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ライティング・タスク2

solve と resolve の使い分け:答えを出して片づけるか、対立を決着させるか

執筆:高橋 響 公開日:

どちらも日本語にすると「解決する」になるため、solve と resolve の差は訳語からは見えません。しかし英語では、問題に答えを出して片づけるのが solve、絡まった状態をほどいて決着させるのが resolve と、解決の中身が分かれています。

この記事では、2語がそれぞれどんな問題を目的語に取るのか、答案でつまずきやすい3つの形、「解決する」と書いたときに主張がどこまで強くなるのかを順に確認します。

01結論:答えを出して片づけるのか、もつれを決着させるのか

solve と resolve の違いは、問題の片づき方にあります。solve は、問題に対する答えや解決策を見つけて解決することを表します。resolve は、対立や意見の食い違い、こじれた状態を整理して決着に持っていくことを表します。

観点solveresolve
片づけ方答えや解決策を出して解決するもつれた状態をほどき、決着をつける
目的語になりやすい語problem、issue、puzzle、mystery、crime、equationdispute、conflict、disagreement、differences、crisis、deadlock
想定していることその問題に対する答えや手立てがある立場や事情が入り組んでいる
名詞形solutionresolution
ほかに持つ意味解決するという意味のみresolve to do(〜しようと決意する)、名詞の resolve(固い決意)

The government solved the housing shortage by building 50,000 new homes. は、供給を増やすという手立てで、住宅不足という問題を解決したという文です。The two countries resolved their dispute over fishing rights. は、漁業権をめぐって対立していた両国が、その対立に決着をつけたという文です。前者では問題に対する答えが出ており、後者では当事者どうしのもつれがほどけています。

もっとも、problem や issue はどちらの動詞も目的語に取れるので、2語の守備範囲は完全には分かれていません。それでも、答えを出す話をしているのか、こじれた状態をほどく話をしているのかで選ぶと、書いた内容がそのまま読み手に届きます。どんな語と結びつくのかを、次のセクションから見ていきます。

02solve はどんな問題に使うのか

solve が取るのは、答えや解決策を見つけたり、真相を明らかにしたりすることで解決できる対象です。数学の equation、推理小説の mystery、社会が抱える problem のように、正解あるいは有効な手立てが存在すると想定できるものが目的語になります。crime や mystery の場合は、犯人や経緯を突き止めることが solve に当たります。

solve a problem / solve an issue / solve a puzzle / solve a mystery / solve a crime / solve a case / solve an equation

IELTSライティング・タスク2で出てくるのは、このうち problem と issue がほとんどです。渋滞、若者の失業、プラスチックごみのように、政策や技術で状況を変えられる対象と solve は相性がよくなります。手立てと問題が一対一で結びつくからです。

Improving public transport is often presented as the most effective way to solve traffic congestion in major cities.

No single measure can solve youth unemployment, and governments need to combine training schemes with incentives for employers.

逆に、当事者の利害が食い違っているだけで、正解と呼べる答えが存在しない対象には、solve が使いにくくなります。国境をめぐる対立や、世代間の意見の食い違いがこれに当たります。solve a border dispute と書いても意味は通ります。ただ、solve を使うと問題に対する答えを見つけるという側面がやや強く出るので、対立に決着をつけることを言いたいなら resolve のほうが自然です。

03resolve はどんな問題に使うのか

resolve が目的語に取るのは、立場や事情が入り組んでいて、決まらないまま続いているものです。当事者が複数いて、どちらにも言い分がある場面がいちばん典型ですが、resolve a crisis や resolve a difficulty のように、状況そのものを落ち着かせる意味でも使われます。

resolve a dispute / resolve a conflict / resolve a disagreement / resolve differences / resolve a crisis / resolve a difficulty / resolve a deadlock / resolve an issue

International organisations are often called upon to resolve disputes between member states.

