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ライティング・タスク2

have a large family は子だくさんか多世帯か:have と live with で変わる family の指す範囲

執筆:高橋 響 公開日:

タスクに large family と書かれていたとき、それが子どもの多い家族なのか、祖父母や親戚と暮らす多世帯の家族なのか、迷うかもしれません。日本語の「大家族」は、子どもが多い家族だけでなく、祖父母や親戚を含む家族を指しても使われるので、この迷いは自然に起こります。

この記事では、ライティングサミット第218週で扱ったタスクを題材に、large family をどちらの意味で読むべきかを、have と live with という動詞の違いから説明します。あわせて、読み違えたまま書くと答案の何がずれるのか、そのずれをどう避けるのかも含めて解説します。

01large family を多世帯の家族と読むと答案はどうなるのか

結論から書くと、このタスクの large family は子どもの数が多い家族を指します。祖父母や叔父叔母を含む多世帯の家族という意味ではありません。まず、実際のタスクを見てみましょう。ライティングサミット第218週の講義で扱った課題です。

There is an increasing trend around the world to have a small family rather than a large family. What are some of the advantages and disadvantages of having a small family rather than a large family?

ここで large family には、大きく2つの解釈が考えられます。

large family=祖父母や親戚と同居する多世帯の家族核家族と拡大家族のどちらがよいかを論じる答案になる

large family=子どもの数が多い家族子どもを少なく持つことの利点と欠点を論じる

なぜ読み違えるのか

日本語の「大家族」が、人数の多さと同居の両方を含んだ語だからです。日本語で大家族と聞くと、多くの方が三世代が一つ屋根の下で暮らしている姿を思い浮かべます。このイメージを large family にそのまま当てはめると、タスクが世帯構成の話をしているように見えてきます。

もうひとつの要因は、家族という語の指す範囲が文化によって違うことです。誰を家族として数えるかは国や地域で異なるので、family という語だけを見て範囲を決めようとすると、自分の文化の枠組みが入り込みます。範囲を絞り込んでいるのは family という名詞そのものではなく、組み合わさっている動詞や修飾語と、その文の文脈のほうです。

答案では何が起きるか

多世帯の意味で読むと、書ける材料は祖父母による育児の助け、介護の分担、プライバシーの確保、生活音や生活時間のずれといったところになります。どれも内容としては悪くありませんが、タスクが求めているのは a small family rather than a large family という比較です。ここでの比較の相手は子どもの多い家族なので、核家族と拡大家族の比較を持ち出すと、答えている対象そのものが入れ替わります。

この入れ替わりは、Task Response の評価に関わります。段落の構成が整っていても、扱っている題材がタスクの求めるものと違えば、タスクへの応答としては成立しません。文法や語彙で挽回できる種類のずれではないので、書き始める前に読み方を確定させておくほうが確実です。

読むときのポイント

family という名詞を単独で眺めず、その前にある動詞まで含めて読みます。このタスクでは have です。次のセクションで見るとおり、have a family という形では、誰と暮らしているかではなく、子どもを持つことに焦点が置かれます。

ライティング・タスク2 タスクの表現をどう解釈するのか?迷ったときに範囲を決める3つの視点

02have a family はなぜ子どもの数の話になるのか

have a family は、子どもを持つ、家庭を持つという意味で使われることが多い表現です。have には所有だけでなく、子を持つ、産むという用法があります。have a baby、have children と同じ用法で、この意味が family にも及びます。

この読み方は辞書の記述にも表れています。Oxford Learner’s Dictionaries は family の語義のひとつに a couple’s or a person’s children, especially young children を挙げ、その用例として They have a large family. と She chose to stop work to have a family. を載せています(2026年8月23日時点)。large family がこの語義のもとで使われることは、辞書の側でも示されています。

語義が a couple’s or a person’s children となっている点も見ておきたいところです。婚姻の有無は条件に入っていないので、結婚している場合に限って使う表現だと考える必要はありません。

