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ライティング・タスク2

議論型と説明型はどう違う?問題タイプ別に見るタスク2の書き分け

執筆:高橋 響 公開日:

ライティング・タスク2の対策では、問題タイプごとの構成パターンを覚えることに時間をかけがちです。ただ、その手前にもう一段大きな分かれ道があります。そのタスクが「自分の判断を示す問題」なのか、「起きていることを説明する問題」なのかという違いです。ここを取り違えると、構成が正しくても聞かれていないことに答える答案になってしまいます。この記事では、議論型と説明型の違いを整理し、6つの問題タイプがどちらに当たるのか、書き方が具体的にどう変わるのかをまとめます。

01議論型と説明型は何が違うのか

タスク2のエッセイは、大きく2つの性格に分けられます。自分の判断を示して読み手を納得させる議論型(argumentative)と、対象について説明・分析する説明型(expository)です。

議論型

自分はどう判断するか

賛成か反対か、良い変化か悪い変化か、利点が上回るか。書き手の立場(ポジション)を決め、その根拠を示して読み手を納得させることが目的になります。

説明型

何が起きているか

原因は何か、どんな影響があるか、どんな対策が考えられるか。書き手の好みではなく、対象の仕組みや要素を整理して読み手に理解させることが目的になります。

違いが最もはっきり出るのは、書き手自身が答案の中に出てくるかどうかです。議論型では I believe や In my view のように立場を明示する必要がありますが、説明型では書き手の好みを述べる場面がほとんどありません。説明型のタスクに I strongly agree と書き出してしまうと、聞かれていないことに答える形になり、採点基準(Band Descriptors)のTask Responseの観点で不利になります。

もう一つの違いは、支持文(サポート)の役割です。議論型のサポートは「なぜそう言えるのか」という理由づけですが、説明型のサポートは「それはどういうことか」という具体化や仕組みの説明が中心になります。同じ4段落構成でも、段落の中でやっていることが違うということです。

02タスク文のどこで見分けるか

見分ける場所は、タスク文の最後にある指示文(インストラクション)です。判断を求める言い方か、内容を尋ねる言い方かで、ほぼ判別できます。

指示文の型求められていること性格
To what extent do you agree or disagree?賛否の度合いを判断する議論型
Do the advantages outweigh the disadvantages?どちらが上回るかを判断する議論型
Is this a positive or negative development?変化の良し悪しを評価する議論型
What are the advantages and disadvantages?利点と欠点を挙げて説明する説明型
What are the causes of this problem?原因を挙げて説明する説明型
What measures could be taken?取りうる対策を挙げて説明する説明型

目安になるのは、指示文に you や your opinion が入っているかどうかです。do you agree、your own opinion、do you think のように読み手ではなく書き手の判断を求める言い方があれば議論型です。逆に What are ... や Why ... のように内容そのものを尋ねる疑問文であれば、判断ではなく説明が求められています。

ただし outweigh のように、疑問文の形をしていても判断を求める語もあります。指示文を読むときは、動詞が「聞いている」のか「決めさせている」のかを確認するとよいでしょう。

036つの問題タイプはどちらに当たるか

タスク2でよく使われる6つの問題タイプを、この軸で並べ直すと次のようになります。

問題タイプ性格答案でやること
Agree/Disagree議論型賛否の立場を決め、理由で支える
Discuss both views議論型(説明を含む)2つの意見を説明したうえで自分の立場を示す
Advantage/Disadvantage指示文による列挙なら説明型、outweighなら議論型
Cause/Problem/Effect/Solution説明型原因や影響を分析し、対策を提示する
Positive/Negative development議論型変化を評価し、その根拠を示す
組み合わせ・イレギュラー混合問われている要素ごとに書き分ける

注意したいのはAdvantage/Disadvantageです。同じ利点と欠点を扱うタスクでも、What are the advantages and disadvantages? と Do the advantages outweigh the disadvantages? では、求められている答えが変わります。前者は両方を説明して終えてよいのに対し、後者はどちらが上回るかを決めなければ答えたことになりません。

Cause/Solutionのタスクも、対策を提案する部分で判断が入っていると感じるかもしれません。ただしここで求められているのは「どの対策が正しいかを論じること」ではなく、「実行可能な対策を挙げて、それがどう働くかを説明すること」です。この違いを押さえておくと、対策の段落で立場の表明に紙幅を使いすぎずに済みます。

ライティング・タスク2 問題タイプ別の答え方:6分類と構成パターン【総論】

04トピックセンテンスとサポートの違い

性格が違えば、段落の書き方も変わります。同じトピックでも、トピックセンテンスに置くものが違ってきます。

議論型のトピックセンテンス

The main reason why remote work should be encouraged is that it reduces commuting time.

