リスニングで数字を落としたとき、原因は「音が聞こえなかったこと」だと思いがちです。ただ、あとで音声を確認すると聞こえてはいた、というケースがかなりあります。実際に起きているのは、聞こえた音をどう書くかを決めるのに一瞬迷い、その間に次の情報が流れていくという状態です。
数字と日付は、書き方をあらかじめ決めておけば迷いが消える種類の情報です。この記事では、聞き分けの手がかりと、答案にどう書けばよいのかを合わせて整理します。
目次
数字は数詞でも算用数字でもよい
13と30を分ける手がかり
日付の言い方と書き方
電話番号とアルファベットの混在
金額・時刻・単位
大きな数・小数・割合
先読みで「何が入るか」を決めておく
よくある質問
まとめ
01 数字は数詞でも算用数字でもよい
まず前提の確認です。IELTSのリスニングでは、数字を算用数字で書いても、英語の数詞で書いても、どちらでも正解として扱われます。
にもかかわらず、本番になると fourteen と綴ろうとして手が止まる場面がよく起きます。綴りを間違えるリスクもあり、時間もかかります。数字はすべて算用数字で書く、と決めておくのが安全です。
この判断をあらかじめ済ませておくことに意味があります。試験中に「どちらで書こうか」と考える余地を残さないことが、次の情報を聞き逃さないための準備になります。
指示文の制限を確認する
ただし、書く前に指示文の制限を必ず確認してください。ONE WORD AND/OR A NUMBER のように指示に A NUMBER が入っていれば、数字は語数と別枠で1つ数えられます(14 は「1つの数字」、fourteen は「1語」)。一方、ONE WORD ONLY のように指示に A NUMBER が入っていない場合は、算用数字で書くことはできません。
02 13と30を分ける手がかり
もっとも失点につながりやすいのが -teen と -ty の聞き分けです。よく言われるのは強勢の位置ですが、これだけを頼りにすると本番で迷います。
手がかり -teen(13, 14, 15…) -ty(30, 40, 50…)
語末の音 /n/ の音で終わる /n/ がない。母音で終わる
強勢 後ろ寄り(fourTEEN) 前(FORty)
語末の長さ 長めにはっきり伸びる 短く弱く消える
いちばん確実なのは語末の /n/
強勢の位置は、実は文の中で動きます。fourteen は単独では後ろに強勢がありますが、うしろに名詞が続くと前に移ることがあります。強勢だけを手がかりにしていると、この移動で判断を誤ります。
一方、語末の /n/ は消えません。fourteen には必ず /n/ の音があり、forty にはありません。ここに注意を向けるほうが安定します。
アメリカ英語では t の音が変わる
アメリカ英語では forty の t が弾かれ、「フォーディ」に近い音になります。thirty も「サーディ」のように聞こえます。この音になっている時点で -ty 側だと判断できるので、逆に手がかりとして使えます。
最後は常識で確かめる
音で決めきれなかったときは、内容から絞ります。時給、部屋の広さ、参加人数、年齢など、常識的にありうる範囲は限られています。
The course fee is 50 pounds.(15ポンドか50ポンドか。他の講座の金額と比べる)
She has been teaching for 13 years.(30年だと年齢と合わないことがある)
ただしこれは最後の手段です。まずは語末の /n/ に注意を向けて聞く練習を重ねるほうが確実です。
03 日付の言い方と書き方
言い方は4通りある
the fourth of July(イギリスで一般的)
July the fourth
July fourth(アメリカで一般的)
the fourth of the seventh(月を数字で言う形)
4つ目の、月を数字で言う形(the tenth of the third なら3月10日)は、オーストラリアなどの日常会話で使われるものですが、実際の試験で出題されたこともあります。月が序数で読まれても日付だと気づけるように、頭に入れておきましょう。
音声でどの言い方が使われても、書くときの形は自分で決めておけます。
書き方は柔軟に認められる
日と月の両方が入っていれば、順番や序数の有無は問われません。
4 July
4th July
July 4
July 4th
どれでも構いませんが、毎回同じ形で書くと決めておくほうが速く手が動きます。
✗
4/7国によって日と月の順序が逆になるため避ける
月名の綴りは大文字で始める
月と曜日は固有名詞として扱われるので、頭文字を大文字にします。綴りを間違えやすいものは決まっているので、書けるようにしておくと安全です。
正しい綴り よくある誤り
February Febuary(r の抜け)
Wednesday Wenesday(d の抜け)
