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Part 2・Part 3出題トピック集:人物のキューカードで何が問われてきたか【第1回】

執筆:高橋 響 公開日:

IELTSスピーキングのPart 2では、人物を描写するキューカードが長年出題されています。家族、友人、仕事で出会う人、ニュースで見かける人と、選ばせる相手はさまざまです。

この記事に並べたのは、近年も報告があるキューカード12問と、そのあとのPart 3で出されている質問40問です。12問を12通りに準備する必要はありません。選ぶ相手で4つのグループに分け、グループごとに人物を1人決めて4人分の話を作っておけば、12問すべてに使えます。

01人物のトピックでは何が問われているのか

人物のキューカードで見られているのは、その人物についての知識の量ではありません。ある人を選び、選んだ理由を自分の言葉で説明できるかどうかです。だからこそ「あなたが知っている人」という条件が付き、有名人を扱う場合でも「会ってみたい理由」のように受験者側の判断を必ず添えさせています。

当校が受験者の報告を集めて整理した記録では、人物を選ばせるキューカードは、同じ文面を1つにまとめても262問あり、どのテーマよりも多くなっています(2026年9月10日時点)。この記事に並べる12問は、そのうち近年も報告が続いているものです。数は多いのですが、選び方で見れば4つに分かれます。家族と身近な人、友人と人づきあい、仕事で出会う人、社会に知られている人の4つです。同じ「人」でも、この4つで話す中身は変わります。家族なら一緒に過ごす時間の話に、仕事の相手なら能力や役割の話になり、有名人なら知名度と影響の話になります。

条件の付け方にも傾向があります。人物のカードは大きく分けると、「尊敬している人」のように受験者の評価を条件にするものと、「よく一緒に過ごす家族」のように事実を条件にするものになります。評価が条件になっているカードでは、選んだ理由がそのまま条件の説明を兼ねるので、話の終わりが自然に決まります。事実が条件のカードは、理由の部分を自分で作らないと最後が弱くなります。この違いは、準備に使える1分のうち、はじめの30秒で確かめておくと組み立てが速くなります。

グループ選ぶ相手話の中心
家族と身近な人家族、親族、近所の年長者一緒に何をしているか、何を教わったか
友人と人づきあい友人、初対面の相手、集団をまとめる人どう関わっているか、なぜ続いているか
仕事で出会う人同僚、上司、教えてくれた人何ができるか、なぜ大事な仕事か
社会に知られている人選手、人気のある人、報道される人なぜ知られているか、なぜ惹かれるか

4つに分かれるということは、4人分の話を用意すれば12問のどれが出ても対応できるということでもあります。準備の量を先に見積もっておくと、出題範囲が示されない試験だという不安がかなり減ります。

02キューカードの各行は何を決めているのか

人物のキューカードは、どれも同じ形をしています。1行目が課題文、そのあとに You should say: と3つの箇条書きが続き、最後に and explain ... の1行が来ます。1行目が誰を選ぶかを決め、残りの4行が話に入れる材料を指定しています。指定しているのは材料であって、話す順番ではありません。

指定していること答えるときの分量
課題文(Describe ...誰を選ぶかの条件冒頭で1文
箇条書き1つ目その人が誰か。自分との関係2文から3文
箇条書き2つ目関わり方。どう知り、何をしているか3文から4文
箇条書き3つ目相手の人物像や実績3文から4文
and explain ...選んだ理由。話をいちばん広げられる行4文以上

最後の1行だけ性質が違います。前の3つが事実を並べる指定なのに対して、explain の行は理由づけを求めています。人物のカードは3つの箇条書きを埋めた時点で30秒ほど話せてしまうため、ここを短く切り上げると、2分のうちいちばん語れる部分を使わずに終わることになります。

箇条書きの順に話さなくてよい

4行は材料の指定なので、上から順に話す必要はありません。人物のカードでは、2つ目と3つ目をひとまとめにして「どのように知り合い、どんな人なのか」を一気に話し、その流れのまま理由に入るほうが自然につながります。順番を守ることより、4つの材料がすべて出ていることのほうが大事です。

なお、箇条書きに書かれていない情報を足しても問題ありません。人物のカードでは、相手との具体的なやり取りを1つ挿すと話が急に具体的になります。指定された材料を出し切ったあとで足すぶんには、話が脱線したとは受け取られません。

03出題されたキューカード12問

ここから、実際に出題が報告されてきたキューカードを4つのグループに分けて並べます。文面は受験者の報告をもとにしたもので、特定の国の受験者にしか当てはまらない部分をどの国からでも答えられる言い方に置き換え、報告のあいだで表記が食い違っていた箇所をそろえたうえで載せています。試験でも、示されるのはこの英文だけです。

家族と身近な人(Family and People Close to You)

いちばん出題数が多いのがこのグループです。相手そのものより、一緒に何をしているかを聞く問題が多くなっています。

キューカード

Describe a family member you spend a lot of time with.

