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スピーキング

I lived in a little bit rural area. は正しい英語?「ちょっと〜な」の英語での言い方

「ちょっと田舎の地域に住んでいました」。これを英語で言おうとして、I lived in a little bit rural area. という文が出てきたとします。単語はどれも簡単で、意味も伝わりそうに見えます。ところがこの文、ネイティブにはやや不自然に響きます。一方で、同じ a little bit でも It was a little bit tough. なら完全に正しい英語です。この違いはどこにあるのでしょうか。

この記事では、a little bit がどこで使えてどこで使えないのかを整理したうえで、a bit / a little / a little bit のニュアンスの違いと、「ちょっと田舎」を名詞のまま自然に言うための表現を紹介します。

01どこが問題?a little bit は名詞を修飾できない

まず結論から言うと、a little bit は「少し」という程度を表す、副詞のはたらきをする表現です。形容詞や副詞、動詞を修飾しますが、形容詞を修飾できるのは補語の位置にあるときに限られます。

正しい使い方(補語の形容詞を修飾)

The area was a little bit rural.その地域はちょっと田舎だった

I was a little bit nervous.少し緊張していた

It was a little bit tough.ちょっと大変だった

ポイントは形容詞の位置です。上の例のように、be動詞のあとに置かれた形容詞(補語)を修飾するのは問題ありません。しかし a rural area のように、冠詞と名詞のあいだに形容詞が入った「名詞のかたまり」の中に a little bit を割り込ませることはできません。

不自然な使い方(名詞のかたまりの中に割り込む)

I lived in a little bit rural area.「ちょっと田舎の地域に住んでいた」と言おうとした形

とはいえ、意味が通じないほどの壊れた文ではありません。くだけた会話では、ネイティブ自身がうっかりこの型を口にすることもあります。それでも文法のルールとしては誤りとされる形なので、覚え違いのまま定着させないようにしたいところです。

では、なぜ名詞のかたまりの中に入れないのでしょうか。very や slightly のような普通の程度副詞は、a very rural area のように名詞句の中でも問題なく使えます。a little bit が違うのは、それ自体が a を含んだ、名詞句由来のひとかたまりの表現だからです。これを a rural area という名詞句に押し込むと、次のように冠詞の a が二重になるような構造のぶつかりが起きてしまいます。

I lived in aarea にかかる冠詞の a a little bit「少し」のかたまりに含まれる a rural area.

a little bit を名詞句に押し込むと、冠詞の a が二重になってしまう

a bit や a little(副詞の用法)が名詞句の中で使えないのも、同じ理由です。

対処はシンプルです。名詞の前に置きたくなったら、形容詞を補語の位置に出して文を作り直します。The area I lived in was a little bit rural. とすれば、同じ内容を正しい形で伝えられます。

02a bit / a little / a little bit の違い

では、a bit / a little / a little bit はどう違うのでしょうか。意味はどれも「少し」で、ほとんどの場面で置き換え可能です。違いが出るのは、主にフォーマル度と響きです。

表現 響き
a little いちばんニュートラル。書き言葉でも使いやすい I was a little tired.
a bit 会話的。イギリス英語で特によく使われる It is a bit cold today.
a little bit いちばん柔らかく会話的。丁寧に和らげる響き I was a little bit nervous.

3つに共通する使える場所は、次のとおりです。

  • 補語の形容詞の前:It is a bit cold today. のように、be動詞などのあとに来る形容詞を修飾します。
  • 動詞のあと:I studied a little last night. / Could you slow down a bit? のように、動詞を「少し」の意味で修飾します。
  • 比較級の前:a bit better / a little bit more expensive のように、比較級の前に置いて「少し〜」を表します。名詞の前が原則NGの3表現ですが、比較級を修飾する形は自然に使えます。

名詞そのものにつなげたいときは、of を挟んで a bit of / a little bit of の形にします。a bit of luck(ちょっとした幸運)、a little bit of time(少しの時間)のような使い方です。なお a little だけは、of なしで a little money のように不可算名詞の前に置けますが、これは「少量の」という限定詞としての用法で、ここまで見てきた副詞の用法とは別物です。

もうひとつ知っておきたいのは、相性の傾向です。a bit や a little bit は、tired / expensive / boring のようなネガティブ寄りの形容詞と組み合わせて使われることが多く、逆に a bit interesting のようなポジティブな形容詞との組み合わせは不自然に響きやすいと言われます。ポジティブな内容に使いたい場合は、a bit more interesting のように比較級にすると自然になります。

03「ちょっと田舎の地域」を名詞のまま言うには

それでは、「ちょっと田舎の地域」を a rural area のような名詞のかたまりのまま言いたいときは、どうすればよいのでしょうか。答えは、名詞句の中で使える程度の副詞に置き換えることです。

名詞句の中で使える言い方

I lived in a somewhat rural area.(やや改まった、落ち着いた響き)

I lived in a fairly rural area.(そこそこ田舎の)

