Some people think that / Some people believe that / Others argue that という形が付いていれば、その文は主張であることが多くなります。収録タスク509件のうち、think・believe・argue のいずれかを含むものは286件でした。
Some people believe that handwriting is no longer useful in the modern world and should not be taught in schools. To what extent do you agree or disagree?
✗
and の前後を、独立した2つの論点だと考える「現代で役に立つか」と「学校で教えるべきか」を別々に論じ、立場がぼやける
○
and が結ぶのは believe that に続く2つの述語。内容の上で前半が後半の根拠になっている答えるのは「学校で教えるべきではない」への賛否
なぜ読み違えるのか
and と or は、語と語を結ぶこともあれば、述語と述語を結ぶこともあります。ここで and が結んでいるのは、is no longer useful in the modern world と should not be taught in schools の2つの述語です。ただし、and がこの2つを対等な論点として並べているとは限りません。内容の上では、前半の「現代では役に立たない」が、後半の「学校で教えるべきではない」という判断の根拠になっています。
and や or を見つけたら、その前後で同じ形が繰り返されていないかを見ます。ここでは is と should not be という2つの述語が並んでいるので、結ばれているのは述語どうしだと分かります。そのうえで、前半が後半の理由になっていないかを見ます。理由として示されている部分は、自分のメインアイデアとしてそのまま使えます。タスクの側にメインアイデアが置かれている形は、次の記事でまとめています。
2つ目は、this や these、it や they が何を指すのかを決めないまま読み進めてしまうものです。指示語は、直前に出てきた特定の名詞を指すこともあれば、直前の文が述べた内容全体を指すこともあります。どちらなのかを決めずに読むと、論じる対象がそのままずれます。
2-1 this を、直前に出てきた名詞だと思う
The personal information of many individuals is held by large internet companies and organisations. Do you think the advantages of this outweigh the disadvantages?
✗
this=large internet companies and organisations(大手のIT企業)IT企業そのものの功罪を論じる答案になる
this のすぐ手前にあるのが companies and organisations なので、そこを受けていると考えてしまいます。ただ、この読み方は文法の面でも成り立ちません。companies and organisations は複数なので、単数の this では受けられないからです。personal information であれば数の上では受けられますが、それだと「個人情報の利点と欠点」という意味の通らない設問になります。残るのは、前の文が述べた内容全体を受けているという読み方です。
this がうしろに名詞を伴わずに単独で出てきたときは、まず単数か複数かで候補を絞ります。そのうえで、その候補を設問に入れてみて意味が通るかを確かめます。両方で残らなければ、前の文が述べた内容全体を受けています。
2-2 this development を見落として、道具の是非を論じる
More and more parents are allowing their children to play on computers and tablets as they think that children should learn technology skills. Do the advantages of this development outweigh the disadvantages?
