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ライティング・タスク2

タスク深掘りシリーズ:砂糖税の出題背景・アイデア・実例・語彙【第1回】

執筆:高橋 響 公開日:

砂糖の多い食品や飲料に税をかけるべきか。IELTSライティング・タスク2でこのテーマに当たると、賛成なら健康のため、反対なら家計の負担、という2行で議論が終わってしまいがちです。どちらも間違ってはいませんが、この2行から250語のエッセイは組み立てられません。

タスク深掘りシリーズの1本目では、本サイトに収録している砂糖税のタスクを取り上げます。タスクの読み方、賛成側と反対側それぞれでよく使われるアイデアとその掘り下げ方、答案に入れられる実例、中級と上級で押さえたい語彙とコロケーションまでを解説します。モデルアンサーそのものは載せませんが、自分で作るときの流れも最後に紹介します。

01このタスクでは何が問われているのか

取り上げるのは、本サイトに収録しているライティング・タスク2のタスクです。Discussion型(Discuss both views)で、レベルは中級に分類しています。読み方から語彙までを1問ずつ通しで準備する手順は、シリーズのハブ記事にまとめています。

タスク深掘りシリーズ タスク深掘りシリーズ:アイデア・実例・語彙・モデルアンサーまで1問ずつ徹底解説【総論】

Governments in many countries have recently introduced special taxes on foods and beverages with high levels of sugar. Some think these taxes are a good idea while others disagree. Discuss both views and give your opinion.

(多くの国の政府が、砂糖を多く含む食品や飲料に対する特別な税を最近導入しています。この税をよい考えだと思う人もいれば、そうは思わない人もいます。両方の見方を論じ、あなた自身の意見を述べなさい。)

読んだ瞬間に議論が浮かぶ、書きやすそうなタスクです。書きやすそうなタスクほど、読み取りを1回で済ませて書き始めてしまいます。まず、実際に起きる読み違いから見ていきましょう。

1-1 飲み物への課税の話だと読む

このタスクの対象は foods and beverages で、食品と飲料の両方です。ところが答案になると、議論は炭酸飲料に寄っていきます。

課税の対象=砂糖入りの飲み物段落がどちらも清涼飲料水の話になり、2つのボディの違いが出にくくなる

課税の対象=砂糖を多く含む食品と飲料菓子・シリアル・調味料まで含めて考えられるので、線引きの難しさという論点が出てくる

飲料に絞って書くこと自体は問題になりません。清涼飲料水は実際に多くの国で課税の中心になっていますし、例として扱いやすいテーマでもあります。ただ、対象が飲料だけだと思い込んでいると、反対側の議論で使える材料をひとつ失います。どこまでを高糖分の食品とみなすのかという線引きの問題は、この対象が食品まで広がっているからこそ書けるものです。

1-2 税の是非ではなく、砂糖の是非を論じてしまう

もうひとつ多いのが、賛成側のボディが砂糖の害の説明で埋まってしまう形です。

Consuming too much sugar causes obesity, diabetes and tooth decay. Obesity has become a serious problem in many countries, and it also increases the risk of heart disease.砂糖が体に悪いことの説明で段落が終わり、税の話が出てこない

Because sugary drinks have close substitutes such as water and unsweetened tea, a tax that raises their price pushes many shoppers towards the untaxed option.税がかかると何が起きるのかを説明していて、議論が税の話から離れていない

このタスクで問われているのは these taxes、つまり税そのものの是非です。砂糖が体に悪いというのは、賛成側も反対側も否定しない前提であって、論点ではありません。ここに段落の半分を使うと、Task Response で見られるメインアイデアが1つ足りなくなります。

見分け方は単純です。書き終えたあとに賛成側のボディを読み返して、tax や levy に言及している文が最初と最後だけだったら、中身は砂糖の話に流れています。

タスクの構造を分解する

読み違いを避けるために、このタスクを要素に分けてみます。

要素このタスクの場合
前提として与えられている事実多くの国の政府が、高糖分の食品と飲料に特別な税を最近導入した
論じる対象these taxes(その特別な税)
問われていることこの税をよいと考える見方と、そうは考えない見方の両方を論じ、自分の意見を述べる

