夏休み☆WS強化キャンペーン ライティング/スピーキングサミット 授業料20% OFF
8月19日(水)23:59まで
--
:
--時間
:
--
:
--
クーポンコード WS20
料金・プラン 講師 合格者の声 無料IELTS学習相談 お問い合わせ ログイン
リスニング

イギリス発音に慣れるには何をすればいいか:IELTSリスニングで聞き取れない原因を3つに分ける

執筆:高橋 響 公開日:

学校の授業や市販の教材で聞き慣れてきたアメリカ英語と、IELTSのリスニングで流れる音声は、音の印象がかなり違います。スピードは変わらないのに単語の切れ目が急に分からなくなり、あとからスクリプトを見ると全部知っている単語だった、ということが起こります。

ただ、この現象は「イギリス英語だから」の一言では片づきません。音そのものが違う場合と、単語の読み方が違う場合と、使う語そのものが違う場合では、やるべき練習がまったく別だからです。必要なのはイギリス英語を大量に浴びることではなく、聞き取れなかった箇所がどの原因だったのかを分類することです。分類できれば、次に何を練習すればよいかが決まります。この記事では、その3つの分け方と、それぞれへの対処を整理します。

01IELTSのリスニングでイギリス発音はどのくらい出るのか

IELTSのリスニングはイギリス発音だけで作られているわけではありません。IELTS公式サイト(ielts.org)のリスニングのテスト形式のページには、使われる発音について次のように書かれています(2026年8月14日時点)。

ielts.org

Different accents, including British, Australian, New Zealand and North American, are used.

イギリス、オーストラリア、ニュージーランド、北米の発音が使われる、という説明です。イギリス発音は中心のひとつではあっても、唯一ではありません。話者の発音はパートによって変わることがあります。どのパートがどの国の発音か、と当たりを付けて準備するのではなく、複数の発音に対応できる状態にしておくほうが確実です。

それでもイギリス発音だけ特別に難しく感じる理由

日本で英語を学んできた人の中には、アメリカ英語の音声を中心に聞いてきた人が少なくありません。中学と高校の教科書の音声、電子辞書、英会話アプリ、字幕付きで見てきた作品を思い返すと、イギリス英語をまとまった量で聞く機会は多くなかったかもしれません。つまり聞き取れないのは英語力が足りないからではなく、入力が片側に偏ったまま来ているからです。原因が偏りである以上、必要なのは英語を聞く量を増やすことではなく、偏っている側を足すことです。

オーストラリア英語とニュージーランド英語は、Rを響かせない点や母音の一部でイギリス英語と共通しています。イギリス発音に耳が当たるようになると、この2つも同時に楽になります。一方で、短い母音の位置はこの2つで動くので、イギリス発音に寄せきってしまうと話者が変わったときに崩れます。この差は3-3で扱います。

02「イギリス発音に慣れない」の正体は3つに分かれる

聞き取れなかった箇所をスクリプトと突き合わせるとき、まずは次の3つに分けて考えると、次にやることを決めやすくなります。この分け方が効くのは、3つで解決の手段も、効果が出るまでの時間もまったく違うからです。

原因どういう状態か解決する手段
音そのものが違う音は聞こえているが、知っている単語の形に結びつかない英音を聞く量を積む。数週間から数か月かかるwater、car、can't
単語の読み方が違う知っている単語が知らない音で流れ、初めて聞く語だと思う語ごとに覚える。覚えた日から効くschedule、advertisement
使う語が違う音は取れているが、その語自体を知らない語彙として覚える。覚えた日から効くcar park、chemist

聞き取れない理由はこの3つに限りません。語がつながって形が変わる、弱く読まれた語が消える、集中が切れて数語ぶん飛ぶ、といったことも起こります。それでも、この3つに仕分けてみると復習の手が決まりやすくなります。実際、多くの人は「慣れるまで聞き込む」という1本の方法で3つ全部を解こうとします。ところが2つ目と3つ目は、どれだけ聞き込んでも自然には解決しません。読み方を知らない語は、ただ聞き続けるだけでは音と結びつきにくいままですし、car park を知らなければ音が完全に取れていても解答欄は埋まりません。

逆に言えば、2つ目と3つ目は覚えれば当日から効きます。時間がかかるのは1つ目だけです。先に短期で終わる2つを片づけてから、残った時間を音の慣れに使うほうが、スコアの動きは早く出ます。

