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スピーキング

スピーキング 採点基準表(Band Descriptors):新旧の記述を徹底比較

執筆:高橋 響 公開日: 最終更新:

IELTSスピーキング試験では、以下の採点基準(Band Descriptors)にしたがって、Fluency and Coherence(流暢さとつながり)、Lexical Resource(語彙)、Grammatical Range and Accuracy(文法の幅と正確さ)、Pronunciation(発音)の4項目で評価されます。それぞれ、Band 9からBand 0までの整数値でスコアリングされ、最終的なスピーキングのスコアは、平均値に最も近い0.5単位に切り下げられます。

ライティングのBand Descriptorsには「Updated May 2023」という明確な改訂ラベルがありますが、スピーキングの公式PDFにはそうした改訂日の記載がありません。それでも、IELTS公式サイトが現在公開している記述は、これまでielts.jpに掲載していた記述と内容がはっきり異なっています。このページではバンドごとに現行版と旧版の記述を、日本語訳とあわせて並べ、どこがどう変わったのかも合わせて解説します。

Fluency and Coherence: 6、Lexical Resource: 6、Grammatical Range and Accuracy: 7、Pronunciation: 6の場合、平均値は6.25で、最も近い0.5単位に切り下げられるため、最終的なスピーキングのスコアは6.0となります。

9Band 9

流暢さ・語彙・文法・発音のすべてで、ほぼ欠点が見当たらない水準です。

Fluency and Coherence

現行版
  • Fluent with only very occasional repetition or self-correction.流暢に話し、繰り返しや言い直しはごくまれにしか起こらない。
  • Any hesitation that occurs is used only to prepare the content of the next utterance and not to find words or grammar.ためらいがあっても、それは次に話す内容を準備するためのものであり、語や文法を探すためではない。
  • Speech is situationally appropriate and cohesive features are fully acceptable.発話は場面に適しており、つながりを示す表現の使い方も申し分ない。
  • Topic development is fully coherent and appropriately extended.話題の展開は一貫しており、適切に広げられている。
旧版
  • speaks fluently with only rare repetition or self-correction; any hesitation is content-related rather than to find words or grammar流暢に話し、繰り返しや言い直しはまれにしか起こらない。ためらいがあっても、それは語や文法を探すためではなく内容に関するものである
  • speaks coherently with fully appropriate cohesive features完全に適切なつながりを示す表現とともに、一貫して話している
  • develops topics fully and appropriately話題を十分かつ適切に展開している

大意は同じですが、新版は「発話が場面に適している」という一文が独立して加わり、話題の展開についても「完全に一貫し、適切に広げられている」というやや踏み込んだ書き方になりました。

Lexical Resource

現行版
  • Total flexibility and precise use in all contexts.あらゆる場面で、完全な柔軟性と精密な使い方が見られる。
  • Sustained use of accurate and idiomatic language.正確かつ慣用的な言い回しを一貫して使っている。
旧版
  • uses vocabulary with full flexibility and precision in all topicsあらゆる話題について、完全な柔軟性と精密さをもって語彙を使っている
  • uses idiomatic language naturally and accurately慣用的な言い回しを自然かつ正確に使っている

「あらゆる話題」から「あらゆる文脈」という言い方に変わりました。求めている水準そのものに大きな違いはありません。

Grammatical Range and Accuracy

現行版
  • Structures are precise and accurate at all times, apart from 'mistakes' characteristic of native speaker speech.ネイティブスピーカーの発話に特徴的な言い間違いを除けば、構文は常に精密かつ正確である。
旧版
  • uses a full range of structures naturally and appropriatelyあらゆる構文を自然かつ適切に使っている
  • produces consistently accurate structures apart from 'slips' characteristic of native speaker speechネイティブスピーカーの発話に特徴的な言い間違いを除けば、一貫して正確な構文を生み出している

旧版は2文でしたが、新版は1文に集約されました。「ネイティブスピーカーの言い間違いを除けば常に精密かつ正確」という核となる基準は変わっていません。

Pronunciation

現行版
  • Uses a full range of phonological features to convey precise and/or subtle meaning.正確な、あるいは微妙な意味を伝えるために、あらゆる音声的特徴を使っている。
  • Flexible use of features of connected speech is sustained throughout.連続する発話の特徴を柔軟に使う力が、最後まで持続している。
  • Can be effortlessly understood throughout.最後まで労なく理解できる。
  • Accent has no effect on intelligibility.アクセント(訛り)が聞き取りやすさに影響しない。
旧版
  • uses a full range of pronunciation features with precision and subtletyあらゆる発音の特徴を、精密さと繊細さをもって使っている
  • sustains flexible use of features throughoutその柔軟な使い方が最後まで持続している
  • is effortless to understand労なく理解できる