✗
this development=computers and tablets機器そのものの利点と欠点を比べる答案になる
○
this development=子どもに機器で遊ばせる親が増えているという流れその流れが強まっていることの利点と欠点を比べる
なぜ読み違えるのか
computers and tablets が文中でいちばん具体的な名詞なので、そこが話題の中心に見えます。development という語は「変化」「流れ」を意味するので、受けているのは機器ではなく、More and more parents are allowing ... という変化のほうです。
this のうしろに来る名詞は、指しているものを判断する手がかりになります。policy、statement、opinion、trend、development、situation のように、出来事や意見をひとことでまとめる語であれば、前の文の内容全体や、そこで述べられた出来事・意見をまとめて受けていることが多くなります。tax や law のように前の文にそのまま出ている物の名前であれば、その名詞を指します。ただし、これはあくまで手がかりです。最後は文全体の組み立てと、その読み方で設問の意味が通るかどうかで決めます。
The government introduced a new tax on electric vehicles. This tax has been criticised by consumers. という形であれば、This tax が指すのは a new tax on electric vehicles という名詞のかたまりで、前の文の内容全体ではありません。
表現
何を指すか
収録タスクでの件数
this statement
直前に置かれた主張の文の全体
29件
this problem
直前の文が述べた問題の状況
15件
this issue
直前の文が述べた論点
7件
this trend
直前の文が述べた変化の動き
7件
this opinion
直前に示された意見の中身
6件
this development
直前の文が述べた変化そのもの
5件
this tax、this law など
前の文に出ているその名詞のかたまり
個別のタスクによる
指示語は this と these だけではありません。it、they、them、their や、the cause of this、the reason for this のような形でも同じことが起こります。とくに it は、前の内容を受ける it と、it is mandatory for ... のように形式的に置かれる it があるので、取り違えると文の意味が変わります。
収録タスク509件のうち、this または these を含むものは216件、およそ42パーセントありました。そのうち180件は、設問の文の中に指示語があります。設問側に指示語がある場合は、それが何を指すかを決めない限り、答える対象そのものが決まりません。迷ったときは、指している中身を日本語で1文にしてみると決まります。
このセクションで扱うのは、繰り返し出てくる定型表現です。the arts や life expectancy のように語句がまとまってひとつの意味になるものと、To what extent do you agree or disagree? のように設問の側で毎回同じ形で出てくるものの2種類があります。文脈によって意味が決まる表現は、05の実例のほうで扱います。
3-1 the arts を「いくつかの芸術作品」だと思う
The government should lower the budget on the arts in order to allocate more money to education. To what extent do you agree?
✗
the arts=art の複数形。いくつかの芸術作品作品の購入費や展示の話に流れる
○
the arts=音楽・美術・演劇・文学などを含む芸術分野全般芸術分野への公的支出と教育予算の配分を論じる
なぜ読み違えるのか
art も the も知っている語なので、複数のsが付いただけの形として処理してしまいます。the arts や the media のように、the と複数形・集合的な名詞が組み合わさって、特定の分野や領域を表す表現があります。
art と the arts の使い分けは、それだけで一本の記事になる内容です。詳しくは次の記事で扱っています。
the business world=ビジネスが行われる世界。実業界、経済界その分野で何が起きているかを論じる
なぜ読み違えるのか
名詞が2つ続くときは、うしろの名詞が中心になり、前の名詞がその種類や領域を限定する形になることが多くなります。business world であれば中心は world のほうで、business はその領域を絞る語です。前の語から順に足していくと、対象が分野から人へ移ります。in the business world であれば「実業界では」となり、その分野でそういう現象が見られる、という意味になります。
定型表現は設問の側にもあります。To what extent do you agree or disagree? や Discuss both views and give your own opinion. は、毎回同じ形で出てくるかわりに、求めている答えの要素も決まっています。この形に慣れていないと、書かれている語から自分で解釈を作ってしまい、要素を落とします。設問の定型表現と、それが求めている要素は対で覚えておきましょう。
設問の定型表現
答えとして求められている要素
この表現を含むタスク数
agree or disagree
賛成か反対かの立場
154件
Discuss both views
両方の見解の検討
131件
To what extent
どの程度そう言えるのかという判断
120件
give your own opinion
自分の意見
93件
positive or negative
良い方向か悪い方向かという評価
44件
Do the advantages outweigh the disadvantages?
利点と欠点のどちらがより大きいかという判断
36件
What can be done?
対策
9件
クエスチョンマークの数だけで要素を数えないようにしましょう。Discuss both views and give your own opinion. にはクエスチョンマークが付きませんが、答えるべき要素は3つあります。両方の見解に触れただけで自分の意見を書かずに終わると、指示の一部に答えていないことになります。
cause という語に引っ張られて、原因のほうを答えてしまう読み違いです。ここでの cause は動詞で「引き起こす」という意味なので、What problems does this cause? は「このことがどんな問題を引き起こすか」を聞いています。2つ目の What can be done about this? は対策なので、このタスクが求めているのは問題と対策の2つです。原因を並べた答案は、どちらの設問にも当たりません。
同じ cause でも、what が主語の位置にあるか目的語の位置にあるかで、聞かれているものが入れ替わります。
Some people believe that residents are responsible for keeping the streets clean and tidy, while others believe that this is the responsibility of the government. Discuss both views and give your own opinion.