You should say:
who this person is
what you usually do together
what kind of person he or she is
and explain why you spend so much time with this person.

キューカード

Describe something useful you learned from a member of your family.

You should say:
what it was
who you learned it from
how you learned it
and explain why you think it is useful.

キューカード

Describe an elderly person you enjoy spending time with.

You should say:
who this person is
how you know this person
what this person did when he or she was young
and explain why you enjoy spending time with this person.

友人と人づきあい(Friends and Company)

友人を1人選ばせるより、話す相手、初めて出会った相手、集団をまとめる相手といった関わり方のほうに軸が置かれています。

キューカード

Describe a person you enjoy talking with.

You should say:
how often you talk to this person
when and where you usually talk
what you usually talk about
and explain why you enjoy talking to this person.

キューカード

Describe an occasion when you met an interesting person for the first time.

You should say:
who this person was
when and where you met
what you talked about
and explain why you found this person interesting.

キューカード

Describe a friend who you think is a good leader.

You should say:
who this friend is
how you got to know this person
how other people behave towards this person
and explain why you think this friend is a good leader.

仕事で出会う人(People You Meet Through Work)

このグループでは、受験者本人の仕事ではなく、身近にいる人の仕事ぶりや役割、その人から教わったことを説明する問題が中心です。

キューカード

Describe a person you know who is good at their job.

You should say:
who this person is
where this person works
what this person does
and explain why you think this person is good at their job.

キューカード

Describe a person you know whose job you think is important.

You should say:
who this person is
how you know this person
what work this person does
and explain why you think this work is important.

キューカード

Describe a person who taught you something important.

You should say:
who this person was
what this person taught you
how this person taught it to you
and explain why what you learned was important.

社会に知られている人(People in the Public Eye)

会ったことのない人物を選べる問題が入っている唯一のグループです。テレビやニュースで見ている人物を扱えるぶん、話す材料を集めやすくなっています。

キューカード

Describe a successful sportsperson you admire.

You should say:
who this person is
what this person has achieved
what you know about this person's life
and explain why you admire this person.

キューカード

Describe a popular person you know.

You should say:
who this person is
what this person does
how you know this person
and explain why you think this person is popular.

キューカード

Describe a person who is often in the news and who you would like to meet.

You should say:
who this person is
how you know about this person
why this person is often in the news
and explain why you would like to meet this person.

04Part 3では人物からどこへ話が広がるのか

Part 3では、Part 2で話した人物そのものを掘り下げ続けることはあまりありません。その人物が属している集団や役割へ話が移り、社会一般の話として意見と理由を求められます。家族のカードなら世代の話へ、リーダーのカードなら組織の決め方へ、スポーツ選手のカードなら才能の育て方へ移ります。

下の40問は、上の12問に関連して報告されてきたPart 3の質問を、同じ内容のものをまとめて整理したものです。カードごとではなく、話が向かう先ごとに並べてあります。同じ質問が別のカードのあとに出ることもあるので、カードごとではなくテーマごとに覚えておくと、初めて見るカードのあとでも使えます。

家族と世代のこと(Family and Generations)

  • How many generations usually live under one roof in your country these days?
  • What are the benefits and drawbacks of several generations living together?
  • What sorts of skills do children learn from their parents rather than at school?
  • Which is more important for children, learning things at home or learning things at school?
  • Do you think grandparents can teach their grandchildren things that parents cannot?
  • What can older people learn from teenagers?
  • Which matters more, support from your family or support from your friends?
  • Do you think mothers and fathers teach their children different things?
  • Do parents in your country have equal responsibilities in raising their children?
  • How can young people and elderly people get along better with each other?

人づきあいとコミュニケーション(Friendship and Communication)

  • What do you and your friends usually talk about?
  • What do you think is good communication?
  • Are people born with communication skills, or can these skills be learned?
  • How are conversations between children different from conversations between adults?
  • What kinds of jobs require good communication skills?
  • How do people in your country make new friends nowadays?
  • Has the way people make friends changed over the last few decades?
  • Is it more important to make new friends or to keep the friends you already have?
  • How can you tell whether people you meet online are telling the truth?
  • Should a leader discuss things with their team before making an important decision?

