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スピーキング

日本語の「〜は〜だ」をbe動詞で表現しない:スピーキングで一段上に行くための言い直し方

執筆:高橋 響 公開日:

「私たちは同じチームだった」を英語にするとき、多くの人が We were the same team. と言います。語順にも時制にも崩れはなく、相手にも伝わります。それでも、この内容を英語で言うときにこの形にはなりません。足りないのは on という前置詞です。

日本語は「〜は〜だ」で片づけられる範囲が広く、その形をそのままbe動詞で表現すると、英語では不自然に響きます。癖のもとは、日本語の助詞が主語以外のものも示せるところにあります。どこを見れば気づけるのか、話している最中にどう直すのかを、例文で追っていきます。

01We were the same team. では何が言えていないのか

先に結論から言うと、We were the same team. は「私たち=同じチーム」という文になっています。言いたかったのは所属で、「私たちは同じチームに入っていた」という内容です。英語はその所属を前置詞 on で表すので、1語足すだけで意味が合います。

We were the same team.私たち自身が1つのチームだった、と読める

We were on the same team.同じチームに入っていた

日本語の「私たちは同じチームだった」には、所属を示す語が表に出ていません。「同じチームに所属していた」という内容が「同じチームだった」に縮めて言えてしまうので、英語にするときもそのまま「私たち=同じチーム」の形で出てきます。be動詞は主語と補語をつなぐ動詞で、同一のものだと言うときにも、状態や性質を言うときにも使えます。ただし、we と the same team のように、そのどちらでもないものを両側に置くと、言いたかった所属の意味にはなりません。

同じ内容は、前置詞を使わずに言うこともできます。所属を名詞で表すか、そこで何をしていたかを動詞で表すかの違いです。

We were on the same team.

We were teammates.

We played on the same team for three years.

We used to be in the same football club.

通じることと、その形で言うことは別

We were the same team. と言っても、多くの場合は文脈から内容を取ってもらえます。スピーキングで見られているのは、通じるかどうかだけではありません。IELTS公式の Speaking Band Descriptors には Grammatical Range and Accuracy という観点があり、いろいろな形を正確に使えるかどうかが見られています。等号で結べないものをbe動詞でつないだ文が続くと、この観点で不利になります。

そして厄介なのは、この形が単独の言い間違いではなく、日本語の組み立て方から出てくる癖だということです。1つ直しても、次の話題でまた同じ形が出てきます。癖のもとを先に見ておきましょう。

02日本語の「は」はイコールの印ではない

「は」は、そのうしろに来るものと主語をイコールで結ぶ助詞ではありません。これから何について話すかを相手に示す、話題の提示です。「私は先生です」のように結果としてイコールになる文もありますが、それは「は」の働きではなく、たまたま中身がイコールだっただけです。

次の文を英語にしようとすると、その違いがはっきりします。

山頂は雪です。

少し考えれば分かるとおり、「山頂=雪」ではありません。それでも「AはBです」という形に引かれて、そのままbe動詞で表現してしまうことが起きます。

The top of the mountain is snow.山頂という場所そのものが雪だ、という文になる

It is snowy at the top of the mountain.山頂では雪です

It is snowing at the top of the mountain.山頂では雪が降っています

「山頂は」の部分は、主語ではなく場所です。日本語では、場所も、時も、条件も、持ち主も「は」で提示できます。だから「は」の前に来ている語を英語の主語にすると、英語の側で主語と述語がかみ合わなくなります。

「が」も主語とは限らない

同じことは「が」にも起きます。「コーヒーが好きだ」「野菜が嫌いだ」の「が」は、好きだという判断の対象を示しています。日本語には形容動詞という品詞があり、英語の動詞にあたる位置に「好きだ」「嫌いだ」が入るので、対象のほうに「が」が付きます。ここを主語だと思って英語にすると、Coffee is like. のような形になってしまいます。

英語にする前に、日本語の述語から考えると見分けがつきます。述語が「増えている」なら、何が増えているのかを内容から決めます。述語が「好きだ」なら、好きなのは誰かを決めます。助詞ではなく内容で決めるということです。

日本語「は」「が」が示しているもの英語の主語になるもの
私たちは同じチームだった話題(誰の話か)we(所属は前置詞で示す)
山頂は雪です場所天候の it(場所は前置詞句で示す)
コーヒーが好きです好きだという判断の対象I(対象は目的語になる)
最近は、野菜が嫌いな子どもが増えています時(最近は)と、嫌いの対象(野菜が)the number of children(増えているもの)