Schools need clear procedures for resolving conflicts among students before they escalate.

resolve は problem や issue も目的語に取ります。プラスワンポイントのライティング・タスク2に2026年8月18日時点で収録しているタスク509件のうち、resolve が使われているのは次の1件です。

Some people think there are not many things individuals can do to resolve environmental problems, while others believe that in order to tackle environmental problems individuals also need to take action.

ここでの resolve は、原因も利害関係者も入り組んでいて、一つの手立てでは片づかない問題を、時間をかけてほどいていくという含みになります。同じタスクの後半で tackle が使われていることからも、この設問が「一気に無くす」ではなく「手をつけて減らしていく」側の話をしているのが読み取れます。solve が答えや解決策を見つける側に寄るのに対して、resolve は問題や対立を整理して決着させる側に寄っています。

resolve a problem は誤りか

誤りではありません。上のタスクがそのまま示しているとおり、resolve は problems を目的語に取れます。ただし、問題に対して具体的な手立てを一つ挙げて「これで片づく」と論じる文脈では、solve のほうが言いたいことに合います。どちらが正しいかではなく、絡まった状態をほどく話をしているのか、答えを出す話をしているのかで選ぶことになります。

04答案でつまずく3つの形

答案でつまずくのは、2語の意味そのものよりも、うしろに続く形と名詞形のところです。ここでは実際に見かける3つの形を、間違いのほうから見ていきます。

4-1 resolve to do を「〜を解決する」の意味で使う

Many governments have resolved to cut carbon emissions by half within a decade.

多くの政府が、10年以内の排出量半減という課題を解決したすでに達成した話になる

多くの政府が、10年以内に排出量を半減させると決めたこれから取り組む話になる

なぜ間違えるのか

resolve に「解決する」という訳語だけを当てて覚えていると、うしろに何が続いても同じ意味で読んでしまうためです。resolve は decide に近い意味も持っていて、うしろに to do が続くときはこちらになります。The committee resolved to postpone the decision. は、委員会が延期を決めたという意味です。

書くときのポイント

解決の意味で使うなら、resolve のうしろには名詞が来ます。to do が続いたら「決意する」だと切り替えるだけで読み違いは防げます。名詞の resolve にも同じ意味が残っていて、political resolve は「政治的な決意」を指します。

4-2 「問題が解決する」を The problem will solve. と書く

This problem will not solve easily.目的語が無く、文として成立しない

This problem will not be solved easily.誰かが解決する側に立つ

This problem will not solve itself.何もしなければ解決しない、という主張になる

なぜ間違えるのか

日本語の「解決する」が自動詞にも他動詞にもなるためです。「問題を解決する」も「問題が解決する」も動詞の形は変わりません。solve と resolve は基本的に他動詞として使われるため、The problem will solve. のように目的語なしでは使えません。「問題が解決する」に当たる形は、ふつう受動態にします。

書くときのポイント

主語が問題そのものなら be solved にします。再帰代名詞を目的語に置く solve itself は「放っておいても自然に解決する」という意味で、否定形の will not solve itself は「何もしなければ解決しない」という主張になります。Traffic congestion will not solve itself, and city authorities need to intervene. のように、対策の必要性を述べる文に組み込めます。

4-3 「解決策」を solution と resolution で取り違える

The government should look for a resolution to traffic congestion.決議や決着の意味にも読めるため、渋滞対策の話では紛れる

The government should look for a solution to traffic congestion.問題に対する手立てを指す

なぜ間違えるのか

resolve の名詞形が resolution であることは知っていても、「解決策」に当たる語が solution だと結びついていないためです。resolution は決着のほかに決議、抱負、解像度も指すので、どの形で使うかによって読まれ方が変わります。

指しているもの
a solution to a problem問題に対する解決策
the resolution of a dispute対立の決着
conflict resolution紛争解決(取り組みの分野名としても使う)
a resolution(議会や委員会)決議
a New Year's resolution新年の抱負
image resolution画像の解像度

書くときのポイント

名詞形は solve が solution、resolve が resolution と、対にして覚えておくとよいでしょう。前置詞は a solution to が標準で、a solution to the problem of youth unemployment のように問題のほうを to で受けます。solvement という語は存在しません。

