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リーディング

テーマ別語彙シリーズ:心と認知のはたらきを扱った文章に出た248語と、一緒に出てきやすい語【第2回】

執筆:高橋 響 公開日:

IELTSリーディングで最も多く出るテーマは、心と認知のはたらきです。Cambridge IELTS 13巻から20巻までの Academic Reading 96パッセージを当校で10テーマに分類したところ、この分野が15パッセージで最多でした。

この記事では、その15パッセージの本文に出た248語を、10の場面に分けて並べました。語は当校のリーディング模擬試験で使っている語彙データから拾ったもので、日本語訳は当校で付けています。あわせて、これらのパッセージには出ていないものの、同じテーマの文章で関連して使われやすい語も各セクションに添えてあります。

語彙項目の数え方について補足します。physiological responses のように2語以上のまとまりも1件として数えていて、stimulus と stimuli のように同じ語源でも語形が違うものは別に数えています。また、そのテーマの文章に出てきた語をすべて入れてあるので、場面の名前そのものを表す語だけが並んでいるわけではありません。

各セクションの語彙リストの下にはマッチングクイズがあります。表を眺めたあとに、そのセクションから5語だけ確認する使い方を想定しています。

リーディング テーマ別語彙シリーズ:IELTSリーディングに繰り返し出るテーマと語彙の積み上げ方【総論】

01気分と感情の状態を表す語

心を扱う文章は、まずどんな状態にあるかの説明から始まります。apathy と indifference は日本語だとどちらも無関心に近くなりますが、apathy は意欲や関心そのものが乏しい状態、indifference は特定の対象に関心を示さない状態を指します。

退屈を扱った文章では、退屈が悪いものとして描かれるとは限りません。boredom proneness(退屈しやすさ)が高い人ほど irritability や detrimental な結果につながるという流れと、退屈が mind-wandering を生んで adaptive に働くという流れの両方が出てきます。どちらの向きで書かれている段落なのかを取り違えると、Yes・No・Not Given でずれます。

程度を表す語にも注意が要ります。threshold は閾値、overstimulation は刺激が多すぎる状態、alleviate は和らげることです。この3語は、刺激の量をめぐる議論をひとつづきの流れとして組み立てます。

出題済みの語(22語)
英語意味
apathy無気力、無感動
indifference無関心
agitated興奮した、苛立った
arousal覚醒(度)、興奮状態
prone to〜しやすい、〜になりがちな
mind-wandering心が彷徨うこと、空想にふけること
adaptive適応的な(状況への適応に役立つ)
fester(問題・感情が)悪化する、くすぶる
toxic有害な、毒になる
irritability苛立ち、易怒性
boredom proneness退屈しやすさ(傾向)
threshold閾値、限界点
detrimental有害な、悪影響を与える
alleviate和らげる、軽減する
overstimulation刺激過多、過剰な刺激
respite一時的な休息・安らぎ
tedious退屈な、単調な
energising活力を与える
obsession強迫的な執着、熱中
bleak暗い、希望のない
hectic慌ただしい、非常に忙しい
compassion思いやり、自己への慈悲
同じ場面で一緒に出てきやすい語(8語)
英語意味
melancholy物憂さ、憂鬱
euphoria強い高揚感
complacency現状に満足して努力を怠ること
frustration思うようにいかないことによる苛立ち
resilienceつらい出来事から立ち直る力
apprehensionこれから起きることへの不安
elation大きな喜び、意気揚々とした気分
mood swings気分の激しい変動

02緊張が体に出る反応を表す語

本番でのパフォーマンスを扱う文章では、体に起きる反応を表す語がまとまって出ます。adrenaline、cortisol、perspiration、palpitations、tremors は、いずれも緊張したときに現れるものです。physiological responses は、その反応をまとめて指す語として使われます。

challenge state と threat state は対になった用語です。同じ緊張でも、前向きに働く側と押しつぶされる側を区別します。片方だけを覚えると、どちらの状態を説明している段落なのかが分からなくなります。

ストレスが判断に及ぼす影響を扱った文章では、hyper-vigilant、collective fear、exaggerating が並びます。危険を実際より大きく見積もる方向に判断が傾く、という流れです。contagious がこの文脈で出てきたときは、病気ではなく不安が人から人へ伝わることを指しています。