「アクセントが聞き取りやすさに影響しない」という一文が独立して加わりました。旧版の「労なく理解できる」という基準に、アクセントの扱いが明示的に追加された形です。

8Band 8

流暢に話せており、ごくわずかな乱れが許容される水準です。

Fluency and Coherence

現行版
  • Fluent with only very occasional repetition or self-correction.流暢に話し、繰り返しや言い直しはごくまれにしか起こらない。
  • Hesitation may occasionally be used to find words or grammar, but most will be content related.語や文法を探すためのためらいが時折あるが、大半は内容に関するためらいである。
  • Topic development is coherent, appropriate and relevant.話題の展開は一貫しており、適切かつ関連性がある。
旧版
  • speaks fluently with only occasional repetition or self-correction; hesitation is usually content-related and only rarely to search for language流暢に話し、繰り返しや言い直しは時折しか起こらない。ためらいは通常内容に関するものであり、語句を探すためのものはまれである
  • develops topics coherently and appropriately話題を一貫して適切に展開している

大意は同じですが、話題の展開について「一貫していて適切かつ関連性がある」という言い方がより具体的になりました。

Lexical Resource

現行版
  • Wide resource, readily and flexibly used to discuss all topics and convey precise meaning.幅広い語彙資源を、あらゆる話題について正確な意味を伝えるためにすぐに柔軟に使える。
  • Skilful use of less common and idiomatic items despite occasional inaccuracies in word choice and collocation.語選択やコロケーションに時折不正確さがあるものの、珍しい語やイディオムを巧みに使っている。
  • Effective use of paraphrase as required.必要に応じて効果的に言い換えている。
旧版
  • uses a wide vocabulary resource readily and flexibly to convey precise meaning正確な意味を伝えるために、幅広い語彙資源をすぐに柔軟に使っている
  • uses less common and idiomatic vocabulary skilfully, with occasional inaccuracies珍しい語や慣用的な語彙を巧みに使っているが、時折不正確さがある
  • uses paraphrase effectively as required必要に応じて効果的に言い換えている

大きな変化はありません。言い回しの整理が中心です。

Grammatical Range and Accuracy

現行版
  • Wide range of structures, flexibly used.幅広い構文を柔軟に使っている。
  • The majority of sentences are error free.大半の文に誤りがない。
  • Occasional inappropriacies and non-systematic errors occur. A few basic errors may persist.時折、不適切な表現や体系的でない誤りが起こる。基本的な誤りが多少残ることもある。
旧版
  • uses a wide range of structures flexibly幅広い構文を柔軟に使っている
  • produces a majority of error-free sentences with only very occasional inappropriacies or basic/non-systematic errors大半の文に誤りがなく、不適切な表現や基本的・体系的でない誤りはごくまれにしか起こらない

「時折、不適切な表現や体系的でない誤りが起こる。基本的な誤りが多少残ることもある」という一文が独立して加わりました。

Pronunciation

現行版
  • Uses a wide range of phonological features to convey precise and/or subtle meaning.正確な、あるいは微妙な意味を伝えるために、幅広い音声的特徴を使っている。
  • Can sustain appropriate rhythm. Flexible use of stress and intonation across long utterances, despite occasional lapses.適切なリズムを保つことができる。長い発話でも、時折の乱れはあるものの強勢とイントネーションを柔軟に使っている。
  • Can be easily understood throughout.最後まで容易に理解できる。
  • Accent has minimal effect on intelligibility.アクセント(訛り)が聞き取りやすさに与える影響は最小限である。
旧版
  • uses a wide range of pronunciation features幅広い発音の特徴を使っている
  • sustains flexible use of features, with only occasional lapsesその柔軟な使い方を持続しているが、時折の乱れもある
  • is easy to understand throughout; L1 accent has minimal effect on intelligibility最後まで理解しやすく、母語のアクセントが聞き取りやすさに与える影響は最小限である

