IELTS One Skill Retake(OSR)は、4技能のうち伸ばしたい1技能だけを再受験できる制度です。従来のように4技能すべてを受け直す必要がなく、苦手な1技能だけをピンポイントで再挑戦できます。
この記事では、IELTS One Skill Retakeの対象条件、申込方法、受験料や結果発表までの日数、そして再受験でスコアが下がった場合の扱いまで、公式情報をもとに整理します。
01IELTS One Skill Retakeとはどんな制度か
IELTS One Skill Retake(OSR)は、リスニング・リーディング・ライティング・スピーキングの4技能のうち、伸ばしたい1技能だけを再受験できる制度です。2023年から順次導入され、2026年現在は多くの国・地域のコンピューター版IELTSで利用できます。
4技能すべてを受け直す必要がなくなる
従来、IELTSで一部の技能だけ目標スコアに届かなかった場合でも、再受験する際は4技能すべてを受け直す必要がありました。OSRを使えば、不足している1技能だけを受け直し、残り3技能は元のスコアをそのまま活かせます。時間的にも費用的にも負担を抑えられる制度です。
対象はAcademic・General Trainingいずれも
OSRはIELTS Academic、General Trainingのどちらの受験者も利用できます。ただし対象となるのはコンピューター版IELTSの受験者のみで、後述するように受験形式に制限があります。
- OSRは4技能のうち1技能だけを再受験できる制度
- 2023年から順次導入、2026年現在は多くの国で利用可能
- Academic・General Trainingどちらの受験者も対象
- 対象はコンピューター版IELTSの受験者のみ
02対象となる条件、申し込めない受験形式
OSRを利用できるかどうかは、いくつかの条件によって決まります。
本試験から60日以内の申込が条件
OSRは、本試験(4技能をすべて受験したオリジナルのテスト)の受験日から60日以内に申し込む必要があります。60日を過ぎると、通常の4技能受験に戻って申し込むことになります。
ペーパー版・IELTS Onlineの受験者は対象外
OSRを利用できるのは、コンピューター版IELTSを受験した人に限られます。ペーパー版で受験した人や、自宅から受験するIELTS Online(オンライン版)を受験した人は、OSRの対象外です。
対象かどうかはIELTSアカウントの「Retake」ボタンで確認
自分がOSRの対象かどうかは、IELTSの受験者アカウントにログインし、各技能のスコアの横に「Retake」ボタンが表示されているかどうかで確認できます。表示されていない場合は、その国・会場ではOSRが提供されていないか、対象外の受験形式で受験したことを意味します。
- 本試験の受験日から60日以内の申込が必要
- ペーパー版・IELTS Onlineの受験者は対象外
- 対象かどうかはIELTSアカウントの「Retake」ボタンで確認できる
- 1回の申込で再受験できるのは1技能のみ
03申込方法と受験までの流れ
日本の場合、2026年2月からJSAF(一般財団法人日本スタディ・アブロード・ファンデーション)がIDPの長年のパートナーとしてIELTS試験の運営を引き継いでおり、One Skill Retakeの手続きもJSAFの案内に沿って進めます。
手順は「ログイン→Retakeボタン→日程選択→支払い」
申込の流れはシンプルです。IELTSアカウントにログインし、対象の技能に表示された「Retake」ボタンをクリックして、再受験したい日程を選び、受験料を支払えば申込は完了します。
- IELTSアカウントにログイン
- 再受験したい技能の「Retake」ボタンをクリック
- 希望日程を選択
- 受験料を支払って申込完了
Note
日本国内では2026年2月以降、IELTS試験運営はIDPからJSAFに引き継がれています。One Skill Retakeの詳細な申込手順は、JSAF公式サイトの案内に沿って確認してください。
04受験料・結果発表までの日数(日本の場合)
日本でOSRを受験する場合の受験料は18,000円(税込)で、支払いはクレジットカードまたはコンビニ払いに対応しています。
