公式問題集を1冊解き終えたあと、知らなかった単語をどこまで拾えたのか気になるかもしれません。この記事では、Cambridge IELTS 19 の Academic Reading に出てくる語のうち、知っていると本文の筋を追いやすくなる198語を分野別にまとめました。
収録したのは、Test 1〜4に収録されている Reading Passage 1〜3、合わせて12本のパッセージに出てくる語です。重複を除いて198語あります。各セクションの末尾にはマッチングクイズを付けてあるので、表を読んだ直後に5語だけ確認できます。
この表を開くのは、問題を解いて答え合わせと解説の確認が終わったあとです。上から眺めて、意味が出てこなかった語だけを拾っていくと、そのテストで自分が何を読めていなかったのかが分かります。
リーディング
Cambridge IELTS の語彙リストの使い方:解いたあとに開き、覚える語を絞る
目次
素材と製造をめぐる語
海上の犯罪と取り締まりを表す語
認知と誤情報を扱う語
本番の緊張と熟達を扱う語
考古学と人の移動を表す語
森林と深海、資源開発を表す語
翻訳と言語を扱う語
生きものの季節と生息地を表す語
社会と人間の性質を扱う語
よくある質問
まとめ
01 素材と製造をめぐる語
まず押さえたいのは、ものが作られる過程を表す語です。用具の素材を扱う文章と、産業革命の機械化を扱う文章は時代が離れていますが、出てくる語の役割は同じです。何でできているか、どう加工されたか、その結果どう変わったかの3つで文章が進みます。
moulded、smelting、mechanised、patented は、いずれも作り方の変化を表す語です。産業革命の文章では spinning jenny や power loom のように機械の名前がそのまま出てきますが、これは読んで意味が分かれば十分な語で、自分で使う場面はありません。むしろ urbanisation、livelihood、unrest のように、機械化のあとに起きたことを表す語のほうが、設問の照合先になりやすいところです。
語彙リスト(32語)
英語 意味
synthetic 合成の
tweak 微調整する
customised 個人仕様にカスタマイズされた
specifications 仕様、スペック
competitive advantage 競争上の優位性
topspin トップスピン(ボールに前方回転をかけた打球)
climatic conditions 気候条件
natural gut ナチュラルガット(羊・牛の腸から作られるストリング)
co-polyester コポリエステル(添加剤を加えたポリエステル系合成ストリング素材)
additives 添加物
hybrid set-up ハイブリッドセットアップ(天然と合成ストリングの組み合わせ)
revolutionised 〜に革命をもたらした
moulded 型で成形された
anticipated 予想した、見込んでいた
agrarian 農業社会の(土地・農業に関する)
rotary motion 回転運動
gear mechanism 歯車機構
locomotive 蒸気機関車
cottage industry 家内工業(自宅や小作業場で行う手工業)
spinning jenny ジェニー紡績機(多軸紡績機)
power loom 力織機(機械式織機)
mechanised 機械化された
smelting (鉄鉱石の)精錬、溶鉱
iron ore 鉄鉱石
patented 特許を取得した
telegraphy 電信(電気信号による遠距離通信)
urbanisation 都市化
sanitation 衛生設備(上下水道など)
fuelled 〜を煽った、助長した
livelihood 生計、生活の糧
uprisings 暴動、反乱
unrest 社会不安、騒乱
02 海上の犯罪と取り締まりを表す語
海を舞台にした文章では、地形を表す語と、取り締まりを表す語が交互に出てきます。coves、navigable、seafaring、maritime が地形と航海の側で、retaliation、curtail、concerted action、hampered が取り締まりの側です。
この分野で判断を分けるのは condones です。黙認するという意味なので、ある国や組織が取り締まっていないという主張につながります。禁止しているのか、見て見ぬふりをしているのかは、True・False・Not Given の判定を分ける差になります。emboldened も同じで、取り締まりが緩んだ結果として相手が大胆になった、という因果の流れを示します。
語彙リスト(21語)
英語 意味
misfits はみ出し者、社会不適合者
swashbucklers 豪快な冒険家、剣士気取りの荒くれ者
prowled うろついた、徘徊した
eradicated 根絶した
predated 〜より前に存在していた
rugged 険しい、岩がちな
seafaring 航海の、船乗りの
coves 入り江(小さな湾)
laden 〜を積んだ、〜で満載の
navigable 航行可能な
retaliation 報復
resort to 〜に頼る、〜に訴える
disruption 混乱、障害
condones 黙認する、容認する
curtail 抑制する、削減する
hampered 妨げられた
emboldened 大胆になった、つけあがった
dignitaries 要人、高官
ransom 身代金
concerted action 協調行動、一致した取り組み
maritime 海上の、海事の
03 認知と誤情報を扱う語
誤情報を扱う文章は、事実そのものより、人がどう受け取るかを論じます。misperceptions、encode、cognitive process が受け取る側の話で、preemptively、post hoc、media literacy が対策の話です。
