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poor people はどこまで言い換えられる?貧困を表す表現のバリエーション

執筆:高橋 響 公開日: 最終更新:

貧困についてのエッセイを書くとき、poor people という表現を何度も繰り返してしまうことはありませんか。貧困は教育・政府支出・経済格差など、Writing Task 2 の多くのトピックに関わる頻出テーマです。それだけに、同じ表現の繰り返しは Lexical Resource(語彙力)の評価を下げる要因になりやすいところです。

実は poor people の言い換えは、impoverished のような一語の置き換えから、financially disadvantaged のような婉曲表現、さらに people や individuals、those といった名詞側の工夫まで、組み合わせ次第でほぼ無限に作ることができます。この記事では、貧困を表す表現のバリエーションと、その使い分けのポイントを整理します。

01なぜ poor people の言い換えが必要なのか

poor people という表現自体は間違いではありません。しかし、貧困をテーマにしたエッセイでは、この表現を使う場面がどうしても多くなります。導入で1回、ボディパラグラフで数回、結論でもう1回と繰り返していくと、採点基準の Lexical Resource で求められる「語彙の幅」を示す機会を自ら手放してしまうことになります。

もう一つの理由は、トーンの問題です。poor は意味がストレートな分、人を指して使うとやや直接的で無遠慮に響くことがあります。英語圏のアカデミックな文章やニュース記事では、貧困状態にある人々を指すとき、配慮のある婉曲的な表現が好まれる傾向があります。こうした表現を自然に使えると、語彙の幅を示せるだけでなく、文章全体がよりフォーマルで洗練された印象になります。

では、具体的にどのような言い換えがあるのか、形容詞と名詞に分けて見ていきましょう。

02形容詞を言い換える:impoverished から low-income まで

まずは poor の部分を別の形容詞に置き換えるパターンです。それぞれニュアンスが少しずつ異なるので、意味の違いも合わせて押さえておくとよいでしょう。

表現 ニュアンス
impoverished people poor よりフォーマル。深刻な貧困状態を表す
deprived people 生活に必要なものを十分に得られていない状態。deprived areas(貧困地域)の形も頻出
disadvantaged people 経済的・社会的に不利な立場に置かれた、という含み
underprivileged people 他の人が当然受けている機会や恩恵を受けられていない、という含み
low-income people 収入が低いという客観的・中立的な表現。low-income families / households の形が自然

実際のエッセイでは、次のように使えます。

Impoverished communities often lack access to quality education and healthcare.

Children from low-income families are less likely to attend university.

注意したいのは、これらが完全に同じ意味ではないという点です。impoverished は深刻な貧困を、low-income は単に収入が平均より低いことを表します。統計データや政策の話では low-income が、途上国の極度の貧困の話では impoverished が合う、というように、文脈に応じて選ぶ意識を持つとよいでしょう。

03婉曲表現でより丁寧に表現する

英語には、貧困を直接指す代わりに使われる婉曲表現(euphemism)が数多くあります。人への配慮を示す言い方として、アカデミックライティングや報道でも広く定着しているものばかりです。

  • financially disadvantaged(経済的に不利な立場にある)
  • economically disadvantaged(financially とほぼ同義。やや政策文書寄り)
  • people from lower socioeconomic backgrounds(社会経済的に低い層の出身の人々)
  • those on low incomes(低収入の人々)
  • the less fortunate / the less affluent(恵まれない人々、比較の形でやわらげる言い方)
  • people living below the poverty line(貧困線以下で生活する人々。統計的で客観的)

特に lower socioeconomic という表現は、貧困を「収入」だけでなく教育や職業も含めた社会的な立ち位置として捉える言い方で、教育格差や機会の不平等を論じるエッセイと相性がよい表現です。

Students from lower socioeconomic backgrounds often face barriers that their wealthier peers do not.

Governments should allocate more resources to support the financially disadvantaged.

婉曲表現は少し長くなる分、文の中で自然に収まる位置を選ぶことが大切です。すべてを無理に使う必要はなく、エッセイ全体で2〜3種類を織り交ぜるだけでも、語彙の幅は十分に伝わります。

04名詞側を言い換える:people・individuals・those

ここまで形容詞側の言い換えを見てきましたが、実は people の部分を変えるだけでも表現のバリエーションは大きく広がります。

まず、people は individuals に置き換えられます。individuals はややフォーマルな響きがあり、disadvantaged individuals のように形容詞と組み合わせると、アカデミックな文体によくなじみます。

次に便利なのが those です。those は「人々」を指す代名詞として、関係詞や前置詞句と組み合わせて使えます。

those who live in poverty(貧困の中で暮らす人々)

those in need(困窮している人々)

those from disadvantaged backgrounds(恵まれない環境の出身の人々)

さらに、「the + 形容詞」で集団全体を表す形もあります。the poor、the underprivileged、the disadvantaged はいずれも「貧困層」を一語で表せる便利な形です。ただし集団をひとまとめにした言い方なので、個々の人に焦点を当てたい文脈では individuals や those を使った表現のほうが適しています。

また、文脈によっては人そのものではなく、families(家庭)、households(世帯)、communities(地域社会)を主語にするほうが自然な場合もあります。low-income households、deprived communities のような組み合わせは、政策や社会問題を論じる文で特によく使われます。

こうした名詞や代名詞による言い換えは、採点基準の Coherence and Cohesion にも関わる referencing / substitution の技術とも重なります。詳しくは次の記事で解説しています。

Writing Task 2 Referencing と Substitution とは?