4技能を受け直すよりも費用を抑えられる
通常のIELTS受験料が27,500円であることを踏まえると、OSRの18,000円という受験料は、1技能だけの再受験としては費用を抑えられる設定になっています。
結果は3〜5日後にメールで通知
結果は受験から3〜5日程度で、登録したメールアドレスに通知が届きます。通常のコンピューター版IELTSの結果発表スケジュールとほぼ同じ日数感覚です。
- 受験料は18,000円(税込)、クレジットカードまたはコンビニ払い
- 通常受験(27,500円)より費用を抑えられる
- 結果は受験から3〜5日程度でメール通知
05再受験でスコアが下がったらどうなるのか
OSRを検討する際、多くの人が気になるのが、再受験してスコアが下がったらどうなるのかという点です。
元のスコアと更新後のスコア、両方が有効な証明書として残る
IELTS公式の説明によると、再受験後は新しいTest Report Form(TRF)が発行されますが、これは元のTRFを無効にするものではありません。受験者は、元の4技能のスコアが記載されたTRFと、再受験結果を反映した更新後のTRFの両方を保持でき、どちらを提出先に使うかを選べる仕組みになっています。
再受験でスコアが下がっても、元のスコアをそのまま使える
つまり、再受験した技能のスコアが元より下がってしまった場合でも、必ずしもその低いスコアを使わなければならないわけではありません。元のTRFが有効なまま残るため、結果次第でどちらを提出するか選ぶことができます。この点は、OSRを利用するかどうか迷っている人にとって安心材料になるでしょう。
- 再受験後は、元のTRFと更新後のTRFの両方が有効な証明書として残る
- スコアが下がった場合でも、元の高いスコアのTRFを使うことができる
- どちらを提出するかは受験者が選べる
06提出先に受け入れられるかどうかは要確認
OSRを利用するうえで最も注意したいのが、提出先の機関がOne Skill Retakeのスコアを受け入れているかどうかです。
すべての大学・機関が受け入れているわけではない
IDP・JSAFいずれの公式案内でも、One Skill Retakeを認定していない機関もあるため、必ず提出先の機関で認定しているかどうか確認したうえで申し込むようにと明記されています。IELTSのスコア自体を受け入れている大学や機関であっても、OSRのスコアまで受け入れているとは限りません。
移民申請での扱いは国によって大きく異なる
移民申請でOSRのスコアを使う場合は、国ごとに扱いが大きく異なる点に注意が必要です。オーストラリア内務省は多くのビザ区分でOSRのスコアを受け入れていますが、Skilled Recognised Graduate visa(Subclass 476)は単回受験のスコアが必要とされており、対象外です。イギリスのUKVIは、コンピューター版のAcademic・General Trainingについて、指定されたテストセンターでのOSRを学位レベル以上の学生ビザなどで受け入れていますが、それ以外のルートでは対象外の場合があります。ニュージーランドの移民局もOSRのスコアを受け入れています。一方、カナダの技能移民プログラム(Express Entry)は、経済移民パイロットなど一部の例外を除いてOSRのスコアを受け入れておらず、4技能をそろって受験したスコアが必要です。
- OSRのスコアを受け入れていない大学・機関もある
- IELTSスコアを受け入れている機関でも、OSRまで受け入れているとは限らない
- オーストラリアはSubclass 476を除き受け入れ、イギリス(UKVI)は学位レベル以上の学生ビザなどで受け入れ、ニュージーランドも受け入れている
- カナダのExpress Entryは一部例外を除きOSRのスコアを受け入れていない
- ビザ申請・移民申請で使う場合は、申請先の最新の要件を必ず確認する
07リマーク(再採点)との違い
IELTSのスコアに納得がいかない場合の対応策として、リマーク(再採点、正式にはEnquiry on Results/EOR)という制度もあります。One Skill Retakeとは仕組みがまったく異なるため、違いを理解して使い分けましょう。
