・some issues → serious issues / significant damage
・some benefits → substantial benefits / notable advantages
This policy may create some issues for low-income households.
→ This policy may create serious financial burdens for low-income households.
Working from home offers some benefits for employees, including improved work-life balance and reduced commuting time.
→ Working from home offers substantial benefits for employees, including improved work-life balance and reduced commuting time.

some を削除するだけで済む場合もある

・this has some benefits → this has benefits(そのまま削除してもおかしくないことが多い)
・there could be some negative consequences → this may lead to negative consequences
This policy, if implemented too quickly, may lead to some negative consequences for both businesses and workers.
→ This policy, if implemented too quickly, may lead to negative consequences for both businesses and workers.
言い換えに迷ったときは、「この some を消したら意味が通じるか」を確認するとよいでしょう。多くの場合、消しても意味は成立します。

some people argue that ... だけは例外

ここまで "some" を避けるべき理由を述べてきましたが、一つだけ例外があります。それが "Some people argue that ..." という表現です。

この構文は、ライティングでよく使われる「対立意見(反論)の導入」として確立した用法です。
Some people argue that economic growth should take priority over environmental protection.
この場合の "some people" は「(世の中には)〜と主張する人々もいる」という意味で使われており、議論の対立構造を示すための定型表現として機能します。「どの程度の人がそう主張するかは分からないが、一定数いるかもしれない」という意味ですので、ここでの "some" は問題になりません。

まとめ

"some" は主張を曖昧にするものであることを再確認しておきましょう。"some" をひとつ削るだけで、文章の印象はかなり変わります。次に書くエッセイでは、"some" を使おうと思ったときには、本当に必要かどうか一つひとつ確認してみてください。
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Mika

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Hibiki

この記事を書いた人

Hibiki Takahashi

日本語で学ぶIELTS対策専門スクール 『PlusOnePoint(プラスワンポイント)』創設者・代表。『英語ライティングの鬼100則』(明日香出版社)著者。1997年に大阪大学医学部を卒業後、麻酔科専門医として活躍。2012年渡豪時に自身が苦労をした経験から、日本人を対象に IELTS対策のサービスを複数展開。難しい文法・語彙を駆使するのではなく、シンプルな表現とアイデアで論理性・明瞭性のあるライティングを指導している。これまでの利用者は4,500名を超え、Twitterで実施した「12週間チャレンジ」では、わずか4週間で7.0、7週間で7.5など、参加者4名全員が短期間でライティングスコア7.0以上を達成(うち2名は7.5を達成)。「IELTSライティングの鬼」の異名を持つ。オーストラリア在住14年、IELTS 8.5(ライティング 8.0)、CEFR C2。

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