IELTS学習アプリ 表現ニュアンス比較 solve と resolve のように意味の近い語を並べて、ニュアンスの差を確認できます。

05「解決する」と書くと言い過ぎになるのはどんなときか

言い過ぎになるのは、実際には深刻さを和らげるだけの対策に solve を当てたときです。solve という語そのものが「問題を完全に無くす」という意味を持っているわけではありませんが、答案で solve と書けば、その手立てで問題を解決できるという比較的強い主張になります。渋滞を減らす、ごみの量を抑えるといった話をしているのに solve と書くと、その手立てだけで問題が片づくと論じたことになり、根拠を出しきれなくなります。

書きたいこと使う動詞
問題を解決するsolvesolve the problem of youth unemployment
問題に手をつける、取り組むaddress、tackleaddress this issue、tackle environmental problems
深刻さを和らげるmitigate、alleviate、ease、reducealleviate traffic congestion
増加を抑えるcurb、limitcurb the rise in obesity
対立に決着をつけるresolveresolve disputes between member states

Investing in public transport will solve air pollution in every major city.文としては正しいが、根拠を出せない言い切りになる

Investing in public transport can significantly reduce air pollution in major cities.効果の範囲を限定して主張できる

Task Response では、主張とその裏づけがかみ合っているかが見られています。solve と書いた以上は、その手立てで問題が解決すると示す必要が出てきますが、250語程度の答案でそこまで論じきるのは無理があります。ease や reduce に置き換えると、主張の範囲を自分で支えられるところまで限定できます。

逆に、結論で立場をはっきり示す場面なら solve が生きます。ボディで ease や reduce を使って積み上げてきたうえで、結論に solve を一度だけ置くと、主張の強弱に段差ができます。すべての段落で solve を繰り返すと、この段差が消えてしまいます。

ライティング・タスク2 直接的な解決策とは?

06タスク2の設問文では solve と resolve がどう使われているか

設問文では solve のほうが圧倒的に多く使われています。プラスワンポイントに2026年8月18日時点で収録しているライティング・タスク2のタスク509件を数えると、次のようになります。

設問文で使われている動詞件数目的語
solve16this problem、these problems、the problem of crime、this issue、it
address5this issue、this problem、global issues
tackle2environmental problems、crime
deal with2criminals、children's poor behaviour
resolve1environmental problems

solve の16件は、目的語がすべて problem か issue で、それ以外の名詞は出てきません。設問文が求めているのが、対立の調停ではなく、問題に対する手立てだからです。

There is too much noise in many public places in cities. What are the causes of this problem? What can be done to solve the problem?

The movement of people from villages to cities for work can cause serious problems in both places. What are the serious problems associated with this? What measures can be taken to solve these problems?

設問文が solve と書いているときは、答案でも solve を使ってかまいません。言い換えなければならないと考えて意味のずれる語に置き換えるより、そのまま受けたほうが安全です。そのうえで、ボディの中で同じ語が続くのを避けたいときに、address や tackle を混ぜます。

設問文の動詞を答案でどう受けるか

設問文イントロで受ける形ボディで散らす形
What can be done to solve this problem?this problem can be solvedaddress this issue、tackle the causes、reduce the impact
What measures can be taken to solve these problems?several measures can be takenease the pressure on cities、curb the outflow of young workers

resolve が設問文に出てくるのは1件だけですが、答案の側では出番があります。対立や利害の食い違いを扱うトピック、たとえば国際関係、労使、世代間のギャップを論じるときは、resolve が言いたいことに合います。競技スポーツが国家間の対立を生むかどうかを論じるタスクでは、resolve conflicts between nations のように使えます。