出題済みの語(24語)
英語意味
taxing非常に骨の折れる、消耗する
exhaustion消耗、疲労困憊
withdrawal(大会からの)棄権、撤退
challenge stateチャレンジ状態(ポジティブなストレス反応)
threat state脅威状態(ネガティブなストレス反応)
adrenalineアドレナリン
cortisolコルチゾール(ストレスホルモン)
inhibits〜を抑制する
blood vessels血管
perspiration発汗、汗
palpitations動悸(心臓の不規則な鼓動)
tremors震え、振戦
physiological responses生理的反応(体の物理的な反応)
visualisation頭の中で場面を思い描くこと、イメージ化
adverse不利な、有害な
hyper-vigilant過度に警戒した
spiked急激に上昇した
physiological生理的な(体の機能に関する)
hazards危険、リスク
tense up(体や心が)緊張する
famished飢えた(非常に空腹な)
collective fear集団的な恐怖(社会全体が共有する不安)
exaggerating誇張する
contagious伝染する、(感情などが)うつりやすい
同じ場面で一緒に出てきやすい語(8語)
英語意味
fight-or-flight response闘争・逃走反応(危険に対して身構えるか逃げるかの反応)
heart rate心拍数
insomnia不眠
burnout燃え尽き、消耗しきった状態
coping strategy対処法、ストレスへの対応の仕方
chronic stress慢性的なストレス
relaxation techniqueリラックスするための技法
nausea吐き気

03脳と神経のしくみを表す語

脳の部位や回路の名前は、意味が分かれば十分な語です。pituitary gland、amygdala、frontoparietal control network は、それぞれ何を担当しているかが本文で説明されるので、その説明のほうを追えば設問に答えられます。

むしろ照合先になりやすいのは、はたらきを表す語のほうです。encode は情報として取り込むこと、allocate は資源を割り当てることを指します。注意や記憶の容量を扱う段落では、この2語が処理の流れを作ります。

cognitive process、cognitive tasks、cognitive domains は形が似ていますが、指す範囲が違います。process は処理のしかた、tasks は課題そのもの、domains は能力の領域です。研究の説明では、どの単位で測ったのかがこの語で決まります。

出題済みの語(19語)
英語意味
pituitary gland脳下垂体(ホルモンを分泌する脳の腺)
amygdala扁桃体(感情処理に関わる脳の部位)
auditory cues聴覚的手がかり
motor movements運動動作(発話に関わる口や舌の筋肉の動き)
stimulus刺激、きっかけ(複数形は stimuli)
cognitive tasks認知的課題
cognitive domains認知的領域
stimuli刺激(stimulus の複数形)
neuroscience神経科学
cognitive processes認知プロセス
crystallized intelligence結晶性知能(経験・学習で培われた知識・能力)
affective感情的な、情動に関わる
frontoparietal control network前頭頭頂制御ネットワーク(注意や判断などに関わる脳のネットワーク)
allocate割り当てる
encode(情報として)取り込む、記録する
cognitive process認知プロセス
neuroscientists神経科学者
neural signal神経信号(脳内の情報伝達)
prehistoric先史時代の
同じ場面で一緒に出てきやすい語(9語)
英語意味
prefrontal cortex前頭前皮質(判断や計画に関わる部位)
hippocampus海馬(記憶の形成に関わる部位)
neurotransmitter神経伝達物質
synapseシナプス(神経細胞どうしのつなぎ目)
neuroplasticity神経可塑性(脳がつながりを組み替える性質)
working memory作業記憶(短時間、情報を保持して操作する仕組み)
brain imaging脳画像検査
cognitive load認知的負荷(処理にかかる負担)
fluid intelligence流動性知能(初めての問題を解く力。crystallized intelligence と対になる)