「最後まで容易に理解できる」と「アクセントの影響は最小限」が別々の文に分けて書かれるようになりました。

7Band 7

長く話し続けられるものの、語や文法を探すためらいが時折見られる水準です。

Fluency and Coherence

現行版
  • Able to keep going and readily produce long turns without noticeable effort.目立った努力なしに話し続け、すぐに長い発話を作ることができる。
  • Some hesitation, repetition and/or self-correction may occur, often mid-sentence and indicate problems with accessing appropriate language. However, these will not affect coherence.ためらいや繰り返し、言い直しが起こることもあり、文の途中で適切な表現を探す苦労がうかがえることもある。ただし、これらは一貫性には影響しない。
  • Flexible use of spoken discourse markers, connectives and cohesive features.話し言葉のディスコースマーカーや接続語、つながりを示す表現を柔軟に使っている。
旧版
  • speaks at length without noticeable effort or loss of coherence目立った努力や一貫性の乱れなしに、長く話すことができる
  • may demonstrate language-related hesitation at times, or some repetition and/or self-correction言語面でのためらいが時折見られたり、繰り返しや言い直しがあったりすることもある
  • uses a range of connectives and discourse markers with some flexibility接続語やディスコースマーカーを、ある程度の柔軟性をもって幅広く使っている

旧版の「目立った努力や一貫性の乱れなしに長く話せる」という1文が、新版では「長く話し続けられる」ことと「一貫性には影響しない」ことの2つの観点に分解されました。

Lexical Resource

現行版
  • Resource flexibly used to discuss a variety of topics.さまざまな話題について、語彙資源を柔軟に使っている。
  • Some ability to use less common and idiomatic items and an awareness of style and collocation is evident though inappropriacies occur.珍しい語やイディオムを使う力もある程度見られ、文体やコロケーションへの意識もうかがえるが、不適切な表現が起こることもある。
  • Effective use of paraphrase as required.必要に応じて効果的に言い換えている。
旧版
  • uses vocabulary resource flexibly to discuss a variety of topicsさまざまな話題について、語彙資源を柔軟に使っている
  • uses some less common and idiomatic vocabulary and shows some awareness of style and collocation, with some inappropriate choices珍しい語や慣用的な語彙もある程度使い、文体やコロケーションへの意識もある程度見られるが、不適切な語選択もある
  • uses paraphrase effectively効果的に言い換えている

大きな変化はありません。言い回しの整理が中心です。

Grammatical Range and Accuracy

現行版
  • A range of structures flexibly used. Error-free sentences are frequent.幅広い構文を柔軟に使っている。誤りのない文が頻繁に見られる。
  • Both simple and complex sentences are used effectively despite some errors. A few basic errors persist.単文・複文とも、多少の誤りはあるものの効果的に使われている。基本的な誤りが多少残る。
旧版
  • uses a range of complex structures with some flexibilityある程度の柔軟性をもって、幅広い複雑な構文を使っている
  • frequently produces error-free sentences, though some grammatical mistakes persist誤りのない文を頻繁に生み出しているが、文法の間違いが多少残る

大きな変化はありません。言い回しの整理が中心です。

Pronunciation

現行版
  • Displays all the positive features of band 6, and some, but not all, of the positive features of band 8.バンド6の良い特徴をすべて備え、バンド8の良い特徴の一部(すべてではない)も備えている。
旧版
  • shows all the positive features of Band 6 and some, but not all, of the positive features of Band 8バンド6の良い特徴をすべて備え、バンド8の良い特徴の一部(すべてではない)も備えている

「バンド6の良い特徴をすべて備え、バンド8の良い特徴の一部を備えている」という、隣接バンドを参照する書き方は新旧で共通しています。

6Band 6

長い発話への意欲はあるものの、つながりや構文の柔軟性に限界がある水準です。

Fluency and Coherence

現行版
  • Able to keep going and demonstrates a willingness to produce long turns.話し続けることができ、長い発話を作ろうとする姿勢が見られる。
  • Coherence may be lost at times as a result of hesitation, repetition and/or self-correction.ためらいや繰り返し、言い直しにより、一貫性が時折失われることもある。
  • Uses a range of spoken discourse markers, connectives and cohesive features though not always appropriately.話し言葉のディスコースマーカーや接続語、つながりを示す表現を幅広く使っているが、常に適切とは限らない。
旧版
  • is willing to speak at length, though may lose coherence at times due to occasional repetition, self-correction or hesitation長く話そうとする姿勢はあるが、時折の繰り返しや言い直し、ためらいにより一貫性が失われることもある
  • uses a range of connectives and discourse markers but not always appropriately接続語やディスコースマーカーを幅広く使っているが、常に適切とは限らない

「つながりを示す表現」を幅広く使うという観点が独立した一文として加わりました。

Lexical Resource

現行版
  • Resource sufficient to discuss topics at length.話題について詳しく話すのに十分な語彙資源がある。
  • Vocabulary use may be inappropriate but meaning is clear.語彙の使い方が不適切なこともあるが、意味は明確である。
  • Generally able to paraphrase successfully.概ねうまく言い換えることができる。
旧版
  • has a wide enough vocabulary to discuss topics at length and make meaning clear in spite of inappropriacies話題について詳しく話すのに十分な広さの語彙があり、不適切な表現があっても意味は明確にできる
  • generally paraphrases successfully概ねうまく言い換えている

