IELTSライティング・タスク2において最も出題頻度が高い問題形式の1つは、agree/disagreeタイプです。与えられた意見や主張に対して「あなたは賛成しますか、それとも反対しますか」という形で問われるこのタイプは、シンプルなようで、いくつか重要なポイントがあります。この記事では、agree/disagreeタイプの基本的な答え方から、エッセイ構成のポイント、よくある疑問まで丁寧に解説します。
どのような問題タイプか
agree/disagreeタイプとは、IELTSライティング・タスク2において
最も出題頻度の高い問題タイプの1つです。
ある主張や意見が提示され、それに対して「あなたはどう思うか」という立場を問われます。基本的には、「賛成(agree)」か「反対(disagree)」のどちらかの立場をとり、その理由を論理的に展開することが求められます。
典型的な問題文の例
Some people think that the government should invest more money in public transportation rather than roads. Do you agree or disagree?
政府は道路よりも公共交通機関にもっとお金を投資すべきだという意見があります。あなたは賛成ですか、それとも反対ですか?
このタイプの問題では、
自分の立場を明確にすること(thesis statement)が最も重要です。「どちらともいえない」というあいまいな立場をとることも可能ですが、明確な立場をとった方が論理的な議論を展開しやすくなります。
基本的な聞かれ方のパターン
agree/disagreeタイプの問題文には、主に2つのパターンがあります。
パターン1:Do you agree or disagree?
Do you agree or disagree with this statement?
最もシンプルなパターンです。
パターン2:To what extent do you agree or disagree?
To what extent do you agree or disagree?
「どの程度(to what extent)」という表現が加わります。
「To what extent ...」があっても答え方は変わらない
「to what extent」という表現があると、「部分的に賛成(partially agree)と答えなければならないのでは?」と感じる人もいますが、そういうわけではありません。「完全に賛成」あるいは「完全に反対」というように、パターン1とまったく同じように答えて構いません。
「to what extent」は、「この部分には賛成だが、この部分には反対」というような柔軟な立場も許容するという意味であって、
必ずしも部分的な賛成を求めているわけではないのです。重要なのは、自分の立場を明確にして、一貫した論拠で主張を支持することです。
「To what extent ...」と聞かれても同じ
「To what extent do you agree or disagree?」のような質問であっても、
「完全に賛成」「完全に反対」のポジションで答えても問題ありません。部分的な賛成を求めているわけではないことに注意しましょう。
基本的なエッセイ構成
agree/disagree タイプの標準的なエッセイ構成は、
4段落構成です。
標準的な4段落構成
① 導入(Introduction):議題+ポジション
② ボディ1:反論を考察
③ ボディ2:自分の主張を展開
④ 結論(Conclusion):ポジション再確認+メインアイデア要旨
ボディ1:反論を考察する
ボディ1では、
自分とは反対の立場の意見を考察します。取り上げた反論に対して、「〜と考える人もいる。それは、〜」というように、自分の主張と対立する意見について、
なぜそのような考えをする人がいるのかを考察することで、自分の主張をより強くすることができるのです。
また、試験官に対しても「さまざまな視点を検討したうえで、自分の主張を述べることができている」という印象を与えることができ、議論の深みが増します。
ボディ2:自分の主張を展開する
ボディ2では、
自分のポジションを支持する根拠(メインアイデア)を展開します。IELTSでは自身の経験と知識を元にエッセイを書くことが求められていますので、データの引用などではなく、自分の言葉で説明を深め、具体的な例・体験談を用いながら、主張を丁寧に裏付けしましょう。
基本的なボディの構成
Body 1: Some may argue that ... because ...
Body 2: However, I believe that ... because ...
メインアイデアは複数必要か?