I lived in a rather rural area.(かなり田舎寄りの)

I lived in a slightly rural area.(わずかに田舎の)

somewhat / fairly / rather / slightly は、いずれも形容詞の前に置いて名詞句の中で使える副詞です。ちなみに rather には rather a rural area という語順もあり、冠詞の前に出られる点で少し特殊な副詞です。会話では kind of rural のような言い方もよく聞かれますが、こちらはかなりくだけた響きになります。

どうしても a bit の感覚を残したい場合は、a bit of a という型があります。a bit of a problem(ちょっとした問題)のように、a bit of a + 名詞は名詞を柔らかく和らげる定番の言い方で、It was a bit of a rural area. という形なら文として成立します。

ここでひとつ、落とし穴にも触れておきます。bit を取って I lived in a little rural area. とすると、実は文法的には正しい英語になります。ただし意味が変わります。この little は「少し」ではなく「小さい」という形容詞なので、聞き手には「小さな田舎の地域に住んでいた」という規模の話として伝わります。「ちょっと田舎」のつもりで使うと、意図とずれてしまうわけです。

最後に、そもそもの言い換えも選択肢に入れておきましょう。「田舎に住んでいた」ということ自体を伝えたいなら、I lived in the countryside. や I grew up in a small rural town. のほうがシンプルで、会話としても自然に響く場面が多いはずです。

04IELTSスピーキングでの使いどころ

a little bit や a bit は、正しく使えばスピーキングの強い味方です。断定を避けて It was a little bit stressful. のように言うと、自然な話し言葉らしい柔らかさが出ます。パート1のような身近な話題では、遠慮なく使ってよい表現です。

比較級と組み合わせる型は、意見を述べるパート3で特に便利です。Living in a city is a bit more convenient than living in the countryside. のように、比較の主張を和らげながら展開できます。

一方で、便利なぶん口癖になりやすい表現でもあります。どの形容詞にも a little bit を付けてしまうと、語彙の幅(Lexical Resource)の観点では単調な印象につながります。somewhat / fairly / rather / slightly を混ぜて使い分けられると、程度表現の幅を示す材料になります。

実践のコツとしては、名詞の前に a little bit を置きたくなった瞬間に、形容詞を文の後ろに回すことを思い出してください。The area was a little bit rural. と文を組み直すだけで、同じ内容を正しい英語で言えます。

こうした「文法的に合っているつもりで実は不自然」という表現は、自分ではなかなか気づけません。学校で習ったルールと実際の英語のギャップについては、こちらの記事も参考になるはずです。

スピーキング 制限用法のwhichは使われない!?学校で習う関係代名詞と実際の英語のギャップ

また、自分がよく使う英語表現に誤用が紛れていないか確認したい方は、AIが誤用をチェックしてくれるツールを試してみるとよいでしょう。

IELTS学習アプリ Misuse Finder(誤用ファインダー) 自分の英文に含まれる誤用や不自然な表現をAIがチェックします

05まとめ

最後に、この記事のポイントを整理します。

  • a little bit / a bit / a little は程度を表す副詞のはたらきで、補語の形容詞・動詞・比較級を修飾する。名詞のかたまりの中には入れない
  • The area was a little bit rural. のように、形容詞を補語の位置に出せば正しく使える
  • 3つの意味はほぼ同じ。a little がいちばんニュートラルで、a bit、a little bit の順に会話的で柔らかい響きになる
  • 名詞のまま言いたいときは somewhat / fairly / rather / slightly に置き換える
  • a little rural area は「小さな田舎の地域」という意味に変わってしまう点に注意
  • 迷ったら I lived in the countryside. のようなシンプルな言い換えも選択肢

a little bit そのものは、会話を柔らかくしてくれる便利で自然な表現です。使える場所と使えない場所の線引きさえ押さえてしまえば、安心してスピーキングの武器にできます。次に「ちょっと〜」と言いたくなったとき、その「ちょっと」がどこに掛かっているのかを一瞬だけ意識してみてください。

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Hibiki Takahashi

この記事を書いた人

Hibiki Takahashi

日本語で学ぶIELTS対策専門スクール『PlusOnePoint(プラスワンポイント)』創設者・代表。『英語ライティングの鬼100則』(明日香出版社)著者。1997年に大阪大学医学部を卒業後、麻酔科専門医として活躍。2012年渡豪時に自身が苦労をした経験から、日本人を対象にIELTS対策のサービスを複数展開。難しい文法・語彙を駆使するのではなく、シンプルな表現とアイデアで論理性・明瞭性のあるライティングを指導している。これまでの利用者は4,500名を超え、Twitterで実施した「12週間チャレンジ」では、わずか4週間で7.0、7週間で7.5など、参加者4名全員が短期間でライティングスコア7.0以上を達成(うち2名は7.5を達成)。「IELTSライティングの鬼」の異名を持つ。オーストラリア在住14年、IELTS 8.5(ライティング 8.0)、CEFR C2。

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