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ライティング・タスク2

learn と learn about の違い:科目全体を学ぶのか、トピックを知るのか

執筆:高橋 響 公開日:

learn と learn about は、どちらも「学ぶ」と訳せます。しかし英語では、体系的に習得するのか、特定のトピックについて情報を得るのかで、この2つがはっきり使い分けられています。learn history と learn about history は、どちらも正しい英語ですが意味が違います。この記事では、両者の判断基準を例文で整理し、科目名と組み合わせる場合の使い分けまで確認します。

01基本的な意味の違い

learn と learn about の最も重要な違いは、体系的に学ぶのか、特定のトピックについて知るのかという学習の範囲です。

基本的な意味

learn:〜を習得する、〜を体系的に学ぶ(スキル、科目、言語)

learn about:〜について学ぶ、〜の情報を得る(特定のトピックや事柄)

learn は、言語、楽器、スポーツ、科目など、体系的に学習して習得するものが目的語になります。学習の結果として「できるようになる」または「その分野の知識を身につける」ことを強調します。

一方、learn about は、特定の出来事、人物、事実など、あるトピックに関する情報や知識を得るというニュアンスを持ち、部分的な理解や情報収集に焦点を当てています。

02使い分けの判断基準

両者を使い分ける際に見るべきなのは、体系的・包括的に学ぶのか、特定のトピックについて知るのかという一点です。

観点learnlearn about
学習の範囲その分野全体を包括的にその中の特定のトピックを部分的に
目的語になるもの言語、スキル、技能、科目全体歴史的出来事、人物、概念、事実
学習の結果できるようになる、身につく情報を得る、知る
to不定詞が続く場合learn to do(〜する方法を身につける)この形はとらない

記憶のヒント

learn は「その分野全体を学ぶ」という包括性を表します。learn science なら、科学という科目を体系的に学ぶという意味になります。

learn about は「〜について知る」という部分性を表します。learned about photosynthesis なら、光合成という特定のトピックについて学んだという意味になります。

IELTS学習アプリ 表現の違いチェッカー 似た意味の2語を入力すると、使い分けとその根拠を返します。learn と learn about のように迷った組み合わせをその場で確認できます。

03具体例で理解する

learn を使う場合

Children learn a second language more easily than adults.

子どもは大人よりも容易に第二言語を習得します。

言語という体系全体を習得するため、learn を使います。言語全体を使えるようになるという包括的な習得を表しています。

She learned to play the piano at the age of five.

彼女は5歳でピアノを弾けるようになりました。

Students need to learn practical skills for the workplace.

学生は職場で使える実践的なスキルを習得する必要があります。

He is learning programming to advance his career.

彼はキャリアアップのためにプログラミングを学んでいます。

learn about を使う場合

Students learn about different cultures through exchange programs.

学生は交換留学プログラムを通じて、異なる文化について学びます。

こちらは、文化というトピックについての情報を得るという意味です。文化全体を習得するのではなく、部分的に知るという学習なので learn about を使います。

We learned about climate change in our science class.

私たちは理科の授業で気候変動について学びました。

Many people want to learn about their family history.

多くの人が自分の家族の歴史について知りたいと思っています。

The documentary helps viewers learn about wildlife conservation.

そのドキュメンタリーは視聴者が野生動物保護について学ぶのを助けます。

04科目名での使い分け

科目名を使う場合、この使い分けはとくに重要になります。科目全体を学ぶのか、その科目内の特定のトピックについて学ぶのかで決まります。

learn + 科目名

learn science、learn history のように科目名を直接続ける場合は、その科目を体系的に学ぶという意味になります。カリキュラムの一部として、その科目全体を学習することを表します。

Students learn science from elementary school.

学生は小学校から理科を学びます。

I learned history and geography in high school.

私は高校で歴史と地理を学びました。

Many children learn mathematics through practical activities.

多くの子どもは実践的な活動を通じて算数を学びます。

learn about + 科目内のトピック

learn about history のように about を挟む場合は、その科目内の特定のトピックや出来事について学ぶという意味になります。科目全体ではなく、部分的な学習を表します。

In history class, we learned about the Industrial Revolution.

歴史の授業で、私たちは産業革命について学びました。

Students learn about photosynthesis in biology.

学生は生物学で光合成について学びます。

We learned about World War II and its impact on society.

私たちは第二次世界大戦とその社会への影響について学びました。

同じ科目でも文脈で変わる

同じ科目名であっても、学習の範囲によって両方が使えます。どちらが正しいかではなく、何を言いたいかで決まります。

history の場合

Students learn history as part of their curriculum.学生はカリキュラムの一部として歴史を学びます(歴史という科目全体を体系的に学ぶ)

I want to learn about the history of ancient Egypt.私は古代エジプトの歴史について学びたいです(歴史の中の特定の時代について学ぶ)

science の場合

Children begin to learn science in primary school.子どもは小学校で理科を学び始めます(理科という科目全体を学ぶ)

The program helps students learn about environmental science.そのプログラムは学生が環境科学について学ぶのを助けます(理科の中の特定の分野について学ぶ)

medicine の場合

Medical students learn medicine for six years.医学生は6年間医学を学びます(医学という学問全体を学ぶ)

We learned about traditional Chinese medicine in our cultural studies class.私たちは文化研究の授業で中国伝統医学について学びました(医学の中の特定の分野について学ぶ)