03音そのものが違う場合:Rの扱いと母音の響き

イギリス英語で日本人学習者の聞き取りに影響が出るのは、Rの扱いと、いくつかの母音の響きです。数としては多くないので、対応関係を先に頭に入れてから聞くと、慣れるまでの時間が縮みます。

語の例アメリカ英語イギリス英語聞き取りで起きること
car、park、first、teacher Rが響く。car /kɑːr/、teacher /ˈtiːtʃər/Rの音は出ず、前の母音が伸びる。car /kɑː/カー、teacher /ˈtiːtʃə/ティーチャ語末の -er が /ə/ になり、聞き落としやすい
ask、class、can't、example 短い /æ/。can't /kænt/キャント長い /ɑː/。can't /kɑːnt/カーントcan と can't の差が母音の側に出る
hot、job、possible /ɑː/ 寄り。hot /hɑːt/ハート唇を丸めた短い /ɒ/。hot /hɒt/ホット日本語の「オ」に近く、むしろ取りやすくなる
go、home、no、road /oʊ/。home /hoʊm/ホウム/əʊ/。home /həʊm/ホゥム。出だしが力の抜けたあいまい母音になる短い語ほど輪郭が薄く、聞き落としやすい

3-1 Rは、うしろに母音が来るときだけ聞こえる

標準的なイギリス英語の多くのアクセントでは、語末や子音の前のRは発音されません。Rが音として出るのは、うしろに母音が来るときです。Rが消えた分だけ、前の母音が伸びます。car は /kɑː/カー、park は /pɑːk/パーク、teacher は /ˈtiːtʃə/ティーチャ、water は /ˈwɔːtə/ウォータ という形です。

この一点だけを取れば、日本人にはむしろ有利です。カタカナの「カー」「ウォーター」「ティーチャー」はもともとRを響かせないので、音の形としては近いところにあります。

問題が出るのは、語と語がつながるところです。つづりにRがある語のうしろに母音で始まる語が来ると、消えていたRが音として出て、次の語の頭にくっつきます。linking R と呼ばれる現象です。

far away /fɑːr əˈweɪ/ファーラウェイ

four o'clock /fɔːr əˈklɒk/フォーロクロック

more information /mɔːr ɪnfəˈmeɪʃn/モーリンフォメイション

after all /ˈɑːftər ɔːl/アーフタロール

これとは別に、つづりにRが無い語のあとにもRのような音が入ることがあります。こちらは intrusive R と呼ばれ、話し手によって出方が変わります。law and order が /lɔːr ənd ˈɔːdə/ローランドーダ、the idea of it が /ði aɪˈdɪər əv ɪt/ジアイディアロヴィット のように響く例です。

2つの違いはつづりにRがあるかどうかですが、聞いている側にはどちらも同じ音として届きます。つまり、聞こえたRを手がかりに単語を探しても当たりません。イギリス英語ではRの有無が単語を見分ける材料にならない、と割り切っておくほうが安全です。

なお、intrusive R を自分で使えるようになる必要はありません。IELTS対策としては、聞こえても驚かない程度に知っておけば足ります。

3-2 can と can't は、tではなく母音で見分ける

ask、class、staff、after、dance、example、path、chance、half、can't。これらはアメリカ英語では短い /æ/ ですが、イギリス英語では長い /ɑː/ になります。この差がいちばん実害として出るのが can と can't です。

語末にtが聞こえるかどうかだけで見分ける否定の t は次の子音に埋もれて弱くなることがあり、手がかりとしては不安定。判断できないまま次の設問に進むことになる

母音の長さと質を先に見て、tは補助にするcan は弱く短い /kən/クン、can't ははっきり長い /kɑːnt/カーント。差が大きいので、知っていれば取れる

肯定文の can はふつう強く読まれないので、母音が弱いあいまいな音までつぶれます。否定の can't は弱まらないため、母音が長いまま残るのが基本の形です。語末の t も、うしろが母音なら聞こえることがありますが、子音が続くと弱くなるので、そこだけを頼りにすると判断が揺れます。

ただし、実際の発話では強勢の置き方、前後の音、文の末尾かどうかによっても聞こえ方が動きます。t だけを手がかりにせず、母音の違い、強勢、文脈を合わせて判断する、という構えにしておくのが確実です。ここは知識に変えておけば、慣れを待たずに取れるようになる箇所です。