この助詞の話は、拙著『英語ライティングの鬼100則(明日香出版社)』(Must 32)でも詳しく解説をしておりますので、あわせてご参照ください。日本語の「は」が主語とは限らないこと、自然な英語になるように主語を微調整することを、例文とともに扱っています。

では、実際に英語にするときはどう直せばよいのでしょうか。be動詞のまま止まってしまった文を動かす手立ては、大きく3つあります。

03直し方1:前置詞を1語足す

いちばん手数が少ないのがこれです。所属、位置、出身は、英語では前置詞が受け持つことが多くなります。日本語では表に出ないので、英語にするときに足りなくなります。be動詞はそのまま残し、うしろに前置詞句を置く形です。

日本語そのまま英語にした形前置詞を足した形
私たちは同じチームだったWe were the same team.We were on the same team.
彼は私と同じクラスですHe is my same class.He is in the same class as me.
弟は野球部ですMy brother is a baseball club.My brother is on the baseball team.
父は営業ですMy father is sales.My father is in sales.
私は大阪ですI am Osaka.I am from Osaka.
母は病院ですMy mother is a hospital.My mother is at the hospital.

「私は大阪です」を I am Osaka. と言う人はさすがにいないと思われるかもしれませんが、実際にはもう少し長い文の中で起きます。The place I grew up is Osaka. のように、いったん名詞のかたまりを作ってからイコールでつなぐと、同じことが別の形で出てきます。I grew up in Osaka. と動詞で言えば、前置詞も自然に入ります。

on なのか in なのか

チームや委員会のように、役割を持った人の集まりに入っているときは on が使われます。a team、a committee、the board などがこれにあたります。一方、class、club、department のように、場所や枠のイメージが強いものは in が使われます。どちらを使うかは語ごとに決まっているので、覚えるときは名詞と前置詞をセットにしておくと迷いません。

on the same team / on the committee / on the board

in the same class / in the tennis club / in the marketing department

前置詞は、be動詞のうしろ以外でも落ちます。動詞と前置詞がセットになっていて、片方だけでは使えない動詞もあります。この点は別の記事で扱っています。

スピーキング This is already paid. はどこが間違い?前置詞が抜けやすい動詞(prepositional verb)の整理:文法名称と間違えやすい動詞一覧

04直し方2:名詞や形容詞ではなく動詞で言う

前置詞だけでは足りない場合があります。日本語の述語が名詞で終わっていて、その名詞が主語の職業や分類ではないときです。「今日は会議だ」「明日は出張だ」「週末は引っ越しだ」の会議、出張、引っ越しは、どれも「今日」や「週末」そのものではありません。ここでは動詞を探します。

Today is a meeting.今日という日が会議そのものだ、という文になる

I have a meeting today.今日は会議があります

I am in meetings all day today.今日は一日中会議です

have、go、work、take、get のような基本的な動詞で足ります。難しい語に置き換える必要はありません。「明日は出張だ」なら I am going to Nagoya for work tomorrow.、「週末は引っ越しだ」なら I am moving this weekend. です。日本語が名詞で止まっているところに、英語は動詞を1つ入れます。

形容詞1語で収めようとすると、別の意図で伝わる

「彼は気難しい」を英語にすると、He is difficult. になります。これは英語として成り立つ文で、誤りではありません。ただ、人について difficult と言うと、扱いにくい、手を焼かせるという評価として受け取られることが多くなります。「気難しい」で言いたかったのが、注文が多い、機嫌が変わりやすいといった性質だった場合、意図とは別のところが伝わります。

He is difficult.成り立つが、扱いにくい人だという評価に寄って伝わる

He is hard to please.なかなか満足しない人だ

He gets annoyed over small things.細かいことで機嫌を損ねる

He is not the easiest person to work with.一緒に仕事をするのは楽ではない

hard to please、easy to talk to、difficult to work with のように、形容詞のうしろに to不定詞を足すと、誰にとって、何をするときに、という条件が入ります。日本語の形容詞1語を英語の形容詞1語に置き換えるところで止まらなければ、伝わり方のずれも小さくなります。

