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ライティング・タスク2

IELTSエッセイの結論の書き方:2文で立場と理由をまとめる方法

執筆:高橋 響 公開日: 最終更新:

エッセイの導入は練習していても、結論は残り時間で慌てて書いている、という方は少なくありません。結論に何を書くかは決まっていて、書く内容が決まっていれば1分から2分で書き終えられます。この記事では、結論に入れるもの、入れないもの、タスクのタイプごとに何を述べるか、語数の目安を、採点基準(Band Descriptors)の記述と実際のタスクをもとに解説します。

01結論には何を書くのか

結論は、基本的に「自分の立場の再確認」と「ボディで述べた理由の要約」の2つで構成します。この2つがあれば十分で、新しい理由や具体例、社会への提言を加える必要はありません。

順番は、立場が先です。読み手は最後の段落で、この答案がどちらの立場だったのかを確認します。理由の要約から書き始めると、立場が段落の後半に来て、最後まで読まないと分かりません。

結論の要素書くこと目安
立場の再確認設問に対して自分がどちらを取るのかを、導入とは違う言い方でもう一度述べる1文
理由の要約ボディ1とボディ2で述べた理由を、名詞句や短い節にまとめる1文から2文

2文から3文で足ります。導入が4文、ボディがそれぞれ5文から6文あるのに対して、結論だけが短いのは形として正しい姿です。長い結論は、たいてい新しい話が混ざっています。

結論の基本形

In conclusion, + 自分の立場。+ 理由の要約(because や as を使って1文にまとめるか、This is because ... と続ける)。この2文で骨格が完成します。

02採点基準で結論はどう扱われているか

結論という語は、採点基準(Band Descriptors)の Task Response に実際に出てきます。現行版(2023年5月改訂)の Band 6 には次のように書かれています。

Task Response / Band 6(Updated May 2023)

A position is presented that is directly relevant to the prompt, although the conclusions drawn may be unclear, unjustified or repetitive.

設問に直接関連する立場は示されているが、導かれる結論が不明瞭だったり、根拠を欠いていたり、反復的だったりする、という記述です。ここで挙げられている3つの状態が、そのまま結論で避けたい形になります。いずれも幅のある言葉ですが、答案でよく起きる形に引き寄せると、立場が読み取れないこと、結論で述べたことが答案の中で支えられていないこと、すでに述べた内容をそのまま繰り返すことにあたります。

引用したのは IELTS 公式サイトが公開している IELTS Writing Band Descriptors(2026年8月24日時点で公開されているもの)です。採点基準は改訂されることがあるので、細かい文言を確かめるときは原本を見ておきましょう。

旧版の Band 5 には、there may be no conclusions drawn という一文がありました。結論が書かれないこともある、という記述です。現行版ではこの一文が削られ、Band 5 の記述は立場の展開が常に明確とは限らない、という書き方に変わっています。結論の有無だけを見るのではなく、示された立場と結論の質を見るように整理されたと読めます。

いずれにしても、結論を書かないことで評価上のメリットが生じることはありません。時間が足りなくなった場合でも、2文の結論を書いて終えると確実です。

ライティング・タスク2 ライティング・タスク2 採点基準表(Band Descriptors):2023年5月改訂で何が変わったのか

03結論で起きやすい3つのつまずき

3-1 ボディで述べていない理由を、結論で出してしまう

いちばん多いのがこれです。書き終えたあとに、もっとよい理由を思いついて結論に足してしまいます。読み手から見ると、根拠が示されないまま主張が現れることになり、採点基準が unjustified と呼んでいる状態になります。

In conclusion, schools should continue to teach handwriting, and governments should also invest more in teacher training.教員研修への投資はボディで一度も述べていない

In conclusion, schools should continue to teach handwriting, since it supports memory and remains necessary when devices are unavailable.ボディ1とボディ2で述べた理由だけを要約している

3-2 導入の文を、そのまま書き写してしまう

立場をもう一度述べるのだから同じ文でよいはずだ、と考えて導入の最後の一文をそのまま貼り付けてしまうことです。採点基準の repetitive は、すでに述べた内容を必要なく繰り返している状態を広く指しますが、答案でいちばん起きやすいのがこの丸写しです。

同じ内容を別の言い方で書きます。導入で I believe that ... と書いたなら、結論では removing handwriting from the curriculum would be premature のように、何をどうすることへの評価なのかを名指しして述べ直します。this essay has argued that ... のような、答案そのものに言及する言い回しもありますが、遠回りになるので、内容を直接言い換えるほうが読みやすくなります。

導入:I believe that handwriting should still be taught. 結論:I believe that handwriting should still be taught.文法上は問題ないが、同じ文の繰り返しになっている

