この記事では意味と形の違いを整理したうえで、答案でいちばん多い allow to do という誤り、受動態の扱い、enable との違いまで確認します。
01結論:妨げないのか、権限をもって認めるのか
let と allow の違いは、妨げないのか、それとも認めたり可能にしたりするのかにあります。let は相手がしたいことを止めない、という関係です。allow は、ある行為を認める、あるいはある状況を可能にする、という関係で、権限をもつ側が判断して認める場面にも、条件が整って可能になる場面にも使われます。
allow は必ずしも公式な手続きを指すわけではありません。My parents allowed me to stay up late. のように家庭内でも使います。また The scholarship allows students to study abroad. のように、奨学金という条件が留学を可能にしている場合も allow です。どちらの例でも、それが無ければできなかったことを、その行為が可能にしています。
2語の基本
let:(したいように)させる、止めはしない。妨げないことで結果的にできるようにする
allow:許可する、認める。禁じることもできる立場の側が判断して与える
観点
let
allow
していること
妨げない、自由にさせる
権限や判断をもって認める
使う場面
日常会話、家族や友人
家庭から制度まで幅広い。答案でも使える
続く形
let + 人 + 動詞の原形
allow + 人 + to + 動詞の原形
受動態
許可の意味では通常使わない
be allowed to do がよく使われる
答案での出番
少ない
多い
Let me explain. と Allow me to explain. を並べると差が見えます。前者は自分が説明したいので止めないでほしい、後者は説明することを認めてほしい、という頼み方です。同じ場面でも、どちらの立場から言っているかが変わります。
My parents let me stay out late on weekends.
両親は週末に遅くまで外出しても止めません(妨げない)
The company policy allows employees to work from home twice a week.
The new system allows the hospital to process applications more quickly.
新しいシステムにより、その病院は申請をより速く処理できます
Remote work allows parents to spend more time with their children.
在宅勤務により、親は子どもとより多くの時間を過ごせます
時間や量を「見込んでおく」意味もある
allow のうしろに時間や金額などの名詞が来ると、許可ではなく余裕を見込むという意味になります。
Allow at least two hours for the writing test.
ライティングの試験には少なくとも2時間を見ておきましょう
04許可の意味では be allowed to do が基本
受動態にすると2語の差がはっきりします。allow は be allowed to do の形が広く使われますが、let は許可の意味では受動態で使いません。
○
Students are allowed to use calculators in the exam.許可されているという事実を述べる定番の形
✗
Students are let to use calculators in the exam.この形では使わない
be allowed to do は、誰が許可したのかを言わずに規則だけを述べられるので、ライティング・タスク2と相性があります。主語を政府や学校にしなくても、制度の説明ができます。
なお、let の受動態がまったく無いわけではありません。be let go は解雇されるという決まった言い方として使われます。ただしこれは慣用的な表現で、許可の意味とは別のものと考えておくとよいでしょう。
05enable との違い:許可するのか、可能にするのか
allow と形が似ている語に enable があります。どちらも enable / allow + 人 + to do の形を取りますが、意味の方向が違います。allow は許可、enable は能力や条件を与えて可能にすることです。
観点
allow
enable
与えるもの
許可
能力、手段、条件
主語になりやすいもの
権限を持つ側(政府、学校、規則)
技術、制度、資金などの手段
何の問題だったか
制限や権限
能力や手段
形
allow + 人 + to do
enable + 人 + to do
使い分けの例
The government allows citizens to access public records.政府が権限として認めている。禁じられていたものが解かれた
The internet enables citizens to access public records from home.手段ができたので可能になった。誰かが禁じていたわけではない
allow は「認める・可能にする」という広い意味を持ち、誰かの判断や制度によって行為が認められる場面で使いやすい語です。enable は、技術・能力・手段・条件などによって、それまで難しかったことを可能にすることに焦点があります。The scholarship allows students to study abroad. のように、allow 自体も「条件が整って可能にする」という意味で使われることが珍しくないので、主語の種類だけで決めず、権限として認めているのか、手段を与えて可能にしているのかで選ぶとぶれにくくなります。
enable も allow と同じく目的語が必要です。enable to do とは書けません。3節の allow to do と同じ誤りなので、まとめて直しておくとよいでしょう。
許可の出どころで分けます。let は相手がしたいことを止めない、妨げないことで結果的にできるようにする語です。allow は禁じることもできる立場の側が、権限や判断をもって認める語です。allow は公式な場面に限らず、My parents allowed me to stay up late. のように家庭内でも使います。
allow のうしろに to は必要ですか。
人を目的語に置く場合は必要です。allow students to choose の形になります。let は逆で、let students choose のように原形が続き to は入りません。この2語は形が正反対なので、対にして覚えておくと取り違えにくくなります。
allows to do という形は使えますか。
使えません。allow は他動詞なので目的語が要ります。This technology allows to reduce costs. は誤りで、This technology allows companies to reduce costs. のように誰ができるようになるのかを補うか、This technology makes it possible to reduce costs. と言い換えます。
allow のうしろに動名詞を続けてもよいですか。
誰に許可するかを言わない場合は続けられます。The school does not allow smoking on the premises. のように、行為そのものを認めるかどうかが問題で、誰がするかを問わないときの形です。人を出すなら allow students to smoke のように to不定詞になります。
let は受動態にできますか。
許可の意味では通常使いません。Students are let to use calculators. とは言わず、Students are allowed to use calculators. とします。ただし be let go は解雇されるという決まった言い方として使われます。これは慣用表現で、許可の意味とは別のものです。
allow と enable の違いは何ですか。
allow は「認める・可能にする」という広い意味を持ち、誰かの判断や制度によって行為が認められる場合に使いやすい語です。enable は、技術・能力・手段・条件などによって、それまで難しかったことを可能にすることに焦点があります。The scholarship allows students to study abroad. のように allow 自体にも「可能にする」に近い意味があるので、主語の種類ではなく、権限として認めているのか手段を与えているのかで選びます。enable も目的語が必要で、enable to do とは書けません。
allow for はどういう意味ですか。
許可するという意味ではなく、何かを考慮に入れる、見込んでおくという意味です。These figures do not allow for inflation. のように使います。許可の意味で for を足す必要はないので、allow students to eat のように直接目的語を置きます。
allow の言い換えには何がありますか。
permit がいちばん置き換えやすく、形も同じで受動態にもできます。手段を与えて可能にする意味なら enable、動詞を変えずに形だけ変えたいなら make it possible for 人 to do、機会を与える方向に寄せたいなら give 人 the opportunity to do が使えます。
09まとめ
let は妨げないことで結果的にできるようにする語。allow はある行為を認める、あるいはある状況を可能にする語