insist を使って他人の考えを紹介すると、その考えを書き手が受け入れていないという含みが出ます。Critics insist that the policy has failed. と書けば、批判する側が譲らずに言い続けている様子が伝わり、書き手はそこから一歩離れた位置にいることになります。これは狙って使えば有効です。一方、自分の立場を述べる一文で使うと、「私はこの立場を強く言い張っている」という、必要以上に強い響きが出ることがあります。
They insisted that he leave. / They insisted that he should leave.
〜するよう強く求める
三つ目の形は、要求の意味になったときに that節の動詞が原形になるものです。イギリス英語では should を入れる書き方もよく使われます。三人称単数なのに動詞に s が付いていない、時制が一致していない、と見えても誤りではありません。見直しのときに書き換えてしまわないよう、要求の意味ならこの形になると覚えておきましょう。
崩れやすい二つの形
✗
I insist my opinion.名詞をそのまま続ける形では使えません
○
I maintain my position. / I insist on my position.maintain は名詞を直接取れる。insist は on を挟む
✗
The school insisted the students to wear uniforms.人+to不定詞は続きません
○
The school insisted that the students wear uniforms.要求の意味なので that節の動詞は原形になる
claim そのものに「根拠がない」という意味があるわけではありません。Scientists claim that the new treatment is effective. のように、専門家の主張を受けて使うこともできます。ただし文脈によっては、その主張の真偽をまだ確定させずに紹介している、という距離感が出ます。
そのため、I claim that ... と自分の立場に使うと、自分の主張を少し離れたところから眺めているような響きが出ます。単に自分の考えを述べたいのであれば argue や believe のほうが使いやすく、claim は Some people claim that ... の形で、譲歩の段落に回すと収まりがよくなります。
insist を答案から締め出す必要はありません。自分の立場を述べる一文に置かないだけで、ボディの中では使いどころがあります。とくに insist on + 名詞の形は、ある集団が何かを譲らずに求めている状況を描くのに向いています。
While recruiting a new employee, the employer should pay more attention to their personal qualities, rather than qualifications and experience. To what extent do you agree or disagree?
本サイトに収録しているこのタスクで、採用側の姿勢を描く一文を書くなら、insist on がそのまま使えます。
○
Employers who insist on formal qualifications may overlook applicants with strong interpersonal skills.応募者の側に別の資質があるのに、それでも資格を求め続けるという構図がある
もう一つ、子どものしつけを扱うタスクでも同じ形が働きます。
Some parents and teachers think that children's behaviour should be strictly controlled. Some think that children should be free to behave. Discuss both views and give your opinion.
○
Parents who insist on strict obedience often find that their children conceal their problems.子どもの側に抵抗があるという前提が読み取れる
譲歩の段落で他者の主張を紹介する
反対意見を紹介する段落でも insist は使えます。Supporters of the policy insist that the costs will fall over time. のように書くと、賛成派が反論を受けながらも同じ主張を続けているという構図が伝わります。書き手はそこから距離を取った位置に立つので、そのあとに反論を続ける流れが作れます。
採点基準(Band Descriptors)の現行版(Updated May 2023)は、Band 6 の Lexical Resource を The resource is generally adequate and appropriate for the task.(語彙資源は概ねタスクに対して十分かつ適切である)と書いています。見られているのは、そのタスクの内容を書ききるだけの語彙が使えているかどうかです。
Band 7 の Lexical Resource は、The resource is sufficient to allow some flexibility and precision.(語彙資源は、ある程度の柔軟性と精密さを可能にする程度に十分である)から始まり、There is some ability to use less common and/or idiomatic items.(あまり一般的でない語やイディオムを使う力もある程度見られる)、An awareness of style and collocation is evident, though inappropriacies occur.(文体やコロケーションへの意識が見られるが、不適切な表現が起こることもある)と続きます。
つまり Band 7 の基準は、語彙の不適切な使用が一切ないことを求めているわけではありません。もちろん、意味に合わない語を何度も使えば、appropriacy や precision の面で評価に影響します。ここで言いたいのは、1語を入れ替えたこと自体がスコアを動かす仕組みにはなっていない、ということです。
差がつくのはテーマに関連した語彙
評価に効いてくるのは、そのテーマを扱うために必要な語彙のほうです。さきほどの採用のタスクなら、recruitment、applicant、work ethic、interpersonal skills、track record、formal qualifications のような語を、内容に合わせて正確に使えるかどうかが見られます。書けなければ people who want a job のような言い方で回り道することになり、そこで語彙の幅が出なくなります。
誤りではありません。I insist that ... は文法的にも意味的にも正しい英語です。問題になるのは形ではなく響きで、強く主張する、言い張るというニュアンスが、根拠を積み上げて論じる答案の一文とずれることがあります。
I insist my opinion. という書き方はできますか
この形では使えません。insistは名詞を直接うしろに続けられない動詞なので、insist on my position のようにonを挟むか、that節を続ける形にします。名詞をそのまま取れるのはmaintainのほうで、maintain my position と書けます。
insist that のうしろの動詞は原形にするのですか
要求の意味になるときは原形になります。They insisted that he leave. のように、三人称単数でもsが付きません。イギリス英語ではthat he should leave のようにshouldを入れる書き方もよく使われます。一方、She insisted that she was innocent. のように事実を言い張る意味であれば、通常の時制で書きます。
「主張する」はargueとclaimのどちらを使えばよいですか
自分の立場を述べるならargueが使いやすい語です。claim自体に「根拠がない」という意味はありませんが、文脈によっては、その主張の真偽を確定させずに紹介する響きが出ます。Some people claim that ... のように、譲歩の段落で他者の意見を紹介する場面に回すと収まりがよくなります。
insistは答案でまったく使わないほうが安全ですか
締め出す必要はありません。insist on + 名詞の形は、ある集団が何かを譲らずに求めている状況を描くのに向いています。Employers who insist on formal qualifications ... のように、抵抗や反対がその場にある文でなら自然に働きます。