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ライティング・タスク2

タスク2の答案にshouldが出てきたら疑うこと:タスクとのずれを見抜くセルフチェック

執筆:高橋 響 公開日: 最終更新:

ライティング・タスク2の答案を読み返したとき、本文にshouldやmustのような「べき」表現が何度も出てくるのに、タスクの指示文自体はそれを求めていない、ということが起こります。

この記事では、shouldそのものを悪者にするのではなく、そのshouldによって答案の役割が「設問に答えること」から「求められていない提案をすること」へ変わっていないかを確かめる方法を扱います。

01shouldは何を見るためのサインなのか

shouldを使うこと自体がTask Responseの評価を下げるわけではありません。確かめたいのは、そのshouldを使ったことで、答案の役割が「設問に答えること」から「設問が求めていない提案をすること」へ変わっていないか、という点です。

タスク2の指示文には、opinion型やdiscuss both views型のように「判断」や「評価」を求めるものと、causes and solutions型のように「提案」まで求めるものとがあります。この2つは、求められている結論の形がそもそも違います。

ところが、ある程度書き慣れてきた学習者ほど、どのタスクタイプでも結論を「〜すべきだ」という形で締めくくる書き方に慣れていきます。理由や具体例をひとしきり並べたあと、最後に力強く主張を言い切りたくなるため、shouldを使った提言のほうが結論として書きやすく感じられるからです。

この癖そのものを文法の誤りとして直す必要はないでしょう。問題になるのは、指示文が判断や評価を求めているのに、答案の中心的な主張だけが提案の形にすり替わってしまうことです。読み手(採点者)から見ると、問われたことへの答えが与えられていないように映ります。

逆にいえば、評価をきちんと述べたうえで補足として提案を添えているなら、shouldがあっても答えの種類は変わっていません。次の一文は、positive or negative developmentのタスクでもそのまま通ります。

Overall, I regard this shift as a positive development, although policymakers should also consider support for those who lose out.中心は「評価」。shouldは譲歩節の中の補足にとどまっている

Therefore, policymakers should introduce measures to support those who lose out.評価が示されないまま、提案だけが結論になっている

つまり、答案のshouldを数だけ見て減らそうとするやり方はうまくいきません。数えるのではなく、その一文が設問に対して何をしているかを見ます。次の節から、その見分け方を順に整理します。

02最初に確かめるのは「そのshouldはどこから来たか」

最初の確認は、そのshouldが指示文から引き継いだものかどうかです。ただし、これは指示文にshouldという語があるかどうかではありません。答案のshouldが、指示文にある主張(命題)を言い直しているのか、それとも指示文に無い新しい提案を持ち込んでいるのか、という中身の一致で判断します。

タスク2の指示文は、多くの場合「ある主張を述べる文」と「その主張について何を書くかを指定する文」の2つでできています。書き手が見落としやすいのは前半です。設問の指定部分(To what extent do you agree or disagree? など)だけを見て「shouldは求められていない」と判断すると、主張の文に入っているshouldを見逃します。

当サイトのタスク検索には、ライティング・タスク2のタスクが680件収録されています(2026年8月10日時点)。このうちshouldを含むものは181件でした。全体の約27パーセント、およそ4件に1件です。内訳は次のとおりです。

shouldの現れ方 件数
agree/disagree型の主張の文に含まれる 127件 Some people think that X should be banned. To what extent do you agree?
discuss both views型の見解の中に含まれる 37件 Some people think the government should fund X, while others disagree.
設問の指定文そのものがshouldで尋ねている 17件 Why is this? Should young people be encouraged to play classical music?

3つを合わせて181件です(discuss both viewsとagreeの両方の語を含む3件は、discuss both views型として数えています)。いずれの型でも、shouldは指示文の側に先にあります。

指示文にshouldが入っている例

Some people believe that governments should ban advertisements aimed at young children. To what extent do you agree or disagree?