1行目の前提が、このタスクでは大きな意味を持ちます。多くの国で導入されているという事実がタスク文に書かれているので、そんな税は現実には不可能だという方向の反論は成り立ちません。反対側を書くときは、実施した結果として何が起きるかを論じます。

また、recently introduced とあるので、時制は現在完了形か過去形が自然です。Governments have introduced these taxes in recent years のように受けておくと、タスク文の情報をそのまま繰り返す形を避けられます。

02なぜ砂糖税のテーマが繰り返し出るのか

このテーマが出続けている理由は、実際に世界中で導入が進んでいて、しかも評価が割れたままだからです。WHOが2026年1月に公表した Global report on the use of sugar-sweetened beverage taxes, 2025 では、少なくとも116か国が砂糖入り飲料に国レベルの物品税を課していると報告されています。フランスが2011年、メキシコが2014年、イギリスとフィリピンが2018年と、導入は10年あまりの間に広がりました。

一方で、同じ報告書は、税率の水準が消費を抑えるには低いままだとして、引き上げを求めています。導入が広がる一方で、税率や課税対象といった制度設計には国ごとの差があります。賛成と反対の両方に材料がそろっているので、Discuss both views のタスクとして成立します。

日本の感覚のまま書くとずれる

日本では砂糖入り飲料への課税は導入されていません(2026年8月時点)。そのため日本で暮らしている受験者は、政府が食べ物に税をかけるという発想自体を極端なものとして受け取りがちです。答案が「そこまで政府が介入するのは行き過ぎだ」という一方向に寄ってしまうのは、この感覚が影響しています。

実際には、砂糖入り飲料への課税は、すでに100を超える国で行われている政策です。賛成側を書くときに、無理のある立場を弁護しているような書き方になっていたら、前提のところで日本基準になっていないかを確認してみるとよいでしょう。

ライティング・タスク2 日本の常識は世界の非常識?ライティング・タスク2で「日本基準」のまま書いていないか確認する

このタスクの準備は、他のタスクにも使える

砂糖税のタスクは、政府が国民の行動を変えるために価格を使ってよいか、という問いの一例です。この問いに答えるときに使う論じ方は、対象を入れ替えてもそのまま働きます。効果があるのか、負担が公平にかかるのか、個人の選択にどこまで踏み込んでよいのか。この観点は、たばこ税、アルコールの販売規制、ジャンクフードの広告制限、都市部の自動車の通行料といったタスクでも同じように使えます。

本サイトに収録しているアクティブなタスク509件のうち、食生活や不健康な生活習慣を扱ったタスクは13件あります(2026年8月26日時点)。砂糖税のタスクを1問きちんと準備しておくと、この13件のかなりの部分に材料を流用できます。

収録タスクの例砂糖税の準備がそのまま使えるところ
Some people think that the government should increase tax on unhealthy food to encourage people to start eating healthy.価格を上げると消費が減るという因果、逆進性への反論
Scientists agree that many people eat too much junk food and it is damaging their health. Some people think that this problem can be solved by educating people, while others believe that education will not work.教育だけでは行動が変わらないという議論、税と教育を組み合わせる立場
In many countries, fast food is becoming cheaper and more widely available. Do the disadvantages of this outweigh the advantages?価格と消費量の関係、公的医療費への負担

03賛成側でよく使われるアイデアと、その掘り下げ方

賛成側で実際によく書かれるのは、値段が上がれば買わなくなる、メーカーが砂糖を減らす、税収を医療や教育にまわせる、というあたりです。どれも定番ですが、定番だから弱いわけではありません。弱くなるのは、思いついたところで止めて次の段落へ進んだときです。

3-1 値段が上がれば消費が減る

いちばん最初に浮かぶ議論です。ここで止まると、A tax makes sugary drinks more expensive, so people will buy fewer of them. の1文で終わってしまいます。理由が「高いから買わない」だけなので、読み手は納得はしますが、それ以上の情報を受け取れません。

掘り下げるときに考えたいのは、なぜこの商品では価格が消費に響くのか、という点です。砂糖入り飲料には、水、無糖のお茶、人工甘味料を使った飲料といった代替品が身近にそろっています。値段が上がったときに、買う量そのものを我慢しなくても、隣の棚に移るだけで済みます。値上げがそのまま購入の変化につながりやすいのは、この代替品の多さがあるからです。