Tuesday Teusday(e と u の入れ替え)
August Augast
September Septmber
年号の読み方
音声 書く形
nineteen ninety-six 1996
two thousand and five 2005
twenty nineteen / two thousand and nineteen 2019
the nineteen nineties the 1990s
2000年代前半は two thousand and … の形が多く、2010年以降は twenty ten のように2桁ずつ読む形も使われます。どちらで読まれても算用数字で書けば同じです。
04 電話番号とアルファベットの混在
0 は「オー」と読まれる
電話番号の中の 0 は、イギリス英語では zero ではなく oh と読まれるのが普通です。アルファベットの O と同じ音なので、電話番号の文脈では数字の 0 だと判断します。
double と triple
同じ数字が続くとき、1つずつ読まずにまとめて読まれます。ここで書き取りが1桁ずれることがあります。
double four → 44
triple seven → 777
oh double two → 022
double が聞こえたら直後の数字を2回書く、と動作で覚えておくと、聞いた瞬間に処理できます。
混同しやすいアルファベット
氏名や住所が1文字ずつ読み上げられる場面では、音が近い文字のペアが決まっています。
混同しやすい組み合わせ 区別の手がかり
A / E / I A は「エイ」、E は「イー」、I は「アイ」
B / P / V / D V は唇を噛む音。B と P は破裂の強さ、D は舌先
G / J G は「ジー」、J は「ジェイ」
M / N M は唇を閉じる。N は舌先が上につく
S / F / X S は「エス」、F は「エフ」、X は「エックス」
U / W W は「ダブリュー」と長い
聞き取れなかった文字は、話し手が B for Bravo(ブラボーの B)のように補足することもあります。補足が入ったらそれが正解の手がかりです。
イギリスの郵便番号
文字と数字が混ざった形(SW1A 2AA など)で読み上げられます。書くときはすべて大文字にします。文字と数字の切り替わりが速いので、先読みの段階で「ここには文字と数字が混ざったものが入る」と分かっていれば対応しやすくなります。
IELTS学習アプリ
スペリング
音声を聞いて綴りを入力し、間違えやすい語を集中して練習できます
05 金額・時刻・単位
金額
音声 書く形
fifteen pounds fifty £15.50
two pounds twenty £2.20
a hundred and fifty dollars $150
nine ninety-nine 9.99
単位を書くかどうかは、空欄の前後を見て判断します。画面に £ の記号が既に表示されていれば、数字だけを入れます。単位を重ねて書くと不正解になることがあるので、先読みの段階で確認しておきます。
and が入る読み方
イギリス英語では、a hundred and fifty のように hundred のあとに and が入ります。これは150という1つの数で、100と50という2つの数が並んでいるわけではありません。and を数の区切りと解釈してしまうと、答えがずれます。
時刻
音声 意味
a quarter past three 3時15分
half past three 3時30分
a quarter to four 3時45分
ten to six 5時50分
to が入ると、聞こえた時刻より1つ前の時間帯になります。a quarter to four を4時15分と書いてしまう誤りは起きやすいので、to と past のどちらが聞こえたかを最初に判断する習慣をつけておくとよいでしょう。
06 大きな数・小数・割合
音声 書く形 注意点
fifteen hundred 1500 one thousand five hundred と同じ
two point five million 2.5 million 2500000 と書いてもよい
nought point five / zero point five 0.5 nought はイギリス英語
three quarters 3/4 0.75 でもよい
twenty-five per cent 25% 空欄に % が表示されていれば 25 だけ
one in five 1 in 5 「5人に1人」の意味
桁の大きな数は、話し手が言い直したり単位を変えたりすることがあります。two and a half million と two point five million は同じ数を指しますが、書き取る途中で言い直されると混乱しやすいところです。数字を書くのは、その数について話し終わってからにすると安全です。
