Cambridge IELTS 13巻から20巻までの Academic Reading 96パッセージを当校で10テーマに分類したところ、植物と農業を扱った文章は6パッセージありました。ヤシ、ナツメグ、乾燥地の樹木、開花を決めるしくみ、トマトの品種改良、ニレの病害が含まれます。
この記事では、その6パッセージの本文に出た105語を、6つの場面に分けて並べました。語は当校のリーディング模擬試験で使っている語彙データから拾ったもので、日本語訳は当校で付けています。あわせて、これらのパッセージには出ていないものの、同じテーマの文章で関連して使われやすい語も各セクションに添えてあります。
語彙項目の数え方について補足します。preservative agent のように2語以上のまとまりも1件として数えていて、strains と hybrid strains のように重なりのあるまとまりも別に数えています。また、そのテーマの文章に出てきた語をすべて入れてあるので、場面の名前そのものを表す語だけが並んでいるわけではありません。
各セクションの語彙リストの下にはマッチングクイズがあります。表を眺めたあとに、そのセクションから5語だけ確認する使い方を想定しています。
リーディング
テーマ別語彙シリーズ:IELTSリーディングに繰り返し出るテーマと語彙の積み上げ方【総論】
目次
植物の部位と、そこから作られるものを表す語
育てることと、土地の状態を表す語
品種を作り変えることを表す語
植物が環境を感じ取るしくみを表す語
病気で失われることと、戻そうとする動きを表す語
作物が商品になることと、それを研究する人を表す語
「同じ場面で一緒に出てきやすい語」をどう扱うか
よくある質問
まとめ
01 植物の部位と、そこから作られるものを表す語
植物を扱った文章は、その植物のどこがどう使われるかで進みます。ヤシを扱った文章では、sap は樹液、coir は繊維、copra は乾かした果肉、charcoal は木炭です。1本の木からいくつのものが取れるかを列挙する組み立てになっています。
種子の内側を表す語も出てきます。endosperm は栄養を蓄えている部分、embryo は芽になる部分です。ナツメグを扱った文章では、husk が外側の皮、aril がその内側の網状の覆い、mace はその aril から作る香辛料を指します。1つの実から2種類の香辛料が取れるという説明なので、どちらがどこから来たのかを取り違えると設問でずれます。
derivative と solidifies は、加工の過程を表す語です。derivative はある物質から派生してできた別の物質、solidifies は固まることを指します。ヤシの脂肪の derivative である glycerine が、のちにダイナマイトにつながったという流れが、この語で示されます。
出題済みの語(23語)
英語 意味
millennia 数千年(millennium の複数形)
clichés 陳腐なイメージ、決まり文句
envisage 思い描く、想像する
surmounted by 〜が上に載っている、〜で頂上が飾られた
sap 樹液
fibrous 繊維質の
coir ヤシ繊維(ロープや敷物の原料)
prominent 突き出た、目立つ
charcoal 木炭
endosperm 胚乳(種子の栄養を蓄える組織)
solidifies 固体化する、固まる
copra コプラ(乾燥させたヤシの果肉)
derivative 誘導体、派生物(ある物質から派生してできたもの)
glycerine グリセリン(爆薬の原料にもなる物質)
maritime voyagers 海洋の旅人(ここでは海を渡るヤシの実を比喩)
foliage 葉群、葉叢
husk 外皮、さや
aril 仮種皮(種を覆う網状の覆い)
mace メース(仮種皮から作るスパイス)
seed pods さや(種を包む莢)
truss 花房(一枝に連なって実るトマトの房)
pigment 色素
lycopene リコペン(トマトの赤い色素・抗酸化物質)
同じ場面で一緒に出てきやすい語(8語)
英語 意味
stem 茎、幹
root system 根の張り方全体
pollen 花粉
bark 樹皮
kernel 種の中身
blossom 花、花が咲く
pulp 果肉
resin 樹脂
02 育てることと、土地の状態を表す語
育てる過程は動詞で説明されます。germinate は発芽すること、transplanting は移し替えること、uprooting は根こそぎ引き抜くことです。viable は発芽できる状態にあることを指し、海を渡ったヤシの実がまだ芽を出せたか、という文脈で出てきます。
土地の側の語も並びます。arid は乾燥していること、subsoil は地表のすぐ下の層、erosion は雨や風で土が削られることです。fragile ecosystem は、少し崩れると戻りにくい生態系を指します。乾燥地で木を植え直す話では、この3語が問題の中身そのものになります。
