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ライティング・タスク2

school・hospital・prison に the がいらないのはなぜ?「目的」と「場所」で変わる冠詞の使い分け

執筆:高橋 響 公開日:

学生として学校に通うという意味のつもりで go to the school と書いてしまうと、「学校という建物へ行く」という意味に変わってしまいます。IELTSライティング・タスク2では教育・医療・雇用といったテーマが繰り返し出てくるため、school、hospital、work のような名詞の冠詞の付け方を誤ると、意図した意味と異なるニュアンスで伝わってしまうことがあります。

無冠詞になる場面と the が必要になる場面を、分野別に整理していきます。特に意味の違いが出やすい10語は、最後に対比表としてまとめました。

01school に the がつかないのはなぜか

go to school を「学校という建物へ行く」と読んでしまうと、学生として学校に通うという本来の意味から離れてしまいます。この違いを決めているのは、その名詞が本来の目的や機能のために使われているかどうかです。school なら教育を受けること、hospital なら治療を受けること、prison なら服役することというように、本来の役割で使われているときは the を付けません。反対に、特定の学校・病院・刑務所を一つの施設や組織として指すときは the が付きます。

表現意味使う場面
go to school学生として学校に通う通学や就学そのものを述べるとき
go to the school学校という場所へ行く校舎に用事があって出向くとき

教育を受ける文脈

Parents should communicate with teachers regularly at school.

学校という場所・組織を指す文脈

Parents should visit the school to discuss their children's problems.
Parents should contact the school if their child is absent.

2つ目の例のように、the school は校舎という建物だけでなく、連絡先としての学校側や学校という組織そのものを指すこともあります。「the が付けば建物」と単純化するより、「教育を受けるという活動を述べているか、特定の学校を一つの単位として指しているか」という基準で捉えておくほうが正確です。

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02学校・大学に関する無冠詞表現

教育に関する表現は、IELTSライティング・タスク2でも登場頻度が高い分野です。school、college、university、class のいずれも、教育を受けるという目的で使われるときは無冠詞になります。

表現意味
go to school学校に通う
be at school学校にいる、在学している
leave school学校を離れる、学校教育を終える
start school就学する
finish school学校を終える
after school放課後
at school学校で
go to collegeカレッジに通う
be at collegeカレッジに在籍している
go to university大学に通う
be at university大学に在籍している
enter university大学に入学する
leave university大学を卒業する、離籍する
go to class授業に出る
be in class授業中である
after class授業後
in class授業中に

college と university はどちらも「大学」と訳されますが、教育を受けるという目的用法では扱いは同じです。go to university はイギリスやオーストラリアの英語で特に自然な言い方で、アメリカ英語では go to college や go to a university のように使われることが多くなります。どちらの語でも、通っているという意味では the を付けずに使います。

leave school は「卒業する」という意味に限定されるわけではありません。義務教育や中等教育を終えて学校を離れるという意味で使われることが多く、たとえば After leaving school, many young people enter the workforce. は、卒業証書を受け取ったことよりも、学校教育を終えて社会に出るという流れを表しています。

03病院と bed に関する無冠詞表現

hospital と bed も、治療や睡眠という本来の目的で使われるときは無冠詞になります。

表現意味
go to hospital入院・治療のため病院へ行く
be in hospital入院している
leave hospital退院する
be discharged from hospital退院する
go to bed寝る
be in bed寝床にいる、寝ている
stay in bed寝ている
get out of bedベッドから起きる

go to hospital や be in hospital は、イギリスやオーストラリアの英語で特に自然な形です。アメリカ英語では go to the hospital、be in the hospital のように the を付けるのが一般的です。IELTSはイギリス英語に限定された試験ではないため、go to the hospital という形を使っても問題はありません。どちらの形も、治療のために病院へ行くという意味そのものは変わりません。

04刑務所と教会に関する無冠詞表現

prison、jail、church も同じ考え方で無冠詞になります。刑務所というテーマは犯罪・刑罰系のタスクで、教会は宗教や伝統をテーマにしたタスクで扱われることがあります。

表現意味
go to prison刑務所に入る
be in prison刑務所に入っている
be sent to prison刑務所に送られる
be released from prison刑務所から釈放される
leave prison出所する
escape from prison脱獄する
go to jail刑務所に入る
be in jail刑務所に入っている
get out of jail刑務所から出る
go to church礼拝に行く
be at church礼拝に参加している
attend church教会で礼拝する