✗
the streets の範囲が決まらず、高速道路まで含めて考える誰の家の前でもない道路の清掃まで住民の責任にしてしまう
○
keeping the streets clean and tidy=街の清掃生活圏の道と考えて、住民と行政の責任を論じる
An increasing number of developing countries are expanding their tourist industry. Why do you think this is the case? Do you think it is a positive or negative development?
✗
case を「事件」「場合」と読み、何を聞かれているか決まらない書き出せないまま時間を使う
○
this is the case=そういう状況になっている途上国が観光産業を拡大している理由と、その是非を答える
the case は「実際にそうである状態」を指します。Why do you think this is the case? は「なぜそうなっていると思うか」なので、答えるのは「発展途上国が観光産業を拡大しているのはなぜか」です。2つ目の設問の it も同じ内容を受けているので、観光産業そのものの良し悪しではなく、途上国が観光産業を拡大していることを評価します。
これは表現そのものを知らない場合にあたり、当てはまる型は誤読3と誤読2の重なりです。定型表現のところで止まり、そのうえ this と it が何を指すかも決まっていないため、2つの設問のどちらにも答えられなくなっています。the case がなぜ「状況」を表すのかは、次の記事で解説しています。
Some people think the primary purpose of schools is to turn children into good citizens and workers, rather than to benefit them as individuals. To what extent do you agree or disagree with this opinion?
✗
good citizens=道徳的に立派な人、法を守る人学校が道徳教育をすべきかという話になる
○
good citizens=社会の一員として適切な役割を果たす人に近い社会にとって望ましい人を育てるのか、その子自身のためになることを優先するのかを論じる
good citizen は、この文脈では社会の一員として適切な役割を果たす人という意味に近くなります。good member of society も同じ発想の表現で、道徳の話に限りません。ここでは good citizens and workers と並べられているので、社会にとって望ましい人を育てる、という方向で読めます。
そう読めれば、rather than to benefit them as individuals との対比がはっきりします。社会にとって望ましい人を育てるのが学校の第一の目的なのか、それともその子ども自身のためになることを優先するのか、という軸です。この軸を取り違えると、賛成も反対も設問とかみ合いません。当てはまるのは誤読3で、good も citizen も知っている語なので辞書を引かなかったところが分かれ目になっています。
例5:change their jobs が転職なのか職種の変更なのかで迷う
Many young people regularly change their jobs over the years. What are the reasons for this? Do the advantages outweigh the disadvantages?
✗
job=職業。職種そのものを変えることなのか決まらないどちらの話か決められず書き出せない
○
change jobs=仕事を変える、転職する同じところに長く留まらない働き方について論じる
change jobs は「仕事を変える」「転職する」という意味の言い方で、職種まで変えるのか勤め先だけを変えるのかまでは決めていません。職業の種類そのものを指すときは career や occupation を使います。
手がかりになるのは regularly change their jobs over the years という書き方です。同じ仕事や勤め先に長くとどまらない働き方、という範囲で読めば、理由も利点と欠点も立てられます。答案でどちらか一方に限定する必要はありません。職種の変更まで含む例を出す場合は、そう断ってから使えば範囲がぶれません。これも意味の範囲を決められない迷いで、当てはまる型は誤読3です。
例6:too much を「多くの」と読み、否定的な評価を取り損ねる
Some people say that too much attention and too many resources are given to the protection of wild animals and birds. To what extent do you agree or disagree?