リマークは「同じ回答を別の試験官が採点し直す」制度
リマークは、新たに試験を受け直すのではなく、すでに提出した回答やスピーキングの録音を、最初の採点者とは別の試験官が改めて採点し直す制度です。費用は運営団体にもよりますが15,000円程度で、申請期限は試験日から6週間以内です。
One Skill Retakeとの決定的な違いはスコアが下がるリスク
リマークはスコアが上がるか、変わらないかのいずれかで、下がることはありません。一方でOne Skill Retakeは実際に試験を受け直すため、結果として元より低いスコアが出ることもあり得ます。ただし前述の通り、One Skill Retakeでスコアが下がった場合でも元のTRFは有効なまま残るため、必ずしも低いスコアを使わなければならないわけではありません。
| 項目 | リマーク(EOR) | One Skill Retake |
| 仕組み | 同じ回答を別の試験官が採点し直す | 対象の技能を新たに受け直す |
| 費用の目安 | 15,000円程度(運営団体により異なる) | 18,000円(税込) |
| 申請期限 | 試験日から6週間以内 | 試験日から60日以内 |
| 結果までの期間 | 2〜4週間程度 | 3〜5日程度 |
| スコアが下がるリスク | なし(上がるか、変わらないか) | あり(ただし元のTRFも有効に残る) |
選ぶ基準は「受け直すかどうか」
両者の一番の違いは、試験を受け直すかどうかです。リマークは、すでに提出した回答やスピーキングの録音を別の試験官が採点し直すだけで、試験そのものを受け直すことはありません。一方でOne Skill Retakeは、対象の技能を実際に新しく受け直します。採点自体に疑問がある場合はリマーク、内容に自信はないのでもう一度挑戦したい場合はOne Skill Retakeが向いています。
同時申請はできないが、順番に併用することは可能
この2つの制度は同時に申し込むことはできませんが、順番に利用することはできます。公式には、まずリマークを申請して結果を待ち、それでも希望のスコアに届かなければ、本試験から60日以内という期限に注意しながらOne Skill Retakeを申し込むという流れが案内されています。リマークの結果が出るまで2〜4週間程度かかるため、併用を検討する場合はできるだけ早くリマークを申請しておくと安心です。
IELTS総合対策
IELTS再採点(リマーク)の仕組みと申請方法
- リマークは試験を受け直さず、同じ回答を別の試験官が採点し直す制度
- One Skill Retakeは対象の技能を実際に受け直す制度
- 採点への疑問が理由ならリマーク、内容に自信がなくもう一度挑戦したいならOne Skill Retake
- 同時申請はできないが、リマーク→One Skill Retakeの順番での併用は可能
08まとめ
IELTS One Skill Retakeは、4技能のうち伸ばしたい1技能だけを再受験できる、コンピューター版IELTS受験者向けの制度です。本試験から60日以内に申し込む必要があり、日本での受験料は18,000円、結果は3〜5日程度で届きます。
再受験でスコアが下がっても元のTRFをそのまま使える仕組みになっているため、思ったよりリスクは低い制度ですが、提出先がOSRのスコアを受け入れているかどうかは必ず事前に確認しましょう。
IELTS総合対策
IELTS申込方法・受験料・会場の選び方
- IELTS One Skill Retake(OSR)は4技能のうち1技能だけを再受験できる制度
- 対象はコンピューター版IELTSの受験者のみ。ペーパー版・IELTS Onlineの受験者は対象外
- 申込は本試験から60日以内、1回につき1技能まで
- 日本での受験料は18,000円(税込)、結果は3〜5日程度でメール通知
- 再受験後も元のTRFは有効なまま残り、どちらを提出するか選べる
- 提出先がOSRのスコアを受け入れているかは必ず事前に確認する
- 採点への疑問が理由ならリマーク、内容に自信がなくもう一度挑戦したいならOne Skill Retake
- 同時申請はできないが、リマーク→One Skill Retakeの順番での併用は可能