一方で、visit the prison、work at the prison、build a new prison のように、刑務所という建物・施設そのものを指すときは the が必要です。教会も同様で、visit the church や the church was built in... のように、建物としての教会を指すときは the を付けます。「服役している」「礼拝に行く」という活動を指すなら無冠詞、施設そのものを指すなら the、と考えると分かりやすいでしょう。

05家と仕事に関する無冠詞表現

home はIELTSライティングでも頻出の語ですが、他の語と少し性質が異なります。home はそれ自体が副詞のように使われるため、to を付けずに go home と言います。

go to home

go home

表現意味
go home家に帰る
come home家に帰ってくる
get home家に着く
arrive home家に到着する
be home家にいる
stay home家にいる
leave home家を出る
at home家で、自宅で
from home自宅から
work from home在宅勤務をする

ただし、home が「特定の家・住居」という普通の名詞として使われるときは、他の名詞と同じように所有格や冠詞が必要になります。go to my home、go to his home のように所有格を付けることもあれば、go to the home of a friend や go to a nursing home のように the や a を付けることもあります。判断のポイントは修飾語の有無ではなく、副詞的な定型表現として使っているか、普通の名詞として特定の家や施設を指しているかという点です。

work も同じ考え方です。仕事をしている、働いているという意味では無冠詞で使います。

表現意味
go to work仕事に行く
be at work仕事中である、職場にいる
get to work職場に着く
leave work仕事を終えて帰る
after work仕事の後
at work職場で、仕事中に
from work職場から

workplace は work とは別の名詞で、職場という場所そのものを指します。I went to the workplace. のように、the を付けて使うのが一般的です。ただし I went to work. も「職場に行った」という意味で自然に使われるため、work は活動、workplace は場所ときれいに二分できるわけではありません。仕事という活動を述べたいときは work、場所として職場そのものを描写したいときは workplace、という目安で捉えておくとよいでしょう。

06交通・食事の定型表現

交通手段や食事についても、無冠詞で使う定型表現があります。by の後ろに交通手段を置くときは the を付けません。

by the train

by train

Many people commute by train.
Students can travel to school by bus.

ただし、I missed the train. のように、そのとき乗るはずだった特定の一本の電車を指すときは the が必要です。手段として交通機関を述べているのか、特定の一本を指しているのかで判断します。

  • by car、by bus、by train、by plane、by bike:交通手段を表す定型表現。いずれも無冠詞
  • on foot:徒歩で。こちらも無冠詞

食事にも、無冠詞で使う定型表現があります。have breakfast、have lunch、have dinner のように、食事そのものを指すときは無冠詞です。

Many families have dinner together.

一方、We had a big dinner. のように a を付けることもあります。これは形容詞が付いたからというより、a big dinner が「一回の、しっかりした夕食」という個別の出来事として捉えられているためです。食事という行為そのものを指すか、一回分の食事を具体的な出来事として描写するかで、冠詞の有無が変わります。

このほか、at night、at noon、at midnight、by mistake、by chance、on purpose、at present、at first、at last のように、場所とは異なる文脈でも無冠詞で覚えておきたい定型表現があります。これらは今回扱った「目的・機能による無冠詞」とは成り立ちが別の、時間や様子を表す定型表現です。同じ「無冠詞」という結果になっていても、判断の軸が違う点を分けて覚えておくと混同しにくくなります。

07無冠詞と the で意味が変わる10語

ここまで見てきた表現のうち、school、university、college、hospital、prison、church、bed、work、home、class の10語は、無冠詞のときと the が付いたときで意味がはっきり変わる代表的な語です。IELTSライティング・タスク2で優先して押さえておくなら、この10語から確認しておくと冠詞のミスを減らしやすくなります。

無冠詞の表現the を付ける表現
schoolgo to schoolgo to the school
universitygo to universitygo to the university
collegego to collegego to the college
hospitalbe in hospitalbe in the hospital
prisonbe in prisonvisit the prison
churchgo to churchvisit the church
bedgo to bedsit on the bed
workgo to workgo to the workplace
homego homego to the home of a friend
classbe in classattend the class