04研究・理論・証拠を扱う語

心理を扱う文章の多くは、研究の紹介として書かれています。そのため、結果そのものより、どこまで確かめられているかを示す語が設問の判断を分けます。empirically は実証的な裏づけがあること、tentative は暫定的であること、patchy は証拠がまばらであることを指します。

implicit theories と explicit theories も対になった用語です。implicit は人が言葉にしないまま持っている考え、explicit は研究者が体系立てた理論を指します。知能を扱った文章では、この2つのずれ自体が論点になります。

replicated は、心理学の文章でとくに重みのある語です。ある実験の結果が別の研究でも同じように再現されたかどうかは、その主張をどこまで信じてよいかに直結します。groundbreaking と placebo が同じ段落に出てきたときは、画期的だとされた結果に対して比較対象が置かれている流れが多くなります。

出題済みの語(29語)
英語意味
polystyrene発泡スチロール
speculates推測する、憶測する
groundbreaking画期的な
placeboプラセボ、偽薬(効果のない代替薬)
pinpointing正確に特定すること
predictor予測指標(何かを予測する要因)
diagnosis診断
implicit theories暗黙の理論(言語化されていない直感的な考え)
conceptualize概念化する
explicit theories明示的理論(言語化・体系化された理論)
extant現存する、今もある
supplementation補完、追加
elucidate解明する
cross-cultural異文化間の
presuppositions前提(とされていること)
dichotomy二項対立
elude(合意が)得られないでいる
continuum連続体(0〜100%の幅がある概念)
consecutive連続した
replicated(実験を)再現した
framework枠組み、フレームワーク
postulated仮定した・(理論として)提唱した
methodical系統的な・几帳面な
provenance由来・起源(情報や素材の出どころ)
patchyまばらな、不完全な
tentative暫定的な、未確定の
empirically経験的に、実証的に
correlates with〜と相関する
demographics人口統計的特性(年齢・性別・収入など)
同じ場面で一緒に出てきやすい語(8語)
英語意味
longitudinal study長期にわたって同じ対象を追う研究
control group対照群(比較のために介入を受けない集団)
sample size標本の大きさ
peer-reviewed査読を経た
statistically significant統計的に有意な
causation因果関係
self-report自己申告(本人の申告による回答)
meta-analysisメタ分析(複数の研究をまとめて分析する手法)

05動機づけと、自分を制御することを表す語

intrinsically motivated と extrinsically motivated は、このテーマで最もよく出る対です。前者は行為そのものが目的になっている状態、後者は報酬や評価のために行う状態を指します。遊びを扱う文章でも、先延ばしを扱う文章でも、この2語が議論の軸になります。

先延ばしを扱った文章では、原因は時間の管理よりも感情の側にあると論じられます。emotion regulation、perfectionists、vicious cycle、berating が並び、自分を責めることがかえって先延ばしを reinforces する、という循環が説明されます。

disposition と dispositional は、状況よりも個人の性向のほうに目を向ける語です。そのときの環境で説明する立場とは向きが違うので、どちらの立場の段落なのかを見分ける手がかりになります。

出題済みの語(23語)
英語意味
disposition気質、性向
regulate(感情・行動を)制御する
spontaneous自発的な
facilitate促進する、容易にする
self-regulate自己調整する
intrinsically motivated内発的動機づけがある
dispositional気質的な(状況よりも個人の性向に関わる)
extrinsically motivated外発的動機づけがある(外部の報酬や目標のため)
autonomy自律性
persistence粘り強さ
foster促進する、育む
spontaneously自然発生的に・自ずと
berating叱責すること、責め立てること
chronically慢性的に
emotion regulation感情調整(感情をコントロールする能力)
prime candidates最有力候補(先延ばしされやすい対象)
perfectionists完璧主義者
reinforces強化する(傾向を助長する)
toll打撃、悪影響(take a toll on 〜 の形で使われる)
plagiarism剽窃(他人の著作物を無断で使用すること)
fraudulent不正な、詐欺的な
vicious cycle悪循環
fend off退ける、防ぐ
同じ場面で一緒に出てきやすい語(8語)
英語意味
willpower意志の力
incentive誘因、動機づけとなる報酬
delayed gratification満足を先送りすること(あとの大きな報酬のために今を我慢する)
self-efficacy自己効力感(自分にはできるという感覚)
goal setting目標設定
impulsive衝動的な
accountability責任を負っていること、報告する義務があること
habit formation習慣ができあがること

06子どもの遊びと発達を扱う語

遊びを扱った文章は、遊びが軽く見られてきたという書き出しから始まることがあります。backwater、trivial、controversy、extolled は、その評価の変化を表す語です。backwater は研究分野として停滞していたことを指し、trivial は取るに足らないと見なされていたことを指します。

