大英博物館のように常設展を無料にしている博物館がある一方、ルーブル美術館では2026年から料金の仕組みが変わりました。博物館の入場料は、IELTSライティング・タスク2でも繰り返し扱われるテーマです。
第9回では、博物館の入場料をテーマにしたタスクを1問選びました。利点と欠点が誰にとってのものなのかを見極める読み方、有料と無料それぞれのアイデアの掘り下げ方、イギリスの無料化とルーブル美術館の二重価格、入場料と資金を論じるときの語彙まで通して扱います。
目次
このタスクでは何が問われているのか
なぜ博物館の入場料が繰り返し問われるのか
有料にすることの利点として挙げられるアイデアと、その掘り下げ方
有料にすることの欠点として挙げられるアイデアと、その掘り下げ方
回答に入れられる実例はどれか
中級と上級で押さえたい語彙とコロケーション
モデルアンサーはどう作るか
よくある質問
まとめ
01 このタスクでは何が問われているのか
博物館の入場料を正面から扱ったタスクを1問見てみます。
Many museums charge for admission while others are free. Do you think the advantages of charging people for admission outweigh the disadvantages?
共通の読み方の手順は、シリーズの総論で扱っています。ここでは、このタスクで実際に起きる読み違いから見ていきます。
タスク深掘りシリーズ
タスク深掘りシリーズ:アイデア・実例・語彙・モデルアンサーまで1問ずつ徹底解説【総論】
1-1 利点と欠点を、来館者の損得だけで考える
✗
advantages=来館者にとって入場料を払う利点払う側の得を探すことになり、賛成側の段落が1文で止まる
○
advantages=入場料を取るという方針の利点博物館、来館者、税を払う人のうち、誰にとっての利点なのかを段落ごとに決める
お金を払う人にとっての得だけを探すと、賛成側の材料はほとんど見つかりません。入場料を取ることの利点の多くは、博物館の側と、税を払っている人の側にあります。収蔵品を保存する費用が入場料で一部まかなえること、来館者数を調整できること、博物館を使わない人まで費用を負担せずに済むことは、いずれも来館者の財布から見た得ではありません。
誰にとっての利点なのかを段落ごとに決めておけば、利点と欠点を比較しやすくなります。来館者にとっての欠点(払わないと入れない)と、博物館にとっての利点(安定した収入がある)を並べても、そのままでは比べられません。どちらが上回るかを論じるには、比べる相手をそろえる必要があります。
1-2 「誰に」「何に」課金するのかを勝手に絞る
✗
外国人観光客からだけ取ればよい、特別展だけ有料にすればよい、という案を賛成側の主張として書くタスクが述べているのは people への課金。折衷案は賛成の理由にならない
○
来館者から一律に取ることには欠点があるので、対象を限るほうがよい、という形で使う欠点が上回るという立場の材料になる
charging people for admission の people は、来館者を区別していません。地元の住民も観光客も、学校の遠足で来た子どもも、同じように払う想定になっています。折衷案そのものは現実の政策として存在しますし、この記事の05でも実例として扱います。ただ、回答の中では置きどころが決まっています。
一律に取ることの欠点を認めたうえで、対象を限れば緩和できる、という順で書けば、欠点が上回るという立場を支える材料になります。逆に、賛成側の理由として先に出してしまうと、タスクが聞いていない案の話で段落を1つ使うことになります。
タスクを3つの要素に分ける
要素 このタスクでの中身
前提として与えられている事実 入場料を取る博物館も、無料の博物館も、どちらも多くある
論じる対象 来館者から入場料を取るという方針
問われていること その利点が欠点を上回るかどうか
前提の欄が埋まると、書かなくてよいことが決まります。無料の博物館が存在するかどうかも、有料の博物館が存在するかどうかも、タスクが事実として述べています。どちらかが珍しいという書き出しは、前提と食い違います。
問われていることの欄には outweigh が入っています。利点と欠点を並べて終わりにせず、どちらが上回るのかを言い切る必要があります。この語の扱いと、この問題タイプの答え方は、次の2本にまとめてあります。
ライティング・タスク2
問題タイプ別の答え方:利点・欠点(Advantage / Disadvantage)【各論③】
ライティング・タスク2
outweigh の言い換えは慎重に:exceed・surpass が使える場面と使えない場面
02 なぜ博物館の入場料が繰り返し問われるのか
入場料をめぐる方針は、いま各国で実際に動いています。無料にした国が課金を検討し、有料の国がさらに値上げをしているので、どちらの側にも近年の材料があります。
無料にした国で何が起きたか
イギリスでは2001年12月から、文化・メディア・スポーツ省(DCMS)が所管する国立の博物館・美術館で入場料が無料になりました。政府の発表(2011年11月29日)によれば、2000/01年度と2010/11年度を比べて、それまで有料だったロンドンの館への来館は151%増、ロンドン以外の館では148%増でした。大英博物館やナショナル・ギャラリーのようにもともと無料だった館の伸びは22%です。値段が来館の判断に影響することを示す数字として使えます。