3-3 オーストラリア英語とニュージーランド英語では、短い母音の位置がずれる

Rを強く響かせない点は、オーストラリア英語とニュージーランド英語の一般的なアクセントでも同じです。3-1で見たことはそのまま使えます。この2つで差が出るのは、短い母音がどの位置で発音されるかです。

語の例イギリスでよく聞く響きオーストラリアでよく聞く響きニュージーランドでよく聞く響き
pin、fish、chips/ɪ/。fish /fɪʃ/フィッシュ/ɪ/。イギリスに近い中央のあいまい母音 /ə/ に近づき、fish がフシュのように響く
pen、bed、ten/e/。pen /pen/ペン/e/。イギリスに近い上がって /ɪ/ に近づき、pen がピンのように響く
have、bad、cat/æ/。have /hæv/ハヴ/æ/。イギリスに近い上がって /e/ に近づき、have がヘヴのように響く
ear と air、beer と bear/ɪə/イア と /eə/エア を言い分ける言い分ける/ɪə/ 寄りに近づき、ほぼ同じに響く話者が多い
day、eight、say/eɪ/。day /deɪ/デイ出だしが下がって /æɪ/ に近づき、話者によっては die /daɪ/ダイ に近く響くオーストラリアに近い

ニュージーランド英語は、母音が併合しているのではなくずれている

表のカタカナは、日本語話者の耳にどう届くかを書いたものです。ここで取り違えやすいのが、pen が pin に聞こえるという現象の中身です。ニュージーランド英語は短い母音の音質がほかの変種と大きく違い、have、pen、pin の母音がそれぞれ別の位置に寄ります。全体としては、have が pen のほう、pen が pin のほう、pin が中央のほうへ動く傾向です。3つとも動いているので、話者本人の中では pin と pen は別の音のままです。同じ音になってしまっているわけではありません。

つまり、聞き取れないのは相手が言い分けていないからではなく、こちらが母音の絶対的な位置で単語を決めようとしているからです。ここから引き出せる構えは、ニュージーランド英語に限りません。母音がどこにあるかではなく、その話者の中で他の母音とどう離れているか、そして文の中でどちらの語なら意味が通るかで決める、という聞き方です。話者が変わるたびに必要になるので、豪州とニュージーランドの音源は、この構えを作る練習台として使えます。

なお、どの国の話者かを当てる設問はIELTSにはありません。聞き分けられるようになる必要はなく、母音の位置がずれても同じ単語だと分かれば足ります。

04単語の読み方が違う場合:知っている語が知らない音で流れる

スクリプトを確認したときに「この単語だったのか」と驚くタイプの聞き落としは、耳の問題ではなく読み方の知識の問題です。強勢の位置が違う語や、つづりの読み方そのものが分かれる語は、その読み方を知るまで音と結びつかないので、聞き込みでは解決しません。

次の表は、どちらの地域でよく聞くかという傾向をまとめたものです。イギリスならこの読み方、アメリカならこの読み方、という二択ではありません。同じ地域の中に複数の読み方があり、どちらも普通に使われる語も含まれています。二択として暗記するのではなく、自分が知らなかったほうの読み方を足していく、という使い方が向いています。

単語イギリスでよく聞く読み方アメリカでよく聞く読み方メモ
schedule /ˈʃedjuːl/シェジュール/ˈskedʒuːl/スケジュール出だしの子音から違う。イギリスでも /ˈskedʒuːl/ は使われる
advertisement /ədˈvɜːtɪsmənt/アドヴァーティスメント/ˈædvərtaɪzmənt/アドヴァタイズメント強勢の位置が違うのでリズムが合わない
garage /ˈɡærɑːʒ/、/ˈɡærɪdʒ/ギャラージ、ギャリッジ/ɡəˈrɑːʒ/ガラージュ住居や施設の説明で出る
laboratory /ləˈbɒrətri/ラボラトリ/ˈlæbrətɔːri/ラブラトーリ強勢の位置が3音節ぶんずれる
research(名詞) /rɪˈsɜːtʃ/リサーチ/ˈriːsɜːrtʃ/ のことが多いリーサーチ大学の会話やパート4で頻出
mobile /ˈməʊbaɪl/モウバイル/ˈmoʊbl/モウブル連絡先を伝える場面で出る
leisure /ˈleʒə/レジャ/ˈliːʒər/リージャー施設案内、余暇の話題
vitamin /ˈvɪtəmɪn/ヴィタミン/ˈvaɪtəmɪn/ヴァイタミン健康や食事の話題
privacy /ˈprɪvəsi/プリヴァシー/ˈpraɪvəsi/プライヴァシーイギリスでも /ˈpraɪvəsi/ は使われる
route /ruːt/ルート/ruːt/、/raʊt/ルート、ラウト道順や交通の設問
herb /hɜːb/。h を発音するハーブ/ɜːrb/。h を発音しないアーブ食材や園芸の話題
either、neither /ˈaɪðə/、/ˈnaɪðə/アイザ、ナイザ/ˈiːðər/、/ˈniːðər/イーザー、ニーザーどちらの読み方も両方の地域で使われる