遊びの種類を分ける語も出てきます。process oriented は過程そのものが目的になっている遊び、instructional は大人が教える側に回る関わりです。両者は continuum(連続体)として捉えられていて、hybrid forms がその中間にあたります。dichotomy が出てきたら、その二分法自体を筆者が疑っている流れが多くなります。

発達を扱う段落では、underpins と predictor が結論を担います。ただし、この2語が示す関係の強さは同じではありません。predictor はあとの結果を予測する要因という意味で、それ自体は因果を意味しません。underpins は単なる相関ではなく、その土台になっているという、もう一段強い関係を表します。設問がどちらの強さで書かれているかを、本文の語と突き合わせてください。

出題済みの語(22語)
英語意味
prompts促す、引き起こす
repercussions波及効果、重大な影響
pretenceふりをすること、見せかけ
underpins支える、根拠となる
adaptable適応能力の高い
extolled絶賛した
curtailed制限された、削減された
scarce乏しい、少なくなった
toddlersよちよち歩きの幼児
neurodevelopmental disorders神経発達障害(自閉症など)
instructional指示型の、教示的な
backwater停滞した場所(変化の少ない分野)
controversy論争、議論
trivial取るに足らない、些細な
instrumental component不可欠な要素
counterparts対応するもの・人(比較の相手になるもの)
process orientedプロセス重視の
hybrid forms混合形態
detriment不利益、害
optimal contexts最適な環境・状況
curriculumカリキュラム、教育課程
co-player一緒に遊ぶ人(共同参加者)
同じ場面で一緒に出てきやすい語(8語)
英語意味
milestone発達の節目
nurture育てる、はぐくむ(生まれか育ちかの「育ち」の側)
peer interaction同年代の子どもどうしのやりとり
caregiver世話をする人(親に限らない)
attachment愛着(養育者との情緒的な結びつき)
unstructured play決まった型のない自由な遊び
fine motor skills手先の細かい動きの能力
temperament生まれ持った気質

07ことばの獲得を扱う語

乳児がことばを覚える過程を扱う文章では、音の側面を表す語が集中します。high-pitched、fundamental frequency、syllables、auditory cues がその中心です。fundamental frequency は声の高さを決める振動数のことで、赤ちゃんに話しかけるときに高くなるという説明で出てきます。

infant-directed speech は、いわゆる赤ちゃん言葉の学術的な呼び方です。日常語としての baby talk と同じものを指しますが、研究を紹介する段落では前者が使われます。同じものを2通りの呼び方で書いている箇所は、見出し照合で言い換えとして問われやすいところです。

研究の条件を示す語にも注意が要ります。bilingual は2言語に触れている環境、socioeconomic status は家庭の社会経済的な状況を指します。どちらも、結果の差がどの集団で見られたのかを限定する語なので、設問が「すべての子どもに」と書いているときは、この語の周辺を確かめてください。

出題済みの語(13語)
英語意味
high-pitched音程の高い
linguists言語学者
womb子宮
bilingual二言語を話す(環境)
infant-directed speech乳児向け発話(赤ちゃん言葉の学術的呼称)
fundamental frequency基本周波数(声の高さを決める振動数)
familial家庭的な、家族間の
repertoireレパートリー(こなせる種類の幅)
socioeconomic status社会経済的地位
babble喃語(なんご)を発する、意味のない音を繰り返す
synthesizing device音声合成装置
approximates〜に近い動作をする、似せる
syllables音節
同じ場面で一緒に出てきやすい語(8語)
英語意味
phoneme音素(意味を区別する最小の音の単位)
intonation抑揚、声の上げ下げ
vocabulary acquisition語彙の習得
mother tongue母語
critical period臨界期(習得しやすい限られた時期)
immersionその言語に浸る環境で学ぶこと
articulation発音の仕方、調音
grammatical structure文法構造