この一段があると、反対側との対比もはっきりします。米や小麦のような代替のきかない食品に課税しても、消費量はあまり変わらず、家計の負担だけが増えます。同じ課税でも結果が違うのは、代替品があるかどうかで決まる、というところまで書けます。

止まっている書き方掘り下げた書き方
主張税で値段が上がるので、人々は買う量を減らす代替品が身近にあるので、わずかな値上げでも購入先が移る
次に書けること健康によい、で終わる代替のきかない食品に課税した場合との違いへ進める
反論への強さ「そんなに減らない」で崩れる減る条件を自分で示しているので崩れにくい

3-2 メーカーがレシピを変える

賛成側でもっとも見落とされているのが、この論点です。税をかける相手を消費者ではなく製造業者にすると、企業には税率の境目を下回るように配合を変えるという選択肢が生まれます。値段を上げずに砂糖を減らせば課税されないので、企業にとっても合理的です。

この論点が強いのは、消費者が何ひとつ行動を変えなくても、市場に出回る砂糖の総量が減るからです。値段が上がっても買い続ける人はいますし、健康に関心のない人もいます。それでも、棚に並んでいる商品の砂糖が減っていれば、その人の摂取量は下がります。個人の意思に頼らない仕組みだ、というところまで言えると、反対側の「結局は本人の選択の問題だ」という議論に対する先回りにもなります。

イギリスの制度は、税率を砂糖の含有量に連動させることで、企業に配合を変える動機を持たせる設計になっています。実例としても書きやすい論点なので、具体的な数字は05で扱います。

3-3 税収を医療や教育の財源にできる

3つ目は税収の使い道です。ここも、The money can be used for healthcare. だけだと弱くなります。政府の予算はどこから来ても同じお金なので、使い道を示しただけでは、砂糖税でなければならない理由になりません。

この論点を強くするのは、誰が払って誰が受け取るのか、という説明です。高糖分の飲料をとりすぎることは、肥満や2型糖尿病、虫歯のリスク要因のひとつとされていて、これらの疾患には公的な医療費がかかります。集めた税収を予防のための施策にまわすと説明すれば、負担と受益のつながりを示せます。

この論点は、反対側の逆進性の議論ともつながります。低所得層の負担が重いという批判に対して、集めた税収を学校給食や無償の朝食、公園やスポーツ施設のように、低所得層が多く使うサービスにまわせば、負担と受益の差は小さくなります。税収の使い道をあらかじめ限定しておく(earmark する)というのが、逆進性への代表的な答え方です。賛成側のボディでこの一段まで書いておくと、結論で自分の立場を述べるときに、反対側への配慮を示す材料が手元にそろっています。

04反対側でよく使われるアイデアと、その掘り下げ方

反対側は、低所得層の負担が重い、抜け道があって効果が出ない、個人の選択に踏み込みすぎ、という順でよく書かれます。賛成側と同じで、それぞれ一段先まで進めておくと議論として成立します。

4-1 低所得層ほど負担が重くなる

所得に関係なく同じ税額がかかるので、所得に占める割合で見ると低所得世帯のほうが重くなります。これが逆進性(regressive)と呼ばれる性質で、消費税や物品税に共通して指摘される点です。

ここで一段進めるなら、負担が重いことと効果があることが同じ現象の裏表になっている、というところまで書けます。価格に敏感な層ほど購入を減らすので、消費量がもっとも大きく下がるのも低所得層です。健康面での恩恵を受けるのも同じ層です。逆進性を理由に反対する立場は、この点にどう答えるかを避けて通れません。

反対側のボディでは、負担が重いという事実だけで止めず、その負担が何に置き換わるのかまで書くと議論が締まります。飲料をやめる代わりに安価で栄養の乏しい食品に移る場合、健康は改善しないまま家計だけが圧迫されます。この形で書くと、賛成側の「消費が減るからよい」という主張に正面から反論できます。

4-2 課税されていないものへ移るだけになる

課税の範囲が狭いほど抜け道が広がります。飲料にだけ課税すれば菓子に移り、砂糖にだけ課税すれば脂質の多い食品に移ります。国内でだけ課税すれば、国境の向こうで買う人が出てきます。