05組み合わせれば言い換えは無限に広がる

ここまでの内容を整理すると、貧困を表す表現は「形容詞(または前置詞句)」と「名詞」の組み合わせでできていることがわかります。つまり、両方の引き出しを持っていれば、組み合わせの数だけ表現が作れるということです。

形容詞・修飾語 impoverished / deprived / disadvantaged / underprivileged / low-income / financially disadvantaged / from lower socioeconomic backgrounds / living below the poverty line
名詞 people / individuals / those / families / households / communities

たとえば underprivileged individuals、those from low-income households、individuals from lower socioeconomic backgrounds など、掛け合わせは自由自在です。同じ「貧困の人々」でも、文の焦点に合わせて表現を選び分けられるようになります。

ただし、注意点が2つあります。1つ目は、ニュアンスのズレです。前述のとおり、low-income と impoverished では貧困の深刻さが異なります。組み合わせが文法的に可能でも、文脈と意味が合っているかは常に確認するようにしましょう。2つ目は、使いすぎです。1本のエッセイの中で言い換えを3〜4種類も使えば十分で、毎回違う表現にしようとすると、かえって不自然になります。

言い換えの引き出しを増やすには、日頃から「同じ意味を別の表現で言う」練習を繰り返すのが近道です。

IELTS学習アプリ パラフレーズ練習アプリ 書き始めの2語からパラフレーズ文を作る、時間制限つきのトレーニング

06よくある質問

poor people という表現は間違いですか?

間違いではありません。ただし貧困をテーマにしたエッセイでは使う場面がどうしても多くなり、導入で1回、ボディパラグラフで数回、結論でもう1回と繰り返していくと、採点基準の Lexical Resource で求められる語彙の幅を示す機会を自ら手放すことになります。

poor を人に対して使うと、なぜトーンの問題が出るのですか?

poor は意味がストレートな分、人を指して使うとやや直接的で無遠慮に響くことがあるためです。英語圏のアカデミックな文章やニュース記事では、貧困状態にある人々を指すときに配慮のある婉曲的な表現が好まれる傾向があります。

impoverished と low-income はどう使い分けますか?

impoverished は深刻な貧困状態を、low-income は収入が平均より低いという客観的で中立的な状態を表します。統計データや政策の話では low-income が、途上国の極度の貧困の話では impoverished が合います。文法的に置き換えられても、文脈と意味が合っているかは確かめておきましょう。

deprived、disadvantaged、underprivileged はそれぞれ何が違いますか?

deprived は生活に必要なものを十分に得られていない状態を指し、deprived areas(貧困地域)の形もよく出てきます。disadvantaged は経済的・社会的に不利な立場に置かれたという含み、underprivileged は他の人が当然受けている機会や恩恵を受けられていないという含みです。

lower socioeconomic backgrounds はどんな場面で使えますか?

貧困を収入だけでなく、教育や職業も含めた社会的な立ち位置として捉える言い方です。そのため、教育格差や機会の不平等を論じるエッセイと相性がよい表現になります。

people 以外に、どんな名詞や代名詞が使えますか?

individuals はややフォーマルな響きがあり、disadvantaged individuals のように形容詞と組み合わせるとアカデミックな文体になじみます。those は those who live in poverty、those in need、those from disadvantaged backgrounds のように関係詞や前置詞句と組み合わせて使えます。文脈によっては families、households、communities を主語にするほうが自然な場合もあります。

the poor のような「the + 形容詞」の形は使ってよいですか?

the poor、the underprivileged、the disadvantaged はいずれも貧困層を一語で表せる便利な形です。ただし集団をひとまとめにした言い方なので、個々の人に焦点を当てたい文脈では individuals や those を使った表現のほうが適しています。

1本のエッセイで、言い換えは何種類くらい使えばよいですか?

3〜4種類も使えば十分です。婉曲表現に限れば、エッセイ全体で2〜3種類を織り交ぜるだけでも語彙の幅は伝わります。毎回違う表現にしようとすると、かえって不自然になります。

07まとめ

poor people の言い換えのポイントを整理します。

  • 貧困は頻出テーマ。poor people の繰り返しは Lexical Resource の評価を下げやすい
  • 形容詞の言い換え:impoverished、deprived、disadvantaged、underprivileged、low-income
  • 婉曲表現:financially disadvantaged、people from lower socioeconomic backgrounds など
  • 名詞側の言い換え:individuals、those who / those from、the + 形容詞、families / households / communities
  • 形容詞と名詞の組み合わせで表現は無限に作れる。ただしニュアンスの確認と使いすぎには注意

言い換えは「たくさん知っていること」よりも「文脈に合わせて選べること」が大切です。まずはこの記事の表現から2〜3個を自分のエッセイに取り入れて、少しずつ引き出しを増やしていきましょう。

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Hibiki Takahashi

この記事を書いた人

Hibiki Takahashi

日本語で学ぶIELTS対策専門スクール『PlusOnePoint(プラスワンポイント)』創設者・代表。『英語ライティングの鬼100則』(明日香出版社)著者。1997年に大阪大学医学部を卒業後、麻酔科専門医として活躍。2012年渡豪時に自身が苦労をした経験から、日本人を対象にIELTS対策のサービスを複数展開。難しい文法・語彙を駆使するのではなく、シンプルな表現とアイデアで論理性・明瞭性のあるライティングを指導している。これまでの利用者は4,500名を超え、Twitterで実施した「12週間チャレンジ」では、わずか4週間で7.0、7週間で7.5など、参加者4名全員が短期間でライティングスコア7.0以上を達成(うち2名は7.5を達成)。「IELTSライティングの鬼」の異名を持つ。オーストラリア在住14年、IELTS 8.5(ライティング 8.0)、CEFR C2。

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