08判断の質と、そこに入り込む偏りを表す語

賢い判断を扱った文章では、自分から離れて見られるかどうかが軸になります。egocentric は自分中心の見方、ego-decentering はそこから離れること、third-party perspective は第三者の立場に立つことです。impartiality はその結果として得られる公平さを指します。

intellectual humility は、このテーマでとくに重要な語です。自分の知識には限界があると認める姿勢を指し、知らないことを認められるかどうかが判断の質を左右する、という流れで出てきます。

偏りを表す語も並びます。biases は偏り全般、favouritism は身内をひいきすることです。オキシトシンを扱った文章では、共感を高めるホルモンが同時に favouritism も強めるという、一方向では説明できない結果が示されます。nuanced、perplexing、mutually exclusive は、その扱いにくさを述べるために使われる語です。

出題済みの語(30語)
英語意味
empathetic共感的な
charitable寛大な、慈善的な
adept熟達した、巧みな
favouritismえこひいき、身内びいき
biases偏見、バイアス
nuanced微妙なニュアンスのある
mutually exclusive相互に排他的な(両立しない)
attuned適応した、敏感になった
perplexing当惑させる、複雑な
co-opted転用された、別の目的に利用された
manifest現れる、表れる
perceive知覚する、見なす
cognitive elite知的エリート(高IQ層)
avail themselves(機会を)活用する
intersubstitutable互いに代替可能な
competencies能力、力量
revered尊敬される、崇められる
cumulatively累積的に、総合的に
contextual factors文脈的要因、状況的要因
intellectual humility知的謙虚さ(自分の知識の限界を認める姿勢)
third-party perspective第三者的視点
impartiality公平性
egocentric自己中心的な
ego-decentering自己脱中心化(自分から離れた視点で考えること)
retaliate報復する
cumulative累積的な・積み重ねによる
weigh up(情報・選択肢を)比較検討する
perceived知覚された、認識された
conveyed伝達した、伝えた
conscientious誠実な、責任感の強い
同じ場面で一緒に出てきやすい語(8語)
英語意味
confirmation bias自分の考えに合う情報ばかり集めてしまう偏り
objectivity客観性
intuition直感
rationale根拠、そう判断した理由
preconception先入観
trade-off何かを得るために何かを手放す関係
hindsightあとから振り返って分かること
deliberation熟慮、十分に考えること

09集団の中でのふるまいを表す語

笑いを扱った文章では、笑いが社会的な信号として説明されます。dominant と submissive は、その場で優位に立つ側と、へりくだる側の笑いを指します。social hierarchies はその上下関係そのものです。

人の性質をめぐる文章では、対立する立場が同じ段落に並びます。ruthless、hierarchical、patriarchy は競争や序列を強調する側の語、altruism、egalitarianism、ethical obligation は協力を強調する側の語です。どちらの語が多い段落なのかを見ると、筆者がどちらに寄っているかの見当が付きます。

innate は、このテーマで判断を分ける語です。生まれつき備わっているという意味なので、環境や学習の影響と対比されている段落では、その対立関係を確かめる価値があります。evolutionary psychology を扱う段落では、この語が出てきたところで筆者が賛成しているのか反論しているのかを見ておいてください。

出題済みの語(29語)
英語意味
laugh tracks収録笑い声(TV番組の効果音)
anthropologists人類学者
indigenous tribes先住民族
social hierarchies社会的階層構造
dominant優位に立つ、支配的な
submissive従属的な、へりくだった
fraternity(大学の)男子学生親睦会
in line with〜と一致して
strategically戦略的に
replenishment(精神的リソースの)補充
ostensibly表向きは
simultaneously同時に
attributed to〜のせいだと考えた、〜に起因するとした
dictate左右する、決定づける
ruthless冷酷な、容赦ない
transcend超越する
innate生まれつきの、生来の
ethos気風、精神(ある集団に共有された価値観)
prevalent広まっている、支配的な
evolutionary psychology進化心理学
sparsely populated人口がまばらな
egalitarianism平等主義
disparities格差、不均衡
ethical obligation倫理的義務
ostracise追放する、村八分にする
custody rights親権
altruism利他主義(他者の利益を優先する考え方)
hierarchical階層的な
patriarchy家父長制
同じ場面で一緒に出てきやすい語(8語)
英語意味
conformity周囲に合わせること、同調
peer pressure周囲からの同調圧力
reciprocityお互いに返し合う関係
social norm社会規範(その集団で当たり前とされる基準)
cooperation協力
status地位
kinship血縁関係
in-group内集団(自分が属していると感じる集団)