「語彙の使い方が不適切なこともあるが意味は明確」という言い方に変わり、不完全さを前提とした書き方がより明確になりました。

Grammatical Range and Accuracy

現行版
  • Produces a mix of short and complex sentence forms and a variety of structures with limited flexibility.短い文と複雑な文の両方を混ぜて使い、さまざまな構文を使うが、柔軟性は限られている。
  • Though errors frequently occur in complex structures, these rarely impede communication.複雑な構文で誤りが頻繁に起こるが、伝達を妨げることはめったにない。
旧版
  • uses a mix of simple and complex structures, but with limited flexibility単文と複雑な構文を混ぜて使っているが、柔軟性は限られている
  • may make frequent mistakes with complex structures, though these rarely cause comprehension problems複雑な構文で間違いが頻繁に起こることもあるが、理解の妨げになることはめったにない

大きな変化はありません。言い回しの整理が中心です。

Pronunciation

現行版
  • Uses a range of phonological features, but control is variable.幅広い音声的特徴を使っているが、統制にはむらがある。
  • Chunking is generally appropriate, but rhythm may be affected by a lack of stress-timing and/or a rapid speech rate.意味のまとまりの区切り方は概ね適切だが、強勢のタイミングの乱れや話す速さによってリズムが影響を受けることもある。
  • Some effective use of intonation and stress, but this is not sustained.イントネーションと強勢を効果的に使うこともあるが、それが持続しない。
  • Individual words or phonemes may be mispronounced but this causes only occasional lack of clarity.個々の単語や音素の発音を誤ることもあるが、明瞭さを欠くのは時折にとどまる。
  • Can generally be understood throughout without much effort.概ね、大きな労力なしに最後まで理解できる。
旧版
  • uses a range of pronunciation features with mixed control幅広い発音の特徴を使っているが、統制にはむらがある
  • shows some effective use of features but this is not sustainedその特徴を効果的に使うこともあるが、持続はしない
  • can generally be understood throughout, though mispronunciation of individual words or sounds reduces clarity at times概ね最後まで理解できるが、個々の単語や音の発音の誤りにより、時折明瞭さが損なわれる

旧版3文から新版5文に増え、意味のまとまりの区切り方(チャンキング)や話す速さとリズムの関係について、新たに具体的な言及が加わりました。

5Band 5

話し続けられるが、繰り返しや言い直しに頼る場面が多い水準です。

Fluency and Coherence

現行版
  • Usually able to keep going, but relies on repetition and self-correction to do so and/or on slow speech.たいてい話し続けられるが、そのために繰り返しや言い直し、あるいはゆっくりとした発話に頼ることもある。
  • Hesitations are often associated with mid-sentence searches for fairly basic lexis and grammar.ためらいは、文の途中で比較的基礎的な語彙や文法を探すことに関連していることが多い。
  • Overuse of certain discourse markers, connectives and other cohesive features.特定のディスコースマーカーや接続語、その他のつながりを示す表現を過剰に使う。
  • More complex speech usually causes disfluency but simpler language may be produced fluently.より複雑な発話では流暢さが失われがちだが、より単純な表現は流暢に話せることもある。
旧版
  • usually maintains flow of speech but uses repetition, self-correction and/or slow speech to keep goingたいてい発話の流れを保てるが、そのために繰り返しや言い直し、あるいはゆっくりとした発話を使うこともある
  • may over-use certain connectives and discourse markers特定の接続語やディスコースマーカーを過剰に使うこともある
  • produces simple speech fluently, but more complex communication causes fluency problems単純な発話は流暢にできるが、より複雑な伝達では流暢さに問題が生じる

「ためらいは、文の途中で比較的基礎的な語彙や文法を探すことに関連していることが多い」という、ためらいの原因を特定する一文が新たに加わりました。

Lexical Resource

現行版
  • Resource sufficient to discuss familiar and unfamiliar topics but there is limited flexibility.身近な話題・身近でない話題を話すのに十分な語彙資源はあるが、柔軟性は限られている。
  • Attempts paraphrase but not always with success.言い換えを試みるが、常に成功するとは限らない。
旧版
  • manages to talk about familiar and unfamiliar topics but uses vocabulary with limited flexibility身近な話題・身近でない話題についてなんとか話せるが、語彙の使い方の柔軟性は限られている
  • attempts to use paraphrase but with mixed success言い換えを試みるが、成功したりしなかったりする

