『表現マスターW』は、プラスワンポイントの受講生が活用しているIELTS学習アプリです。自分で登録した英語表現を、英作文の中で使い切れるようになるまで練習します。ユーザー登録をすれば無料でも利用できます。ただし登録数に上限がないため、使っているうちに登録数が100を超えると、どれも中途半端なまま残ります。
この記事では、登録する表現をどの順番で選べばよいのか、なぜ常時30個以内に保つのがおすすめなのか、そして『運用語彙強化』とどう役割を分けるのかを、アプリの画面に沿って解説します。
目次
『表現マスターW』はどんなアプリか
なぜ登録は常時30個以内がおすすめなのか
何から登録するか:優先順位の3段階
『運用語彙強化』とどう使い分けるか
マスターした表現をどう入れ替えるか
よくある質問
まとめ
01 『表現マスターW』はどんなアプリか
『表現マスターW』は、自分で登録した表現を、日本語から英語に訳す練習を通して定着させるアプリです。プラスワンポイントの受講生が課題と並行して使っているツールで、単語帳のように意味を確認するのではなく、毎回その表現を使った英文を自分で書き、AIの添削を受けます。使えたかどうかがその場で判定されるので、覚えたつもりのまま残っている表現があぶり出されます。
プラスワンポイントのアプリはユーザー登録をすれば無料で使えます。無料のアカウントには1日・1週・1か月それぞれにAIの利用上限が設定されていて、残量は画面下部のトークン利用状況で確認できます。上限に達すると、その期間が切り替わるまでAIの添削は動きません。だからこそ、限られた回数をどの表現に使うかという判断が重要になります。
登録から練習までの流れ
ステップ すること 画面で確かめること
1 登録
英語の表現と日本語の意味を入力する。練習で使う例文はAIに作ってもらうか、自分で書く
「意味の候補を表示」で語義が複数出た場合、自分が使いたいのはどれか
2 通常練習
日本語1文が出題されるので、その表現を使って英語1文に訳す。1問75秒
Targetとして表示されている表現を実際に使えたか
3 添削を読む
AI修正版・推奨表現・フィードバックを確認する
指摘が語法の誤りなのか、より自然な言い方の提案なのか
4 マスターチャレンジ
登録した表現から3〜4個が選ばれ、それを組み込んだ約100語のボディパラグラフを書く。制限時間なし
1文単位では使えた表現が、パラグラフの中でも使えるか
添削は0点から5点で返り、4点以上が○、2点から3点が△、1点以下が×として表示されます。この点数は表現ごとに累積し、累計10点で準マスター、20点でマスターになります。つまり、満点を取り続けても1つの表現をマスターにするには4回の練習が必要で、途中でつまずけばもっとかかります。
IELTS学習アプリ
表現マスターW
プラスワンポイントの受講生が活用しているアプリです。自分で登録した表現を英作文で練習し、AIの添削で使い方を確認できます。ユーザー登録をすれば無料で利用できます。
02 なぜ登録は常時30個以内がおすすめなのか
登録数は常時30個以内に保つのがおすすめです。理由は単純で、それ以上あると1つの表現に練習が回ってこなくなるからです。
前の節で見たとおり、1つの表現をマスターまで持っていくには最低でも4回の練習が必要です。通常練習は1回のセッションで1問・3問・5問から選べるため、5問ずつ進めると、30個すべてに1回ずつ練習するだけでも6セッション必要です。登録数が150個あれば30セッション、マスターまでとなると単純計算で120セッションです。1日1セッションのペースなら、単純計算でも約4か月かかります。最初に登録した表現を練習するころには、なぜそれを登録したのかも忘れています。
登録数 全部に1回ずつ練習する(5問ずつ) 全部をマスターにするまで
30個 6セッション 24セッション
60個 12セッション 48セッション
150個 30セッション 120セッション
登録は数秒で終わるので、記事や添削で気になった表現を見かけるたびに追加したくなります。その結果、気がつくと100個から200個になっていて、どれも準マスターにも届いていないという状態になりがちです。『表現マスターW』で得点につながるのは、登録した表現の数ではなく、自分の答案の中で正しく出てくるようになった表現の数です。
30個という数には、もう一つ実務上の利点があります。一覧画面を開いたときに全体を1画面で見渡せる程度の量なので、いま自分が何を直そうとしているのかを把握したまま練習を続けられます。上限に達したら、新しく登録する前にマスター済みの表現を外すという運用になり、優先順位を考える機会が自然に生まれます。
03 何から登録するか:優先順位の3段階
30個という枠を決めたら、次はその枠に何を入れるかです。登録する表現は、次の3段階の優先順位で選ぶのがおすすめです。上から順に埋めていき、いちばん下は数個で十分です。
優先順位 登録する表現 どこから見つけるか 目安の個数
第1優先
いま自分が使っていて、使い方を誤って覚えている表現
添削で指摘が入った箇所、模擬試験のフィードバック
15個から20個
第2優先
テーマを選ばずどのエッセイでも使える語彙・表現
過去に書いた答案で、言いたいのに言えなかった内容
10個前後
第3優先
表現の幅を広げるための表現
読んだ記事や模範解答で目に留まった言い回し
数個
3-1 第1優先:誤って覚えている表現
最優先で登録するのは、いま自分が使っていて、しかも使い方を誤って覚えている表現です。知らない表現は、そもそも自分の答案に誤用として出てきません。一方で、誤って覚えている表現は、正しいと思っているぶん繰り返し使ってしまい、そのたびにGrammatical Range and Accuracyの正確さの面で不利になります。