論の進め方を示す語にも注意が要ります。empirically は実証的な裏づけがあることを、rhetorically compelling は説得力はあるが裏づけとは別だということを示します。laudable も同じで、その取り組みを称賛に値するとしたうえで限界を述べる流れで出てきます。筆者がどこまで認めて、どこから留保しているのかは、こうした語で見分けます。panacea が出てきたら、万能ではないという否定が続くと考えて読み進めるとつながります。
語彙リスト(21語)
英語 意味
inadvertently 不注意に、うっかりと
looms larger より大きな脅威として迫る
unduly 過度に、不当に
misperceptions 誤った認識、思い込み
detrimental 有害な、悪影響を及ぼす
downstream consequences 二次的な影響(波及効果)
warrant 〜に値する、正当化する
resource-intensive 多くのリソースを要する
empirically 経験的に、実証的に
encode (情報として)取り込む、記録する
cognitive process 認知プロセス
skepticism 懐疑心、懐疑主義
post hoc 事後的な(事が起きた後の)
laudable 称賛に値する
preemptively 先手を打って、予防的に
rhetorically compelling 修辞的に説得力のある
media literacy メディアリテラシー(情報を批判的に読み解く能力)
arduous 困難な、骨の折れる
consensus 合意、総意
fallibility 誤りを犯しやすい性質、可謬性
panacea 万能薬(あらゆる問題を解決する万能の策)
04 本番の緊張と熟達を扱う語
本番でのパフォーマンスを扱う文章では、体に起きる反応を表す語が集中します。adrenaline、cortisol、perspiration、palpitations、tremors は、いずれも緊張したときに体に現れるものです。manifest と physiological responses は、その反応をまとめて指す語として出てきます。
challenge state と threat state は対になった用語で、同じ緊張でも前向きに働くか、押しつぶされる側に働くかを区別します。片方だけを覚えると、どちらの状態を説明している段落なのかが分からなくなります。
熟達を扱う文章では、生まれつきかどうかが論点になります。innate は生まれつき備わっている性質全般を指し、gifted は特に才能について生まれつき優れていることを指します。この2語が同じ段落に出てきたら、筆者が innate を否定して deliberate practice のほうを支持している、という流れが多くなります。unexceptional、plugging away、setbacks は、その主張を支える側の語です。
語彙リスト(34語)
英語 意味
attributed to 〜によるものとされる、〜のおかげとされる
withdrawal (大会からの)棄権、撤退
dictate 左右する、決定づける
challenge state チャレンジ状態(ポジティブなストレス反応)
threat state 脅威状態(ネガティブなストレス反応)
adrenaline アドレナリン
cortisol コルチゾール(ストレスホルモン)
inhibits 〜を抑制する
blood vessels 血管
perspiration 発汗、汗
palpitations 動悸(心臓の不規則な鼓動)
tremors 震え、振戦
manifest 〜として現れる、表出する
physiological responses 生理的反応(体の物理的な反応)
visualisation イメージトレーニング(頭の中で場面を描く技法)
gifted 生まれつき才能のある(特に知的・芸術的な能力)
sphere 分野、領域
resolute 断固とした、困難に屈しない
setbacks 挫折、逆境
unexceptional 平凡な、際立った点のない
plugging away コツコツと努力し続ける
neural pathways 神経経路(脳内の信号伝達ルート)
contemporaries 同世代の人々
innate 生まれつきの、先天的な
replicable 再現可能な
neuroscience 神経科学
spirit of inquiry 探究心
deliberate practice 意図的練習(弱点を狙った意識的な練習)
expertise 専門的技能、熟達
deprived 恵まれない環境の、貧困にある
socioeconomic 社会経済的な
decisive factor 決定的な要因
policymakers 政策立案者
habits of mind 思考習慣(高い成果を生む思考パターン)
05 考古学と人の移動を表す語
考古学の文章は、何が見つかったかと、どこで見つかったかの2つで進みます。artefacts、obsidian、crafted、heavy-duty が見つかったもの、excavation、unearthed、undergrowth、abandoned が見つかった状況を表します。
人の移動を扱う段落では、地形の語が判断材料になります。archipelago、dispersed、stepping stones、impenetrable は、どこを通れてどこを通れなかったかを示す語です。millennia は数千年という時間の幅を表すので、年代の照合が要る設問では、この語が出てくる箇所を先に見ると早く進みます。
語彙リスト(16語)
英語 意味
adept 熟達した、巧みな
foraging 食料を採集する