大きな変化はありません。言い回しの整理が中心です。

Grammatical Range and Accuracy

現行版
  • Basic sentence forms are fairly well controlled for accuracy.基本的な文の形はかなり正確に統制されている。
  • Complex structures are attempted but these are limited in range, nearly always contain errors and may lead to the need for reformulation.複雑な構文を試みるが、範囲は限られており、ほとんど常に誤りを含み、言い直しが必要になることもある。
旧版
  • produces basic sentence forms with reasonable accuracy基本的な文の形をそれなりの正確さで作っている
  • uses a limited range of more complex structures, but these usually contain errors and may cause some comprehension problemsより複雑な構文も限られた範囲で使うが、通常誤りを含み、理解の妨げになることもある

大きな変化はありません。言い回しの整理が中心です。

Pronunciation

現行版
  • Displays all the positive features of band 4, and some, but not all, of the positive features of band 6.バンド4の良い特徴をすべて備え、バンド6の良い特徴の一部(すべてではない)も備えている。
旧版
  • shows all the positive features of Band 4 and some, but not all, of the positive features of Band 6バンド4の良い特徴をすべて備え、バンド6の良い特徴の一部(すべてではない)も備えている

「バンド4の良い特徴をすべて備え、バンド6の良い特徴の一部を備えている」という、隣接バンドを参照する書き方は新旧で共通しています。

4Band 4

話し続けるのに目立った間が必要で、語彙・構文とも身近な話題に限られる水準です。

Fluency and Coherence

現行版
  • Unable to keep going without noticeable pauses. Speech may be slow with frequent repetition.目立った間を置かずに話し続けることができない。発話は遅く、繰り返しが頻繁なこともある。
  • Often self-corrects.よく言い直しをする。
  • Can link simple sentences but often with repetitious use of connectives.単純な文をつなぐことはできるが、接続語の使い方が反復的になりがちである。
  • Some breakdowns in coherence.一貫性が部分的に崩れることもある。
旧版
  • cannot respond without noticeable pauses and may speak slowly, with frequent repetition and self-correction目立った間なしに応答できず、繰り返しや言い直しを頻繁に伴いながらゆっくり話すこともある
  • links basic sentences but with repetitious use of simple connectives and some breakdowns in coherence基本的な文をつなぐことはできるが、単純な接続語の使い方が反復的で、一貫性が部分的に崩れることもある

旧版2文から新版4文に増え、「よく言い直しをする」ことと「一貫性が部分的に崩れる」ことが、それぞれ独立した観点として書かれるようになりました。

Lexical Resource

現行版
  • Resource sufficient for familiar topics but only basic meaning can be conveyed on unfamiliar topics.身近な話題には十分な語彙資源があるが、身近でない話題では基本的な意味しか伝えられない。
  • Frequent inappropriacies and errors in word choice.語選択の不適切さや誤りが頻繁に起こる。
  • Rarely attempts paraphrase.言い換えを試みることはほとんどない。
旧版
  • is able to talk about familiar topics but can only convey basic meaning on unfamiliar topics and makes frequent errors in word choice身近な話題については話せるが、身近でない話題では基本的な意味しか伝えられず、語選択の誤りが頻繁に起こる
  • rarely attempts paraphrase言い換えを試みることはほとんどない

「言い換えを試みることはほとんどない」という一文が独立して加わりました。

Grammatical Range and Accuracy

現行版
  • Can produce basic sentence forms and some short utterances are error-free.基本的な文の形を作ることができ、短い発話の一部には誤りがない。
  • Subordinate clauses are rare and, overall, turns are short, structures are repetitive and errors are frequent.従属節はまれで、全体として発話は短く、構文は反復的で誤りが頻繁である。
旧版
  • produces basic sentence forms and some correct simple sentences but subordinate structures are rare基本的な文の形を作り、正しい単純な文もいくつか見られるが、従属構造はまれである
  • errors are frequent and may lead to misunderstanding誤りが頻繁で、誤解につながることもある