07よくある質問

solve と resolve はどちらを使えばよいですか。

問題に答えや解決策を出す話なら solve、対立や食い違いに決着をつける話なら resolve です。目的語が problem や issue なら solve、dispute や conflict なら resolve と考えると、ほとんどの場面で選べます。

resolve a problem は間違いですか。

間違いではありません。収録タスクにも resolve environmental problems という形が出てきます。ただし、具体的な手立てを挙げて「これで片づく」と論じる文脈では solve のほうが合います。

solve a conflict と書いてもよいですか。

意味は通ります。ただ、solve を使うと答えを見つけるという側面が強く出ます。立場や利害の食い違いに決着をつける話なら、resolve a conflict のほうが自然です。

「この問題は簡単には解決しない」は The problem will not solve easily. でよいですか。

この形では書けません。solve は基本的に他動詞なので、The problem will not be solved easily. と受動態にします。何もしなければ解決しないと言いたいときは、The problem will not solve itself. が使えます。

「解決策」は solution と resolution のどちらですか。

問題に対する手立てを指すなら solution です。resolution は対立の決着のほか、決議や抱負も指す語で、conflict resolution のような形で使われます。前置詞は a solution to が標準です。

resolve to do はどういう意味ですか。

「〜しようと決意する」という意味で、decide に近い使い方です。Many governments have resolved to cut carbon emissions. は、削減すると決めたという意味であって、削減を解決したという意味にはなりません。

設問文にある solve を、答案でそのまま使ってもよいですか。

使ってかまいません。言い換えようとして意味のずれる語を選ぶより、そのまま受けるほうが安全です。同じ語が続くのを避けたいときは、ボディで address や tackle を混ぜます。

solve を使うと言い過ぎになるのはどんなときですか。

実際には深刻さを和らげるだけの対策を論じているときです。渋滞を減らす、ごみの量を抑えるという内容に solve を当てると、その手立てだけで問題が片づくと主張したことになり、根拠を出しきれなくなります。reduce や ease に置き換えると、答案で支えきれる範囲の主張に収まります。

08まとめ

solve と resolve は、どちらを使っても意味は通る場面があります。それでも選び分けが効くのは、問題に答えを出す話をしているのか、絡まった状態をほどく話をしているのかで、読み手に届く内容が変わるからです。

  • solve:問題に対する答えや解決策を出して解決する。目的語は problem、issue、puzzle、mystery、crime など
  • resolve:対立や食い違い、こじれた問題を整理して決着させる。目的語は dispute、conflict、differences、crisis、deadlock など
  • resolve a problem も使える。一つの答えでは片づかない問題を、時間をかけてほどいていくという含みになる
  • resolve to do は「〜しようと決意する」。解決の意味で使うなら、うしろには名詞が来る
  • どちらも基本は他動詞。「問題が解決する」は be solved、何もしなければ解決しないと言うなら solve itself
  • 名詞形は solution と resolution。問題への手立ては a solution to、対立の決着は conflict resolution
  • 和らげるだけの対策に solve を当てると主張が強くなりすぎる。reduce、ease、mitigate、curb に置き換える
  • 設問文で使われるのは solve が中心で、収録509件のうち16件。目的語はすべて problem か issue

迷ったときは、答えや具体的な解決策を出す話なのか、対立やこじれた状態に決着をつける話なのかを考えてみましょう。前者なら solve、後者なら resolve が基本です。

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Hibiki Takahashi

この記事を書いた人

Hibiki Takahashi

日本語で学ぶIELTS対策専門スクール『PlusOnePoint(プラスワンポイント)』創設者・代表。『英語ライティングの鬼100則』(明日香出版社)著者。1997年に大阪大学医学部を卒業後、麻酔科専門医として活躍。2012年渡豪時に自身が苦労をした経験から、日本人を対象にIELTS対策のサービスを複数展開。難しい文法・語彙を駆使するのではなく、シンプルな表現とアイデアで論理性・明瞭性のあるライティングを指導している。これまでの利用者は4,500名を超え、Twitterで実施した「12週間チャレンジ」では、わずか4週間で7.0、7週間で7.5など、参加者4名全員が短期間でライティングスコア7.0以上を達成(うち2名は7.5を達成)。「IELTSライティングの鬼」の異名を持つ。オーストラリア在住14年、IELTS 8.5(ライティング 8.0)、CEFR C2。

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