However, I believe that face-to-face meetings are still necessary for complex projects.

議論型では、トピックセンテンスに「自分の主張+その理由」が入ります。ボディ1とボディ2は、どちらも最終的な立場を支えるために存在しています。読み手が段落の1文目だけを追っても、書き手がどちらの立場なのかが分かる状態が理想です。

説明型のトピックセンテンス

One of the main causes of traffic congestion is the rapid increase in private car ownership.

A practical measure is to improve public transport in suburban areas.

説明型では、トピックセンテンスに「その段落で扱う要素」が入ります。原因なら原因、対策なら対策を1つずつ立てて、後続の文でその中身を具体化します。ここに I think を入れる必要はありません。

サポートの書き方も変わります。議論型のボディでは、主張がなぜ成り立つのかを示す必要があるため、because や This means that のような理由と帰結のつながりが中心になります。説明型のボディでは、挙げた要素がどう働くのかを示すため、For example や As a result のような具体化と結果のつながりが中心になります。

段落の要素議論型説明型
トピックセンテンス主張と理由その段落で扱う要素
サポートなぜそう言えるかの理由づけどういうことかの具体化
一人称立場を示すために使う基本的に使わない
結論立場を言い直す挙げた要素をまとめる

結論の書き方は特に差が出ます。議論型の結論で要点を並べるだけで終えると立場が消えてしまい、説明型の結論で急に I strongly believe と書くと、本文にない主張が最後に出てくる形になります。どちらも一貫性の観点で不利になるため、本文と結論の性格はそろえておくとよいでしょう。

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05両方が混ざるタスクの扱い

実際の試験では、1つのタスクの中に説明と判断の両方が入っていることがあります。代表的なのが次の3つです。

  • Discuss both views and give your own opinion.:2つの意見を説明する部分は説明型の書き方、最後に自分の立場を示す部分は議論型の書き方になります。
  • Why is this happening and is it a positive or negative development?:前半は原因の説明、後半は評価です。ボディ1を説明、ボディ2を評価に割り当てると整理しやすくなります。
  • What are the causes and what can be done to solve it?:どちらも説明型ですが、扱う対象が違います。原因の段落に対策を混ぜないようにします。

混合型で起きやすいのは、片方の要素だけが厚くなることです。原因の分析に熱が入って対策が2行で終わる、という配分になると、問われた要素を十分に扱っていないと見なされ、Task Responseの観点で不利になります。プランニングの段階で、どの段落がどの問いに答えるのかを決めておくとよいでしょう。

Discuss both viewsのタスクでは、2つの意見の説明と自分の立場を、どの段落に割り振るかで構成が変わります。ボディ1とボディ2でそれぞれの意見を説明し、結論で立場を示す形もあれば、ボディ2を自分の立場に充てる形もあります。どちらでも構いませんが、自分の意見を書き落とすことだけは避けたいところです。

06よくある取り違え

覚えた型を別の性格のタスクに当てはめてしまうのが、最も起きやすい失敗です。

説明型に議論型のテンプレを流用する

I completely agree that the main cause is the lack of public transport.原因を尋ねられているのに賛否で答えている

One of the main causes is the lack of reliable public transport in rural areas.原因を1つ挙げて説明に入る

議論型で立場を出さずに終える

In conclusion, there are both advantages and disadvantages to this trend.outweighを問われているのに判断がない

In conclusion, the benefits of this trend clearly outweigh its drawbacks.どちらが上回るかを言い切る