リスニング
IELTSリスニングの「引っかけ」完全攻略:ディストラクターのパターンと対処法
07 先読みで「何が入るか」を決めておく
数字の書き取りが安定するかどうかは、音声が始まる前の数十秒で決まります。空欄を見て「ここには何が入るのか」まで決めておけば、聞こえた瞬間に手が動きます。
種類を決める: 日付なのか、金額なのか、人数なのか、時刻なのか。空欄の前後の語から判断します。
単位が表示されているか確認する: £ や % や years が既にあるなら、数字だけを入れます。
桁数を予想する: 電話番号なら10桁前後、年号なら4桁というように、あらかじめ枠を想定しておきます。
語数と数字の制限を確認する: ONE WORD AND/OR A NUMBER なのか、TWO WORDS なのかで書ける内容が変わります。
聞きながら書かない
数字は訂正されることが非常に多い情報です。最初に言われた日付や金額が、そのあとの会話で変更されるやりとりは頻繁に出てきます。聞こえた瞬間に確定させて書き込むと、そのあとの訂正を聞き逃します。
その話題が終わったと判断できてから書く、という順序にしておくと、訂正に対応できます。書くこと自体に注意が奪われるのを防ぐ意味もあります。
リスニング
スペルミスで失点しないために
08 よくある質問
数字は算用数字と英語の数詞のどちらで書くべきですか。
どちらでも正解として扱われますが、算用数字をおすすめします。綴りを間違える心配がなく、書く時間も短くて済むためです。ただし指示文の確認は必要です。A NUMBER が入っている指示では算用数字は語数と別枠で数えられますが、ONE WORD ONLY のようにA NUMBER が入っていない指示のところに算用数字で書くことはできません。
13と30を確実に聞き分ける方法はありますか。
語末の /n/ の音に注意を向けてください。thirteen には /n/ がありますが、thirty にはありません。強勢の位置はうしろに名詞が続くと移動することがあるため、手がかりとしてはやや不安定です。アメリカ英語では thirty の t が弾かれて「サーディ」に近くなるので、この音が聞こえたら -ty 側だと判断できます。
日付はどの形式で書けばよいですか。
日と月の両方が入っていれば、4 July でも 4th July でも July 4 でも正解になります。ただし 4/7 のような数字だけの形式は、国によって日と月の順序が逆になるため避けてください。月名は頭文字を大文字にし、February や Wednesday のように綴りを間違えやすい語は事前に確認しておきます。
電話番号の double four はどう書けばよいですか。
44 と書きます。同じ数字が2つ続くときは double、3つ続くときは triple でまとめて読まれます。oh は 0 のことなので、oh double two は 022 になります。
a quarter to four は何時何分ですか。
3時45分です。to が入ると、聞こえた時刻の1つ前の時間帯を指します。past なら聞こえた時刻がそのまま基準になるので、to と past のどちらが聞こえたかを最初に判断してください。
単位も一緒に書く必要がありますか。
空欄の前後を見て判断します。£ や % や years が画面に既に表示されている場合は、数字だけを入れます。単位を重ねて書くと不正解になることがあるため、先読みの段階で確認しておいてください。
数字を聞いた瞬間に書いてもよいですか。
その話題が終わるまで待つほうが安全です。数字は会話の中で訂正される頻度が高く、最初に言われた日付や金額があとで変更されるやりとりは頻繁に出てきます。聞こえた瞬間に確定させると、直後の訂正を聞き逃します。
09 まとめ
数字と日付は、知識で処理できる範囲が大きい情報です。書き方をあらかじめ決めておけば、聞いた瞬間の迷いがなくなります。
数字は算用数字で書くと決めておく。ただし指示文に A NUMBER があるかは確認する
-teen と -ty は語末の /n/ の有無で判断する
日付は日と月の両方を書く。4/7 のような数字だけの形式は避ける
月名・曜日は大文字で始め、February や Wednesday の綴りを確認しておく
double / triple はまとめ読み。0 は oh と読まれる
a quarter to four は3時45分。to と past を最初に判断する
先読みで「何の数字が入るか」と「単位が表示されているか」を決めておく
訂正に備えて、その話題が終わってから書く
数字の書き取りは、練習で最も伸びやすい部分の一つです。過去に解いた音声の中から数字が出てくる箇所だけを抜き出し、書き取りだけを繰り返してみてください。短い時間で取り組めるうえ、手を動かす速さがそのまま得点につながります。