典型的なのは、日本語の意味だけを覚えていて、うしろに続く形が抜けている場合です。encourageは日本語で「促す」と覚えていると、何を促すのかという目的語なしで使ってしまうことがあります。
✗
The government should encourage to use public transport.誰に促すのかが抜けている
○
The government should encourage citizens to use public transport.encourage 人 to do の形で書く
形 例
encourage 人 to do encourage citizens to use public transport
encourage 名詞・動名詞 encourage recycling
despiteも同じで、although と同じ感覚で節を続けてしまう例が多く見られます。うしろには名詞か動名詞が来ます。節を続けたい場合は despite the fact that を使います。
✗
Despite the cost is high, many families still buy a car.despite のうしろに節は続きません
○
Despite the high cost, many families still buy a car.名詞句を続ける
こうした誤りは、自分では正しいと思って書いているので、答案を見直しても気づけません。添削で指摘が入った表現をそのまま『表現マスターW』に登録しておくと、次に同じ表現を書く場面で正しい形が出てくるかどうかを、実際に書いて確かめられます。メモ欄に「うしろは名詞か動名詞」のように、自分が間違えた形を書き添えておくと、練習画面で復習の手がかりになります。
登録するときは、練習で使う例文を自分で書くこともできます。自分が実際に間違えた文脈に近い例文にしておくと、出題される日本語も自分の答案に近い内容になります。書いた英文は「AIチェック(任意)」で妥当性を確認できるので、誤ったまま登録してしまう心配は小さくなります。
3-2 第2優先:テーマを選ばず使える表現
次に登録するのは、テーマに縛られず、どのエッセイでも使える語彙・表現です。ここをマスターしておくと、今後のエッセイが目に見えて書きやすくなります。
テーマ別の語彙は、そのテーマが出題されたときにしか使えません。教育のタスクのために覚えた語は、環境のタスクでは出番がありません。一方で、encourage・given・despite のような表現は、どのテーマでも、譲歩や前提を述べる場面で出番があります。1つ覚えるごとに使える場面が増えるので、練習に使う回数の割に見返りが大きくなります。
表現 使う場面 形の注意点
encourage
政策や制度が人の行動を後押しする場面
encourage 人 to do、または encourage 名詞・動名詞の2つの形で使う
given
「〜という事情を踏まえると」と、判断の前提を示す場面
given the rising cost of housing のように名詞句を続けるか、given that に節を続ける
despite
譲歩を1文の中で短くまとめる場面
うしろには名詞か動名詞が来る。節を続けるなら despite the fact that
givenは「〜を考慮すると」「〜という事情を踏まえると」と、判断の前提を示すときに使います。すでに成立している事情を受ける語なので、まだ起きていないことを条件として述べたい場面には向きません。
○
Given the rising cost of housing, many young people delay buying a home.住宅費の上昇という事情を踏まえると
△
Given the government increases funding, more schools will be built.条件を表すなら If the government increases funding のほうが自然
こうした表現は、意味を知っているだけでは答案に出てきません。日本語から英語に訳す練習を何度か通すことで、書いている最中に選択肢として浮かぶようになります。『表現マスターW』のマスターチャレンジは、登録した表現から3〜4個を組み込んだ約100語のパラグラフを書く実戦形式なので、この段階の表現の確認に向いています。
3-3 第3優先:表現の幅を広げる表現
3段階目は、自分の表現の幅を広げるための表現です。ここは数個で十分です。読んだ記事や模範解答で目に留まった言い回しのうち、自分でも使えそうだと感じたものだけを登録します。
この段階の表現は、登録していて最も楽しい種類のものです。だからこそ、気をつけないと登録数の大半をこれが占めることになります。使いこなせていない表現を答案に持ち込むと、かえって不自然な英文になり、Lexical Resourceの観点でも評価が上がりません。第1優先と第2優先を先に埋めたうえで、残った枠に入れる程度に留めるのがおすすめです。
登録する前に確認すること
その表現を、いま書いているテーマの答案で使う場面が思い浮かぶか
うしろに続く形(前置詞・目的語・節)まで説明できるか
すでに登録している表現と役割が重なっていないか
3つとも答えられないなら、その表現はまだ登録の段階ではありません。読んで意味が分かる状態のままにしておき、次に同じ表現に出会ったときに改めて考えるほうが、30個の枠を有効に使えます。
05 マスターした表現をどう入れ替えるか