取り組みの側を表す語もあります。smallholdings は小規模な農地、certified organic は有機農法の認証を受けたもの、bio-control insects は農薬の代わりに害虫を抑える虫、corridors は生き物が移動できるように緑をつないだ通り道です。domesticate は野生の植物を作物として育てられるようにすることで、育てる話の出発点になる語です。
出題済みの語(23語)
英語 意味
viable 生存・発芽可能な
germinate 発芽する
embryo 胚(種子の中の芽になる部分)
uprooting (木を)根こそぎにする
seedling 苗木
transplanting (植物を)移植する
fragile ecosystem 脆弱な生態系
subsoil 下層土(地表のすぐ下の土壌層)
erosion 浸食(雨や風で土が削られること)
herbal remedies 薬草療法・漢方薬
smallholdings 小規模農地
molasses 糖蜜(砂糖精製の際にできる濃い黒いシロップ)
foodstuffs 食料品・食品原料
certified organic 認証済みの有機農法の
corridors 回廊(動物や植物が移動するための緑の通路)
bio-control insects 生物的防除昆虫(農薬の代わりに害虫を抑える益虫)
biodiversity 生物多様性
arid 乾燥した(砂漠のような気候の)
expanse 広大な広がり
domesticate 栽培化する(野生種を作物として育てられるようにする)
nutritious 栄養豊富な
edible 食用になる
sprawling (植物が)横に広がる・蔓延する
同じ場面で一緒に出てきやすい語(8語)
英語 意味
sowing 種をまくこと
fallow しばらく作付けをせずに休ませた
topsoil 表土(作物が育つ地表近くの土)
irrigation 灌漑(農地に水を引くこと)
nutrient 養分
cultivar 栽培品種
orchard 果樹園
pruning 剪定(枝を切りそろえること)
03 品種を作り変えることを表す語
トマトの栽培化をやり直す話を扱った文章では、遺伝に関する語が中心になります。genome editing は DNA の特定の部分を意図的に改変する技術、genetic diversity は遺伝的な多様さ、desirable traits は残したい性質です。strains と hybrid strains は品種や系統を指します。
この分野で議論の向きを決めるのは genetic diversity です。長く選抜を続けた作物は、育てやすい性質は得たものの、多様さを失っているという流れで出てきます。野生に近い種から作り直すという発想が、そこから出てきます。
実用に届くかどうかを表す語も並びます。staple crops は主食になる作物、drought tolerant は干ばつに耐えられること、agricultural yields は収穫量です。regulatory approval は規制当局の承認で、技術ができることと実際に使えることは別だという段落で出てきます。設問が「すでに実用化されている」と書いているときは、この語の周辺を確かめてください。
出題済みの語(12語)
英語 意味
agricultural yields 農業収穫量
resilient 逆境に強い、耐性のある
genome editing ゲノム編集(DNAの特定の部分を意図的に改変する技術)
genetic diversity 遺伝的多様性
desirable traits 望ましい形質・特性
strains 品種・系統(植物や細菌の)
genomes ゲノム(生物が持つ全遺伝情報)
regulatory approval 規制当局の承認
obscure 無名の、あまり知られていない
staple crops 主食となる作物・主要農作物
drought tolerant 干ばつ耐性のある
hybrid strains 交配種(異なる品種を掛け合わせた系統)
同じ場面で一緒に出てきやすい語(8語)
英語 意味
crossbreeding 掛け合わせて新しい品種を作ること
wild relative 作物のもとになった野生の近縁種
gene bank 種子や遺伝資源を保存しておく施設
mutation 遺伝子の変異
selective breeding 望ましい性質を選んで掛け合わせること
trait 性質、形質
germplasm 品種改良に使える遺伝資源
field trial 実際の畑で行う試験
04 植物が環境を感じ取るしくみを表す語
植物が気温を感じ取るしくみを扱った文章では、専門用語がまとまって出ます。phytochromes は光を受け取るタンパク質、photoreceptor は光受容体、Arabidopsis は研究によく使われる植物です。名前そのものは読んで分かれば十分で、本文が説明するのはその働きのほうです。
dual role は、この文章の中心にある語です。同じ物質が光を感じる役目と温度を感じる役目の両方を担っていた、という発見が主題になっています。cellular temperature gauges は、細胞のなかで温度を感知するしくみを温度計にたとえた表現です。co-opted は、もともと別の用途にあったものが転用されたことを指します。
