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ライティング・タスク1

ライティング・タスク1の変化表現:increase・rise・fallを動詞と名詞で使い分ける

執筆:高橋 響 公開日:

グラフの数字が上がっている、下がっているという事実を英語にするだけなのに、いざ書こうとすると同じ表現ばかりになる。タスク1の練習を始めた人がまず突き当たるのがここです。increase と rise を交互に使ってしのいでも、5文目あたりで手持ちが尽きます。

実は、覚える語を増やす前にできることがあります。同じ内容を、動詞を使う形と名詞を使う形の2通りで表せるようになると、手持ちの語のままで文の形を変えられます。この記事では、変化を表す動詞と名詞の対応、程度を表す副詞と形容詞の対応、そして間違えやすい前置詞の使い分けを、書き換えの手順とあわせて整理します。

01同じ内容を、動詞と名詞の2通りで書く

変化を表す文には、大きく2つの形があります。意味はほぼ同じですが、動詞を中心に組み立てる形と、名詞を中心に組み立てる形に分かれます。

Car use increased sharply between 2000 and 2010.動詞で書く形

There was a sharp increase in car use between 2000 and 2010.名詞で書く形

increase という1語を知っていれば、この2文が書けます。語彙を増やしたわけではなく、形を組み替えただけです。タスク1では同じ構文が並びやすいので、この2つの形を持っているだけでも、必要な情報を伝えながら文の形に幅を出せます。

Grammatical Range and Accuracyでは、さまざまな文構造を使い分けられるかと、それを正確に書けるかが見られています。1文に構造を詰め込むことが評価されるわけではないので、この2つの形を確実に書けるようにしておくほうが実戦的です。

名詞で書く形の作り方

動詞の文から名詞の文に組み替える手順は決まっています。

  • 手順1:動詞を名詞に変える(increased → increase)
  • 手順2:副詞を形容詞に変える(sharply → sharp)
  • 手順3:もとの主語を in のうしろに移す(Car use → in car use)
  • 手順4:文頭に There was または There were を置く

手順3の前置詞は in です。of や for ではありません。ここは間違えやすいので、a rise in、a fall in、an increase in と、名詞とセットで覚えておくと安全です。

02変化を表す動詞と名詞の対応表

タスク1で使う変化の動詞は、そう多くありません。上昇と下降について、それぞれ3語程度の基本語を持っていれば十分です。

向き動詞名詞
上がるincreasean increaseSales increased. / There was an increase in sales.
risea risePrices rose. / There was a rise in prices.
growgrowthDemand grew. / There was growth in demand.
下がるdecreasea decreaseSales decreased. / There was a decrease in sales.
falla fallPrices fell. / There was a fall in prices.
declinea declineDemand declined. / There was a decline in demand.

growth は不可算名詞として使われることが多いので、タスク1では rapid growth や steady growth のように無冠詞で使う形を覚えておくと使いやすいでしょう。a growth in … も文法的には可能ですが、まずは無冠詞のほうで足ります。increase や rise は可算名詞なので、an increase、a rise と冠詞が付きます。

もう少し強い動きを表したいときは、上昇なら soar や surge、下降なら plummet や plunge も使えます。頂点に達したことを表す peak は、動詞としても名詞としても使えます。

ただし、これらは上の表のようにきれいな1対1の対応にはなりません。soar の名詞形として a surge が使えるわけではなく、それぞれ別の語として覚えることになります。しかも、動きが本当に急なときにしか使えません。数%の変化に soar を使うと、図の内容と合わなくなります。無理に難しい語を入れるより、increase に sharply を添えるほうが安全です。

03程度は副詞と形容詞で言い分ける

どれくらい変化したかは、動詞の文なら副詞、名詞の文なら形容詞で表します。ここも1対1で対応しているので、片方を覚えればもう片方も使えます。

程度副詞(動詞の文)形容詞(名詞の文)
大きく・急にsharply / dramatically / significantlysharp / dramatic / significant
ゆるやかにgradually / steadilygradual / steady
わずかにslightly / marginallyslight / marginal