発音記号は代表的な形を示したもので、添えたカタカナは目安です。カタカナでは表せない差があるので、単語の横のスピーカーのアイコンから Cambridge Dictionary のページへ移動して、UKとUSの音声を続けて聞いてみてください。自分がどちらの読み方しか知らなかったかが、その場で分かります。

4-1 -ary、-ory の弱まりで単語のリズムが変わる

単語ごとに覚えるしかないものが多い中で、まとまった傾向として扱えるのがこの語尾です。話者や単語によって語尾の母音は弱くなりますが、とくにイギリス英語では -ary の部分の母音が弱く、単語全体が短く聞こえることがあります。アメリカ英語で /e/ をはっきり出して読む語ほど、差が大きく出ます。

library US /ˈlaɪbreri/ライブレリー UK /ˈlaɪbrəri/、/ˈlaɪbri/ライブラリ、ライブリ

secretary US /ˈsekrəteri/セクレテリー UK /ˈsekrətri/セクレトリ

ordinary US /ˈɔːrdneri/オーディネリー UK /ˈɔːdnri/オードナリ

dictionary US /ˈdɪkʃəneri/ディクショネリー UK /ˈdɪkʃənri/ディクショナリ

laboratory US /ˈlæbrətɔːri/ラブラトーリ UK /ləˈbɒrətri/ラボラトリ

とくに library は縮み方が大きく、/ˈlaɪbri/ の2音節で流れることがあります。キャンパスの案内や開館時間の説明で繰り返し出てくる語なので、3音節のつもりで待っていると、そこだけ意味が抜けます。縮み方は語によっても話し手によっても違うので、対応を1対1で覚える意味はあまりありません。押さえておきたいのは、語尾が弱まる分だけ単語全体のリズムが変わる、という点です。頭の中で necessary を /ˈnesəseri/ネセセリー の強い4拍として探していると、後ろが軽く流れた同じ語を素通りします。長い語ほどリズムで当たりを付けて聞いているので、この語尾のずれは影響が大きくなります。

05使う語が違う場合:解答用紙に書く単語が変わる

音は取れているのに空欄が埋まらないときは、その語自体を知らないことが原因になっている場合があります。リスニングの解答は聞こえた語をそのまま書く形式なので、ここは知識がそのまま点数になります。パート1とパート2は大学の窓口、住まい探し、施設の案内といった生活寄りの場面が中心で、地域によって言い方が分かれる語が集まっている領域でもあります。

次の表の左側は、イギリスだけの語ではありません。car park、chemist、timetable、lift、queue、rubbish はオーストラリアやニュージーランドでも普通に使われます。左側は「イギリス英語」ではなく、英国や豪州などでよく使われ、北米では別の語がよく使われる表現、と捉えておくほうが実態に合います。

イギリス・豪州などでよく使う語北米でよく使う語意味出てくる場面
ground floor / first floorfirst floor / second floor1階/2階地図問題、館内の案内
car parkparking lot駐車場施設の説明、道案内
chemist'sdrugstore、pharmacy薬局道案内、生活情報
timetableschedule時間割、時刻表授業や交通の説明
flatapartment集合住宅の一戸住まい探しの会話
halls of residencedormitory学生寮大学の案内
canteencafeteria食堂キャンパスや職場の案内
notice boardbulletin board掲示板連絡方法の説明
termsemester学期大学の制度説明
queueline列、並ぶこと受付や窓口の説明
liftelevatorエレベーター館内の案内
post codezip code郵便番号申込書の記入
CVresume履歴書応募や面接の会話
rubbishgarbage、trashごみ寮や住まいのルール説明