しくみの説明には、関係を表す語が使われます。directly proportional to は正比例すること、dark reversion は暗いところで元の状態に戻る過程、growth-suppressing は成長を抑える働き、bind to DNA は DNA に結びつくことです。この順で読むと、温度が変わると何が起きるかの流れがつながります。thermal stress と agricultural yields は、この発見が農業にどう役立つかを述べる段落で出てきます。
出題済みの語(13語)
英語 意味
phytochromes フィトクロム(植物の光受容タンパク質)
cellular temperature gauges 細胞のなかで温度を感知するしくみ(温度計にたとえた表現)
photoreceptor 光受容体
directly proportional to 〜に正比例する
molecular mechanism 分子機構
thermal stress 熱によるストレス(高温が作物に与える負荷)
bind to DNA DNAに結合する
dark reversion 暗所復帰(暗闇でフィトクロムが不活性状態に戻る過程)
growth-suppressing 成長を抑制する
co-opted 転用された、別の目的に取り込まれた
dual role 二重の役割
culmination 積み重ねが行き着いた到達点
Arabidopsis シロイヌナズナ(植物研究のモデル生物)
同じ場面で一緒に出てきやすい語(8語)
英語 意味
photosynthesis 光合成
chlorophyll 葉緑素
dormancy 休眠
flowering time 花が咲く時期
protein タンパク質
gene expression 遺伝子が働いて形質として表れること
circadian rhythm およそ1日の周期でくり返される体内リズム
signalling pathway 細胞内で信号が伝わる経路
05 病気で失われることと、戻そうとする動きを表す語
ニレの木の病気を扱った文章では、広がり方を表す語が並びます。epidemic は大流行、virulent は毒性が強いこと、pathogen は病原体、contagious は感染することです。susceptible は、かかりやすい側を指します。
vascular は、この文章で仕組みを説明する語です。水や養分を運ぶ組織のことで、そこが詰まることで木が枯れるという説明につながります。succumbed は病気に負けて枯れたこと、wiped out と devastate は失われた規模を表します。
戻そうとする側の語もあります。advocates は取り組みを支持する人たち、hybrid strains は病気に強い交配種、analogue は元の木の代わりになるものです。ただし本文は慎重な側にも語を割いています。precarious は不安定な状態、wary は用心していることです。ingrained と hedgerows、hardwood、keel は、その木が暮らしや産業にどれだけ深く関わっていたかを示す語です。
出題済みの語(19語)
英語 意味
contagious 感染性の
wiped out 壊滅した、全滅させた
rust fungus さび菌(植物に病害を起こす菌類。この文章では小麦を枯らすものとして出てくる)
devastate 壊滅させる(収穫量などを)
aftermath 余波、(災害・事件の)後遺症
vascular 維管束の(水・養分を運ぶ組織に関する)
epidemic (病気の)大流行
virulent 毒性の強い、悪性の
hedgerows 生垣(畑の境界を成す低木の列)
succumbed (病気・困難に)負けた、枯れた
hardwood 広葉樹材(オーク・ニレなど)
keel 竜骨(船底を縦に貫く構造材)
ingrained 深く根付いた
advocates 支持者、擁護者
precarious 不安定な、危うい
pathogen 病原体
susceptible (病気などに)かかりやすい、感受性の高い
analogue 類似のもの、代わりになるもの
wary 用心深い、慎重な
同じ場面で一緒に出てきやすい語(8語)
英語 意味
blight 枯死をもたらす病害
infestation 害虫や病原体の大量発生
quarantine 検疫(持ち込みを止めて隔離すること)
resistant variety 病気に強い品種
spore 胞子
vector 病原体を運ぶ生物
outbreak 発生、突発的な広がり
nursery 苗を育てる施設
06 作物が商品になることと、それを研究する人を表す語
香辛料を扱った文章では、値段と支配に関する語が並びます。commodity は取引される品物、monopoly は独占、soared は価格が急に上がったことです。spare no expense は費用を惜しまないこと、neutral trading policy は中立の立場を取る通商方針を指します。
独占が崩れる流れも語で示されます。smuggled は密かに持ち出したこと、transplanting は別の土地へ移し替えることです。ある土地でしか採れなかったものが他所でも育つようになり、独占が終わるという組み立てになっています。