この論点は、実例があるおかげで具体的に書けます。デンマークが2011年に導入した飽和脂肪への課税は、制度の複雑さ、企業の事務負担、国境を越えた買い物といった問題が重なり、1年あまりで廃止されました。課税の設計を誤ると、消費が国外や別の商品へ移るだけで終わりかねない、という実例です。

掘り下げるなら、どこまでを課税対象にすれば抜け道が塞がるのか、という方向へ進めます。範囲を広げるほど抜け道は減りますが、対象の線引きが難しくなり、企業の事務負担も増えます。ここで01で確認した foods and beverages という広さが意味を持ちます。飲料は含有量を測りやすいのに対して、食品は種類が多く、どこからを高糖分とするかの基準づくりが難しくなります。

4-3 個人の選択に政府が踏み込みすぎている

3つ目は自由の議論です。何を食べるかは本人が決めることで、政府が価格を操作して行動を誘導するのは過干渉だ、という立場です。英語では paternalistic という形容詞や、政府の過干渉を批判する nanny state という表現があります。ただし nanny state は批判の色がかなり強い言い方なので、答案で無理に使う必要はありません。

ただし、自由という理由だけで押し切ると、答案としては弱くなります。喫煙や飲酒への課税がすでに広く受け入れられているので、砂糖だけを別扱いにする理由を示さないと、線引きが恣意的に見えるからです。

この論点が強くなるのは、自由の話に原因の話を組み合わせたときです。肥満には、砂糖の摂取のほかにも、運動量の減少、睡眠、労働時間、住んでいる地域で買える食品の種類といった要因が関わります。砂糖というひとつの成分への課税だけで、この複合的な問題が解決するのか。こう組み替えると、主張の中身が価値観の表明から効果の見込みへ移ります。検証できる形の議論になるので、読み手にも評価しやすくなります。

両側を書いたあと、自分の意見をどう決めるか

Discuss both views では、両方を並べたあとに自分の意見を述べます。ここで賛成と反対のどちらかを丸ごと選ぶ必要はありません。このタスクの場合、効果が出る条件を示す形の立場が、両側の議論をいちばん無駄なく使えます。たとえば、税だけで肥満の問題が解決するわけではないが、製造業者に課税して配合を変えさせる設計にし、税収を低所得層向けの施策にまわすのであれば有効だ、という立場です。

この形にすると、賛成側で書いた製造業者の話と税収の話、反対側で書いた逆進性の話が、すべて結論につながります。片方を全否定する立場を取ると、自分で書いた段落の半分が結論と無関係になります。

ライティング・タスク2 Discuss both views で議論を平行線にしない「比較軸」の作り方

05答案に入れられる実例はどれか

砂糖税は、答案に入れられる実例が手に入りやすいテーマです。次の3つを覚えておくと、賛成側にも反対側にも1つずつ使えます。いずれも公表されている調査や政府の資料で確認できる内容です。

ひとつ断っておくと、実際に広く導入されているのは、砂糖入り飲料を対象にした税です。タスクの対象は foods and beverages ですが、下の実例は飲料への課税が中心になります。答案で食品の話をするときは、線引きの難しさという論点のほうから書くことになります。

国と時期制度の仕組み報告されている結果
イギリス
2018年4月
Soft Drinks Industry Levy。製造業者と輸入業者に課税し、税率を砂糖の含有量に連動させた二段階。100mlあたり5g未満は課税なし、5g以上8g未満は1リットルあたり18ペンス、8g以上は24ペンス課税対象となる飲料の100mlあたり平均総糖分は、2015年から2018年にかけて28.8%減少したと報告されている(BMC Medicine、2019年)。税収の一部は、学校の体育や朝食クラブの財源と結びつけて説明されてきた
メキシコ
2014年1月
砂糖入り飲料に1リットルあたり1ペソの物品税。価格にしておよそ10%の上昇にあたる課税対象飲料の購入量は2014年に5.5%、2015年に9.7%減少。減少幅は低所得世帯でもっとも大きかった。課税されていない飲料の購入は約4%増え、その中心はボトル入りの水だった(Health Affairs、2017年)
デンマーク
2011年導入、1年あまりで廃止
飽和脂肪を含む食品への課税。食品の成分に着目した課税としては世界初とされる制度が複雑で企業の事務負担が重いこと、ドイツやスウェーデンでの買い物が増えたことなどが問題となり、短期間で廃止された

