公式問題集を1冊解き終えたあと、知らなかった語をどこまで覚えればよいのか迷うかもしれません。この記事では、Cambridge IELTS で出会った語を、いつ開いて、どこまで覚えるのかを解説します。
巻ごとの語彙リストは別の記事にまとめてあります。ここでは、どの巻を解いたときにも共通する使い方だけを扱います。
01語彙リストを開くのは、問題を解いたあとです
語彙リストは、問題を解く前ではなく、解いたあとに開くものです。先に語を覚えてしまうと、本番と同じ条件で読む練習になりません。本番では辞書も単語リストも使えないので、知らない語がある状態のまま60分を組み立てる練習そのものが、模擬試験の目的になります。
開く順番は、解く、答え合わせをする、解説を読む、そのあとに語彙リストを開く、の4段階です。この順で開くと、間違えた設問と知らなかった語が結びつきます。先に語彙リストを見てから解説を読むと、どの語が実際に失点につながったのかが分からなくなります。
「読めなかった」には2種類あります
解き終えたあとに残る「読めなかった」という感覚は、中身が2つに分かれます。語を知らなかったのか、語は知っていたのに設問と本文を結びつけられなかったのかです。語彙リストが直接役に立つのは前者です。後者は、語は知っているのに設問と本文を結びつけられていない状態なので、覚える語を増やすだけでは解決しません。
語彙リストを上から眺めて、意味が出てこなかった語がほとんどなかったのに正答数が伸びていないなら、語彙が原因とは考えにくくなります。その場合は照合の練習に切り替えるほうが早く進みます。
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021巻ぶんの語を、全部覚える必要はありません
1冊から拾える語は200語前後ありますが、全部を同じ深さで覚える必要はありません。覚える深さは3段階に分かれます。読んで意味が分かればよい語、自分でも書けるようにしたい語、綴りまで正確に要る語です。
| 種類 | 語の例 | どこまで覚えるか |
| 読めればよい語 | evaporator coil、pectoral flippers のような専門的な語 | 意味だけ。その分野の文章を読むときに思い出せれば十分 |
| 自分でも使いたい語 | precarious、intrinsic、mitigation のような分野を問わず出てくる語 | 意味に加えて、どんな名詞と一緒に使うかまで |
| 綴りまで要る語 | 本文中の語を使って自分で答えを書く設問で出てきた語 | 意味と綴り |
この3つを分けずに全部を同じように覚えようとすると、200語の前で手が止まります。リーディングで出会う語の大半は1段階目で、専門的な語ほど、使われる分野が限られる傾向があります。
2段階目に入れる語は多くありません。程度・変化・評価を表す語が中心で、ライティング・タスク2でもそのまま使えます。読んで分かる状態から自分で書ける状態に移すには、意味を覚えるのとは別の練習が要ります。
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03知らない語に出会ったとき、推測するかどうかをどう決めるか
本文で知らない語に出会ったら、その語が設問に関わっている箇所かどうかで、推測するかを決めます。設問文と照合すべき位置にある語なら前後から推測する価値がありますが、そうでなければ飛ばして先へ進んで問題ありません。
推測は時間を使います。60分で40問を解くので、単純計算でも1問あたり約1分30秒しかありません。1つの語に30秒かけると、1問に使える時間の3分の1を使ってしまいます。飛ばす判断を先にできるかどうかで、最後のパッセージに残る時間が変わります。
語彙を増やす目的は、推測に使う時間と負荷を減らすことにあります
知らない語を全部その場で推測できるようになるのが目標ではありません。知っている語が増えれば、推測する必要そのものが減ります。語彙リストで覚えた語が次の試験で出てこなくても、同じ分野の語に慣れていれば、立ち止まる回数は減っていきます。
時間配分を見直すことも大切ですが、推測で立ち止まる回数が多いままでは、パッセージ3で時間が足りなくなる状態は変わりません。まずは、知らない語で止まる回数を減らすところから始めましょう。
04綴りまで覚える必要があるのはどの語か
綴りを覚える必要があるかどうかは、設問の形式で決まります。選択式、True・False・Not Given、見出し照合では、答えとなる語を自分で書き出す必要がないため、語の綴りは採点に関わりません。
一方、文完成、要約完成、表やフローチャートの完成のように、本文中の語を使って自分で答えを書く形式では、答えの綴りも採点に関わります。答え合わせのときに、この形式で出てきた語だけを拾って綴りも一緒に確認しておきましょう。
この形式には語数制限も付きます。答えの語数が指示を超えていると、綴りが正しくても正解になりません。
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05分野別に整理しておくと、次の巻で何が変わるのか