無冠詞になる理由は、10語のすべてで完全に同じというわけではありません。school、hospital、prison、church のような語は「本来の目的・機能で使われているかどうか」で説明できますが、go to bed や go home のように、由来の異なる定型表現としてそのまま無冠詞で覚えたほうが実用的な語もあります。エッセイを書きながら判断に迷ったら、まずこの表と見比べてみましょう。

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08よくある質問

school に the をつけると意味はどう変わりますか?

the school は、校舎という建物だけでなく、連絡先としての学校側や学校という組織そのものを指すこともあります。たとえば Parents should contact the school if their child is absent. のように使います。学生として学校に通っているという意味では the を付けず、go to school のように使います。

go to hospital と go to the hospital はどちらを使えばいいですか?

go to hospital は、イギリスやオーストラリアの英語で特に自然な形で、治療のために病院へ行くという意味です。アメリカ英語では go to the hospital が一般的です。IELTSはイギリス英語に限定される試験ではないため、どちらを使っても問題ありません。

in prison と visit the prison はどう違いますか?

in prison は服役しているという意味で、prison に the は付きません。visit the prison や work at the prison のように、刑務所という建物・施設そのものを指すときは the が必要です。

go to church と visit the church はどう違いますか?

go to church は礼拝に参加するという意味で the を付けません。visit the church や the church was built in... のように、建物としての教会を指すときは the を付けます。

go to home と言うのは間違いですか?

home は副詞的に使われる語のため、go to home ではなく go home と言います。ただし、home が特定の家や住居という普通の名詞として使われるときは、go to my home や go to the home of a friend のように、所有格や the などの通常の冠詞のルールに従います。

at work と the workplace はどう使い分けますか?

at work は仕事中である、職場にいるという意味で、work に the を付けません。workplace は work とは別の名詞で、職場という場所そのものを指すときに the workplace のように使います。ただし I went to work. も職場へ行ったという意味で自然に使われます。

by train と the train はどちらを使えばいいですか?

交通手段として述べるときは by train のように無冠詞で使います。I missed the train. のように、そのとき乗るはずだった特定の一本の電車を指すときは the を付けます。

この無冠詞のルールはIELTSライティング・タスク2でなぜ重要ですか?

school、hospital、work、home のような名詞は、教育や医療、雇用をテーマにしたエッセイで繰り返し使います。冠詞の誤りが繰り返されると、文法の正確さを見る採点基準(Grammatical Range and Accuracy)の評価に影響します。意図した意味と異なるニュアンスで伝わってしまうこともあるため、意識しておく価値があります。

09まとめ

school、hospital、prison のような名詞の多くは、本来の目的や機能のために使われているときは無冠詞になり、特定の施設や組織を一つの単位として指すときは the や a が付きます。ただし、go to bed や go home のように、由来の異なる定型表現として無冠詞のまま覚えたほうが実用的な語もあります。

  • school、university、college、hospital、prison、church、bed、work、home、class の10語は、無冠詞と the で意味がはっきり変わる
  • go to school のように、目的や機能のために使われているときは the を付けない
  • visit the school のように、特定の学校・施設・組織を指すときは the を付ける
  • go to home ではなく go home のように、home は副詞的に使う語もある
  • by train のように、交通手段は無冠詞。特定の一本を指すときだけ the を付ける

冠詞の判断に迷ったときは、まず今回の10語の表に立ち返ってみましょう。同じ迷い方をする語が出てきたときにも、活動を述べているのか、特定の場所や物を述べているのかという視点はそのまま使えます。

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Hibiki Takahashi

この記事を書いた人

Hibiki Takahashi

日本語で学ぶIELTS対策専門スクール『PlusOnePoint(プラスワンポイント)』創設者・代表。『英語ライティングの鬼100則』(明日香出版社)著者。1997年に大阪大学医学部を卒業後、麻酔科専門医として活躍。2012年渡豪時に自身が苦労をした経験から、日本人を対象にIELTS対策のサービスを複数展開。難しい文法・語彙を駆使するのではなく、シンプルな表現とアイデアで論理性・明瞭性のあるライティングを指導している。これまでの利用者は4,500名を超え、Twitterで実施した「12週間チャレンジ」では、わずか4週間で7.0、7週間で7.5など、参加者4名全員が短期間でライティングスコア7.0以上を達成(うち2名は7.5を達成)。「IELTSライティングの鬼」の異名を持つ。オーストラリア在住14年、IELTS 8.5(ライティング 8.0)、CEFR C2。

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