仕事と学びの力(Work and Learning)

  • What skills does a good manager need to have?
  • Are any of those skills taught in schools in your country?
  • How can people and companies adapt to change?
  • Would you say you are a quick learner?
  • What are the most important qualities a good teacher should have?
  • Who matters more to a child's education, parents or teachers?
  • Which is more efficient, studying in class or studying on your own?
  • How has technology changed the way students study today?
  • Is it easier to learn new things when you are young?
  • How can people be encouraged to accept new ideas?

有名であること、好かれること(Fame and Popularity)

  • What kinds of people are usually in the news in your country?
  • Why do people want to know about the private lives of famous people?
  • What are the advantages and disadvantages of being famous?
  • Why are some people famous for many years while others are famous only briefly?
  • How can famous people influence children and young people?
  • Do you think popular people are happier than other people?
  • Is a popular teacher always a good teacher?
  • What kinds of people are unpopular, and why?
  • Is it good for children to have a successful sportsperson as a role model?
  • Do you think athletic talent should be identified in childhood?

40問を見比べると、目立つのは2つの型です。1つは2つのものを比べさせる型(Which is more important ... / Are ... different from ...)、もう1つは変化を説明させる型(Has ... changed ... / How has ... changed ...)です。この2つに答える言い回しを用意しておくと、初めて見る質問でも話し始めやすくなります。

比べさせる型では、どちらかを選んだうえで、選ばなかったほうにも一言触れる形が答えやすくなります。両方に価値があると述べて終えると、質問に答えていない印象になります。変化を説明させる型では、いつと比べているのかを自分で決めて先に言っておくと、そのあとの説明が具体的になります。20年前と比べるのか、自分が子どもだった頃と比べるのかで、出せる例が変わります。

また、Part 3の質問は一般論を求めていますが、答えを一般論だけで押し通す必要はありません。身近で見聞きした例を1つ挙げてから社会全体の話に広げるほうが、話が具体的になり、詰まりにくくなります。人物のトピックは、この広げ方が特にやりやすい分野です。Part 2で話した相手をそのまま例として持ち出せます。

スピーキング トピック別表現シリーズ:人づきあいについて話す表現を3段階で学ぼう【第2回】

054人分の話で12問に答える

12問を12通り準備すると、覚えきれないうえに本番で取り違えます。4つのグループそれぞれに人物を1人ずつ決めて、4人分の話を用意するほうが現実的です。1人分の話とは、その人物について下の5種類の材料を書き出してある状態です。細かく数えると11項目になります。

グループ決めておく人物の例その1人で答えられる問題
家族と身近な人よく話す親族を1人一緒に過ごす家族、教わったこと、年長者
友人と人づきあい付き合いの長い友人を1人話していて楽しい人、よいリーダー、初対面の相手
仕事で出会う人職場か学校で見ている人を1人仕事ができる人、大事な仕事の人、教えてくれた人
社会に知られている人関心のある分野の人物を1人スポーツ選手、好かれている人、報道される人

1人の材料をどこまで集めておくか

1人につき、次の材料をそろえておけば、そのグループの3問のどれが出ても答えを組み立てられます。多く見えますが、日本語で書き出せば10分ほどで埋まります。

  • その人が誰か:関係、いつから知っているか、どこで会うか
  • 外から見える事実:仕事、得意なこと、周りからの扱われ方
  • 具体的なやり取り:一緒にした出来事を1つ、時と場所つきで
  • その人から受けた影響:考え方が変わったこと、続けている習慣
  • 選んだ理由:ほかの人ではなくこの人を挙げる理由を2つ

同じ人物を別の問題に使うときの直し方

1人を複数の問題に使うときに変えるのは、主に冒頭の1文と最後の理由です。中身の材料は共通のまま、冒頭の人物紹介と最後の理由をカードに合わせます。学んだことや初対面の場面を求めるカードでは、途中に出す具体例も入れ替えます。たとえば同じ友人を、リーダーのカードでは「周りが自然と意見を聞きに来る」から入り、話していて楽しい人のカードでは「話題が途切れない」から入る、という具合です。

暗記した回答をそのまま話すと、カードの条件に触れないまま2分が過ぎます。試験官はカードを見ながら聞いているので、条件に一度も触れないことは伝わります。冒頭の人物紹介と最後の理由だけを毎回作り直す前提で練習しておくと、この事故が起きません。