ただし、来館者が増えたことと、来る人の顔ぶれが変わったことは別です。調査会社MORIのアンドリュー・マーティンによる報告(2003年3月)では、過去12か月に博物館か美術館を訪れた英国の人の割合は1999年の35%から2002年に45%へ増えました。内訳を見ると、C1層は39%から53%へ伸びた一方、DE層は23%から25%にとどまっています。無料化には、それまで博物館に行く習慣が無かった層にも来てもらうという狙いがありました。しかし、来館者の構成は従来からの層に偏ったままだった、と報告されています。
さらに、その無料化そのものが見直しの対象になっています。2026年3月26日、英国政府は、イングランドの国立の博物館で海外からの来館者に課金する可能性を、博物館側と検討していく方針を示しました。アーツ・カウンシル・イングランドの独立レビューでの提言を受けたもので、検討の段階であり、実施が決まったわけではありません。
有料の館でも、料金の設計が変わってきている
フランスのルーブル美術館は、2026年1月14日から、欧州経済領域(EEA)の居住者と市民は22ユーロ、それ以外の来館者は32ユーロという2つの料金を設けています。同じ展示に対して、来館者の居住地によって違う金額を請求する形です。
日本でも同じ方向の動きがあります。文部科学省が2026年2月27日に定めた独立行政法人国立文化財機構の第6期中期目標では、展示事業に係る費用に対する自己収入の割合を、この期間の最終年度に65%以上とすることが求められています。前の期間の実績は54%(令和3年度から令和6年度)でした。あわせて、各館の入館料の改定と、いわゆる二重価格の導入を、この期間中に実施するとされています。
日本の感覚との違い
日本では、国立の博物館・美術館でも常設展に料金がかかるのが普通なので、国立の館が誰でも無料というイギリスの形は想像しにくいかもしれません。逆に、イギリスの主要な国立館では常設展が無料で、特別展だけが有料という二層の作りが標準です。
この違いを知っておくと、回答の書き方が変わります。無料か有料かという二択で考えている限り、上の3か国はどれも例として使いにくくなります。実際に各国が動かしているのは、どの展示を、誰から、いくらで取るのかという線の引き方のほうです。
ライティング・タスク2
art と the arts はどう違う?「芸術」を表す4つの形の使い分け
03 有料にすることの利点として挙げられるアイデアと、その掘り下げ方
まず自分で書き出してから、以下を読むことをおすすめします。先に完成品を読むと、そこに書いてあった議論しか浮かばなくなります。
3-1 税に頼りきらずに、館が自分で使えるお金を持てる
いちばん多い論点です。入場料には収入があるので、そのぶん公的な補助に依存せずに済む、という筋道になります。
さらに考えたいのは、その収入が何に使われるかです。建物の維持や職員の給与のような固定の費用は、入場者数が増えても減っても大きくは変わりません。入場料が意味を持つのは、その年に何をするかを館が選べる部分です。収蔵品の修復、企画展の準備、作品の購入といった支出は、補助金の額が年ごとに動くと真っ先に削られます。重要なのは、収入が増えると書いて終わらないことです。入場料が何に使われるのかまで具体化すると、議論に厚みが出ます。
もうひとつの掘り下げ方は、収入源を分散させることです。入場料や物販に収入の一部を持てば、補助金だけに依存しなくて済みます。補助金は年ごとに額が動くので、頼る先が1つしかない状態は、館にとって計画が立てにくい状態でもあります。
3-2 来館者の数を調整でき、展示と鑑賞の環境を保てる
無料にすると来館者が大きく増えることは、イギリスの数字が示しています。増えること自体は目的の達成ですが、館の側から見ると別の問題が生まれます。
具体的には、混雑が何に影響するのかまで考えます。人が増えれば館内の温度と湿度が動き、絵画や織物のように環境に弱い収蔵品の保存条件が保ちにくくなります。展示の前に立てる時間も短くなり、じっくり見に来た人の体験が損なわれます。入場料は、その量を調整する手段のひとつになります。
ただし、混雑を抑えるだけなら時間指定の予約でも対応できます。そのため、混雑の調整を利点として書くときは、それ単独で終わらせず、収入の確保のような別の利点と組み合わせるほうが説得力が出ます。料金でなければならない理由は何か、と一度考えてから書くと、反対側からの批判に先回りできます。
3-3 費用を、その館を使う人が負担する形になる
公平性の論点です。運営費を税でまかなうと、一度も行かない人も費用を負担します。入場料には、使う人が払うという形にそろえる働きがあります。
さらに考えたいのは、実際に来ているのが誰かという点です。02で見たとおり、無料化しても来館者の構成は大きくは変わらず、教育や所得の面で比較的恵まれた層が多い状態が続いていました。税でまかなうということは、来ていない層も費用を負担するということです。無料の博物館は必ずしも税の使い方として公平とは限らない、という主張は、ここまで書くと成り立ちます。
ルーブルの二重価格も、この論点で使えます。域内の居住者や市民には低い料金を設定し、域外から来る訪問者にはより高い料金を設定する仕組みだからです。
04 有料にすることの欠点として挙げられるアイデアと、その掘り下げ方