このタスクで問われているのは「政府が子ども向け広告を禁止すべきだ」という主張への賛否です。主張そのものがshouldの文なので、答案の中でその主張を言い直すときにshouldが出てくるのは当然のことです。

ただし、shouldを引き継ぐだけでは足りません。その主張に対して自分がどの立場を取るのかが示されていないと、賛否を問う設問への答えとしては不十分です。

I strongly agree that governments should prohibit advertising directed at young children, mainly because children cannot evaluate commercial messages critically.指示文の主張を引き継ぎつつ、賛否の立場も示せている

Governments should prohibit advertising directed at young children, because children cannot evaluate commercial messages critically.内容は正しいが、賛成なのかどうかの表明が弱い

なお、このタイプでshouldを無理に避ける必要はなく、逆に避けて書いても差し支えありません。I agree with banning advertising directed at young children. のように名詞句で言い直しても、賛否は十分に伝わります。大事なのはshouldという語そのものではなく、指示文の主張を自分の言葉で言い直せていることと、それに対する立場が読み取れることです。

指示文にshouldが入っていない例

Advertisements aimed at young children are becoming increasingly common on video streaming platforms. Do you think this is a positive or negative development?

題材は同じ広告ですが、こちらの指示文にshouldは1語も出てきません。求められているのは、その広がりが良い方向か悪い方向かという評価です。ここでshouldが答案に出てきた場合は、それが指示文から来たものではなく、自分の書き癖から出てきたものだと判断できます。そのうえで、次の節の確認に進みます。

03shouldを求めていないタスクタイプと、紛れ込みやすいパターン

指示文にshouldが入っていない場合、そのshouldの一文が何をしているかは、タスクタイプごとに次の観点で確認します。

タスクタイプ 指示文の言い回しの例 答案にshouldが出てきたら確認すること
Opinion(主張の文がshould) Some people think that X should be banned. To what extent do you agree? 指示文の主張を引き継いだshould。賛否の立場も示せているか
Opinion(主張の文がshouldではない) To what extent do you agree that X has changed the way people work? 賛成・反対の判断が、提案に置き換わっていないか
Discuss both views(見解がshould) Some people think the government should fund X, while others disagree. 設問で示された見解を扱ったshould。両論に触れられているか
Discuss both views(それ以外) Discuss both views and give your own opinion. どちらの見方に説得力があるかの判断が示せているか
Positive or negative development Do you think this is a positive or negative development? 良い方向か悪い方向かの評価が、提案に置き換わっていないか
Causes and effects What are the causes, and what effects does it have? 原因と結果の説明が、解決策の提示に置き換わっていないか
Causes and solutions What are the causes, and what solutions can be suggested? 解決策が具体的に示せているか(shouldはその言い方の一つ)

どの行も「shouldがあるかどうか」ではなく「答えの種類が入れ替わっていないか」を見ています。実際によく起きる2つのパターンを見ていきます。

パターン1:positive or negative developmentのタスクで政策提言に着地する

次のようなタスクを考えます。

タスク例

Nowadays, more people are doing their shopping online instead of visiting physical stores in town centres. Do you think this is a positive or negative development?

このタスクが求めているのは、オンラインショッピングの広がりという変化が良い方向か悪い方向かという評価です。提案は求められていませんし、指示文にshouldも出てきません。

Therefore, governments should introduce policies to support small local shops so that they do not disappear from town centres.評価が示されないまま、政策提言だけが結論になっている

Therefore, I believe this shift is largely a positive development, since it saves consumers both time and money, even though it creates challenges for small retailers.「良い方向か悪い方向か」という判断で締めくくっている

✗の一文も、前に評価を述べる文があれば補足として成立します。問題になるのは、この提言だけで結論が終わっている場合です。

パターン2:causes and effectsのタスクでsolutionsを語り出す

もう一つ、原因と結果を問うタイプとの混同もよく起こります。

タスク例

In recent years, an increasing number of people have moved from rural areas to big cities. What are the reasons for this trend, and what effects does it have on rural communities?

この指示文が求めているのは「理由」と「影響」の2つだけです。solutionsという語は指示文のどこにも出てきません。

Therefore, governments should create more job opportunities in rural areas in order to prevent this migration.影響の説明に代えて「解決策」を答えてしまっている

As a result, rural communities often experience a decline in population and a shortage of young workers, which puts increasing pressure on local economies.求められている「影響」の説明にとどめている

2つの例では、shouldを使ったことが誤りなのではなく、答案の中心的な主張が指示文の求めていない種類(政策提言・解決策)に入れ替わっています。

IELTS学習アプリ タスク検索 ライティング・タスク2のタスクを問題タイプ別に検索できます。shouldで検索すると、指示文の中にshouldが入っているタイプがどれくらいあるかを自分で確かめられます。

04提案を求めるタスクで必要なのはshouldではなく具体策

指示文がsolutionsやmeasuresを明示的に求めているタイプでは、提案を書くこと自体が求められています。ただし、求められているのはshouldという語ではなく、具体的な解決策の中身のほうです。

タスク例

Traffic congestion in cities is getting worse every year. What are the causes of this problem, and what solutions can be suggested to address it?