Academic Reading が扱う分野には、巻をまたいで繰り返し出てくるものがあります。生物の保全、気候変動、技術史、心理学がその代表です。1巻ぶんの語を分野別に整理しておくと、次の巻で初めて読む文章でも、分野ごとの語のかたまりが先に見えるようになります。
同じ語がまた出るわけではありません
このシリーズで扱っている語彙データで13巻から20巻までの8冊を突き合わせたところ、2026年8月24日時点で、のべ1,605語に対して実数は1,482語でした。2冊以上に出てくる語は106語にとどまります。1冊で覚えた語が、次の1冊にそのまま出てくるケースは限られています。だからこそ、1冊ごとの暗記リストとしてではなく、分野ごとの語彙として積み上げていくことに意味があります。
それでも分野別に整理する意味はあります。8冊を通して積み上がるのは、語そのものより分野ごとの読みやすさだからです。保全を扱う文章を1本読んでおけば、個体数が減る過程を表す語と、守る側の活動を表す語が対になって出てくるという構造に慣れます。次の巻で違う動物が出てきても、文章の組み立て方は同じです。
語を1つずつ数えて覚えた量を測ると、8冊で1,482語という数字だけが残ります。分野ごとにまとめて眺めておくほうが、次の1冊を読むときの負担は軽くなります。
06マッチングクイズの使い方
巻別の語彙リストには、分野ごとにマッチングクイズを付けてあります。表を読んだ直後に、そのセクションの5語だけを確認する使い方を想定しています。
選択肢には、同じリストに載っている別の語の意味がダミーとして混ざります。表を眺めただけで分かったつもりになっていた語は、似た意味の選択肢が並んだところで手が止まります。シャッフルを押すと並び順が変わるので、位置で覚えてしまったときはもう一度やり直せます。
全問そろっても、その場で正解できたというだけです。日を空けてもう一度開いて、同じところで止まるかどうかを見ると、覚え直しが要る語が絞れます。
08よくある質問
語彙リストは問題を解く前に見てもよいですか
解いたあとに開くことをおすすめします。先に語を覚えてしまうと、本番と同じ条件で読む練習になりません。解く、答え合わせをする、解説を読む、語彙リストを開く、の順にすると、間違えた設問と知らなかった語が結びつきます。
1冊ぶんの語を全部覚える必要がありますか
全部を同じ深さで覚える必要はありません。読んで意味が分かればよい語、自分でも書けるようにしたい語、綴りまで正確に要る語の3段階に分かれます。専門的な語ほど1段階目で、その分野の文章を読むときに思い出せれば十分です。
本文で知らない語に出会ったら、その場で推測すべきですか
設問に関わっている箇所かどうかで決めます。設問文と照合すべき位置にある語なら前後から推測する価値がありますが、そうでなければ飛ばして先へ進んで問題ありません。1つの語に30秒かけると、1問に使える平均時間の3分の1を使ってしまいます。
綴りまで覚える必要があるのはどんな語ですか
本文中の語を使って自分で答えを書く形式で出てきた語です。文完成、要約完成、表やフローチャートの完成がこれにあたります。選択式や True・False・Not Given では答えとなる語を自分で書き出さないので、綴りは採点に関わりません。
1冊で覚えた語は、次の巻でも出てきますか
そのまま出てくるケースは限られています。13巻から20巻までの8冊を突き合わせたところ、2026年8月24日時点で、2冊以上に出てくる語は106語にとどまりました。8冊を通して積み上がるのは、語そのものより分野ごとの読みやすさです。
語彙リストを見ても知らない語がほとんどないのに、正答数が伸びません
語彙が原因とは限りません。語は知っているのに設問と本文を結びつけられていない状態であれば、覚える語を増やしても変わりません。言い換えを見抜く練習に切り替えるほうが早く進みます。
マッチングクイズで全問そろえば、その語は覚えたと考えてよいですか
その場で正解できたというだけです。日を空けてもう一度開いて、同じところで止まるかどうかを見ると、覚え直しが要る語が絞れます。シャッフルを押すと並び順が変わるので、位置で覚えてしまったときはやり直せます。
09まとめ
公式問題集で出会った語をどう扱うかは、覚える量より、いつ開いて、どこまで覚えるかで決まります。
- 語彙リストは、解く、答え合わせ、解説の確認が終わったあとに開く
- 読めればよい語、自分で書けるようにしたい語、綴りまで要る語の3段階に分ける
- 本文で知らない語に出会ったら、設問に関わる位置かどうかで推測するかを決める
- 文完成・要約完成のように自分で書いて答える形式で出た語は、綴りも一緒に確認する
- 知らない語がほとんどないのに正答数が伸びないときは、言い換えの練習に切り替える
- 日を空けてマッチングクイズを開き直し、同じところで止まる語を絞る
分野ごとの語のかたまりに慣れてきたら、その文章がどこから取られているのかも知っておくと、苦手な分野を問題集の外でも補えます。
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