研究する人の呼び名も出てきます。archaeobotanist は遺跡から植物の痕跡を調べる人、ethnobotanist は植物と人の暮らしの関わりを研究する人です。cultural resuscitation は、失われかけた文化を蘇らせることを指します。aspirational は、より豊かな暮らしを目指す気持ちのことで、伝統的な作物が敬遠される理由の説明で使われます。
出題済みの語(15語)
英語 意味
diametrically opposed 正反対の
indigenous その土地に元からある、原産の
dispersed 広い範囲に分散した
commodity 商品、取引される品物
preservative agent 防腐剤
subcontracting 下請けに出す
soared (価格が)急騰した
spare no expense 費用を惜しまない
neutral trading policy 中立的な通商政策
monopoly 独占(権)
smuggled 密輸した
archaeobotanist 考古植物学者
ethnobotanist 民族植物学者(植物と人間文化の関係を研究する)
aspirational 上昇志向の(豊かさや高い地位を目指す)
cultural resuscitation 文化的再生(失われた文化を蘇らせること)
同じ場面で一緒に出てきやすい語(8語)
英語 意味
export 輸出、輸出する
cash crop 売って現金を得るために育てる作物
plantation 大規模な農園
tariff 関税
subsistence farming 自分たちが食べるための農業
fair trade 生産者に正当な対価が渡るようにする取り組み
perishable 傷みやすい
distribution 流通、配ること
08 よくある質問
植物と農業のテーマは、リーディングでどのくらいの頻度で出ますか
Cambridge IELTS 13巻から20巻の Academic Reading 96パッセージのうち、植物と農業を扱ったものは6パッセージでした(2026年8月26日時点、当校の集計)。なお、動物の生態や地球環境を扱う文章と重なる語も多く含まれます。
植物の部位の名前は覚える必要がありますか
aril や endosperm のような語は、読んで意味が分かれば十分です。ただしナツメグを扱った文章のように、1つの実から2種類の香辛料が取れるという説明では、どちらがどこから来たのかが設問になります。位置関係だけは本文で押さえておきましょう。
105語を全部覚える必要がありますか
全部を同じ深さで覚える必要はありません。phytochromes や Arabidopsis のような研究上の名前は意味が分かれば十分です。viable、susceptible、precarious のように分野を問わず出てくる語だけ、自分でも使える状態にしておくと役に立ちます。
regulatory approval がなぜ重要な語なのですか
技術ができることと、実際に使えることは別だという段落で出てくるからです。ゲノム編集を扱った文章では、実験室でできていても承認が要るという流れになります。設問が「すでに実用化されている」と書いているときは、この語の周辺を確かめてください。
dual role はどういう意味で使われていますか
同じ物質が2つの役目を兼ねている、という意味です。植物が気温を感じ取るしくみを扱った文章では、光を感じる役目を持つと思われていたものが、温度を感じる役目も担っていたという発見が主題になっています。
「一緒に出てきやすい語」は次の試験に出るということですか
そういう意味ではありません。13巻から20巻までの本文には出ていないものの、同じテーマの文章で、出題済みの語と関連して登場しやすい語を集めてあります。次に出る語を当てたものではありません。
巻別の語彙リストとの使い分けを教えてください
解いた直後に開くなら巻別、苦手なテーマを埋めたいならテーマ別です。巻別は1冊ぶんの語をまとめてあるので、答え合わせの流れでそのまま開けます。テーマ別は8冊ぶんをテーマごとに横断して整理してあるので、特定のテーマだけを集中して見られます。
09 まとめ
植物と農業のテーマは、出てくる植物が毎回変わっても、繰り返し現れる論点があります。何ができるか、どう育てるか、何に脅かされているか、誰が利益を得るかの4つです。
1つの実から複数のものが取れる説明では、どれがどこから来たのかを押さえる
viable は「発芽できる状態」を指し、単に「生きている」という意味ではない
genetic diversity は、育てやすさと引き換えに失われたものとして登場する
regulatory approval があると、技術ができることと使えることは別の話になる
dual role は、同じ物質が2つの役目を兼ねていたという発見を指す
病害の文章は、失われる側と戻そうとする側の両方に語が割かれる
独占が崩れる流れは smuggled と transplanting でつながっている
後半の表はまとめて覚える対象にせず、公式問題集の外で読むときの下準備として眺める