このタスクはcauses and solutions型で、後半のsolutionsの部分が提案を求めています。ここで提案そのものを書かずに済ませると、指示文の後半に答えていないことになります。shouldはその提案を書くための言い方の一つで、次のようにshouldを使わずに書くこともできます。

To address this problem, city governments should invest in efficient public transport systems and create incentives for carpooling.shouldで解決策を提示した形

One effective measure would be to invest in efficient public transport systems, which could reduce the number of private cars on the road.shouldを使わずに同じ解決策を示した形

One way to address this problem is to、A possible solution would be toなども同じ働きをします。答案にshouldが1つも無いこと自体は問題ではなく、確認すべきなのは具体的な解決策が書かれているかどうかです。

なお、solutionsを求めるタイプでは、指示文の側がsolutionsという名詞で提案を指定することが多く、shouldが指示文に現れないこともよくあります。一方で、What should employers do to prevent overworking? のように、設問の指定文がshouldで提案を尋ねてくる形もあります。前節で数えた17件がこれにあたります。

つまり判断は、shouldの有無を数えることでは付きません。その指示文が判断・評価・説明を求めているのか提案を求めているのか、主張の文にshouldが含まれているか、そして答案の中心的な主張がどの種類になっているか、という組み合わせで決まります。

ライティング・タスク2 べき論をメリットで考えない

この記事が扱うのは「そもそもshouldを書く場面かどうか」の見極めです。実際にshouldで提言を書くと決めたあと、その根拠をメリットの列挙に流さずどう組み立てるかは、上の記事で詳しく扱っています。あわせて読むと、判断から根拠づくりまでがつながります。

05書き終えたあとのセルフチェックの手順

この見直しは、書いている最中よりも、書き終えたあとにまとめて行うほうが見つけやすくなります。should狩りにならないよう、拾ったあとに役割を分類する順番で進めます。

  • 1. 本文中のshould、must、have to、need to、ought toなど「べき」に相当する表現をすべて拾い出す
  • 2. 拾った一文が何をしているかを分類する。指示文の主張を言い直しているのか、自分の評価や判断を述べているのか、原因や結果を説明しているのか、解決策を提示しているのか
  • 3. 指示文がその役割を求めているかを確認する。主張の文にshouldがあれば1つ目は問題なく、solutionsやmeasuresを求めていれば4つ目も問題ない
  • 4. 求められていない「提案」が答案の中心的な主張になっていないかを見る。評価や説明を述べたうえでの補足なら、そのまま残してよい
  • 5. 中心が入れ替わっていた場合は、その一文を判断・評価・説明の形に書き換えるか、評価を述べる一文を前に足す
  • 6. 反対に、指示文がsolutionsやmeasuresを求めているのに具体的な解決策が書かれていない場合は加筆する(shouldの有無ではなく、解決策の中身があるかで判断する)

5の書き換えは、主張の中身まで変えなくてかまいません。多くの場合、動詞を「〜すべきだ」から「〜だと考える」「〜という結果になる」に替えるだけで、指示文が求めている形に戻ります。

Therefore, this trend should be encouraged by schools and parents alike.評価を求められている場面で、提言だけが結論になっている

Therefore, I believe this trend is, on balance, a positive development for both schools and parents.同じ内容を評価の形に置き換えた例

この手順はイントロダクションの見直しにも応用できます。イントロダクションの時点で無意識にshouldを使っていると、そのままボディでも提言型の議論が続いてしまうためです。書き終えたあとだけでなく、イントロダクションを書いた直後に一度確認しておくと、後半の手直しが少なくなります。

時間を計って練習しているなら、この手順を最後の2分に回すやり方が現実的です。全文を読み返す余裕が無くても、結論の段落だけを対象にすれば、大きなずれを見つけやすくなります。