IELTS学習アプリ トピック検索 気になるトピックを入れると、AIがサンプル例文とフレーズを出します。上の12問から1問選んで、材料を集めるときに使えます。

06よくある質問

Part 2のキューカードは事前に公開されているのですか。

公開されていません。この記事に載せたキューカードは、受験した人が試験後に報告した内容を長年かけて集めた記録から選んだものです。同じ文面がそのまま出るとは限らず、条件が入れ替わった形で出ることもあります。

キューカードの人物は実在の人でなければいけませんか。

人物が実在するかどうかや、話の真偽そのものは採点の対象ではありません。ただし作った話は具体的なやり取りを出しにくく、Part 3で同じ人物について追加で聞かれたときに詰まりやすくなります。実在の人を材料にしたほうが結果的に楽です。

知り合いにスポーツ選手も有名人もいません。それでも答えられますか。

答えられます。社会に知られている人のグループには、会ったことのない人物を選べる問題が入っています。テレビやニュースで見ている人物で問題ありません。

3つの箇条書きは順番どおりに話さなければいけませんか。

順番の指定ではありません。4つの材料が話に入っていれば、まとめて話しても入れ替えても構いません。人物のカードでは2つ目と3つ目をつなげて話すほうが自然につながります。

2分より短く終わってしまった場合はどうなりますか。

途中で終わること自体が減点として決まっているわけではありません。ただし話す量が減るぶん、語彙や文構造を見せる材料も減ります。最後のexplainの部分に理由と具体例を足して4文以上にしておくと、2分に近づきます。

Part 3では、Part 2で話した人物についてさらに聞かれますか。

その人物についての質問が1問挟まることはありますが、多くはその人物が属する集団や役割の話へ移ります。家族のカードなら世代の話、リーダーのカードなら組織の決め方、という具合です。

この記事の12問を全部準備する必要がありますか。

必要ありません。4つのグループそれぞれに人物を1人決めて、4人分の話を用意すれば、12問すべてに応用できます。変えるのは主に冒頭の1文と最後の理由で、必要に応じて途中の具体例も入れ替えます。

古いキューカードは練習しても意味がないのでしょうか。

人物について話す練習としては、いまも役に立ちます。人物のカードは条件の言い方が変わっても、聞かれている中身は、多くの場合、その人が誰か、どう関わっているか、その人についての具体的な内容、選んだ理由の4つです。

07まとめ

人物のキューカードは数こそ多いものの、選ぶ相手は4つに分かれます。12問を別々に準備するのではなく、グループごとに人物を1人決めて材料を集めておくほうが、本番でカードを見てから組み立てられます。

  • 人物のカードは家族、友人、仕事、社会に知られている人の4つに分かれる
  • 4行は話す順番ではなく、話に入れる材料の指定
  • 最後のexplainの行で話をいちばん広げられる。ここを4文以上にする
  • Part 3は人物そのものより、その人が属する集団や役割へ移る
  • Part 3の質問は、比べさせる型と変化を説明させる型の2つが多い
  • 4つのグループに人物を1人ずつ決めて、5種類の材料をそろえておく
  • 別の問題に使うときに変えるのは、主に冒頭の1文と最後の理由

次回は場所を扱うキューカードを、同じようにグループごとに分けて並べます。この記事のキューカードとPart 3の質問は、報告が増えるたびに追加していきます。

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Hibiki Takahashi

この記事を書いた人

Hibiki Takahashi

日本語で学ぶIELTS対策専門スクール『PlusOnePoint(プラスワンポイント)』創設者・代表。『英語ライティングの鬼100則』(明日香出版社)著者。1997年に大阪大学医学部を卒業後、麻酔科専門医として活躍。2012年渡豪時に自身が苦労をした経験から、日本人を対象にIELTS対策のサービスを複数展開。難しい文法・語彙を駆使するのではなく、シンプルな表現とアイデアで論理性・明瞭性のあるライティングを指導している。これまでの利用者は4,500名を超え、Twitterで実施した「12週間チャレンジ」では、わずか4週間で7.0、7週間で7.5など、参加者4名全員が短期間でライティングスコア7.0以上を達成(うち2名は7.5を達成)。「IELTSライティングの鬼」の異名を持つ。オーストラリア在住14年、IELTS 8.5(ライティング 8.0)、CEFR C2。

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