階の数え方は1つずれる

この中で取り違えが起きやすいのが階の呼び方です。地上階を ground floor と呼び、その上の階が first floor になります。日本でいう1階に当たるのが ground floor、2階に当たるのが first floor です。地図やフロア案内の設問で「受付は first floor にあります」と流れたとき、日本語の感覚で1階を選ぶとずれます。これはイギリス式の数え方で、豪州やニュージーランドでも同じです。解答としては聞こえた語をそのまま書けば足りるので、話者の国を当てる必要はありません。ただし地図やフロア案内で位置を追う設問では階を数え直すことになるので、対応関係だけは先に押さえておくと迷いません。

5-1 つづりは英米どちらで書いても正解になる

同じ意味・同じ用法の語で英米のつづりが分かれる場合は、どちらで書いても正解になります。イギリス式とアメリカ式のどちらを使ってもスコアには影響しない、というのが公式の説明です。colour と color、centre と center、organise と organize は、どちらで書いても構いません。

  • colour / color、favourite / favorite、neighbour / neighbor(-our と -or)
  • centre / center、theatre / theater、metre / meter(-re と -er)
  • organise / organize、recognise / recognize(-ise と -ize)
  • travelling / traveling、cancelled / canceled(子音を重ねるかどうか)
  • programme / program、catalogue / catalog、enrol / enroll(語末の形)
  • defence / defense(-ce と -se)。なお licence と license は、イギリス式では名詞と動詞でつづりを書き分けるので、単純な言い換えにはならない
  • cheque / check(小切手の意味のときの対応。確認するという意味では両方とも check)

ただし、選んだほうのつづりとして正しく書けていなければ正解になりません。リスニングとリーディングは正誤で採点されるので、つづりが1文字違えばその解答は不正解として扱われます。求められているのは英米のどちらに寄せるかではなく、書いたつづりが正しいことです。答案の中で colour と center が混在していても、それ自体が問題になるわけではありません。ふだんの練習でどちらかに統一しておくと、試験中にどちらだったかで迷う時間が減ります。

リスニング スペルミスで失点しないために:起きやすいパターンと頻出単語リスト

06イギリス発音に慣れるために何をすればいいか

やることの順番は、02節で分けた3つの原因がそのまま決めてくれます。読み方と語彙という短期で終わるものを先に片づけ、時間のかかる音の慣れは毎日の短い枠で当て続ける、という順番です。

ステップすること確かめること
1 辞書のUK音声を聞く癖をつける単語を調べるたびにUKの音声を1回鳴らして、口の中でまねる。Cambridge DictionaryやOxford Learner's DictionariesはUKとUSの音声を並べて表示する。04節の表のアイコンからも同じページへ移動できる強勢の位置がUSとずれていないか。ずれていた語だけをメモに残す
2 読み方が違う語のリストを作る04節の表の語を自分のリストに移し、聞き取れなかった語を1語ずつ足していく1週間後に、音だけを聞いてつづりが書けるか
3 1分の音源でディクテーションイギリス英語の音源を1分だけ使い、書き取ってから原稿と突き合わせる。数字、固有名詞、語末の -er のように短い単位から始める落とした箇所が音の問題か、語を知らなかったのかを分けて記録する
4 シャドーイングは差分だけに絞る全文を再現しようとせず、Rが消える箇所と /ɑː/ になる母音だけを意識して重ねる自分の音が英音に近づいたかではなく、次に聞いたとき同じ箇所を落とさないか
5 週に1回は豪州とNZの音源も混ぜるイギリス発音に寄せきらないよう、別の発音を短時間だけ入れる。3-3で見た pin、pen、have の母音がどこにあるかを意識して聞く母音の位置ではなく文脈で単語を決められているか

3つ目のディクテーションだけは、量ではなく毎日続くかどうかで効き方が変わります。目安として1日10分から15分の枠を確保し、同じ音源を2日か3日使い回すほうが、毎日新しい音源に手を出すより落とした箇所の傾向が見えます。分数そのものに根拠があるわけではないので、続けられる長さに調整して構いません。