05判断に迷いやすい例文

ここまでの判断基準を、実際に迷いやすい文で確認します。カッコ内が、その語を選ぶ理由です。

learn を選ぶ例

Many people learn a musical instrument as a hobby.多くの人が趣味として楽器を習っています(楽器を演奏できるようになるという技能の習得)

Students learn mathematics from an early age.学生は幼少期から算数を学びます(算数という科目全体を学ぶ)

I learned biology in high school and found it fascinating.私は高校で生物を学び、とても興味深いと思いました(生物という科目全体を学ぶ)

Children learn social skills through interaction with peers.子どもは仲間との交流を通じて社会的スキルを身につけます(能力の習得)

learn about を選ぶ例

In our class, we learned about the French Revolution.私たちの授業で、フランス革命について学びました(特定の歴史的出来事について学ぶ)

The workshop will help participants learn about effective communication strategies.そのワークショップは参加者がコミュニケーション戦略について学ぶのを助けます(戦略について知識を得る)

The documentary helped me learn about renewable energy sources.そのドキュメンタリーは再生可能エネルギー源について学ぶのに役立ちました(特定のトピックについて知る)

Students learned about the causes of World War I in their history lesson.学生は歴史の授業で第一次世界大戦の原因について学びました(特定のトピックについて学ぶ)

social skills と the causes of World War I を見比べると、違いがはっきりします。前者は身につけて使えるようになるもの、後者は知識として知るものです。目的語が「できるようになるもの」か「知る対象」かを見れば、ほとんどの場合は判断できます。

06よくある質問

learn と learn about は入れ替えて使えますか。

文法的にはどちらも成立しますが、意味が変わります。learn はその分野全体を体系的に習得すること、learn about はその中の特定のトピックについて情報を得ることを表します。同じ目的語でも、伝わる内容が別のものになるため、入れ替えは避けてください。

learn history と learn about history の違いは何ですか。

learn history は、歴史という科目をカリキュラムの一部として体系的に学ぶという意味です。learn about history は、歴史の中の特定の時代や出来事について学ぶという意味になります。古代エジプトの歴史について学びたい、という場合は learn about the history of ancient Egypt となります。

科目名なら必ず learn を使うのですか。

いいえ。同じ科目名でも、学習の範囲によって両方が使えます。science を例にすると、Children begin to learn science in primary school は科目全体、learn about environmental science は理科の中の特定の分野を指します。どちらが正しいかではなく、何を言いたいかで決まります。

言語について書くときはどちらを使いますか。

言語そのものを身につける話であれば learn です。Children learn a second language more easily than adults のように、言語という体系全体を使えるようになるという意味になります。learn about a language とすると、その言語の成り立ちや特徴について知る、という別の意味になります。

to不定詞が続く場合はどちらですか。

learn です。learn to do の形で「〜する方法を身につける」という意味になります。She learned to play the piano at the age of five がその例です。learn about はこの形をとりません。

スキルや技能の話ではどちらを使いますか。

learn です。スキルや技能は身につけて使えるようになるものなので、包括的な習得を表す learn が合います。Students need to learn practical skills for the workplace、Children learn social skills through interaction with peers がその例です。

learn about を使うと、浅い学習という否定的な意味になりますか。

なりません。learn about が表しているのは学習の質ではなく範囲です。特定のトピックに絞って情報や知識を得る、という部分性を示しているだけで、深く学んでいないという評価を含むわけではありません。

迷ったときは何を基準に決めればよいですか。

その対象を使えるようになるのか、その対象について知るのか、を考えてください。前者なら learn、後者なら learn about です。言語、楽器、スキル、科目全体は前者に、歴史的出来事、人物、概念、事実は後者になりやすい対象です。

07まとめ

  • learn は対象を体系的に習得して使えるようになること、learn about は対象について情報や知識を得ることを表す
  • 言語、楽器、スキル、科目全体には learn を使う
  • 歴史的出来事、人物、概念といった特定のトピックには learn about を使う
  • 科目名は両方と組み合わせられる。learn history なら科目全体、learn about history なら歴史の中の特定のトピック
  • to不定詞が続く learn to do の形をとれるのは learn だけ

迷ったときは、その対象を使えるようになるのか、その対象について知るのかを考えてください。この一点で、ほとんどの場合は決まります。

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Hibiki Takahashi

この記事を書いた人

Hibiki Takahashi

日本語で学ぶIELTS対策専門スクール『PlusOnePoint(プラスワンポイント)』創設者・代表。『英語ライティングの鬼100則』(明日香出版社)著者。1997年に大阪大学医学部を卒業後、麻酔科専門医として活躍。2012年渡豪時に自身が苦労をした経験から、日本人を対象にIELTS対策のサービスを複数展開。難しい文法・語彙を駆使するのではなく、シンプルな表現とアイデアで論理性・明瞭性のあるライティングを指導している。これまでの利用者は4,500名を超え、Twitterで実施した「12週間チャレンジ」では、わずか4週間で7.0、7週間で7.5など、参加者4名全員が短期間でライティングスコア7.0以上を達成(うち2名は7.5を達成)。「IELTSライティングの鬼」の異名を持つ。オーストラリア在住14年、IELTS 8.5(ライティング 8.0)、CEFR C2。

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