30個の枠を保つには、入れるのと同じくらい、枠から外して削除する作業が必要になります。『表現マスターW』の一覧画面には、この入れ替えのための機能がそろっています。
一覧はすべて・未習得・準マスター・マスターの4つで絞り込めます。マスターで絞り込んで出てきた表現が、枠を空ける候補です。並び順を低スコアにすれば、逆に手つかずのまま残っている表現が上に来ます。
入れ替えの手順
ステップ すること 確かめること
1
一覧をマスターで絞り込む
その表現が最近の答案で正しく書けているか
2
枠から外す表現をチェックボックスで選び、CSVで書き出す
あとで見返せる形で記録が残っているか
3
選んだままの状態でまとめて削除する
登録数が30個を下回ったか
4
空いた枠に、直近の添削で指摘が入った表現を登録する
第1優先の表現から埋まっているか
CSVで書き出してから削除するのがおすすめです。書き出されるファイルには、表現・日本語の意味・メモ・累積スコア・練習回数・マスターレベル・最終練習日時・登録日時が入ります。CSVを読み込んで一括で戻す機能はないため、登録し直すときは手元のファイルを見ながら入力することになりますが、何をどこまで練習したかの記録は残ります。
削除するかどうかを迷ったときは、直近に書いたエッセイでその表現を使えているかを基準にするといいでしょう。アプリの中でマスターになっていても、実際の答案で出てこないなら、まだ枠に残しておく価値があります。逆に、アプリでは準マスターでも答案で安定して書けているなら、削除して別の表現に枠を渡すほうが練習の効率が上がります。
入れ替えのタイミングは、答案を提出して添削が返ってきた直後が扱いやすくなります。指摘された表現がその場で手元にあるので、第1優先の表現をそのまま登録できます。逆に、何も課題がない状態で一覧を開くと、第3優先の表現ばかりを足してしまいがちです。
06 よくある質問
『表現マスターW』は無料で使えますか
ユーザー登録をすれば無料で利用できます。無料のアカウントには1日・1週・1か月それぞれにAIの利用上限が設定されていて、残量は画面下部のトークン利用状況で確認できます。上限に達した場合は、その期間が切り替わるまで待つことになります。
登録できる表現の数に上限はありますか
アプリ側の上限はありません。ただし登録数が増えるほど1つの表現に練習が回ってこなくなるため、常時30個以内に保つのがおすすめです。5問ずつ進めた場合、30個すべてに1回ずつ練習するだけでも6セッション必要です。
マスターになるには何回練習すればよいですか
添削は0点から5点で返り、その点数が表現ごとに累積します。累計10点で準マスター、20点でマスターです。毎回5点を取り続けた場合でも4回の練習が必要になります。
最初に登録するのは知らない表現と間違えて覚えている表現のどちらがよいですか
間違えて覚えている表現が先です。知らない表現は、そもそも自分の答案に誤用として出てきません。一方で、誤って覚えている表現は、正しいと思っているぶん繰り返し使ってしまい、そのたびに正確さの面で不利になります。添削で指摘が入った表現から登録していくといいでしょう。
テーマ別の語彙は登録しないほうがよいですか
登録してはいけないわけではありませんが、優先順位は下がります。テーマ別の語彙はそのテーマが出題されたときにしか使えないのに対し、encourage・given・despite のようにテーマを選ばない表現は、どのエッセイでも使う場面があります。枠が限られているぶん、後者を先に埋めるほうが効率が上がります。
『運用語彙強化』との違いは何ですか
出題される表現をどこから持ってくるかが違います。『運用語彙強化』はあらかじめ用意されたセットから出題されるので、新しい表現のインプットに向いています。『表現マスターW』は自分で登録した表現から出題されるので、誤って覚えている表現を直す用途に向いています。
マスターになった表現は削除してよいですか
枠を空けるために削除して問題ありません。削除する前に一覧からCSVで書き出しておくと、手元のファイルを見ながらいつでも登録し直せます。判断に迷う場合は、直近に書いたエッセイでその表現を使えているかを基準にするといいでしょう。
練習で使う例文は自分で作ったほうがよいですか
自分が実際に間違えた文脈に近い例文にできるので、余裕があれば自分で作るほうが定着しやすくなります。英語の例文を書くと日本語のお題文を自動で作れますし、書いた英文の妥当性はAIチェックで確認できます。手早く登録したい場合はAIに作ってもらう設定のままで問題ありません。
07 まとめ
『表現マスターW』の成果は、答案の中で正しく出てくるようになった表現の数で決まります。枠を30個に区切ると、新しく登録するたびに何を外すかを考えることになり、その判断がそのまま自分の課題の整理につながります。
登録数は常時30個以内に保ち、上限に達したらマスター済みの表現を外してから足す
最優先は、いま使っていて使い方を誤って覚えている表現。添削で指摘が入った箇所から登録する
次に、encourage・given・despite のようにテーマを選ばず使える表現を10個前後入れる
表現の幅を広げるための表現は数個に留める
新しい表現のインプットは『運用語彙強化』で行い、『表現マスターW』はミスの撲滅に絞る
削除する前にCSVで書き出しておくと、手元のファイルを見ながらあとで登録し直せる
いま『表現マスターW』の登録数が100を超えているなら、まず一覧を開いて、直近の添削で指摘が入った表現がいくつ残っているかを数えてみるといいでしょう。その数が30個より少ないなら、残りは一度削除しても学習は止まりません。