ボディの構成が理解できたところで、各ボディに含めるべきメインアイデア(主要な論点)はいくつ用意するべきか、を考えてみましょう。
複数のメインアイデアで段落を構成する方が書きやすい
ライティングを学び始めの段階では、
1つの段落に複数のメインアイデアを入れる構成の方が書きやすい場合があります。1つのアイデアを深く展開する力がまだ身についていなくても、複数のアイデアを並べることで段落をまとめやすくなるためです。
複数のメインアイデアで段落を構成する利点・欠点
複数のメインアイデアで段落を構成する利点
・1つのアイデアを深く展開しなくても語数を満たせる
複数のメインアイデアで段落を構成する欠点
・それぞれの議論が浅くなる可能性がある
・アイデアをたくさん考えておく必要がある
・アイデアが似通っていると議論の繰り返しになる
ワンサイドで書く利点・欠点
「ワンサイド構成」とは、ボディ1・ボディ2ともに自分が主張するサイドのみを展開し、反論を取り上げない構成です。この書き方は、首尾一貫性の観点から有利とされています。
ワンサイドで書く利点
ワンサイドでは、最低2つのメインアイデアがあればエッセイを書き切ることができます。反論と自分の意見の両方を考える必要がない分、アイデアの準備が楽になります。
また、ボディ全体を通じて同じ方向の主張が続くため、論理の流れがブレにくく、Coherence(論理的なつながり)やCohesion(文章のまとまり)のスコアが安定しやすいというメリットがあります。
一方で、ワンサイドでは1つの段落を1つのメインアイデアで構成する場合、1つのアイデアを十分に掘り下げて展開する力が求められます。もし複数のメインアイデアを1段落に詰め込むと、ボディ1とボディ2で「なぜ段落を分けているのか」が不明瞭になります。ワンサイドでは、段落ごとに1つのメインアイデアで展開するのが自然な構成です。
反論を取り上げない分、「その意見には穴があるのでは?」と感じさせやすい構成です。とはいえ、ワンサイドの構成でもWriting 8.0程度のスコアは十分に達成とされています。
ワンサイドで書く利点
・アイデアが少なくて済む
・Coherence / Cohesionが乱れにくい
ワンサイドで書く欠点
・アイデアの展開力が必要
・1つの段落に複数のメインアイデアを入れにくい
・議論の隙が生じやすい
ワンサイドで書く場合には、4〜5段落構成が好まれます。
4段落構成
① 導入(Introduction):議題+ポジション
② ボディ1:自分の主張(1)を展開
③ ボディ2:自分の主張(2)を展開
④ 結論(Conclusion):ポジション再確認+メインアイデア要旨
5段落構成
① 導入(Introduction):議題+ポジション
② ボディ1:自分の主張(1)を展開
③ ボディ2:自分の主張(2)を展開
④ ボディ3:自分の主張(3)を展開
⑤ 結論(Conclusion):ポジション再確認+メインアイデア要旨
さまざまな書き方のアプローチ
ここまで標準的な4段落構成(ボディ1で反論を考察、ボディ2で自分の主張)と、ワンサイド構成を紹介しました。
実際には、agree/disagreeタイプには他にもさまざまな書き方があります。
譲歩+自分の主張
よく使われるアプローチのひとつが、「譲歩(concession)+自分の主張」という構成です。ボディ1で対立意見の一部を認めたうえで、ボディ2で「しかしながら、〜」と自分の主張を展開するという書き方です。
譲歩+自分の主張のボディ構成
Body 1: It is true that [対立意見] ... because ...
Body 2: However, I believe that ... because ...
まずは基本で慣れること
さまざまな書き方を知っておくことは大切である一方で、
最初のうちは標準的な4段落構成に慣れることを優先するといいでしょう。基本の構成が身についてきたら、書き方のバリエーションを少しずつ増やしていくと効果的です。
また、迷ったときや時間が足りないと感じたときは、基本型に戻れるようにしておくことも重要です。
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この記事を書いた人
Hibiki Takahashi
日本語で学ぶIELTS対策専門スクール 『PlusOnePoint(プラスワンポイント)』創設者・代表。『英語ライティングの鬼100則』(明日香出版社)著者。1997年に大阪大学医学部を卒業後、麻酔科専門医として活躍。2012年渡豪時に自身が苦労をした経験から、日本人を対象に IELTS対策のサービスを複数展開。難しい文法・語彙を駆使するのではなく、シンプルな表現とアイデアで論理性・明瞭性のあるライティングを指導している。これまでの利用者は4,500名を超え、Twitterで実施した「12週間チャレンジ」では、わずか4週間で7.0、7週間で7.5など、参加者4名全員が短期間でライティングスコア7.0以上を達成(うち2名は7.5を達成)。「IELTSライティングの鬼」の異名を持つ。オーストラリア在住14年、IELTS 8.5(ライティング 8.0)、CEFR C2。
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