タスク1でよく使う程度の副詞は、動詞のうしろに置く形が基本です。形容詞は名詞の前に置きます。

The number of visitors fell slightly.副詞は動詞のうしろ

There was a slight fall in the number of visitors.形容詞は名詞の前

There was a slightly fall in the number of visitors.名詞 fall の前に副詞は来ない

steadily と gradually は近い語ですが、焦点が違います。steadily は、ある方向への変化が一定して続いていることを表します。gradually は、変化が徐々に進んでいることのほうに焦点があります。両方が使える場面も多いので、グラフの形を見て機械的にどちらかを決める必要はありません。

04by・to・from・at の使い分け

変化の表現でいちばん間違えやすいのが、数字の前に置く前置詞です。何を指しているかで決まります。

前置詞指しているもの
byどれだけ増減したかという変化量Sales increased by 20%.(元の値から20%増えた)
to変化した結果どの値になったかThe figure increased to 20%.(増えて20%になった)
from A to B変化の前と後の値The figure rose from 15% to 20%.
atある値・水準を示すThe figure remained at 20%.

by と to は、入れ替えると図と違うことを述べる文になります。40万人から78万人に増えた線グラフで、増えた量は38万人、増えたあとの値は78万人です。

Car use rose by 380,000 between 1990 and 2020.増えた量は38万人

Car use rose to 780,000 in 2020.増えたあとの値は78万人

Car use rose by 780,000 between 1990 and 2020.78万人ぶん増えたことになり、図と合わない

語彙や文法としては正しく書けていても、図に書かれていない数字を述べていることになるので、Task Achievementの観点で不利になります。書いたあとに、その数字が差なのか到達点なのかを1つずつ確かめておきましょう。

縦軸が%の図では by に注意する

縦軸そのものが%の図で increased by 20% と書くと、20ポイントぶん増えたのか、もとの値の20%ぶん増えたのかが読み手に分かりません。40%から60%への変化なら、前者は increased by 20 percentage points、後者は increased by 50% で、まったく違う数字です。迷ったら from 40% to 60% と両端の値で示すと、解釈の余地が残りません。

05間違えやすい動詞:rise と raise、fall と drop

rise と raise

rise は目的語を取らず、主語そのものが上がることを表します。raise は目的語を取り、何かを上げることを表します。タスク1で述べるのは数値そのものが上がったことなので、使うのは rise です。

The unemployment rate rose in 2010.失業率そのものが上がった

The unemployment rate raised in 2010.raise は「何を」上げたのかが要る

活用も違います。rise は rise、rose、risen。raise は raise、raised、raised と規則的に変わります。raised と書いてしまったときは、そのうしろに目的語があるかを見れば判断できます。

fall と drop

どちらも下がることを表します。drop は急な下がり方にもよく使われますが、drop 自体が「急激に」という意味を含んでいるわけではありません。The unemployment rate dropped from 8% to 7%. のような小さな動きにも使えます。急であることを示したいなら、drop sharply のように副詞で足します。

また、drop は名詞でも使えます。There was a sharp drop in sales. のように、a drop in の形で覚えておくと使い回せます。fall も同じく a fall in です。

increase の自動詞と他動詞

increase は目的語を取ることも取らないこともできます。タスク1では目的語を取らない使い方が中心なので、Sales increased. と書けば足ります。The government increased taxes. のように目的語を取る形は、図の説明では出番がありません。

06横ばいと変動をどう書くか

上がる、下がるだけでは足りない場面があります。動いていない線と、上下を繰り返している線です。

横ばい

The figure remained stable at around 20% throughout the period.

Bus use levelled off after 2010.それまで動いていたものが横ばいになった

There was little change in the number of cyclists between 1990 and 2010.

remain stable と level off は焦点が違います。remain stable は、期間を通じて大きな変化がないことを表します。level off は、それまで動いていたものが途中から平らになったことを表します。at のうしろに値を置ける点は共通です。

上下を繰り返す

Sales fluctuated between 15% and 20% over the period.