述語が名詞や形容詞で止まっているときは、日本語の段階で「〜は〜する」に置き換えてから英語にすると考えやすくなります。「彼は気難しい」は「彼は小さなことで怒る」、「今日は会議だ」は「今日は会議に出る」。日本語の段階で動詞に直してしまえば、英語も動詞から出てきます。

05直し方3:主語を取り直す

前置詞を足しても動詞を入れても収まらないときは、主語そのものが違っています。「富士山は大雪だ」がその例です。

Mt Fuji is heavy snow.富士山という山そのものが大雪だ、という文になる

It is snowing heavily on Mt Fuji.いま降っている話として言う

Mt Fuji gets a lot of snow in winter.毎年そうなるという話として言う

There is heavy snow on Mt Fuji.そこに大雪がある、という形で言う

ここで動いているのは主語です。降っている話にするなら天候の it、山を主語のまま残すなら動詞を gets に替えて「雪を受け取る」という形にする、雪のほうを話の中心にするなら There is で出す。日本語の「富士山は」は場所を示しているだけなので、英語の主語は内容から選び直すことになります。

述語から決めると主語が決まる

手順としては、述語を先に決めます。降っているのか、毎年多いのか、いまそこにあるのか。述語が決まると、その動作をするものが主語になります。「この街は人が多い」も同じように分かれます。

This city has a lot of people.

There are a lot of people in this city.

This city is crowded.

3つ目は be動詞のままですが、crowded という形容詞が「混んでいる」という状態を表しているので、主語と補語が等号で結べています。等号で結べるものを補語に置けば、be動詞はそのまま使えるということです。

主語を微調整する

もう少し長い文になると、主語を少しずらすことになります。「最近の子どもたちは、栄養の偏りがひどい」を、述語から割り出したとおりに The imbalance of nutrition in recent children is terrible. とすると、意味は伝わるものの英語としては不自然です。

The imbalance of nutrition in recent children is terrible.日本語の形をそのまま運んだ文

Children these days have a nutritionally unbalanced diet.子どもを主語にして、動詞で言い直した形

日本語のアイデアを英語に移すときは、「最近の子どもたちは、栄養的に偏った食事をとっています」のように日本語の段階でいったん言い換えておくと、英語にしやすい形になります。「ひどい」という部分は落ちていますが、こうして情報を整理することも必要になります。この主語の微調整も、拙著『英語ライティングの鬼100則(明日香出版社)』(Must 32)で扱っています。

06話しながら直せるようにするには

ここまでの3つは、机に向かって考える時間があれば順を追って判断できます。難しいのは、スピーキングの本番で、話しながら同じ判断をすることです。Part 2 の1分の準備でここまで組み立てる余裕はありませんし、Part 3 では質問を聞いたその場で答え始めることになります。そこで効くのは、日本語を英語に直す速さではなく、名詞で止まっている日本語に気づく習慣のほうです。

自分の回答を録音して、be動詞の数を見る

まず、いつもの練習で答えたものを録音して、書き起こしてみましょう。is、are、was、were を数えて、そのうち何個が等号で結べる文かを見ます。He is my friend. や This city is crowded. は等号が成り立っています。一方で、Today is a meeting. や My brother is a baseball club. のように等号で結べない文が並んでいたら、そこが日本語の「〜は〜だ」から来ている部分です。

数えると分かりますが、ここで見つかるのは1つや2つでは済みません。同じ形が回答全体に散らばっています。1文ずつ直すより、出てくる形をいくつか決めておくほうが早く進みます。

名詞で終わる日本語に反応する

次に、日本語の側で引っかかりを作ります。頭の中の日本語が「〜だ」「〜です」で終わったとき、その直前が名詞なら、いったん止まって確かめます。職業や分類を言っているなら、He is a doctor. のようにbe動詞のまま出せます。所属、予定、場所、出来事を言っているなら、動詞を1つ探すか、前置詞を1つ足すことになります。会議だ、雪だ、出張だ、野球部だ、大阪だ。どれもこの形です。

逆に、直前が形容詞なら、そのままbe動詞で出せることが多くなります。忙しい、寒い、混んでいる、楽しかった。I am busy today. も It was cold. も、そのままで問題ありません。形容詞で終わったならそのまま、名詞で終わったなら中身を確かめる。この2段構えにしておくと、話しながらでも判断できます。