10誤情報の広がりと、知の積み上がり方を扱う語

誤情報を扱う文章は、事実そのものより、人がどう受け取るかを論じます。misperceptions、encode、skepticism が受け取る側、preemptively、media literacy、post hoc が対策の側の語です。

論の進め方を示す語にも注意が要ります。rhetorically compelling は、説得力はあるが裏づけとは別だということを示します。laudable も同じで、その取り組みを称賛に値するとしたうえで限界を述べる流れで出てきます。panacea が出てきたら、万能な解決策ではないという限界が論じられていないかを確かめると読み進めやすくなります。

ひらめきか積み重ねかを論じた文章では、cumulative と serendipity が対になります。cumulative は少しずつ積み上がることを、serendipity は偶然による幸運な発見を指します。unheralded、predecessors、gleaned は、目立たない先人の仕事が実は下敷きになっていた、という側を支える語です。

出題済みの語(37語)
英語意味
naturalist博物学者
predecessors先人・先達
conventional wisdom通念・世間一般の考え
misrepresents誤って伝える・歪めて表現する
realms領域・分野
undermines揺るがす・徐々に損なう
unheralded注目されていない・無名の
noteworthy注目に値する
gleaned(情報・知識を)少しずつ集めた・引き出した
arbitrary恣意的な・根拠のない
confer与える・もたらす(利点などを)
serendipityセレンディピティ(偶然による幸運な発見)
banal陳腐な・ありふれた
invoked引き合いに出される・持ち出される
rarefiedごく少数の人だけが属する(特殊な)
prowess卓越した才能・能力
mental feats知的偉業(驚くべき頭脳的成果)
uninitiated経験のない人(その分野を知らない人)
accomplished熟達した、高い技術を持つ
inadvertently不注意に、うっかりと
looms largerより大きな脅威として迫る
unduly過度に、不当に
misperceptions誤った認識、思い込み
downstream consequences二次的な影響(波及効果)
warrant〜に値する、〜を正当化する
resource-intensive多くのリソースを要する
skepticism懐疑心、懐疑主義
post hoc事後的な(事が起きた後の)
laudable称賛に値する
preemptively先手を打って、予防的に
rhetorically compelling修辞的に説得力のある
media literacyメディアリテラシー(情報を批判的に読み解く能力)
arduous困難な、骨の折れる
consensus合意、総意
fallibility誤りを犯しやすい性質、可謬性
panacea万能薬(あらゆる問題を解決する万能の策)
contrary to popular belief一般的な通念に反して
同じ場面で一緒に出てきやすい語(8語)
英語意味
hoaxでっちあげ、いたずらの作り話
credibility信頼できること、信憑性
fact-checking事実確認
echo chamber同じ意見ばかりが反響して強まる状態
retraction(発表した内容の)撤回
dissemination(情報が)広まること、流布
plausibleもっともらしい、ありそうな
vested interest利害関係(そう主張することで得をする立場)

11「同じ場面で一緒に出てきやすい語」をどう扱うか

各セクションの後半に付けた表は、Cambridge IELTS 13巻から20巻までの本文には出ていない語です。次の試験に出ると予測したものではありません。同じテーマの文章を読んだときに、出題済みの語と関連して登場しやすい語を集めてあります。

この2つを分けてあるのは、覚える優先順位が違うからです。出題済みの語は、公式問題集を解いた時点で一度は目にしています。もう一度確認して、意味が出てこなかったものだけを拾えば足ります。後半の表は初めて見る語が多いはずなので、まとめて覚えようとせず、上から眺めて知らないものに印を付けるところまでで構いません。

心理を扱う文章では、後半の表の語が特に役に立ちます。このテーマは一般向けの記事でもよく取り上げられるため、公式問題集の外で読む機会が多いからです。working memory や confirmation bias のように、研究の紹介記事で繰り返し出てくる語は、公式問題集に出ていなくても知っておくと読む速度が変わります。