並べてみると違いがはっきりします。

I have a family. 子どものいる家庭を持っている、という意味で受け取られます

I live with my family. 家族と同居しているという意味で、誰を家族と数えるかは中立です

同じ family という名詞でも、have a family のような形では子どもを持つことに焦点が置かれ、live with family のような形では居住の話になります。この違いは、family という名詞だけではなく、組み合わさる動詞や文脈によって生まれます。have a large family が子どもの多い家族という意味に自然につながるのも、この延長線上にあります。

live with と live in が付くと何が変わるのか

同居している人や居住形態を話題にしたいときは、live with や live in のような表現を使います。live with extended family、live in a multigenerational household がその例です。誰と同じ屋根の下にいるかという話になるので、祖父母や叔父叔母を含めても自然に読めます。

表現指しているもの焦点
have a large family子どもの数が多い家族何人の子どもを持つか
have a small family子どもの数が少ない家族同上
live with extended family祖父母や親戚を含む世帯で暮らす誰と暮らしているか
live in a multigenerational household複数の世代が同居する世帯同上
come from a large familyきょうだいが多い家庭で育った育った家庭の子どもの数

反対側から確かめてみる

I have a large family. を、祖父母と同居しているという意味で使う場面を想像してみると、収まりの悪さが分かります。同居を伝えたいなら I live with my grandparents. や We live in a multigenerational household. のほうが素直です。

反対の方向からも見ておきましょう。Cambridge Dictionary は I come from a large family - I have three brothers and two sisters. という用例を載せています(2026年8月23日時点)。きょうだいの多さとして言い換えられているとおり、祖父母と同居していたという意味では受け取られません。

have と同じく、come from a large family も、きょうだいの多さを含めて、大きな家族の中で育ったという意味で使われます。Cambridge Dictionary の用例でも、家族の大きさがきょうだいの数と結び付けられています。

なお、住んでいる人数そのものを話題にしたい場合は、household size や the number of people in a household のように household を使えます。ただし、これで family と household の意味がきれいに二分されるとは考えないほうがよいでしょう。次のセクションで見るとおり、family を使った表現が指す範囲も、文脈によって動きます。

03family size は子どもの数を指す用語なのか

文脈によって変わります。子どもの数を指すこともあれば、家族の人数を指すこともあるので、family size という語を見ただけで出生の話だと決めることはできません。

人数として定義している例が、カナダ統計局のセンサス用語集です。family size を Family size refers to the number of persons in the family. と定義しています(2021年センサス、2026年8月23日時点で公開されている記述)。家族に属する人が何人いるかであって、子どもの数を数えたものではありません。

子どもの数として使う例もあります。イギリスのONS(Office for National Statistics)が使う completed family size は、同じ年に生まれた女性たちが出産を終える年齢までに産んだ子どもの平均人数を指します。

2つの使い方が並んでいるので、今回のタスクを読むときの手がかりは family size という名詞のほうにはありません。手がかりになるのは、have a small family rather than a large family という形そのものです。

タスクの前半にある枠組みも読み方を後押しする

タスクは There is an increasing trend around the world to have a small family rather than a large family. と始まります。世界規模で起きている trend という枠組みは、出生に関する話題で使われることが多いものです。IELTSのライティング・タスク2やリーディングでも、子どもの数の減少は人口の高齢化、労働力の減少、年金制度への影響といった話題とセットで現れます。

have という動詞と、世界的な trend という枠組み。この2つが重なることで、子どもの数の話として読むのが自然になります。片方だけであれば判断に幅が残りますが、2つそろえば解釈はほぼ絞れます。

関連して覚えておくと使える表現もあります。

  • a trend towards smaller families 子どもを少なく持つ方向への変化を指す言い方で、タスクの表現の言い換えとしてそのまま使えます
  • family planning 日本語では家族計画。子どもを持つ時期や人数などについて計画することを指します

ここで気をつけたいのは、この読み方が語の意味だけで決まっているわけではないという点です。family という語そのものに子どもの数という意味が備わっているのではなく、動詞と枠組みの組み合わせが範囲を絞っています。線は語ではなく、そのタスクの文脈の側で引きます。

04他のタスクでは family がどのように扱われているか

ここまでの説明は、実際のタスクでも確かめられます。プラスワンポイントのIELTS学習アプリ「タスク検索」に2026年8月23日時点で収録されているライティング・タスク2のタスク509件のうち、family という語を含むものは21件でした。そのうち have と family を組み合わせているのは、今回のタスク1件だけです。

残りの20件では、同居や世代構成を話題にするときに、動詞や具体的な語で範囲が示されています。

Many university students live with their families, while others live away from home because their universities are in different places.

