文と文がどうつながっているのかを読み手に示す語句を、英語では linking words、あるいは cohesive devices と呼びます。for example、however、as a result といった、ライティングで何度も出てくる語がこれにあたります。IELTSでは Coherence and Cohesion(一貫性とつながり)の評価に直接かかわる部分です。この記事では、基本のつなぎ言葉を役割ごとに整理し、それぞれの文法上の型と、使いすぎたときに何が起きるのかまでを見ていきます。
例を出すときの基本は for example と for instance です。この2つは意味がほぼ同じで、多くの場面で入れ替えて使えます。for instance のほうがやや硬い印象になりますが、IELTSのエッセイではどちらを選んでも問題ありません。
この2つは副詞句なので、後ろに完全な文を置けます。文頭に置いてカンマで区切るのが基本の形です。
For example, many students move abroad to improve their language skills.
たとえば、多くの学生が語学力を高めるために海外へ移ります。
Some countries, for instance Japan and Italy, have a rapidly ageing population.
いくつかの国、たとえば日本やイタリアでは、人口の高齢化が急速に進んでいます。
such as は名詞の具体例を挙げる
such as は for example と型が違います。such as は前置詞のようにはたらき、直前の名詞に対する具体例を挙げます。後ろに来るのは名詞や名詞句だけで、完全な文は置けません。
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Renewable sources such as solar and wind power are becoming cheaper.名詞句が続く
✗
Such as, solar power is becoming cheaper.文頭に置いて文を続けることはできない
逆に、for example の後ろに such as を重ねる形もよく見かけますが、役割が重複します。どちらか一方で十分です。
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Many jobs, such as nursing and teaching, require direct contact with people.such as だけで足りる
✗
Many jobs, for example such as nursing and teaching, require direct contact with people.例示の語が二重になっている
like と e.g. の扱い
like も animals like dogs のように名詞の例を挙げる形で使われ、これ自体は誤りではありません。ただし such as のほうが書き言葉で標準的なので、IELTSのライティングでは such as を選んでおくほうが安全です。避けたいのは、文頭に Like, と置いて例を出し始める形で、こちらははっきりと話し言葉です。
e.g. は for example のラテン語由来の略記です。カッコの中や箇条書きでは使われますが、エッセイの本文では略さずに for example と綴るのが一般的です。etc. も本文では避けておきましょう。IELTSのライティングでは例を具体的に示すことが求められるので、etc. で打ち切るより、必要な例だけを挙げて言い切るほうが内容が伝わります。
情報を足していくときの基本は in addition です。furthermore と moreover も同じ「追加」の役割ですが、直前の内容をさらに補強するニュアンスが強く、やや硬い響きになります。
in addition:もっとも中立的な追加。文頭にカンマ付きで置く
furthermore / moreover:前の内容を補強しながら足す。硬い文体向き
in addition to + 名詞句:of を伴う as a result of と同じ発想の形
also:通常は文中に置く。be動詞の後、一般動詞の前
in addition には in addition to という形があり、こちらは名詞句を取ります。as a result と as a result of の関係と同じ考え方です。
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加えて、公立図書館はインターネットへの無料のアクセスを提供しています。
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also の位置と、文頭の Also
also は副詞で、文の中に置くのが基本です。be動詞や助動詞の後、一般動詞の前が定位置になります。文頭に Also, と置く形も見かけますが、話し言葉寄りなので、エッセイでは In addition, に置き換えておくと落ち着きます。besides も同様に口語的な響きがあるため、アカデミックな文章では避けておくほうが無難です。
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Online courses are also cheaper than traditional programmes.be動詞の後ろ
ライティング・タスク2の結論段落を In conclusion, で始めるのは、一般的で問題のない書き方です。ほかに To conclude, や In summary, も使えます。避けたいのは、結論段落ではない場所で使ってしまうことと、結論段落で新しい論点を出すことです。in conclusion は「ここから先はまとめだけです」という合図なので、その後で新しい理由や例が出てくると、読み手の予測と中身がずれます。
on the other hand を「また」の意味で使ってしまう例のように、日本語訳だけを覚えると、文法は正しいのに場面が合っていない文ができます。訳語ではなく、その語を使ってよい条件を覚えるほうが確実です。on the other hand なら「前に一方の側面をすでに述べている」、in conclusion なら「これから先はまとめしか書かない」といった条件です。
呼び方の違いですが、cohesive devices のほうがかなり範囲の広い語です。linking words は文と文の関係を示す語句を指します。cohesive devices はそれに加えて、this や such で前の内容を受ける referencing、別の語に置き換える substitution、同義語や関連語でつなぐ lexical cohesion、省略の ellipsis なども含みます。IELTSの採点基準では cohesive devices という語が使われています。
つなぎ言葉は多く使うほどスコアが上がりますか。
上がりません。2026年8月時点で公開されている Band Descriptors では、Coherence and Cohesion の Band 7 の記述に、cohesive devices の使いすぎと使わなさすぎの両方への言及があります。文と文の関係が読めばわかる箇所には置かず、入れないと誤読されやすい逆接、結果、例示を優先します。
for example と such as はどう使い分けますか。
後ろに来るものが違います。for example は副詞句なので後ろに完全な文を置けます。such as は前置詞のようにはたらき、直前の名詞の具体例として名詞句だけを取ります。for example such as のように重ねると例示の語が二重になるので、どちらか一方にします。
however の前にカンマを打って1文にできますか。
できません。however は接続副詞なので、カンマだけで2つの文をつなぐと comma splice という誤りになります。前の文をピリオドで終えて However, から新しい文を始めるか、セミコロンで区切ります。therefore、as a result、moreover なども同じ扱いです。
because of の後ろに主語と動詞を続けてもよいですか。
続けられません。because of は前置詞のはたらきをするので、後ろには名詞句が来ます。主語と動詞のある節を続けたい場合は of を取って because だけにします。due to、owing to も because of と同じ型です。
on the other hand は「また」の意味で追加に使えますか。
使えません。on the other hand は対比の語で、すでに一方の側面を述べていることが前提になります。前後が対立していない内容を並べると読み手が混乱します。単に情報を足すだけであれば in addition を使います。