公式問題集の外で読む素材の選び方は、別の記事にまとめてあります。

リーディング IELTSリーディングの文章はどこから出題されているのか:苦手ジャンルはYouTubeで克服する

12よくある質問

心理のテーマは、リーディングでどのくらいの頻度で出ますか

Cambridge IELTS 13巻から20巻の Academic Reading 96パッセージのうち、心と認知のはたらきを扱ったものは15パッセージでした(2026年8月26日時点、当校の集計)。10テーマの中で最も多い分野です。

248語を全部覚える必要がありますか

全部を同じ深さで覚える必要はありません。frontoparietal control network や pituitary gland のような脳の部位の名前は、読んで意味が分かれば十分です。empirically、tentative、replicated のように、研究の確からしさや証拠の状態を示す語だけ、自分でも使える状態にしておくと役に立ちます。

心理の文章が特に読みにくいのはなぜですか

扱っているものが目に見えないぶん、抽象名詞が多くなるからです。動物や建築の文章なら実物を思い浮かべられますが、intellectual humility や ego-decentering は日本語にしても像が結びません。この分野の語は、意味を覚えるだけでなく、本文でどう説明されているかをその場で拾う読み方に切り替えるほうが早く進みます。

intrinsically motivated と extrinsically motivated はどちらも覚える必要がありますか

両方です。対になった用語なので、片方だけを覚えると、どちらの状態を説明している段落なのかが分からなくなります。同じことが challenge state と threat state、implicit theories と explicit theories にもあてはまります。

replicated がなぜ重要な語なのですか

ある実験の結果が別の研究でも同じように再現されたかどうかを示す語だからです。心理の文章では、画期的だとされた結果に対して、再現できたかどうかで評価が分かれる流れがよく出てきます。設問が「証明された」と言い切っている場合は、この語の周辺を確かめてください。

「一緒に出てきやすい語」は次の試験に出るということですか

そういう意味ではありません。13巻から20巻までの本文には出ていないものの、同じテーマの文章で、出題済みの語と関連して登場しやすい語を集めてあります。次に出る語を当てたものではありません。

巻別の語彙リストとの使い分けを教えてください

解いた直後に開くなら巻別、苦手なテーマを埋めたいならテーマ別です。巻別は1冊ぶんの語をまとめてあるので、答え合わせの流れでそのまま開けます。テーマ別は8冊ぶんをテーマごとに横断して整理してあるので、特定のテーマだけを集中して見られます。

13まとめ

心と認知のはたらきは、Cambridge IELTS 13巻から20巻までで15パッセージが出ている、最も多い分野です。抽象的な語が多いので、場面ごとに対を作って覚えると本文で見当が付きます。

  • apathy(意欲や関心そのものが乏しい)と indifference(特定の対象に関心を示さない)を混ぜない
  • challenge state と threat state は対。片方だけでは段落の向きが分からない
  • 脳の部位の名前は、本文にある説明のほうを追えば設問に答えられる
  • empirically・tentative・patchy・replicated は、証拠がどんな状態かを示す語
  • intrinsically motivated と extrinsically motivated が、動機づけを扱う段落の軸になる
  • predictor はそれ自体では因果を意味しない。underpins は土台になっているという、もう一段強い関係
  • innate が環境や学習と対比されている段落では、筆者がどちら側に立っているかを確かめる
  • panacea が出てきたら、万能な解決策ではないという限界が論じられていないかを確かめる
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Hibiki Takahashi

この記事を書いた人

Hibiki Takahashi

日本語で学ぶIELTS対策専門スクール『PlusOnePoint(プラスワンポイント)』創設者・代表。『英語ライティングの鬼100則』(明日香出版社)著者。1997年に大阪大学医学部を卒業後、麻酔科専門医として活躍。2012年渡豪時に自身が苦労をした経験から、日本人を対象にIELTS対策のサービスを複数展開。難しい文法・語彙を駆使するのではなく、シンプルな表現とアイデアで論理性・明瞭性のあるライティングを指導している。これまでの利用者は4,500名を超え、Twitterで実施した「12週間チャレンジ」では、わずか4週間で7.0、7週間で7.5など、参加者4名全員が短期間でライティングスコア7.0以上を達成(うち2名は7.5を達成)。「IELTSライティングの鬼」の異名を持つ。オーストラリア在住14年、IELTS 8.5(ライティング 8.0)、CEFR C2。

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