dispersed (各地に)分散した
archipelago 群島
millennia 数千年間(millennium の複数形)
stepping stones 中継地、足がかり(比喩的)
artefacts 遺物、工芸品
excavation 発掘(調査)
impenetrable 通り抜けられない、入り込めない
encompassing 〜を含む、〜を包含する
crafted 加工して作られた、手作りされた
heavy-duty 本格的な用途向けの、頑丈な
unearthed 発掘した、掘り出した
obsidian 黒曜石(火山性ガラス)
abandoned 放棄された
undergrowth 下草、やぶ(森の下層植生)
06 森林と深海、資源開発を表す語
資源開発を扱う文章は、取り出す側の語と、失われる側の語が対になって出てきます。extraction、logging、excavate、prospecting ground が取り出す側、degradation、subsidence、run-off、sediment plumes が失われる側です。
この分野では、対立する立場が同じ段落に並びます。untapped、bioactive、biotechnology spin-offs は開発を支持する側の根拠になり、marginalisation、ramifications、regulatory framework は慎重な側の根拠になります。どちらの語が多い段落なのかを見ると、筆者がどちらに寄っているかの見当が付きます。
語彙リスト(30語)
英語 意味
ecosystems 生態系
extraction 採掘、採取
livelihoods 生計、生活手段
mitigating 緩和する(気候変動などを)
buffers 緩衝帯(衝撃・影響を和らげるもの)
commodities 一次産品、商品資源
emitters 排出源(二酸化炭素などの)
logging 木材の伐採・搬出
subsidence 地盤沈下
run-off 地表流出(雨水や土砂の流れ出し)
devastating 壊滅的な
sustainability 持続可能性
degradation 劣化、悪化(環境の)
pathogenic 病原性の
antibiotic-resistant 抗生物質耐性の
prospecting ground 探索・採取の場
bioactive 生物活性の(生体に影響を与える)
abyss 深淵、深海の底
diversify 多様化する、分散させる
soaring 急増している
excavate 掘削する
slurry スラリー(固体粒子を液体に混ぜた泥状のもの)
ramifications 波及効果、(悪影響の)影響
regulatory framework 規制の枠組み
marginalisation 疎外、周縁化
indigenous 先住民の、固有の
hydrothermal vents 熱水噴出口(海底の地熱で温められた水が噴き出す場所)
sediment plumes 堆積物の噴流(採掘で巻き上げられる海底の粒子)
untapped 未開発の、活用されていない
biotechnology spin-offs バイオテクノロジー研究の副産物・応用
07 翻訳と言語を扱う語
言語を扱う文章では、広まり方を表す語が中心になります。prevalent、ubiquitous、lingua franca は、いずれもどこにでもあるという意味を含みますが、prevalent は広まっている度合い、ubiquitous はどこにでも存在すること、lingua franca は母語が違う人どうしが使う共通語という、それぞれ違う焦点があります。
翻訳の話題では、できるかどうかを表す語も出てきます。realisable は実現できること、simultaneous は逐次ではなく同時に行うことを指します。apprehensions と solemn は、新しい技術への受け止め方と、場の格式を表す語です。
語彙リスト(14語)
英語 意味
obstacle 障害、妨げ
subtitling 字幕制作(の手法)
realisable 実現可能な
novelties 目新しいもの、物珍しさ
redress (問題・不均衡を)是正する
prevalent 広く普及した、一般に広まった
simultaneous 同時の(逐次訳に対してリアルタイムの)
apprehensions 懸念、不安
solemn 厳粛な、格式ばった
norms (文化的・社会的)規範
outsource 外部委託する
ubiquitous 至る所にある、遍在する
lingua franca 共通語(異なる母語話者間で使われる言語)
predecessors 先人たち、前任者
08 生きものの季節と生息地を表す語
生きものの季節を扱う文章では、時期のずれが論点になります。phenology は生命現象が起きる時期を研究する分野で、emergence や reproductive cycle と組み合わせて、以前より早まった、遅れたという話につながります。
生息地を表す語は固有名詞のように見えますが、意味が取れないと段落全体が読めなくなります。coppiced woodland は定期的に伐採して管理された雑木林、limestone pavement は石灰岩が露出した平坦な地形です。specialise は、その生きものが特定の環境や食べ物に依存していることを表し、downfall の原因を説明する位置に出てきます。
語彙リスト(13語)
英語 意味
subtle わずかな、かすかな
knock-on effects 連鎖的な影響
conservationists 自然保護活動家
phenology 生物季節学(生命現象の時期を研究する分野)
abundance 個体数の多さ、豊かさ
emergence 羽化(幼虫から成虫になること)
dainty 可憐な、繊細な