大きな変化はありません。言い回しの整理が中心です。

Pronunciation

現行版
  • Uses some acceptable phonological features, but the range is limited.いくつかの許容できる音声的特徴を使っているが、範囲は限られている。
  • Produces some acceptable chunking, but there are frequent lapses in overall rhythm.ある程度許容できる意味のまとまりの区切り方はできるが、全体のリズムに頻繁な乱れがある。
  • Attempts to use intonation and stress, but control is limited.イントネーションと強勢を使おうとするが、統制は限られている。
  • Individual words or phonemes are frequently mispronounced, causing lack of clarity.個々の単語や音素の発音を頻繁に誤り、明瞭さを欠く。
  • Understanding requires some effort and there may be patches of speech that cannot be understood.理解するにはある程度の労力が必要で、理解できない部分もあることがある。
旧版
  • uses a limited range of pronunciation features限られた範囲の発音の特徴しか使っていない
  • attempts to control features but lapses are frequentその特徴を統制しようとするが、乱れが頻繁である
  • mispronunciations are frequent and cause some difficulty for the listener発音の誤りが頻繁で、聞き手にとって多少の負担になる

旧版3文から新版5文に増え、チャンキングの乱れや理解に必要な労力について、より具体的な言及が加わりました。

3Band 3

単純な応答を超えることが難しく、基本的なメッセージも伝わりにくい水準です。

Fluency and Coherence

現行版
  • Frequent, sometimes long, pauses occur while candidate searches for words.受験者が単語を探す間、頻繁に、時には長い間ができる。
  • Limited ability to link simple sentences and go beyond simple responses to questions.単純な文をつなぐ力や、質問に対して単純な応答以上のことをする力が限られている。
  • Frequently unable to convey basic message.基本的なメッセージを伝えられないことが頻繁にある。
旧版
  • speaks with long pauses長い間を置きながら話す
  • has limited ability to link simple sentences単純な文をつなぐ力が限られている
  • gives only simple responses and is frequently unable to convey basic message単純な応答しかできず、基本的なメッセージを伝えられないことが頻繁にある

大きな変化はありません。言い回しの整理が中心です。

Lexical Resource

現行版
  • Resource limited to simple vocabulary used primarily to convey personal information.語彙資源は、主に個人情報を伝えるための単純な語彙に限られている。
  • Vocabulary inadequate for unfamiliar topics.身近でない話題には語彙が不十分である。
旧版
  • uses simple vocabulary to convey personal information個人情報を伝えるために単純な語彙を使っている
  • has insufficient vocabulary for less familiar topicsあまり身近でない話題には語彙が不十分である

大きな変化はありません。言い回しの整理が中心です。

Grammatical Range and Accuracy

現行版
  • Basic sentence forms are attempted but grammatical errors are numerous except in apparently memorised utterances.基本的な文の形を試みるが、明らかに暗記していると思われる発話を除き、文法の誤りが多い。
旧版
  • attempts basic sentence forms but with limited success, or relies on apparently memorised utterances基本的な文の形を試みるが成功は限られており、明らかに暗記していると思われる発話に頼ることもある
  • makes numerous errors except in memorised expressions暗記した表現を除いて誤りが多い

旧版は2文でしたが、新版は1文に集約されました。

Pronunciation

現行版
  • Displays some features of band 2, and some, but not all, of the positive features of band 4.バンド2の特徴をいくつか備え、バンド4の良い特徴の一部(すべてではない)も備えている。
旧版
  • shows some of the features of Band 2 and some, but not all, of the positive features of Band 4バンド2の特徴をいくつか備え、バンド4の良い特徴の一部(すべてではない)も備えている

「バンド2の特徴をいくつか備え、バンド4の良い特徴の一部を備えている」という、隣接バンドを参照する書き方は新旧で共通しています。

2Band 2

発話が実質的な意思疎通の意味をなさない水準です。

Fluency and Coherence

現行版
  • Lengthy pauses before nearly every word.ほぼすべての単語の前に長い間がある。
  • Isolated words may be recognisable but speech is of virtually no communicative significance.単語単体は聞き取れることもあるが、発話は実質的に伝達の意味をなさない。
旧版
  • pauses lengthily before most wordsほとんどの単語の前で長く間を置く
  • little communication possibleほとんど意思疎通ができない

大きな変化はありません。言い回しの整理が中心です。

Lexical Resource

現行版
  • Very limited resource. Utterances consist of isolated words or memorised utterances.語彙資源は非常に限られている。発話は単語単体か、暗記した発話で成り立っている。
  • Little communication possible without the support of mime or gesture.身振りやジェスチャーの助けがなければ、ほとんど意思疎通ができない。
旧版
  • only produces isolated words or memorised utterances単語単体か暗記した発話しか生み出せない

「身振りやジェスチャーの助けがなければ、ほとんど意思疎通ができない」という一文が独立して加わりました。

Grammatical Range and Accuracy

現行版
  • No evidence of basic sentence forms.基本的な文の形を作れている形跡がない。
旧版
  • cannot produce basic sentence forms基本的な文の形を作れない