セルフチェックで拾えるのは、自分が疑い方を知っている型だけです。知らない型のずれは、外から指摘してもらうほうが早く見つかります。

ライティング添削 IELTSライティング添削:実際の添削例と3つの受け方

06よくある質問

タスク2の答案でshouldを使うと、Task Responseの評価は下がりますか。

shouldを使ったこと自体で評価が下がるわけではありません。確認したいのは、そのshouldによって答案の中心的な主張が、設問の求める評価や説明から、求められていない提案へ入れ替わっていないかという点です。評価を述べたうえでの補足であれば、shouldがあっても直す必要はないでしょう。

指示文の中にshouldが入っている場合、答案でshouldを使ってもよいですか。

使ってかまいません。むしろ自然な流れです。Some people think that X should be banned. のように主張の文がshouldでできている場合、その主張への賛否を述べるためにshouldを言い直すことになります。ただし、賛成なのか反対なのかという立場も別に示す必要があります。

agree/disagreeのタスクでは、shouldは使わないほうがよいのですか。

タスクタイプだけでは決まりません。当サイトのタスク検索に収録している680件のタスクのうち181件がshouldを含み、そのうち127件がagree/disagree型でした。指示文の主張の文にshouldがあるかどうかで判断します。

Causes and solutionsのタスクでは、shouldを使わないと解決策として認められませんか。

shouldは必須の表現ではないのです。One effective measure would be to、One way to address this problem is toのような言い方でも解決策は示せます。求められているのはshouldという語ではなく、具体的な解決策の中身です。

Positive or negative developmentタイプでshouldを使ってしまった場合、どう直せばよいですか。

まず、良い方向か悪い方向かという評価を述べる一文があるかを確認します。無ければ、その評価の文を加えるか、「〜すべきだ」の一文を「私はこの変化を〜だと考える」のような評価の形に置き換えます。評価がすでにあり、shouldが補足として添えられているだけなら直す必要はありません。

セルフチェックのとき、should以外にどんな表現を探せばよいですか。

must、have to、it is necessary to、need to、ought toなど、「べき」に相当する表現全般が対象です。同じ入れ替わりは、これらの表現でも起こります。

この現象はどのレベルの学習者に多く見られますか。

指導の現場では、ある程度の文法力・語彙力がついた中級から上級の学習者に比較的よく見られる傾向があります。主張を強く言い切る書き方に慣れてきた段階で起こりやすい癖です。

このセルフチェックは本番の試験中にもできますか。

時間が限られる本番では、手順すべてを丁寧に行うのは難しい場合もあります。結論を書く前に指示文をもう一度読み返すだけでも、大きなずれは見つけやすくなります。

07まとめ

タスク2の答案にshouldが出てくること自体は問題ではありません。見るべきなのは、そのshouldによって答案の中心的な主張が、設問の求める種類から入れ替わっていないか、という点です。確認の要点は次のとおりです。

  • 指示文の主張の文にshouldが入っているか。入っていれば言い直しとして使ってよい(当サイト収録680件のうち181件がこのタイプ)。あわせて賛否の立場も示す
  • 指示文がsolutionsやmeasuresを求めているか。求めていれば提案を書く。ただし必要なのは具体策で、shouldという語ではない
  • どちらでもないのに提案が結論の中心になっていないか。評価や説明を述べたうえでの補足なら、shouldがあってもそのままでよい
  • 入れ替わっていた場合は、動詞を「〜すべきだ」から「〜だと考える」「〜という結果になる」に置き換えるか、評価の一文を前に足す

結論を書く直前に指示文をもう一度読み返す、というひと手間だけでも、答えの種類の入れ替わりは防ぎやすくなります。

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Hibiki Takahashi

この記事を書いた人

Hibiki Takahashi

日本語で学ぶIELTS対策専門スクール『PlusOnePoint(プラスワンポイント)』創設者・代表。『英語ライティングの鬼100則』(明日香出版社)著者。1997年に大阪大学医学部を卒業後、麻酔科専門医として活躍。2012年渡豪時に自身が苦労をした経験から、日本人を対象にIELTS対策のサービスを複数展開。難しい文法・語彙を駆使するのではなく、シンプルな表現とアイデアで論理性・明瞭性のあるライティングを指導している。これまでの利用者は4,500名を超え、Twitterで実施した「12週間チャレンジ」では、わずか4週間で7.0、7週間で7.5など、参加者4名全員が短期間でライティングスコア7.0以上を達成(うち2名は7.5を達成)。「IELTSライティングの鬼」の異名を持つ。オーストラリア在住14年、IELTS 8.5(ライティング 8.0)、CEFR C2。

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