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リーディング

リーディングのパラフレーズ(言い換え)を見抜く読み方トレーニング

IELTSリーディングの本文を読んで設問に答えるとき、「本文の単語と設問文の単語が一致する箇所」を探しても、なかなか正解にたどり着けないことがあります。それは、IELTSの設問がほぼ必ず本文をそのままの単語ではなく、パラフレーズ(言い換え)した形で出題されるからです。この記事では、パラフレーズを見抜くために必要な考え方と、日々のトレーニング方法を整理します。

01なぜパラフレーズを見抜く力が必要なのか

IELTSリーディングの設問文は、本文の内容を別の単語・別の言い回しで表現し直して作られています。これは偶然ではなく、単語の一致だけで解ける問題にしてしまうと、読解力ではなく単語探しのスキルを測る試験になってしまうためです。IELTSは「本文を理解できているか」を測る試験である以上、意味内容を保ったまま表現だけを変える出題は、むしろ本質的な仕掛けだといえます。

そのため、本文中に設問文と同じ単語が見当たらないからといって「本文に書かれていない」と判断するのは早計です。逆に、本文中に設問文と同じ単語がそのまま登場している選択肢は、意味的にはずれた「ひっかけ」であることも少なくありません。パラフレーズを見抜く力は、True/False/Not GivenやMultiple Choiceなど、複数の設問タイプに共通して必要となる土台のスキルです。

02パラフレーズの主なパターンを知る

パラフレーズにはいくつかの典型的なパターンがあります。パターンを知っておくと、本文を読みながら「これは言い換えられている」と気づきやすくなります。

  • 同義語への置き換え:increase → rise、important → crucial
  • 品詞の変化:succeed → success、to reduce → a reduction in
  • 抽象度の変化:具体的な事例 → 上位概念でのまとめ(例:cars, buses, trains → forms of transport)
  • 文構造の変化:能動態と受動態の入れ替え、原因と結果を表す表現の言い換え(cause → lead to、result in)
  • 否定を使った言い換え:easy → not difficult、rare → not common
  • 数量表現の言い換え:most → the majority of、a few → a small number of

これらのパターンを頭に入れておくだけでも、本文と設問文を照らし合わせるときの視野が広がります。

03実例で確認する

たとえば本文に次のような一文があったとします。

"The number of people using public transport in the city has risen sharply since the new subway line opened."

これに対して、設問文が次のように出題されたとします。

"The opening of a new subway line led to a significant increase in public transport use."

一見すると、has risen sharplyとled to a significant increaseは別の表現に見えますが、意味内容は同じです。risenがincreaseに、sharplyがsignificantに言い換えられ、さらに「新しい地下鉄が開通してから利用者数が増えた」という因果関係が、the opening ofとled toという表現で言い換えられています。単語の一致だけを探していると、この設問文に対応する箇所を本文中で見失ってしまいます。

04読み方のトレーニング方法

パラフレーズを見抜く力は、一朝一夕には身につきませんが、日々の練習の中で意識的に鍛えることができます。

一つ目は、模擬試験の復習時に、正解の根拠となった本文の一文と、設問文を並べて書き出し、どの単語がどの単語に対応しているかを一つずつ確認する方法です。単に答え合わせをして終わるのではなく、「なぜこの表現がこう言い換えられているのか」を言語化する過程が、パラフレーズのパターンを体に染み込ませます。ノートに本文と設問文を上下に並べて書き、対応する語句を線で結んでいくだけでも、視覚的にパターンが記憶に残りやすくなります。

二つ目は、読んだ英文の一文を、自分で別の単語を使って書き換えてみる練習です。同義語辞典(シソーラス)を使いながら、同じ意味を保ったまま単語を入れ替える練習を繰り返すことで、パラフレーズを受け手として見抜くだけでなく、作り手としての感覚も身につきます。この練習は、ライティングでも同じ内容を繰り返さずに表現の幅を広げる力につながるという副次的な効果もあります。

一人で書き換え練習を続けるのが難しい場合は、専用のアプリを使うのも一つの方法です。プラスワンポイントの「+1 APP」には、パラフレーズ練習に特化したアプリが用意されています。書き始めの2語が与えられ、その語で始まるパラフレーズ文を作るというシンプルな形式で、時間内にどれだけ言い換えられるかを繰り返しトレーニングできます。

無料アプリ パラフレーズ練習アプリ 書き始めの2語からパラフレーズ文を作る、時間制限つきのトレーニング

三つ目は、語彙学習の段階から、単語を一つずつ孤立して覚えるのではなく、同義語・類義語をセットで覚える習慣をつけることです。increaseを覚えるときにrise、grow、climbもあわせて覚えておけば、本文でどの単語が使われても反応できるようになります。単語帳やアプリで語彙を増やす際は、意味だけでなく「言い換えのグループ」として整理しておくと、リーディングだけでなくリスニングでのパラフレーズにも応用が効きます。

05トレーニングのポイント

  • 本文と設問文で単語が一致しない箇所こそ、パラフレーズが起きている可能性を疑う
  • 同義語・品詞変化・抽象度の変化・文構造の変化・否定表現・数量表現という主なパターンを意識する
  • 模擬試験の復習では、正解根拠の一文と設問文を並べて対応関係を書き出す
  • 読んだ英文を自分で言い換える練習を通じて、パラフレーズを作る側の感覚も養う
  • 単語は一つずつ孤立させず、同義語・類義語とセットで覚える

06まとめ

パラフレーズを見抜く力は、特定の設問タイプに限らず、IELTSリーディング全体を支える基礎スキルです。単語の一致を探す読み方から、意味内容の一致を探す読み方へと意識を切り替えるだけでも、本文と設問文の結びつきが見えやすくなります。日々の復習の中で「この表現はどう言い換えられているのか」を確認する習慣を続け、着実に力をつけていきましょう。

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Hibiki Takahashi

この記事を書いた人

Hibiki Takahashi

日本語で学ぶIELTS対策専門スクール『PlusOnePoint(プラスワンポイント)』創設者・代表。『英語ライティングの鬼100則』(明日香出版社)著者。1997年に大阪大学医学部を卒業後、麻酔科専門医として活躍。2012年渡豪時に自身が苦労をした経験から、日本人を対象にIELTS対策のサービスを複数展開。難しい文法・語彙を駆使するのではなく、シンプルな表現とアイデアで論理性・明瞭性のあるライティングを指導している。これまでの利用者は4,500名を超え、Twitterで実施した「12週間チャレンジ」では、わずか4週間で7.0、7週間で7.5など、参加者4名全員が短期間でライティングスコア7.0以上を達成(うち2名は7.5を達成)。「IELTSライティングの鬼」の異名を持つ。オーストラリア在住14年、IELTS 8.5(ライティング 8.0)、CEFR C2。

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