大きな変化はありません。言い回しの整理が中心です。

Pronunciation

現行版
  • Uses few acceptable phonological features (possibly because sample is insufficient).許容できる音声的特徴をほとんど使えていない(サンプルが不十分なためである可能性もある)。
  • Overall problems with delivery impair attempts at connected speech.話し方全般に問題があり、続けて話そうとする試みが妨げられている。
  • Individual words and phonemes are mainly mispronounced and little meaning is conveyed.個々の単語や音素の発音がほとんど誤っており、意味がほとんど伝わらない。
  • Often unintelligible.しばしば聞き取れない。
旧版
  • speech is often unintelligible発話がしばしば聞き取れない

旧版は「発話がしばしば聞き取れない」の1文のみでしたが、新版は音声的特徴の乏しさ、話し方全般の問題、個々の単語・音素の誤りという3つの観点に分解されました。

1Band 1

実質的に発話が成立していない水準です。

Fluency and Coherence

現行版
  • Essentially none.実質的にゼロである。
  • Speech is totally incoherent.発話がまったく一貫していない。
旧版
  • no communication possible意思疎通ができない

旧版は「意思疎通ができない」の1文のみでしたが、新版は「実質的にゼロである」ことと「発話がまったく一貫していない」ことの2文に分かれました。

Lexical Resource

現行版
  • No resource bar a few isolated words.いくつかの単語単体を除いて、語彙資源がない。
  • No communication possible.意思疎通ができない。
旧版
  • no rateable language採点対象となる言語運用がない

旧版の「採点対象となる言語運用がない(no rateable language)」という記述は、新版ではGrammatical Range and Accuracyの記述に移動し、Lexical Resourceでは「単語単体を除いて語彙資源がない」という記述に変わりました。

Grammatical Range and Accuracy

現行版
  • No rateable language unless memorised.暗記したものでない限り、採点対象となる言語運用がない。
旧版

該当する記述なし

旧版には対応する記述がありませんでしたが(表では「—」)、新版で「暗記したものでない限り、採点対象となる言語運用がない」という記述が新設されました。

Pronunciation

現行版
  • Can produce occasional individual words and phonemes that are recognisable, but no overall meaning is conveyed.聞き取れる単語や音素を時折発することはできるが、全体としての意味は伝わらない。
  • Unintelligible.聞き取れない。
旧版

該当する記述なし

旧版には対応する記述がありませんでしたが(表では「—」)、新版で「聞き取れる単語や音素を時折発することはできるが、全体としての意味は伝わらない」という記述が新設されました。

0Band 0

受験しなかった、または試験を完了しなかった場合に付けられる評価です。

現行版
  • Does not attend / Does not complete the test受験しなかった、または試験を完了しなかった。
旧版
  • does not attend受験しなかった

旧版はFluency and Coherenceの記述として「does not attend」の1文のみでしたが(他の3項目は「—」)、新版では4項目を分けず「受験しなかった、または試験を完了しなかった」という1つの記述に統一されました。「試験を完了しなかった場合」という条件は新版で新たに加わったものです。

この4項目に自分の見込みのバンドを入れると、スピーキングのスコアがいくつになるかが分かります。4項目の平均は .0 / .25 / .5 / .75 のいずれかになり、.25 も .75 も切り捨てて0.5刻みに直します。オーバーオールの丸め方とは逆です。

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スピーキング対策 IELTSスピーキング対策:フィードバックの実物と採点の4観点

11よくある質問

スピーキングの採点基準はどの4項目ですか。

Fluency and Coherence(流暢さとつながり)、Lexical Resource(語彙)、Grammatical Range and Accuracy(文法の幅と正確さ)、Pronunciation(発音)の4項目です。それぞれBand 9からBand 0までの整数で評価され、4項目の平均値を最も近い0.5単位に切り下げたものが最終スコアになります。

スピーキングのBand Descriptorsも改訂されたのですか。

ライティングのBand Descriptorsには「Updated May 2023」という改訂ラベルが明記されていますが、スピーキングの公式PDFにはそうした改訂日の記載がありません。ただし記述の内容そのものは、これまでielts.jpに掲載していた記述からはっきり変わっています。そのためこのページでは、IELTS公式サイトが現在公開している記述を現行版、これまで掲載していた記述を旧版として、両方を日本語訳つきで併記しています。