4-1 料金が来館の障壁になり、来る人が偏る
反対側の中心になる論点です。イギリスで無料化のあとに来館が150%前後増えたことは、料金が来館を左右していた証拠として引けます。
ただし、ここから「無料にすれば誰でも来る」と進めると議論が雑になります。02で見たとおり、無料化のあともDE層の来館率は23%から25%までしか動いていません。障壁になっているのは料金だけではなく、館の建物に入りにくさを感じることや、展示を理解する手がかりが無いことも働いています。料金は障壁のひとつだが、それを外すだけでは足りない、と書けると、賛成側からの反論をあらかじめ引き受けた形になります。
4-2 繰り返し来ることが前提の使い方ができなくなる
見落とされやすい論点です。料金がかかると、来館は年に何度かの特別な予定になります。無料なら、通りがかりに1時間だけ寄って一部屋だけ見る、という使い方ができます。
ここまで考えると、その違いが誰にとって大きいのかが見えてきます。学校の授業で同じ館を学期に何度も使う、近所の子どもが放課後に立ち寄る、といった使い方は、1回ごとに料金がかかると成り立ちません。そのため、料金がかかると、こうした日常的な使い方や教育での利用が減る可能性があります。博物館を教育の場として使うほど、料金の影響は大きくなります。
4-3 料金を集めること自体に費用がかかる
数字の面からの論点です。入場料を取るには、券売の設備、窓口や入口の人員、料金の設定と告知、割引の管理が要ります。収入の一部はその費用に消えます。
館の規模による違いにも触れられます。来館者の多い大きな館では、徴収の費用は収入に比べて小さく収まります。来館者の少ない小さな館では、徴収の仕組みを維持する費用の割合が大きくなり、料金を取っても手元に残る額はわずかになります。すべての館に同じ答えが当てはまるわけではない、という書き方は、このタイプの問題でも立場を決める材料になります。
自分の意見をどう決めるか
有料か無料かの二択で決めようとすると、どちらの側にも強い材料があるので迷います。どこに線を引くかで考えると、立場を決めやすくなります。02で見た各国の動きは、すべて線の引き方の話でした。
線の引き方 無料になる範囲 実例
展示の種類で分ける 常設展は無料、特別展は有料 イギリスの国立館
来館者の居住地で分ける 域内の居住者は安く、域外は高く ルーブル美術館の二重価格
年齢で分ける 18歳未満などは無料 ルーブル美術館ほか多数
この表を使うと、どちらか一方に振り切らない立場が書けます。一律に料金を取ることの欠点は上回るが、特別展や海外からの来館者に限れば利点のほうが大きい、という形です。ただし、どこまでを認めてどこから認めないのかを導入で示しておかないと、立場が読み取れない回答になります。
05 回答に入れられる実例はどれか
深掘りの段階では、2件から3件ほど用意しておけば十分です。回答への入れ方、たとえば主張のあとに1文か2文で添えることや、数字は原則として1つに絞ることは、シリーズの総論にまとめています。
事例 何をしたか 報告されていること
イギリス(2001年〜)
無料化の例。2001年12月から、DCMSが所管する国立の博物館・美術館で入場料を無料にした。常設展が無料で、特別展は有料という形
2000/01年度と2010/11年度の比較で、それまで有料だったロンドンの館への来館が151%増、ロンドン以外では148%増。もともと無料だった館は22%増(英国政府、2011年11月29日)。一方、来館者の構成は従来からの層に偏ったままだったとする調査もある(MORI、2003年3月)
フランス・ルーブル美術館(2026年)
居住地で料金を分ける例。2026年1月14日から、欧州経済領域(EEA)の居住者と市民は22ユーロ、それ以外は32ユーロにした
同じ展示に対して、来館者の居住地によって違う金額を請求する形(ルーブル美術館公式サイト、2026年)
日本(2026年〜)
自己収入を増やす方針の例。文部科学省が定めた独立行政法人国立文化財機構の第6期中期目標で、入館料の改定と二重価格の導入を求めた
展示事業に係る費用に対する自己収入の割合を、この期間の最終年度に65%以上とする目標。前の期間の実績は54%(文部科学省、2026年2月27日)
いちばん使いでがあるのはイギリスの1件です。料金が来館を左右することを示すので賛成側の反論に使え、無料にするだけでは来る人の層が変わらないことも示すので反対側の掘り下げにも回せます。両方の立場を支えられる実例は多くありません。
フランスと日本は、04で見た「どこに線を引くか」の段落に使います。有料の館が料金の設計そのものを変えている例なので、有料か無料かの二択で書かない立場の裏づけになります。逆に、賛成か反対かをまっすぐ書く回答では、この2件は無理に入れなくてかまいません。
なお、日本の65%は展示事業にかかる費用に対する割合で、自己収入には入館料以外も含まれます。入場料だけで運営費の65%をまかなう、という意味に読めない書き方にしておきましょう。
このタスクでの入れ方
✗
After the UK abolished admission charges in December 2001, visits to formerly charging museums in London rose by 151% and those outside London by 148%, while always-free museums grew by only 22%, and visiting among DE social groups rose from 23% to 25%.数字が5つ入り、報告書のような文章になっている