もうひとつ、規模を示す数字として、WHOが報告している116か国という数を覚えておくと、例外的な政策ではないことを1文で示せます。

答案での使い方

主張のあとに1文か2文で添える、数字は1つまでにする、といった実例の扱い方はどの回でも共通なので、ハブ記事にまとめています。砂糖税のタスクでは、その差が次のように出ます。

In 2018, the UK introduced a levy of 18 pence per litre on drinks containing 5 to 8 grams of sugar per 100ml and 24 pence per litre on drinks above 8 grams, and sugar content fell by 28.8 per cent between 2015 and 2018.情報は正しいが、数字が多く、何を主張したいのかが読み手に伝わらない

Because the levy is calculated from the sugar content, producers can reduce what they owe simply by changing their recipes. In the UK, the average sugar content of the drinks covered by the levy fell by almost thirty per cent between 2015 and 2018.主張を述べたうえで、それを裏づける例として1文で示している

イギリスの例なら28.8%という数値か、二段階の税率か、どちらか一方に絞ります。両方を入れると、砂糖税の制度説明のほうが主張より長くなりやすくなります。

06中級と上級で押さえたい語彙とコロケーション

このテーマで語彙が伸びない原因は、単語を知らないことよりも、前置詞や動詞の組み合わせを外すことにあります。tax、sugar、health のような語はどれも中学レベルですが、それを何とつなぐかで印象が変わります。コロケーションの形で覚えておきましょう。

中級(バンド6前後を目指す段階)

コロケーション意味と使いどころ
impose a tax on ~〜に税を課す。governments を主語にする定番。前置詞は on
introduce a tax on ~〜への税を導入する。制度が新しくできる場面。タスク文で使われている形
be high in sugar砂糖を多く含む。foods that are high in sugar のように名詞のうしろから修飾できる
raise the price of ~〜の価格を上げる。The tax raises the price of soft drinks.
reduce consumption of ~〜の消費を減らす。consumption は不可算
cut down on ~〜を控える。個人の行動を主語にするときに使いやすい
discourage people from -ing人が〜するのを思いとどまらせる。前置詞のうしろは動名詞
raise revenue税収を得る。revenue は不可算で使うのが基本
put a strain on the healthcare system医療制度に負担をかける。賛成側でよく出てくる表現
low-income households低所得世帯。poor people よりも書き言葉として落ち着く
health problems such as obesity and tooth decay肥満や虫歯といった健康問題。具体名を2つ添えると内容が出る

上級(バンド7以上を目指す段階)

コロケーション意味と使いどころ
a levy on sugar-sweetened beverages砂糖入り飲料への賦課金。イギリスの制度名にも使われている語で、税制の文脈で自然
act as a deterrent抑止として働く。The tax acts as a deterrent to heavy consumption.
curb consumption消費を抑える。reduce より引き締まった語感で、政策の文脈に合う
reformulate their products製品の配合を変える。03で扱った論点を、ひとつの動詞で表せる
reduce the sugar content of ~〜の砂糖含有量を減らす。content はこの意味では不可算
a regressive tax逆進的な税。所得の低い層ほど負担の割合が重くなる税を指す
place a disproportionate burden on ~〜に不釣り合いに重い負担を負わせる。逆進性を説明する言い方
earmark revenue for ~税収の使途を〜に限定する。反対側への配慮を示すときに使える
shift towards untaxed alternatives課税されていない代替品へ移る。抜け道の議論で使う
pass the cost on to consumers費用を消費者に転嫁する。製造業者への課税を論じるときに必要になる
diet-related illnesses食生活に関連する疾患。obesity と diabetes をまとめて言える
infringe on personal freedom個人の自由を侵害する。反対側の主張の中心
paternalistic個人の判断に代わって決めようとする姿勢を指す形容詞。a paternalistic approach to public health
cross-border shopping国境を越えた買い物。デンマークの例を書くときに使う

tax と levy はどう違うのか

どちらも答案で使えます。tax は税一般を指す語で、a tax on sugary drinks はもっとも自然な言い方です。levy は賦課金や課税を指すやや硬い語で、税制や政策の文脈で使われます。イギリスの Soft Drinks Industry Levy のように制度名にも入っています。1本のエッセイの中で両方を使うと、同じ語の繰り返しを避けられます。charge は料金全般を指す広い語なので、税そのものを指したいときは a tax か a levy のほうが確実です。