✗
too much attention=多くの関心が向けられている「野生動物の保護には関心が必要だ」という結論に進んでしまう
○
too much attention=関心が向けられすぎている過剰だという評価に、どの程度賛成するかを答える
too much と too many が表すのは、量が多いことではなく、必要な量を超えていることです。ここでの主張は「野生動物や鳥の保護に、関心も資源も注がれすぎている」という否定的な評価になります。答えるのは、その評価にどの程度賛成するかです。
too を強調の語として処理すると、この評価が抜け落ちます。「多くの関心が向けられている」と読んだ時点で、主張が中立の記述に変わってしまうため、そのあとに「保護には関心が必要だ」と書いても、賛成しているのか反対しているのかが伝わりません。反対の立場を取ること自体は問題なく、その場合は「過剰ではない」という形で書きます。
It is a natural process that animal species such as dinosaurs become extinct. There is no reason for people to prevent this from happening. Do you agree or disagree?
such as のうしろに来るのは例です。ここで論じる対象になっているのは animal species のほうで、dinosaurs は「たとえば恐竜のように」と分かりやすさのために添えられているにすぎません。にもかかわらず、目に入った具体名のほうが強く残るため、タスク全体が恐竜についての問題に見えてしまいます。
もう1つは、設問が何を問うているかです。There is no reason for people to prevent this from happening は、防げるかどうかという能力の話ではなく、防ぐ理由があるかどうかという是非の話です。答案は cannot prevent、are unable to stop と、できるかどうかの側だけで組み立てられているため、賛成と書いてあっても、示された主張に答えたことになりません。ここでの this も、直前の名詞である dinosaurs ではなく、動物種が絶滅するという背景文の内容全体を受けています。
It is a natural process that animal species such as dinosaurs become extinct. There is no reason for people to prevent this from happening. Do you agree or disagree?
例7と同じタスクですが、読み違いが起きている場所は違います。こちらは dinosaurs ではなく、animal species のほうの範囲を広く取ったものです。
✗
animal species には人間も入る。人が自分たちの絶滅を防ぐ理由があるかを論じる生き延びたいのは本能だ、子孫を残したいという話に進む
○
people が絶滅を防ぐ側として置かれている。人が動物種の絶滅を防ぐべきかを論じる語の範囲ではなく、設問全体が成り立つ読み方を取る
この読み方でも、英文は書けてしまいます。導入は次のような形になります。
Some people claim that there is no need to stop species from dying out because extinction has always been part of nature. I disagree with this idea, since the wish to survive and to leave children behind is an instinct that no animal, including us, can give up.
animal species という語だけを見れば、人間を含めることはできます。生物学の分類でも人間は動物種の1つなので、含めて読むこと自体を語彙や文法の誤りとして扱う必要はありません。分かれ目は語の範囲のほうにはありません。
手がかりになるのは2文目の people です。絶滅するのは animal species、それを防ぐかどうかを問われているのは people という形で、2つは書き分けられています。同じものを指しているなら、prevent this from happening ではなく、自分たちが絶滅することを防ぐという書き方になるはずです。a natural process という語も、人の手が入らない流れとして置かれているので、対比の相手は人による保護のほうです。
To what extent do you agree or disagree? や Do you think this is a positive or negative development? のように賛否や評価を求めるタスクでは、反対側に立った人の言い分を頭の中で1つ作ってみます。20秒もあれば済みます。片方の立場しか成り立たないと感じたときは、アイデアが出てこないのではなく、読み方のほうがずれていることがあります。
What are the reasons for this? や What problems does this cause?、What can be done about this? のようなタスクでは、反対の立場を作る必要はありません。理由・問題・対策といった求められているものを、その読み方でそのまま挙げられるかを見ます。設問が2つあるタスクなら、両方について挙げられるかまで確かめます。
this のうしろに来る名詞が手がかりになります。statement、opinion、policy、trend、development のように出来事や意見をまとめる語であれば、前の文の内容全体や、そこで述べられた出来事・意見を受けていることが多くなります。tax や law のように前の文にそのまま出ている物の名前であれば、その名詞を指します。迷ったら、指している中身を日本語で1文にしてみると決まります。