The figure showed considerable fluctuation until 2005.

fluctuate は上下を繰り返す動きを表す動詞で、名詞は fluctuation です。ここでも between A and B の形で幅を示せます。細かい上下を1つずつ追いかけると語数が足りなくなるので、変動していること自体を1文でまとめてしまうほうが効率的です。

IELTS学習アプリ ライティングタスク1模試 本番形式の図で、この記事の表現を実際に使う練習ができます。

07よくある質問

increase と rise はどちらを使えばよいですか

どちらもタスク1でよく使われる表現で、多くの場面で置き換えが利きます。言い換えること自体が評価されるわけではないので、無理に交互にする必要はありません。同じ形が続いて気になるときは、動詞の文と名詞の文を切り替えるほうが、文構造にも幅が出ます。

increased by 20% と increased to 20% はどう違いますか

by は変化した量、to は変化したあとの値を指します。by 20% は20%ぶん増えたこと、to 20% は増えた結果が20%になったことです。入れ替えると図に書かれていない数字を述べることになり、Task Achievementの観点で不利になります。

rise と raise はどう見分けますか

うしろに目的語が要るかどうかで見分けます。rise は目的語を取らず、主語そのものが上がることを表します。raise は何かを上げるという意味なので目的語が要ります。図の数字が上がっている話なので、タスク1で使うのは rise です。

soar や plummet のような語は使ったほうがよいですか

動きが本当に急なときだけ使います。数%の変化に soar を使うと図の内容と合わなくなるので、そういう場面では increase に sharply を添えるほうが安全です。難しい語を入れること自体が評価されるわけではありません。これらの語は increase と an increase のようなきれいな対応にもならないので、動詞と名詞をそれぞれ別に覚えることになります。

There was a slightly increase と書いてしまいます

名詞 increase の前には形容詞が来るので、slight increase が正しい形です。副詞の slightly は動詞のうしろに置きます。動詞の文なら increased slightly、名詞の文なら a slight increase と、対で覚えておくと迷いません。

変化していないデータはどう書きますか

期間を通じて大きな変化がない場合は remain stable、それまで動いていたものが途中から平らになった場合は level off が合います。どちらも at のうしろに値を置けます。ほとんど変わっていない程度なら there was little change in も使えます。

上下を繰り返している線は1つずつ説明すべきですか

細かい上下を追いかけると語数が足りなくなります。fluctuate や fluctuation を使い、between 15% and 20% のように幅を示して1文でまとめるほうが効率的です。

growth に a を付けないのはなぜですか

growth は不可算名詞として使われることが多いため、タスク1では rapid growth や steady growth のように無冠詞で使うのが基本です。a growth in demand という形も使われることはありますが、まずは無冠詞のほうを覚えておけば足ります。increase や rise は可算名詞なので、an increase、a rise と冠詞が付きます。

08まとめ

変化を表す表現は、語を増やすより先に、同じ内容を動詞と名詞の2通りで書けるようにするほうが効きます。手持ちの語がそのまま倍の文型で使えるようになります。

  • 同じ形が続いたら、動詞の文と名詞の文を切り替える。increased sharply と a sharp increase in は同じ内容
  • 名詞の文にするときの前置詞は in。of や for ではない
  • 程度は、動詞の文なら副詞、名詞の文なら形容詞で表す
  • by は変化した量、to は変化したあとの値。書いたあとに1つずつ確かめる
  • rise は目的語を取らない。図の数字が上がる話ではこちらを使う
  • 横ばいは remain stable と level off、変動は fluctuate で1文にまとめる

使う動詞は、そもそも図の横軸が時間かどうかで変わります。年や月が並んでいない図では、増減より比較を中心に書くことになります。実際には時間的な変化が示されていないのに increase や decline で変化を述べようとしていないか、書き始める前に横軸を確かめておきましょう。

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Hibiki Takahashi

この記事を書いた人

Hibiki Takahashi

日本語で学ぶIELTS対策専門スクール『PlusOnePoint(プラスワンポイント)』創設者・代表。『英語ライティングの鬼100則』(明日香出版社)著者。1997年に大阪大学医学部を卒業後、麻酔科専門医として活躍。2012年渡豪時に自身が苦労をした経験から、日本人を対象にIELTS対策のサービスを複数展開。難しい文法・語彙を駆使するのではなく、シンプルな表現とアイデアで論理性・明瞭性のあるライティングを指導している。これまでの利用者は4,500名を超え、Twitterで実施した「12週間チャレンジ」では、わずか4週間で7.0、7週間で7.5など、参加者4名全員が短期間でライティングスコア7.0以上を達成(うち2名は7.5を達成)。「IELTSライティングの鬼」の異名を持つ。オーストラリア在住14年、IELTS 8.5(ライティング 8.0)、CEFR C2。

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