このテーマで出やすい誤り

The government should tax to sugary drinks.tax を動詞で使うときは前置詞が要らない

The government should tax sugary drinks. / The government should impose a tax on sugary drinks.動詞なら目的語を直接続ける。名詞で使うなら on を伴う

Sugary drinks give a bad influence on health.give an influence という組み合わせは使わない

Sugary drinks have a harmful effect on health.effect は have と組む。influence を使うなら have an influence on

People will decrease to buy soft drinks. / The tax can reduce the obesity.decrease のうしろに to不定詞は続かない。obesity は不可算で、一般論では冠詞を付けない

People will buy fewer soft drinks. / The tax can reduce obesity.数えられる名詞が減るなら fewer、量が減るなら less を使う

これらのコロケーションは、覚えた直後は使えるつもりでいても、本番では前置詞のところで崩れます。書いた英文の前置詞と冠詞を確認する習慣を作っておくとよいでしょう。テーマ別にコロケーションを調べるなら、次のツールが使えます。

IELTS学習アプリ コロケーション検索 単語やフレーズを入力すると、その語と自然に組み合わさる表現を確認できます。tax や consumption のようなテーマ語を入れて、動詞と前置詞の組み合わせを確かめておきましょう。

07モデルアンサーはどう作るか

ここまでで、タスクの読み方、両側のアイデア、実例、語彙がそろいました。残るのは、これを1本のエッセイの形にまとめる作業です。この記事にモデルアンサーを載せていないのは、人が書いた完成品を先に読むと、そこに書いてあった議論しか浮かばなくなるからです。自分の材料で1本作ったあとに、比較対象としてモデルアンサーを用意するほうが学習になります。

作る手順はどの回でも同じなので、5つのステップとモデルアンサーの使い方はハブ記事にまとめています。このタスクで進めるときは、タスク検索で sugar と入力し、問題タイプを Discussion に絞ると見つかります。そこから自分でメインアイデアを2つ書き、論理チェックを通してからモデルアンサーを作る流れです。

このタスクで確認したいのは、入力した2つのメインアイデアがどちらも税の話になっているかどうかです。片方が砂糖の害の説明になっていたら、01で見た読み違いがそのまま答案に出ています。

IELTS学習アプリ タスク検索 収録しているライティング・タスク2のタスクをキーワードと問題タイプで検索し、メインアイデアの検討からモデルアンサーの作成まで進められます。この記事で扱ったタスクも sugar で検索すると見つかります。

08よくある質問

砂糖税のタスクでは、賛成と反対のどちらを選ぶと有利ですか。

どちらを選んでもかまいません。評価に関わるのは、選んだ立場を最後まで維持して展開できているかどうかです。このタスクでもっとも扱いやすいのは、効果が出る条件を示す立場です。税だけで肥満の問題が解決するわけではないが、製造業者に課税して配合を変えさせ、税収を低所得層向けの施策にまわすのであれば有効だ、と述べると、賛成側で書いた内容と反対側で書いた内容の両方が結論につながります。

砂糖税のタスクで、日本の例を使ってもよいですか。

日本では砂糖入り飲料への課税が導入されていないため(2026年8月時点)、自国の実例としては使いにくいテーマです。日本の状況に触れるなら、課税していない側の例として書く形になります。実例が思い当たらない場合は、国名を出さずに一般的な形で議論を進めても問題ありません。

sugar tax と sugar levy は、どちらを使えばよいですか。

どちらも使えます。tax は税一般を指す語で、a tax on sugary drinks がもっとも自然な言い方です。levy は賦課金や課税を指すやや硬い語で、税制や政策の文脈で使われ、イギリスの制度名にも入っています。1本のエッセイの中で両方を使い分けると、同じ語の繰り返しを避けられます。

賛成側のボディに砂糖の害を書くのは間違いですか。

間違いではありませんが、そこで段落が終わってしまうと評価が伸びません。砂糖が体に悪いことは、賛成側も反対側も否定しない前提であって、論点ではないからです。書き終えたら賛成側のボディを見て、tax や levy に言及している文が最初と最後だけになっていないかを確認してみましょう。