IELTS学習アプリ スペリング強化 音声で流れる文の空欄を聞き取って入力する練習ができます。聞こえた音をつづりに変換するところだけを短時間で回せるので、ディクテーションの前後に挟むと落とした箇所が見つけやすくなります

6-1 どの音源を使うか

音源を選ぶときの基準は、原稿が手に入るかどうかです。書き取った結果を突き合わせられなければ、落とした箇所がそのまま残ります。

  • BBC Learning English:6 Minute English などに原稿が付いているので、突き合わせがそのままできる
  • British Council の LearnEnglish:学習者向けに話速が調整された音源が中心で、最初の1本に向く
  • BBC Radio 4 のニュースやドキュメンタリー:本番より速く感じる番組があり、負荷を上げる練習に向く。パート4の講義形式に近い長さも確保できる
  • 公式問題集の音声:話速も設問形式も本番と同じなので、仕上げの確認に使う
  • ドラマや映画:地域の方言や口語表現が強く出るぶん、試験対策としての優先順位は下がる。原稿のある教材で音と文字がつながってから混ぜる

6-2 自分の発音までイギリス英語にする必要はあるか

その必要はありません。スピーキングの採点基準(Band Descriptors)の Pronunciation が見ているのは、どの国の発音に近いかではありません。一つひとつの音の明瞭さ、語の強勢、リズム、イントネーション、意味のまとまりごとに区切る話し方を使って、聞き手が無理なく理解できるかどうかです。イギリス発音を身につけたからスコアが上がる、という関係にはなっていません。

むしろ、リスニングのために英音を聞き込んでいる時期に自分の発話も無理に寄せようとすると、単語ごとに読み方が混ざって不安定になることがあります。リスニングでは複数の発音を聞き分ける力を伸ばし、スピーキングでは特定の国の発音を再現することよりも、一つひとつの音を明瞭に出して相手に無理なく伝わることを優先する、と分けて考えておきましょう。

スピーキング 「発音が良い人ほど高得点」は誤解:IELTSスピーキングのPronunciationが本当に見ている力

07よくある質問

IELTSのリスニングはイギリス発音だけですか

いいえ。公式サイトの説明では、イギリス、オーストラリア、ニュージーランド、北米の発音が使われます。イギリス発音は中心のひとつであって唯一ではありません。話者の発音はパートによって変わることがあるので、特定の国の発音だけを想定して準備しないほうが安全です。

イギリス発音に慣れるにはどのくらいかかりますか

原因によって違います。単語の読み方と語彙の違いは、覚えた日から効きます。音そのものへの慣れは個人差が大きいものの、目安としては1日10分から15分のディクテーションを続けて数週間から数か月です。先に短期で終わるほうを片づけると、体感の変化が早く出ます。

アメリカ英語で勉強してきたことは無駄になりますか

なりません。文法も語彙も大部分は共通です。違うのは発音の一部と、読み方が分かれる一部の単語と、生活まわりの語彙の一部だけです。やり直すのではなく、差が出るところを足していく形になります。

解答はイギリス式のつづりで書かないといけませんか

いいえ。イギリス式でもアメリカ式でも正解になります。求められているのは、書いたつづりが正しいことだけです。答案の中で colour と center が混在していても、それ自体が問題になるわけではありません。ふだんの練習でどちらかに統一しておくと、試験中に迷う時間が減ります。

can と can't はどう聞き分ければいいですか

語末のtだけを探すのではなく、母音を先に見ます。イギリス英語では can は弱く短い /kən/ になり、can't は長い /kɑːnt/ になります。否定のtはうしろに子音が続くと弱くなり手がかりとして不安定なので、母音の長さで判断し、tは補助として使うと安定します。

1階は first floor ではないのですか

地上階を ground floor と呼び、その上の階が first floor になります。日本でいう1階に当たるのが ground floor、2階に当たるのが first floor です。地図やフロア案内の設問では階の数え方が1つずれるので、位置を追うときに数え直すことになります。

オーストラリア英語とニュージーランド英語は聞き分けられるようになるべきですか

聞き分ける必要はありません。話者がどの国の人かを当てる設問はIELTSにないからです。必要なのは、母音の位置がずれても同じ単語だと判断できることです。ニュージーランド英語では have、pen、pin の母音がそれぞれ別の位置に寄るので、音の絶対的な位置ではなく文脈で単語を決める聞き方に切り替えると対応できます。

