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スピーキングサミット受講生7.0達成

連続S7.0は偶然ではなかった

練習で出なかったスコアを本番で出せた本当の理由

スピーキング集中対策講座『スピーキングサミット』の第1期生2名がスピーキング7.0を達成した。しかし実は、お二人とも毎週の模擬試験ではほとんど7.0に届いていなかった。練習で出ないスコアが、なぜ本番で出たのか。これは単なる「本番に強いタイプ」という話ではない。そこには、スピーキング上達の本質が隠れている。

01条件が違えば、パフォーマンスは変わる

スポーツの世界では、練習と試合でパフォーマンスが変わることはよく知られている。プレッシャーのかかる本番で力が出る選手と、そうでない選手の違いは何か。研究では、「適度な覚醒水準(arousal level)」がパフォーマンスを最大化することが示されている。緊張しすぎても、リラックスしすぎても、人は本来の力を出せない。

参考記事 本番での緊張とスピーキングの関係

スピーキングも同じだ。スピーキングサミットでは毎週模擬試験を用意している。この模擬試験を通して、Part 1からPart 3までパフォーマンスを評価し、項目別の詳細スコアリングとフィードバックを行っている。

模擬試験と本番の「条件の違い」
  • 多くの受講生は仕事終わりの夜に受けることが多く、疲れた状態で集中力が落ちている
  • 「試験モード」になっていないため、適度な緊張感が生まれにくい

一方、本番試験は仕事のない日に、きちんと準備して臨む。試験費用を払っているという意識、「今日ここで結果を出す」という集中力。これらが、ちょうどいい緊張感を作り出す。

02スコアの数字を追うな、課題を克服せよ

模擬試験を受けていると、スコアの上下に一喜一憂しがちだ。6.5が出れば安心して、6.0が出れば落ち込む。でも、それは本質的な自己評価ではない。

模擬試験を毎週行う本当の意味は、自分が克服すべき課題を明確にすることだ。

よくある具体的な課題の例
  • 回答が短く、話が広がらない
  • 逆に回答がだらだらと長くなってしまう
  • パート1はいいが、パート3になると途端に詰まる

それぞれの人が「具体的な課題」を持っている。これら各自の課題を模擬試験を通して、どの程度克服できているかを実感するのが模擬試験の最大の目的だ。

模擬試験の正しい活用法

スコアの数値に一喜一憂するのではなく、「先週より課題が改善されているか」を確認する指標として使う。もちろん模擬試験で目標以上のスコアを常に出せるレベルにまでなればベストだが、その前段階として課題の克服を優先しよう。

03圧倒的な繰り返しが、自信を生む

お二人に共通していた最大の要因は、練習量だ。何度も、何度も、同じ問題を繰り返した。

「同じ問題を繰り返しても意味がない。本番で同じ問題は出ない」という声をよく聞く。これは半分正しくて、半分間違っている。

繰り返し練習で身につくもの

確かに、同じ問題は出ない。でも、繰り返しで身につくのは表現や語彙ではない。リズムと自信だ。

同じ問題を5回こなした後、スピーキングはもはや「スクリプトを思い出しながら話す」行為ではなくなる。言葉を探す認知的な負荷が下がり、「どう伝えるか」に意識を向けられるようになる。これが「自動化(automaticity)」と呼ばれるプロセスだ。

自動化が起きると何が変わるか

繰り返しによって言語処理が自動化されると、流暢さと自然さが一気に上がる。体に染み込んだリズムが、自然と言葉を引き出してくれるのだ。

04スピーキングサミットが重視していること

多くの人のスピーキング対策は、語彙や文法、テンプレートの習得に集中することが多い。もちろんそれも大切だ。でも、スピーキングサミットでは意図的に「その周辺」にも時間をかけている。

具体的には、話すときのリズム、間の取り方、声のトーン、そして「自分の言葉で話せている」という自信の作り方。

IELTSバンドディスクリプターが示す「差」
Band 6 "is willing to speak at length, though may lose coherence at times"
Band 7 "speaks at length without noticeable effort or loss of coherence"

この差は語彙や文法だけではなく、話すことへの自信とリズムが体に入っているかどうかで決まる。

このように、スピーキングのスコアメイクは、いわゆる「語学力」だけでは届かないところがある。それを補うのが、この「周辺」の力だ。

05スピーキングは、楽器を奏でることに似ている

スピーキングは、楽器を奏でることに似ていると思っている。

聴衆の心を動かす演奏家は、1音も間違えない人ではない。感情を乗せて弾ける人だ。心に響く歌手は、音程を完璧に外さない人ではなく、その歌に魂を込めている人だ。スピーキングも本質は同じだと思う。

スピーキングは、頭に思い描いているスクリプトの読み上げではない。そこに「聞き手」がいる。全体として、どう伝わっているかを評価される。流暢さ、リズム、言葉への自信、そして伝えようとする意志。これらが合わさって初めて、「7.0」という数字になる。

IELTSバンド7.0が本当に求めているもの

IELTSのバンドディスクリプターを読むと、7.0の基準には「some hesitation」は許容されている。完璧な発話は求められていない。求められているのは、伝えたいという意欲、聞き手が負担なく聞くことができる話し方など、コミュニケーションの本質ばかりだ。

スピーキングは、奏でるもの。

06今日から変えられること

明日から実践できる3つのこと
  • 模擬試験は、次に克服するべき課題を重視する
  • 同じ問題を繰り返し練習する意味を知る
  • スピーキングには聞き手がいることを意識する

スピーキングはコミュニケーション。なんとか相手に伝える、その感覚が身についたとき、スコアは後からついてくる。

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Hibiki Takahashi

この記事を書いた人

Hibiki Takahashi

日本語で学ぶIELTS対策専門スクール『PlusOnePoint(プラスワンポイント)』創設者・代表。『英語ライティングの鬼100則』(明日香出版社)著者。1997年に大阪大学医学部を卒業後、麻酔科専門医として活躍。2012年渡豪時に自身が苦労をした経験から、日本人を対象にIELTS対策のサービスを複数展開。難しい文法・語彙を駆使するのではなく、シンプルな表現とアイデアで論理性・明瞭性のあるライティングを指導している。これまでの利用者は4,500名を超え、Twitterで実施した「12週間チャレンジ」では、わずか4週間で7.0、7週間で7.5など、参加者4名全員が短期間でライティングスコア7.0以上を達成(うち2名は7.5を達成)。「IELTSライティングの鬼」の異名を持つ。オーストラリア在住14年、IELTS 8.5(ライティング 8.0)、CEFR C2。

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