言い直しは流れを止めない範囲で

話している途中で気づいたときは、言い直して構いません。We were the same team, well, on the same team. のように続ければ、聞き手は問題なくついてきます。言い直したこと自体でスコアが決まるわけではありません。ただ、同じ文を何度も作り直していると Fluency and Coherence で見られている流れのほうが途切れるので、直すのは1回にして先へ進むほうが得です。

言い直す余裕がないときは、そのまま進めておいて、練習に戻ってから直すという分け方でもかまいません。本番で拾いきれなかった形は、録音を聞き直せば同じところに出てきます。

IELTS学習アプリ スピーキングAI添削 話した回答の文法と不自然な表現を指摘します。be動詞でつないだ文がどこに出ているかを確かめるのにも使えます。

07よくある質問

We were the same team. は文法の誤りですか

語順や時制に崩れはありませんが、be動詞で結んだ両側が等号にならないため、英語の文としては成立していません。we が指しているのは人で、the same team が指しているのはチームです。We were on the same team. のように所属を示す前置詞を足すと意味が合います。

be動詞を使わないほうがよいということですか

そうではありません。主語と補語が等号で結べるときは、be動詞がいちばん自然な形です。This city is crowded. も He is my friend. もそのままで問題ありません。避けたいのは、等号で結べないものを両側に置く形だけです。

前置詞が1語抜けているだけでも試験官には伝わらないのですか

文脈があるので、内容そのものは伝わります。ただ、スピーキングではいろいろな形を正確に使えるかどうかも見られています。同じ癖から出てくる形なので、1文だけでなく回答全体に散らばることが多く、そこが目立ちます。

「彼は気難しい」は He is difficult. でよいですか

英語として成り立つ文なので、誤りではありません。ただ、人を difficult と言うと、一緒にいて骨が折れる相手だという評価に寄ります。注文が多い、機嫌が変わりやすいという意味なら、He is hard to please. や He gets annoyed over small things. のほうが意図どおりに届きます。

話している途中で気づいたら、言い直したほうがよいですか

気づいたときに1回言い直す程度なら、そのまま続けて問題ありません。言い直したこと自体でスコアが決まるわけではないからです。同じ文を何度も作り直すと流れが途切れるので、直すのは1回にして先へ進むほうが得です。

日本語で考えるのをやめれば解決しますか

この癖は、日本語の助詞が話題や場所も示せることから来ているので、日本語を経由しない練習だけで消えるものではありません。名詞で終わる日本語に気づいて、動詞か前置詞を入れるという手を持っておくほうが確実です。

ライティングでも同じことが起きますか

起きます。むしろ書いているときのほうが、日本語で一度考えてから英語にする時間があるぶん、日本語の形が残りやすくなります。書き終えたあとに、be動詞でつないだ文を拾って両側が等号になっているかを確かめると見つかります。

どこから練習すればよいですか

自分の回答を録音して書き起こし、is、are、was、were を数えるところから始めるとよいでしょう。そのうち等号で結べていない文が、直す対象になります。よく話すトピックから順に直していくと、本番で出てくる形が減ります。

08まとめ

We were the same team. も The top of the mountain is snow. も Mt Fuji is heavy snow. も、出どころは同じです。日本語の「は」が話題を示す助詞であって、イコールの印ではないということが、英語にするときに抜け落ちています。1文ずつ覚え直すより、日本語の述語がどうなっているかを見る習慣を持っておくほうが早く進みます。

  • 日本語の「は」「が」は、話題、場所、時、判断の対象も示す。その前に来ている語が英語の主語になるとは限らない
  • 所属、位置、出身、関係は、前置詞1語で表す。be動詞はそのまま残し、うしろに前置詞句を置く
  • 日本語の述語が名詞で止まっているときは、動詞を1つ探す。have、go、work、take、get で足りることが多い
  • 形容詞1語で収めず、hard to please のように条件まで言う。difficult のような語は、1語だと別の評価として受け取られることがある
  • 前置詞でも動詞でも収まらないときは主語を取り直す。述語を先に決めると、主語が決まる
  • 自分の回答を録音して is、are、was、were を数え、等号で結べていない文を拾う

日本語と英語では、情報の入れ方が違います。日本語で自然に言えている内容ほど、そのまま運ぶと英語の側で形が崩れます。所属なのか、状態なのか、行動なのかを見分けて言い直せるようになると、be動詞でつないだだけの文は自然に減っていきます。

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Hibiki Takahashi

この記事を書いた人

Hibiki Takahashi

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