句読点は、4つの採点基準のうちGrammatical Range and Accuracy(GRA、文法の幅と正確さ)で評価されます。2023年5月に改訂された現行版のBand Descriptorsを読むと、punctuationという語が出てくるのはこのGRAの記述だけです。Task ResponseやCoherence and Cohesionの記述には出てきません。
バンドごとに、書かれ方が段階的に変わっていきます。
Grammatical Range and Accuracy Band 9
Punctuation and grammar are used appropriately throughout.
Grammatical Range and Accuracy Band 8
The majority of sentences are error-free, and punctuation is well managed.
Grammatical Range and Accuracy Band 7
Grammar and punctuation are generally well controlled, and error-free sentences are frequent.
Grammatical Range and Accuracy Band 6
Errors in grammar and punctuation occur, but rarely impede communication.
Grammatical Range and Accuracy Band 5
Punctuation may be faulty.
Band 7の記述がgenerally well controlled(概ねよく統制されている)となっているように、上のバンドでも誤りが1つも許されないわけではありません。一方でBand 5にはfaulty(不正確)という語が出てきます。
見分け方は、カンマの前後をそれぞれ取り出して、その部分だけで1つの文として成立するか(独立節かどうか)を確かめることです。「主語と動詞がそろっているか」だけでは足りません。Although public transport is convenient は主語と動詞がそろっていますが、Althoughという従属接続詞が付いているため単独では文になりません。主語・動詞に加えて、Although、Because、If、Whenのような従属接続詞が付いていないかまで見ます。
カンマの前後がどちらも独立節だった場合は、次のいずれかの形にします。
直し方
例
ピリオドで2つの文に分ける
Governments should invest more in public transport. This would reduce traffic congestion.
andやbutなどの等位接続詞をカンマの後に足す
Governments should invest more in public transport, and this would reduce traffic congestion.
セミコロンでつなぐ
Governments should invest more in public transport; this would reduce traffic congestion.
However hard governments try, traffic congestion remains a problem.
However you look at it, the cost of the project is difficult to justify.
These daysやNowadays、In many countriesのような短い副詞句のあとは、カンマを省略することもできます。どちらを選ぶかより、1つの答案の中で表記をそろえることを意識しておきましょう。
○
These days, more people work from home than a decade ago.短い副詞句でもカンマで区切っておく
△
These days more people work from home than a decade ago.省略しても誤りではない。付けるかどうかを答案の中でそろえる
挿入と列挙
2つ目の挿入的な情報は、取り除いても文の骨格が崩れないかで判断できます。Public transport remains underused in this city. という文は、which is often cheaper than drivingを抜いても意味が通ります。このように補足として挟まれた情報は、前後をカンマで囲みます。
Many people prefer to drive because, public transport is unreliable.becauseの直後にカンマは入らない
○
Many people prefer to drive because public transport is unreliable.becauseのあとに主語と動詞をそのまま続ける
Although, ... やIf, ... 、When, ... のように、文頭の従属接続詞の直後にカンマを置くのも同じ誤りです。03節でカンマを打つと書いたのは、従属節が終わって主節が始まるところでした。Although public transport is convenient, many people still prefer to drive. のカンマは、althoughの直後ではなく節の切れ目にあります。従属接続詞のうしろではなく、節と節の境目を見ておきましょう。
Students who study abroad for a long period, tend to become more independent.主語(Students who study abroad for a long period)と動詞tendの間は切らない
○
Students who study abroad for a long period tend to become more independent.主語が長くてもカンマは入れない
挿入としてカンマを使う場合は、前後の2つで挟みます。Public transport, which is often cheaper than driving remains underused in this city. のように片方だけで済ませた形は誤りです。囲むなら2つ、囲まないなら0という数え方をしておくと、片方だけ残る形を防げます。
Governments should invest more in public transport. this would reduce traffic congestion.ピリオドで分けたのに、次の文の頭が小文字のまま
○
Governments should invest more in public transport. This would reduce traffic congestion.文頭を大文字に直す
逆に、governmentやsocietyのような普通名詞は、話題の中心だからといって大文字にする必要はありません。the Japanese Governmentのように公式な組織名として使う場合を除けば、governmentは小文字で書きます。IELTSのライティングにはタイトルを付ける欄がないので、英語の記事やレポートで見かけるタイトルケース(Title Case)は考えなくてよいでしょう。
The government has revised it's approach to the problem.所有格のitsのつもりでit'sと書いてしまっている
○
The government has revised its approach to the problem.「その(政府の)」という所有格なので、アポストロフィなしのits
判断のしかたは、it isに置き換えて意味が通るかどうかです。通るならit's、通らないならits。The government has revised it is approach. は成立しないので、この文にはアポストロフィのないitsが入ります。who's(who isの短縮形)とwhose(所有格)も同じ関係になっています。
文頭で「しかし」の意味で使う接続副詞のHoweverは、直後にカンマを打つのが標準的な書き方です。一方、However hard they try のように「どれほど〜でも」の意味で使うHoweverは、後ろの語句とひとまとまりになるので直後にカンマを置かず、そのまとまりが終わったところにカンマが来ます。
Grammatical Range and Accuracy(文法の幅と正確さ)です。2023年5月改訂の現行版Band Descriptorsで、punctuationという語が出てくるのはこの項目だけです。ただし、コンマスプライスを1回書いたら自動的にバンドが下がるという1対1の対応ではなく、構文の幅や文法の正確さとあわせて評価されます。
it'sとitsを見分ける方法はありますか。
it isに置き換えて意味が通るかで判断します。通るならit's(it isの短縮形)、通らないならits(itの所有格)です。who'sとwhoseも同じで、who isに置き換えられるかで見分けます。
句読点は、Grammatical Range and Accuracyという採点基準の中で評価されます。カンマまわりでつまずくところは、日本語の読点をそのまま英語に移してしまう位置に集まっています。文と文をカンマでつなぐ、becauseやthatの直後にカンマを打つ、長い主語のあとで区切る、といった形がその代表です。逆に、文頭の副詞のあとのように英語ではカンマを入れる位置もあるので、打つ場所と打たない場所を分けて覚えておきましょう。
採点基準:句読点はGrammatical Range and Accuracyの評価対象。ミス1つで機械的にバンドが決まるわけではなく、構文の幅や文法の正確さとあわせて評価される