イギリス発音の練習はスピーキングのスコアにも効きますか

イギリス発音を身につけること自体は、スピーキングのスコアには結びつきません。Pronunciation の観点が見ているのは、どの国の発音に近いかではなく、どれだけ伝わるかと、発音の特徴をどれだけ幅広く使えるかです。聞くための練習と、自分の発話を安定させる練習は分けて考えるほうが効率的です。

ドラマや映画でイギリス英語に慣れるのは効果がありますか

効果はありますが、試験対策としての優先順位は下がります。作品では地域の方言や口語表現が強く出ることがあり、試験で流れる話し方とはずれる場面が出てきます。まずは原稿が公開されている教材で音と文字を突き合わせ、そのうえで慣らしの素材として混ぜると無駄が出ません。

08まとめ

イギリス発音への対処は、聞き込む量の問題ではなく、原因を分けられるかどうかの問題です。分けてしまえば、3つのうち2つは覚えるだけで当日から効きます。

  • 出る発音の範囲:イギリス、オーストラリア、ニュージーランド、北米。イギリスは中心のひとつであって唯一ではない
  • 聞き取れない原因は3つ:音そのもの、単語の読み方、使う語。解決の手段も、効くまでの時間も違う
  • 音:Rはうしろに母音が来るときだけ響く。can't や class の母音は長い /ɑː/ になる
  • 豪州とニュージーランドもRを強く響かせない。ニュージーランドは短い母音の音質が違い、pen や have が別の母音に近く聞こえる
  • 読み方:schedule、advertisement、garage、laboratory は強勢や音の形が分かれる。二択で覚えず、知らなかったほうを足す
  • -ary や -ory はイギリス英語で弱く発音され、語尾が軽くなる分だけ単語のリズムが変わる。library は /ˈlaɪbri/ まで縮むことがある
  • 語彙:ground floor、car park、chemist's、timetable など、北米以外で広く使われる語を知らないと解答欄が埋まらない
  • つづりは英米どちらでも正解。混在そのものは問題にならないが、練習段階でどちらかに統一しておくと迷わない
  • 練習の順番:読み方と語彙を先に、音の慣れは毎日10分から15分のディクテーションで
  • 自分の発音をイギリス英語にする必要はない。スピーキングで問われるのは明瞭さと伝わりやすさ

次に模擬試験の音声を聞くときは、聞き取れなかった箇所に印を付けて、あとから3つのどれだったかを書き添えてみましょう。読み方と語彙に印が集中しているなら、まだ耳の問題には入っていないということです。そこを埋めるだけで、同じ音源の聞こえ方が変わります。

夏休み☆WS強化キャンペーン ライティング/スピーキングサミット 授業料20% OFF
8月19日(水)23:59まで
--
:
--時間
:
--
:
--
クーポンコード WS20
無料IELTS学習相談

IELTSスコアのお悩みを、経験豊富なカウンセラーが無料でアドバイスします。

無料相談を予約する
Hibiki Takahashi

この記事を書いた人

Hibiki Takahashi

日本語で学ぶIELTS対策専門スクール『PlusOnePoint(プラスワンポイント)』創設者・代表。『英語ライティングの鬼100則』(明日香出版社)著者。1997年に大阪大学医学部を卒業後、麻酔科専門医として活躍。2012年渡豪時に自身が苦労をした経験から、日本人を対象にIELTS対策のサービスを複数展開。難しい文法・語彙を駆使するのではなく、シンプルな表現とアイデアで論理性・明瞭性のあるライティングを指導している。これまでの利用者は4,500名を超え、Twitterで実施した「12週間チャレンジ」では、わずか4週間で7.0、7週間で7.5など、参加者4名全員が短期間でライティングスコア7.0以上を達成(うち2名は7.5を達成)。「IELTSライティングの鬼」の異名を持つ。オーストラリア在住14年、IELTS 8.5(ライティング 8.0)、CEFR C2。

夏休み☆WS強化キャンペーン ライティング/スピーキングサミット 授業料20% OFF
8月19日(水)23:59まで
--
:
--時間
:
--
:
--
クーポンコード WS20

まずは無料相談で悩みをお聞かせください

IELTS講師があなたの目標達成までの最短ルートをご提案します。

無料相談を予約する