IELTSで何点を目指せばよいかは、スコアを何に使うかで変わります。大学院への出願、看護師などの資格登録、技能移民の申請では、求められるOverallの水準だけでなく、セクションごとの最低点や試験形式の指定も違います。目的ごとの目安とあわせて、提出先の条件で見落としやすい点も取り上げます。
目次
大学・大学院への留学
看護師・医療系専門職の資格登録
技能移民・就労ビザ
会社への英語力証明・経費申請
目的別スコアを確認する際の注意点
よくある質問
まとめ
01 大学・大学院への留学
大学・大学院の出願で求められるスコアは、国・大学・学部によって幅があります。一般的な目安として、学部留学ではOverall 5.5〜6.5、大学院留学ではOverall 6.5〜7.5程度が求められることが多くなっています。大学院では、課程によって特定のセクションや4技能すべてに個別の最低基準(例えば各セクション6.0以上、といった条件)が別途課されることも珍しくありません。
区分 目安スコア(Overall)
学部留学 5.5〜6.5
大学院留学 6.5〜7.5
出願先によっては、Overallのスコアだけを見て合否を判断するのではなく、「Overallは条件を満たしているが、特定のセクションが基準に届いていない」という理由で不合格になるケースもあります。募集要項を読むときは、Overallの数字と並んで、各セクションの最低基準が個別に書かれていないかも確かめておきましょう。
02 看護師・医療系専門職の資格登録
看護師など医療系の専門職資格を海外で登録する場合は、高いスコアが必要です。例えばイギリスの看護師登録機関(NMC)では、AcademicでListening・Reading・Speakingが各7.0以上、Writingが6.5以上、Overall 7.0以上が求められています。大学院留学の基準より高いことが多く、4技能のすべてで基準を超える必要があります。
医療系の資格登録では、移民申請で使える試験形式とは別に、資格登録団体がAcademicのスコアを指定するケースがあるため、移民申請用のスコアと資格登録用のスコアを混同しないよう注意が必要です。
03 技能移民・就労ビザ
オーストラリアやカナダなど、技能移民のポイント制度を採用している国では、IELTSのスコアが加点対象になっています。例えばオーストラリアの技能移民ポイントテストでは、英語力の水準が「Competent」「Proficient」「Superior」といった段階に分けられ、各段階に応じてIELTSの各セクションのスコア基準(目安としてCompetentは各6.0、Proficientは各7.0、Superiorは各8.0程度)が設定されており、水準が上がるほど加点も大きくなる仕組みです。
水準 各セクションスコア目安
Competent 各6.0程度
Proficient 各7.0程度
Superior 各8.0程度
カナダの技能移民(Express Entry)でも、IELTS General Trainingのスコアを、CLB(Canadian Language Benchmark)という尺度に換算してポイントを算出します。こうした移民制度は見直されることが多いので、申請を考え始めた時点で、該当国の移民局が公表している最新の基準を確認しておくと安心です。
04 会社への英語力証明・経費申請
留学や移民ほど厳密な基準がない場面として、勤務先への英語力証明や、資格手当・研修費用の経費申請にIELTSスコアを使うケースもあります。この場合の基準は企業や制度ごとに決められていて、共通の目安はありません。求められている点数は、勤務先の人事担当者や制度の規定で確かめておくと確実です。
05 目的別スコアを確認する際の注意点
「Overallのスコアだけ」ではなく、各セクションの個別最低基準が定められていないかを必ず確認する
移民申請用のGeneral Trainingスコアと、専門職資格登録用のAcademicスコアは別物であるケースがある
移民制度のポイント基準は改定が頻繁なため、申請直前に必ず最新の公式情報を確認する
会社独自の基準を使う場合は、統一相場がないため人事担当者や制度規定に直接確認する
必要なスコアが分かったら、Overallだけでなく各セクションの条件とも照らし合わせて、どの技能をどれだけ伸ばす必要があるかを計算しておくと、対策の量を見積もりやすくなります。
ツール
IELTSバンドスコア計算機:目標まであといくつか逆算する
手元にあるのが英検やTOEICのスコアだけでも、いまの位置がIELTSでいうとどのあたりかを確かめられます。目標との差を見てから、何点を目指すかを決めるときにお使いください。
無料ツール
IELTSスコア換算:英検・TOEIC・TOEFLとの対応(出典つき)
06 よくある質問
大学・大学院への留学では何点必要ですか。
学部留学ではOverall 5.5〜6.5、大学院留学ではOverall 6.5〜7.5程度がひとつの目安です。国・大学・課程によって幅があり、大学院ではセクションごとの最低基準が別に設けられていることもあります。
Overallが基準を満たしていれば出願できますか。
そうとは限りません。各セクションに最低基準を設けている出願先では、Overallが条件を満たしていても、1つの技能が基準に届かなければ要件を満たしません。
看護師など医療系の資格登録では何点必要ですか。
国や資格によって異なりますが、大学院留学より高い水準になることが多いです。イギリスの看護師登録機関(NMC)の場合は、AcademicでListening・Reading・Speakingが各7.0以上、Writingが6.5以上、Overall 7.0以上です。
移民申請ではどのくらいのスコアが必要ですか。
オーストラリアの技能移民ポイントテストでは、英語力の水準がCompetent(各6.0程度)、Proficient(各7.0程度)、Superior(各8.0程度)といった段階に分けられ、水準が上がるほど加点も大きくなります。カナダのExpress EntryではGeneral TrainingのスコアをCLB(Canadian Language Benchmark)という尺度に換算してポイントを算出します。移民制度は改定が頻繁に行われるため、申請の前に、該当国の公式サイトで最新の基準を確かめておきましょう。
移民申請用のスコアを資格登録にも使えますか。
使えないことがあります。医療系の資格登録では、移民申請で使える試験形式とは別に、資格登録団体がAcademicのスコアを指定するケースがあります。移民申請用のスコアと資格登録用のスコアは、混同しないように気をつけましょう。
会社に英語力を証明する場合の目安はありますか。
統一された基準はありません。企業や制度ごとに基準が決められているので、求められる点数は勤務先の人事担当者や制度の規定で確かめておきましょう。
07 まとめ
IELTSの必要スコアは、留学・資格登録・移民・会社対応のいずれを目的とするかによって水準も基準の仕組みも大きく異なります。目安の数字を知ることは対策の指針にはなりますが、最終的には提出先が公表している募集要項・制度規定を必ず個別に確認した上で、目標スコアを設定するようにしましょう。
自分の目的にとってどのスコアが本当に必要かは、目安の一覧だけでは決めきれません。提出先の条件を一緒に確認していくと、目標スコアがはっきりします。
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