もう一つ多いのが、説明型のタスクで対立意見を持ち出してしまうパターンです。譲歩や反論は議論型で効果を発揮する道具であって、原因や対策を説明する段落では話がぶれる原因になります。Some people may argue that という書き出しを使う前に、そのタスクが反論を必要としているかを確認するとよいでしょう。

07よくある質問

説明型のタスクで自分の意見を書いてはいけないのですか。

書いてはいけないわけではありませんが、聞かれていない要素に紙幅を使うことになります。原因や対策を尋ねられている場合は、その説明を厚くするほうがTask Responseの観点では有利です。対策を挙げる場面で、なぜその対策が有効かを述べるのは説明の一部なので問題ありません。

議論型と説明型で語数の配分は変わりますか。

全体の語数は変わりません。変わるのは中身の配分です。議論型は立場を支える理由に語数を使い、説明型は挙げた要素の具体化に語数を使います。混合型では、問われた要素の数だけ段落を確保し、どれかが極端に薄くならないようにします。

Advantage/Disadvantageのタスクはどちらとして書けばよいですか。

指示文で決まります。What are the advantages and disadvantages? なら両方を説明して終えて構いません。Do the advantages outweigh the disadvantages? なら、どちらが上回るかの判断を必ず示します。判断を求められているのに両論併記で終えると、答えたことになりません。

説明型でも譲歩表現は使えますか。

使える場面はありますが、対立意見への譲歩というより、条件や例外を示す使い方になります。たとえば対策を挙げたあとに、その対策が働きにくい状況に触れる形です。議論型のように「確かに反対意見にも一理あるが」という展開を持ち込むと、説明の焦点がぼやけます。

どちらの型か迷ったときはどうすればよいですか。

指示文を、答えの形に置き換えてみるとよいでしょう。答えが「はい・いいえ」や「良い変化だ」のような判断になるなら議論型、答えが「原因は3つある」のような内容の列挙になるなら説明型です。それでも迷う場合は、指示文に your opinion が含まれているかを確認します。

プランニングの手順も型によって変えるべきですか。

大枠は同じですが、最初に決めるものが違います。議論型はまず立場を決め、それから理由を2つ用意します。説明型は立場を決める段階がないので、問われた要素を2つずつ書き出すところから始めます。ここを間違えると、プランニングの途中で手が止まりやすくなります。

08まとめ

問題タイプごとの構成を覚えることは大切ですが、その前に「判断を求められているのか、説明を求められているのか」を確認する手順を入れておくと、タスクの読み違いが減ります。

  • 議論型は立場を決めて理由で支える。説明型は要素を挙げて具体化する
  • 見分けるのは指示文。your opinionやoutweighがあれば判断が求められている
  • Advantage/Disadvantageは指示文次第で説明型にも議論型にもなる
  • トピックセンテンスに置くものが変わる。議論型は主張と理由、説明型は扱う要素
  • 混合型は、どの段落がどの問いに答えるかをプランニングの段階で決めておく
  • 本文と結論の性格をそろえる。議論型の結論で立場を消さない、説明型の結論で急に主張しない

タスク文を読んだら、構成パターンを思い出す前に、指示文の動詞を1度確認してみるとよいでしょう。そこで型が決まれば、あとは覚えた構成をそのまま当てはめられます。

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Hibiki Takahashi

この記事を書いた人

Hibiki Takahashi

日本語で学ぶIELTS対策専門スクール『PlusOnePoint(プラスワンポイント)』創設者・代表。『英語ライティングの鬼100則』(明日香出版社)著者。1997年に大阪大学医学部を卒業後、麻酔科専門医として活躍。2012年渡豪時に自身が苦労をした経験から、日本人を対象にIELTS対策のサービスを複数展開。難しい文法・語彙を駆使するのではなく、シンプルな表現とアイデアで論理性・明瞭性のあるライティングを指導している。これまでの利用者は4,500名を超え、Twitterで実施した「12週間チャレンジ」では、わずか4週間で7.0、7週間で7.5など、参加者4名全員が短期間でライティングスコア7.0以上を達成(うち2名は7.5を達成)。「IELTSライティングの鬼」の異名を持つ。オーストラリア在住14年、IELTS 8.5(ライティング 8.0)、CEFR C2。

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