Band 7とBand 8の一番の違いはどこにありますか。

Fluency and Coherenceで見ると、Band 7は「Able to keep going and readily produce long turns without noticeable effort.」(目立った努力なしに話し続け、すぐに長い発話を作ることができる)で、語や文法を探すためらいが文の途中で起こることもある水準です。Band 8になると、そのようなためらいが「occasionally」(時折)に減り、話題の展開も「coherent, appropriate and relevant」(一貫していて適切かつ関連性がある)と、より安定した水準が求められます。

アクセント(訛り)があると評価は下がりますか。

アクセントそのものは評価対象ではなく、それが聞き取りやすさにどう影響するかが基準になります。Band 9は「Accent has no effect on intelligibility.」(アクセントが聞き取りやすさに影響しない)、Band 8は「Accent has minimal effect on intelligibility.」(影響は最小限である)とされており、母語話者のようなアクセントであることではなく、聞き手が理解できるかどうかが評価の軸になっています。

言い直し(self-correction)が多いと評価は下がりますか。

頻度と、それが一貫性に影響するかどうかによります。Band 9・8は「only very occasional repetition or self-correction」(繰り返しや言い直しはごくまれ)という水準ですが、Band 7では「Some hesitation, repetition and/or self-correction may occur」(ためらいや繰り返し、言い直しが起こることもある)としつつ、「these will not affect coherence」(一貫性には影響しない)という条件がついています。言い直し自体より、それによって話の一貫性が崩れるかどうかが評価に関わります。

Pronunciationの評価はどのように決まりますか。

音声的特徴の幅と、それが聞き手にとってどれだけ理解しやすいかで決まります。上位バンドほど「uses a full/wide range of phonological features」(幅広い音声的特徴を使っている)という記述になり、理解のしやすさも「effortlessly」(労なく)から「without much effort」(大きな労力なしに)へと段階的に変わります。Band 7は独立した記述を持たず、「Band 6の良い特徴をすべて備え、Band 8の良い特徴の一部を備えている」という形で示されています。

話題を広げて話すのが苦手な場合、どの項目に影響しますか。

主にFluency and Coherenceです。Band 6は「demonstrates a willingness to produce long turns」(長い発話を作ろうとする姿勢がある)水準ですが、Band 5になると「relies on repetition and self-correction」(繰り返しや言い直しに頼る)、Band 4では「Unable to keep going without noticeable pauses」(目立った間を置かずに話し続けることができない)と、話を継続する力そのものが評価の軸になっています。

このページの英文はどこで確認できますか。

IELTS公式サイト(ielts.org)が公開しているSpeaking Band Descriptorsで確認できます。このページに掲載している現行版の英文は、このPDFの記述をそのまま引用しています。

12まとめ

IELTSスピーキングのBand Descriptorsは、ライティングのような明確な改訂ラベルこそありませんが、記述の内容はこれまでielts.jpに掲載していたものから明確に変わっています。4項目とも、上位バンドほど「幅広さ」と「柔軟性」、そして誤りや乱れが「伝達を妨げるかどうか」という基準で書き分けられているのが共通の構造です。

  • 採点は Fluency and Coherence、Lexical Resource、Grammatical Range and Accuracy、Pronunciation の4項目、Band 9から0の整数評価
  • スピーキングのBand Descriptorsには改訂日の明記がないが、記述内容は現行版と旧版で明確に異なる
  • Fluency and Coherenceは、話を継続する力と、ためらい・言い直しが一貫性に影響するかどうかで評価が分かれる
  • Pronunciationはアクセントの有無ではなく、聞き取りやすさへの影響の大きさで評価される
  • Band 7・5・3のPronunciationは独立した記述を持たず、隣接するバンドの特徴の組み合わせで示されている
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Hibiki Takahashi

この記事を書いた人

Hibiki Takahashi

日本語で学ぶIELTS対策専門スクール『PlusOnePoint(プラスワンポイント)』創設者・代表。『英語ライティングの鬼100則』(明日香出版社)著者。1997年に大阪大学医学部を卒業後、麻酔科専門医として活躍。2012年渡豪時に自身が苦労をした経験から、日本人を対象にIELTS対策のサービスを複数展開。難しい文法・語彙を駆使するのではなく、シンプルな表現とアイデアで論理性・明瞭性のあるライティングを指導している。これまでの利用者は4,500名を超え、Twitterで実施した「12週間チャレンジ」では、わずか4週間で7.0、7週間で7.5など、参加者4名全員が短期間でライティングスコア7.0以上を達成(うち2名は7.5を達成)。「IELTSライティングの鬼」の異名を持つ。オーストラリア在住14年、IELTS 8.5(ライティング 8.0)、CEFR C2。

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