導入:I believe that handwriting should still be taught. 結論:For the reasons outlined above, removing handwriting from the curriculum would be a mistake.同じ立場を、否定形と別の語彙で述べ直している

3-3 立場をぼかしたまま終わってしまう

ボディでは明確に述べていたのに、結論で急に both sides have valid points のような書き方になり、どちらの立場なのかが読み取れなくなることです。採点基準の unclear がこれにあたります。

両方に一理あると認めること自体は問題ありません。ただし、認めたあとに自分の立場を言い切ります。Although the opposing view has some merit, ... のように、譲歩を前に出して主張を後ろに残すと、立場がぼやけません。

IELTS学習アプリ イントロ・コンクルージョン 導入と結論だけを制限時間内で書いて、AIの添削を受けられます。エッセイ全体を書かずに結論の練習を繰り返せるので、時間をかけずに数をこなせます。

04結論の語数と、書く時間の作り方

結論は40語前後で収まります。これは最低語数ではありません。25語で立場と理由が読み取れるなら、それで完成しています。逆に60語を超えているときは、新しい話が混ざっていないかを見てみましょう。

タスク2の答案を260語から280語で書くとすると、内訳の目安は次のようになります。

ブロック語数の目安役割
導入45語前後タスクの言い換えと、自分の立場の表明
ボディ190語前後1つ目の理由と、その説明・具体例
ボディ290語前後2つ目の理由と、その説明・具体例
結論40語前後立場の再確認と理由の要約

問題は語数ではなく、時間の残し方です。結論が書けないまま終わる答案の多くは、ボディ2を書き切ろうとして時間を使い果たしています。ボディ2の具体例を1文削れば、結論の2文が書けます。読み手から見て失われるものを比べると、具体例が1つ減ることより、立場が示されないまま終わることのほうが大きく響きます。

ライティング全体は60分で、タスク2にはそのうち40分程度を配分するのが目安です。この40分のうち、最後の2分は結論のために取っておくと決めておきましょう。残り時間で書くのではなく、はじめから確保しておくという順番です。

ライティング・タスク2 IELTSエッセイの語数配分:260〜280語を導入・ボディ・結論にどう割り振るか

05タスクのタイプ別に、結論で何を述べるか

立場の再確認と理由の要約という骨格は共通ですが、何を立場と呼ぶかはタスクのタイプで変わります。結論を書く前に、そのタスクが何を聞いていたのかをもう一度確かめます。

タスクのタイプ結論で述べること入れないもの
agree / disagree賛成か反対か、そしてどの程度なのか賛成の面と反対の面を並べ直すこと
discuss both views両方の見方に触れたうえで、自分がどちらを取るか自分の意見を述べないまま両論を要約すること
advantages / disadvantagesどちらが上回るのかを言い切る場合によるという書き方で終えること
problem / solutionボディで扱った問題と解決策を簡潔にまとめるボディで述べていない解決策
positive / negative developmentその変化をどちらとして見るのか今後の見通しについての予測
ダブルクエスチョン2つの設問それぞれに1文ずつ答える片方の設問だけをまとめること

右の列は、どれも判断を先送りする書き方です。場合によります、今後が注目されます、といった書き方は、日本語の文章では収まりがよく見えますが、設問への答えにはなっていません。どの程度賛成なのかを聞かれているなら、その程度まで示して終えます。

ダブルクエスチョンだけは形が違います。設問が2つあるので、結論では2つの設問それぞれに答えていることが分かるようにします。1文にまとめても構いませんが、まとめようとした結果どちらか一方だけの話になっていないかを確かめておきましょう。

ライティング・タスク2 問題タイプ別の答え方:6分類と構成パターン【総論】

06実際のタスクで結論を組み立てる

本サイトに収録している実際のタスクで、手順を通してみます。

Some people believe that handwriting is no longer useful in the modern world and should not be taught in schools. To what extent do you agree or disagree?

(手書きは現代においてもはや役に立たず、学校で教えるべきではない、と考える人がいます。この意見にどの程度賛成しますか、それとも反対しますか。)

手順1 ボディで何を理由にしたかを確認する

ここでは、手書きが記憶の定着を助けること、端末が使えない場面が残っていることの2つを理由にしたとします。結論に書けるのは、この2つだけです。

手順2 立場を、導入とは違う言い方で述べる

導入で I disagree with this view と書いたなら、結論では removing handwriting from the curriculum would be premature のように、動作と評価で言い直します。

手順3 理由を名詞句にまとめる

ボディの文をそのまま持ってくると長くなります。it supports memory、it remains necessary when devices are unavailable のように、短い節に圧縮します。

結論の例

In conclusion, I disagree with the view that handwriting should be removed from the school curriculum. Although typing has become the dominant way of producing text, writing by hand still supports memory in young learners, and it remains necessary whenever digital devices are unavailable.