このタスクの準備は、他のタスクにも使えますか。

政府が価格を使って国民の行動を変えてよいか、という問いを扱うタスクであれば、そのまま使えます。効果があるのか、負担が公平にかかるのか、個人の選択にどこまで踏み込んでよいのか。この論じ方は、たばこ税、アルコールの販売規制、ジャンクフードの広告制限、自動車の通行料といったテーマでも同じように働きます。

foods and beverages とあるので、食品の例も答案に入れる必要がありますか。

飲料に絞って書くこと自体は問題になりません。清涼飲料水は多くの国で課税の中心になっていますし、例としても扱いやすいテーマです。ただ、対象が食品まで広がっていると分かっていると、どこからを高糖分の食品とみなすのかという線引きの論点が使えるようになります。反対側で抜け道の話を書くときに使える材料です。

デンマークの例は飽和脂肪への課税ですが、砂糖税のタスクで使ってよいですか。

使えます。ただし、砂糖への課税が失敗した例として持ち出すのは避けましょう。課税範囲の設計を誤ると消費が国外や別の商品へ移る、という論点の裏づけとして使います。飽和脂肪への課税だったこと、導入から1年あまりで廃止されたことを1文で触れれば十分です。

砂糖税と健康の関係について、専門的な知識がないと書けませんか。

必要ありません。このタスクで問われているのは税の是非で、砂糖が体に悪いこと自体は賛成側も反対側も否定しない前提です。書けるかどうかを分けるのは、代替品があるかどうか、誰が払って誰が受け取るのか、抜け道はどこにできるのかといった、税の仕組みの側の理解になります。

09まとめ

砂糖税のタスクは、賛成と反対のどちらにも実例と理屈がそろっている、Discussion型の練習に向いた題材です。定番のアイデアを並べるだけで250語を超えられてしまうぶん、一段先まで掘り下げた効果が答案にはっきり出るタスクでもあります。

  • 課税の対象は foods and beverages で、飲料に限らない。食品まで含めると、線引きの難しさという論点が出てくる
  • 問われているのは these taxes の是非。砂糖が体に悪いという話は前提であって、論点ではない
  • 多くの国で導入済みという前提がタスク文に書かれているので、実現できないという方向の反論は成り立たない
  • 賛成側は、代替品があるから消費が移ること、製造業者への課税で配合が変わること、税収の使い道まで進めると議論になる
  • 反対側は、逆進性、課税されていないものへの移動、原因が砂糖だけではないこと。自由という価値観だけで押さない
  • 実例はイギリス、メキシコ、デンマークの3つで足りる。主張のあとに1文か2文、数字は1つまで
  • 語彙は単語ではなくコロケーションで覚える。impose a tax on、curb consumption、place a burden on のような形で持っておく
  • モデルアンサーは、自分でアイデアを書いたあとに作る。手順はシリーズのハブ記事にまとめている

1問をここまで分解しておくと、同じテーマの他のタスクに当たったときに、考える時間の多くを議論の組み立てにまわせます。まずは今回のタスクで、賛成側と反対側のメインアイデアを1つずつ、自分の言葉で書いてみましょう。他の回と、シリーズ全体の手順は次の記事から辿れます。

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Hibiki Takahashi

この記事を書いた人

Hibiki Takahashi

日本語で学ぶIELTS対策専門スクール『PlusOnePoint(プラスワンポイント)』創設者・代表。『英語ライティングの鬼100則』(明日香出版社)著者。1997年に大阪大学医学部を卒業後、麻酔科専門医として活躍。2012年渡豪時に自身が苦労をした経験から、日本人を対象にIELTS対策のサービスを複数展開。難しい文法・語彙を駆使するのではなく、シンプルな表現とアイデアで論理性・明瞭性のあるライティングを指導している。これまでの利用者は4,500名を超え、Twitterで実施した「12週間チャレンジ」では、わずか4週間で7.0、7週間で7.5など、参加者4名全員が短期間でライティングスコア7.0以上を達成(うち2名は7.5を達成)。「IELTSライティングの鬼」の異名を持つ。オーストラリア在住14年、IELTS 8.5(ライティング 8.0)、CEFR C2。

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