It is better for children if the whole family including aunts, uncles and grandparents is involved in a child's upbringing, rather than just their parents.

Nowadays, more and more people from different cities are spending more time away from their families.

1つ目は live with で居住の話だと示し、2つ目は including aunts, uncles and grandparents と誰を含むかを列挙しています。3つ目も away from their families という位置関係の表現です。世帯の構成を論じさせたいタスクでは、それが分かる語が添えられている、ということです。

少なくとも本サイトに収録している509件の範囲では、世帯の構成を扱うタスクには live with や親族の列挙のように範囲を示す表現が添えられていて、この対応が崩れる例は見つかりませんでした。この21件から英語全体の原則を引き出せるわけではありませんが、タスクを読むときの手がかりとしては十分に働きます。

タスクの表現を語で検索して、実際の使われ方を確かめる作業は、次のアプリでもできます。

IELTS学習アプリ タスク検索 ライティング・タスク2のタスクを語句やテーマから検索できます。気になる表現が実際のタスクでどう使われているかを確かめるのに向いています。

05読み取った意味を答案にどう反映させるのか

large family を子どもの数として読めたら、advantages と disadvantages の軸も子どもの数で立てます。比較の相手が子どもの多い家族なので、書く内容は少ない子どもを持つことで何が変わるか、という形に定まります。

観点タスクに合う書き方(子どもの数の軸)ずれてしまう書き方(同居構成の軸)
利点として挙げるもの子ども一人あたりに使える教育費と時間が増える、親が仕事を続けやすくなる、住居や生活の負担が抑えられる祖父母が育児を助けてくれる、介護を分担できる
欠点として挙げるものきょうだいとのやりとりから学ぶ機会が減る、一人の子どもに親の期待が集中する。社会全体への長期的な影響としては、次の世代の人口が縮んで高齢者を支える負担が重くなるプライバシーが確保しにくい、生活時間のずれで摩擦が起きる
タスクとの関係a small family rather than a large family の比較にそのまま乗る核家族と拡大家族の比較になり、タスクの比較とずれる

なお、家庭のレベルの話と社会のレベルの話は、同じ段落に混ぜずに分けて書くほうが整理されます。教育費やきょうだいとのやりとりは一つの家庭に起きることで、高齢者を支える世代の縮小は社会全体に起きることだからです。

右側の列に並んでいるものが、それ自体として書けない内容だということではありません。祖父母との同居を扱うタスクであれば、そのまま使える材料です。今回のタスクでは比較の対象が違うため、そのまま持ち込むと答えている問いが入れ替わってしまう、ということです。

書き始める前に確認する手順

ステップすること確かめること
1キーになる名詞の直前にある動詞を確認するhave なのか、live with なのか、spend time with なのか
2その動詞のもとで名詞が指す範囲を言葉にしてみる子どもの数のことか、同居する人のことか
3タスクが比較している2つを書き出すsmall family と large family が、どの軸での大小なのか
4思いついたアイデアをその軸に当てる祖父母の育児支援のように、別の軸のものが混ざっていないか

この確認に1分ほど使っておくと、書き終えてから題材のずれに気づく事態を避けられます。とくに family、community、education のように、日本語にすると意味の幅が広がる語が出てきたときは、動詞まで含めて読んでおくとよいでしょう。

06よくある質問

large family は多世帯の家族という意味では使われないのですか

文脈によっては人数の多い世帯を指すこともあります。ただ、have a large family という形になると、子どもの数が多い家族という意味で受け取られるのが一般的です。同居の構成を伝えたい場合は live with an extended family や multigenerational household のような表現が使われます。