(結論として、手書きを学校のカリキュラムから外すべきだという見方には反対です。文字を書き出す手段としてはタイピングが主流になったものの、手で書くことは幼い学習者の記憶を今も支えており、デジタル機器が使えない場面では依然として必要です。)

この結論は44語です。1文目で立場を述べ、2文目は Although で譲歩を先に述べてから、ボディの2つの理由を and でつないでいます。新しい理由は入っていません。

譲歩を入れるかどうかは自由です。入れると、反対側の言い分を分かったうえで判断していることが伝わります。ただし、譲歩が長くなると立場がぼやけるので、節1つに収めます。

07よくある質問

結論を書かずに終わったら、スコアはどうなりますか。

結論がないことだけで自動的に決まるスコアはありませんが、有利にはたらくこともありません。採点基準の Task Response では、示された立場と導かれる結論が見られています。時間が足りないときでも、2文の結論を書いて終えると確実です。

結論は何語くらい書けばよいですか。

35語から45語が目安です。これは最低語数ではないので、25語で立場と理由が読み取れるなら十分です。60語を超えているときは、ボディで述べていない話が混ざっていないか確認してみましょう。

In conclusion 以外の書き出しを使ったほうがよいですか。

In conclusion で問題ありません。To conclude、In summary なども使えます。書き出しの語を変えることより、そのあとに立場が1文で示されているかどうかのほうが評価に関わります。

結論で自分の提案を書いてもよいですか。

ボディで述べた解決策をもう一度示すのは問題ありません。ボディに出てこなかった提案を結論で初めて書くと、答案の中で支えのない主張になります。採点基準の unjustified が指す状態の一つがこれにあたります。

導入と結論で同じ内容を書くのは反復になりませんか。

同じ立場を示すこと自体は反復ではありません。反復として扱われるのは、同じ文をそのまま書き写した場合です。文の形と語彙を変えて述べ直せば、立場を再確認する段落として自然に読めます。

Discuss both views のタスクでも、結論で自分の意見を書くのですか。

設問に and give your opinion が含まれているなら書きます。両方の見方を要約しただけで終えると、設問の一部に答えていないことになります。どちらの見方をより支持するのかを1文で示しておきましょう。

結論に具体例を入れてもよいですか。

入れないほうが自然です。具体例はボディで理由を支えるためのもので、結論では理由そのものを短くまとめます。例を入れると語数が伸び、立場が段落の中で埋もれます。

結論の練習だけを繰り返すことはできますか。

できます。エッセイ全体を書かなくても、タスクを読んで理由を2つ決め、そこから結論だけを書く練習を繰り返せます。理由を決めてから結論を書くという順番が身につくと、本番で結論の内容に迷わなくなります。

08まとめ

結論は、時間が余ったら書く段落ではなく、内容が決まっている段落です。この記事のポイントを整理します。

  • 基本は2つで足りる:自分の立場の再確認と、ボディで述べた理由の要約
  • 立場を先に述べる:理由の要約から書き始めると、立場が段落の後半に回る
  • 新しい理由を出さない:ボディに出てこなかった主張は、根拠を欠いた主張として扱われる
  • 導入を書き写さない:同じ立場を、文の形と語彙を変えて述べ直す
  • 時間は先に確保する:40分のうち最後の2分を結論のために残しておく

次に模擬答案を書くときは、ボディ2を書き終えた時点で残り時間を見て、2分を切っていたら具体例を1文削って結論に入るという判断をしてみましょう。そのつもりで1度書いておくと、本番でも同じ判断ができます。

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Hibiki Takahashi

この記事を書いた人

Hibiki Takahashi

日本語で学ぶIELTS対策専門スクール『PlusOnePoint(プラスワンポイント)』創設者・代表。『英語ライティングの鬼100則』(明日香出版社)著者。1997年に大阪大学医学部を卒業後、麻酔科専門医として活躍。2012年渡豪時に自身が苦労をした経験から、日本人を対象にIELTS対策のサービスを複数展開。難しい文法・語彙を駆使するのではなく、シンプルな表現とアイデアで論理性・明瞭性のあるライティングを指導している。これまでの利用者は4,500名を超え、Twitterで実施した「12週間チャレンジ」では、わずか4週間で7.0、7週間で7.5など、参加者4名全員が短期間でライティングスコア7.0以上を達成(うち2名は7.5を達成)。「IELTSライティングの鬼」の異名を持つ。オーストラリア在住14年、IELTS 8.5(ライティング 8.0)、CEFR C2。

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