reproductive cycle 繁殖サイクル
specialise (特定の環境・食物に)特化する
coppiced woodland 薪炭林(定期的に伐採して管理された雑木林)
limestone pavement 石灰岩盤地(石灰岩が露出した平坦な地形)
downfall 衰退、没落
sought-after 珍重される、人気の高い
09 社会と人間の性質を扱う語
人間の性質を論じる文章では、社会の仕組みを表す語が判断材料になります。egalitarianism と hierarchical、patriarchy と autonomy のように、対になる語が同じ文章の中で使い分けられます。
evolutionary psychology を扱う段落では、adaptive が重要になります。進化のうえで有利だったという意味で使われるので、道徳的に望ましいという意味ではありません。altruism、ethical obligation、ostracise は、集団がどう振る舞ってきたかを説明する語です。ruthless や bleak が出てきたら、筆者がその見方を紹介したうえで反論する流れが多くなります。
語彙リスト(17語)
英語 意味
the likes of 〜のような人々
ruthless 冷酷な、容赦ない
transcend 超越する
bleak 暗い、希望のない
ethos 気風、精神(ある集団に共有された価値観)
evolutionary psychology 進化心理学
sparsely populated 人口がまばらな
egalitarianism 平等主義
disparities 格差、不均衡
ethical obligation 倫理的義務
ostracise 追放する、村八分にする
autonomy 自律性、自由裁量権
custody rights 親権
altruism 利他主義(他者の利益を優先する考え方)
hierarchical 階層的な
patriarchy 家父長制
adaptive 適応的な(進化的に有利な)
10 よくある質問
Cambridge IELTS 19 のリーディングには、どんな分野の文章が出てきますか
この記事では198語を9つの分野に分けています。素材と製造、海上の犯罪と取り締まり、認知と誤情報、本番の緊張と熟達、考古学と人の移動、森林と深海の資源開発、翻訳と言語、生きものの季節と生息地、社会と人間の性質です。語のかたまりを見れば、どんな題材が扱われているかの見当が付きます。
spinning jenny や power loom のような歴史用語まで覚える必要がありますか
読んで意味が分かれば十分です。機械の名前は産業革命を扱う文章にしか出てこないので、自分で使う場面はありません。同じ文章に出てくる urbanisation、livelihood、unrest のほうが、機械化のあとに起きたことを表す語として設問の照合先になりやすいところです。
challenge state と threat state は、対で覚えるべき用語ですか
対で覚えておくほうが読みやすくなります。同じ緊張でも、前向きに働く状態と押しつぶされる側に働く状態を区別する用語なので、片方だけを覚えると、どちらの状態を説明している段落なのかが分からなくなります。
innate と gifted は同じ意味ですか
焦点が違います。innate は生まれつき備わっている性質全般を指し、gifted は特に才能について生まれつき優れていることを指します。この2語が同じ段落に出てきたら、筆者が innate を否定して deliberate practice のほうを支持している流れが多くなります。
prevalent と ubiquitous はどう使い分けられていますか
prevalent は広まっている度合いを、ubiquitous はどこにでも存在することを表します。同じ文章に lingua franca も出てきますが、こちらは母語が違う人どうしが使う共通語という別の焦点です。3語とも「広く使われている」と訳せてしまうので、焦点の違いで覚えておくと取り違えません。
この198語のうち、ライティングにも使えるものはありますか
分野を問わず出てくる語は使えます。detrimental、prevalent、disparities、sustainability、autonomy のような程度や社会を表す語は、ライティング・タスク2でもそのまま使えます。一方、機械の名前や体の反応を表す語は読めれば十分です。
11 まとめ
Cambridge IELTS 19 の Academic Reading から拾った198語を、9つの分野に分けて並べました。1冊を解き終えたあとにこの表を上から眺めると、自分がどの分野の語で止まっていたのかが見えてきます。
製造を扱う文章は、何でできているか、どう加工されたか、その結果どうなったかの3つで進む
condones と emboldened は、取り締まりが緩んだという因果の流れを示す
empirically と rhetorically compelling は、裏づけがあるかどうかを分ける
challenge state と threat state、innate と gifted は対で覚える
資源開発の文章は、取り出す側の語と失われる側の語が対になって出てくる
prevalent、ubiquitous、lingua franca は焦点の違いで覚え分ける
adaptive は進化のうえで有利だったという意味で、望ましいという意味ではない
語を覚えても、本文の該当箇所を探せなければ設問には答えられません。設問文は本文の語をそのまま使わないので、言い換えを見抜く練習とあわせて進めると、覚えた語が正答数に出てきます。
リーディング
リーディングのパラフレーズ(言い換え)を見抜く読み方トレーニング:パターンの把握から日々の練習法まで