タスクの中で large family がどちらの意味かを見分ける方法はありますか

名詞だけでなく、その前にある動詞まで含めて読みます。have a large family、have a small family という形であれば、通常は子どもの数の多さや少なさに焦点があると考えられます。live with や live in が付いている場合は、誰と暮らしているか、どういう居住形態かに焦点が置かれます。aunts, uncles and grandparents のように誰を含むかが列挙されている場合も、世帯の構成の話です。

family size と household size は何が違うのですか

この2つの対応は、資料によって変わります。カナダ統計局のセンサス用語集は family size を家族に属する人数として定義していますが、イギリスのONSが使う completed family size は女性一人あたりの子どもの平均人数を指します。統計上の定義は資料や分野によって違うので、今回のタスクで手がかりになるのは family size という用語ではなく、have a small family rather than a large family という形そのものです。

多世帯の意味で書いてしまった場合、スコアにはどう影響しますか

Task Response の評価に関わります。タスクが比較している対象と、答案が比較している対象が入れ替わるためです。段落の構成や文法が整っていても、応答している問いが違うと挽回が難しくなります。

I come from a large family. はどういう意味になりますか

きょうだいが多い家庭で育った、という意味で使われます。祖父母と同居していたという意味では受け取られません。Cambridge Dictionary も I come from a large family - I have three brothers and two sisters. という用例を載せていて、きょうだいの多さとして言い換えられています。

小家族の欠点として、祖父母の育児支援が得られないことを書くのは適切ですか

今回のタスクでは軸がずれます。比較しているのは子どもが少ない家族と子どもが多い家族なので、祖父母がいるかどうかはどちらにも共通しうる条件だからです。子ども一人に期待が集中する、きょうだいとのやりとりから学ぶ機会が減る、といった内容のほうが比較に乗ります。

日本語の大家族という語をそのまま英語に置き換えてもよいですか

意味の幅が違うので注意が必要です。日本語の大家族は人数の多さと同居の両方を含みますが、英語では動詞によってどちらの話かが決まります。子どもが多いことを言いたいなら have a large family、同居を言いたいなら live with an extended family のように使い分けます。

タスクの表現の意味に迷ったとき、どこまで自分で解釈してよいのでしょうか

タスクの英文に書かれている範囲で判断します。動詞、比較の対象、修飾している語句を確認すれば、多くの場合は解釈の幅が絞れます。それでも複数の読み方が残る場合は、どちらの読み方でも成立する内容を選んでおくと、題材のずれを避けられます。

07まとめ

large family の意味は family という語だけでは決まりません。動詞や修飾語を含めた組み合わせと、その文の文脈が範囲を絞ります。今回のタスクでは have が置かれ、世界的な trend という枠組みが重なっているため、子どもの数の話として読むことになります。

  • have a large family、have a small family は、通常、子どもの数の多さや少なさに焦点を置く表現です。Oxford Learner’s Dictionaries も They have a large family. を children の語義の用例として載せています
  • live with extended family、live in a multigenerational household は、誰と暮らしているかについての表現です
  • I come from a large family. は、きょうだいが多い家庭で育ったという意味で使われます
  • family size は、家族の人数を指すことも子どもの数を指すこともあり、統計上の定義は分野によって違います
  • 収録タスク509件のうち family を含む21件では、世帯構成を扱うタスクに live with や列挙が添えられています
  • 読み違えると答案の題材が入れ替わり、Task Response の評価に関わります
  • 書き始める前に、名詞だけでなく直前の動詞と文の枠組みまで確認しておきましょう

意味の幅が広い語ほど、日本語の語感を当てはめたくなります。そこで一度立ち止まって、動詞と枠組みまで含めて読む習慣がつくと、タスクの読み違いはかなり減らせます。今回の large family は、その練習としてちょうどよい例です。

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Hibiki Takahashi

この記事を書いた人

Hibiki Takahashi

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