○
When national museums in the UK stopped charging for admission in 2001, visitor numbers at those museums more than doubled over the following decade, which shows how strongly price affects attendance.主張のあとに1文。数字は1つに絞ってある
IELTSの回答では、出典を詳しく示す必要はありません。国名や館の名前と、何がどの方向に変化したのかが分かれば、具体例として十分です。
06 中級と上級で押さえたい語彙とコロケーション
このテーマでは、お金を請求する側の動詞と、展示を指す名詞の2つでつまずきやすくなります。admission と exhibition は、どちらも数え方で誤りが出ます。まず、museum が何を指すのかを確かめておきましょう。
museum は博物館か、美術館か
どちらも指します。Cambridge English Dictionary は museum を、美術品か、科学や歴史の面で興味を引く物を見るために行く建物、と説明していて、an art museum という言い方も用例に挙げています。日本語の「博物館」も同じで、博物館法の「博物館」は資料の種類を問わず、美術館もその中に入ります。日本語でも英語でも、上位の語が museum と博物館だと考えておくと迷いません。
つまり、このタスクの museums には美術館も含まれます。ルーブル美術館やテート・モダンを実例に使っても、対象からは外れません。
語 指す範囲 回答での使い方
museum 美術品も、科学や歴史の資料も含む。上位の語 このタスクではこれを使う。迷ったら museum で通す
art gallery / gallery 美術作品を展示する場所。文脈によっては商業の画廊も指す 美術館に話を限るときに使う。公立の美術館を一般名詞で指すなら museum か art museum のほうが無難
art museum 美術館。museum のうち美術を扱うもの 博物館と美術館を書き分けたいときに使う
ただし、館の固有名はこの区別どおりには付いていません。the National Gallery のように gallery を名乗る公立の美術館もあれば、the Museum of Modern Art のように museum を名乗る美術館もあります。一般名詞として書くときに museum を選んでおけば足ります。
中級:バンド6を目指す段階
表現 意味と使いどころ
charge for admission 入場料を取る。設問で使われている形。The local museum doesn't charge for admission. のように使う
charge people 10 dollars for admission 人からいくら取る、と言うときは charge のうしろに人を直接続ける
an admission fee / an entrance fee 入場料。金額そのものを指す admission は不可算なので、可算で使うときは fee を添える
free admission / admission is free 入場無料。無料であることを述べるときのふつうの形
visit a museum / go to a museum 博物館に行く。museum は可算で、the British Museum のように固有名には the が付く
an exhibition of Japanese prints 展覧会。催しそのものを指す。個々の展示品は exhibit
fund a museum / government funding 博物館に資金を出す、政府からの資金。funding は不可算
上級:バンド7以上を目指す段階
表現 意味と使いどころ
be publicly funded / rely on public funding 公費で運営される、公的な資金に頼る。運営の仕組みを述べるときの中心になる表現
subsidise museums / receive a subsidy 博物館に補助を出す、補助金を受ける。subsidise は他動詞で、うしろに to は続かない
preserve cultural heritage 文化遺産を保存する。heritage は不可算で、複数形にしない
conserve and restore artefacts 収蔵品を保存し、修復する。conserve は現状を保つこと、restore は傷んだものを直すこと
a permanent collection / a temporary exhibition 常設の収蔵品、期間限定の展覧会。イギリス型の二層の料金を説明するときに要る
generate revenue from ticket sales チケットの売上から収入を得る。revenue は通常は不可算
a two-tier pricing system / differential pricing 二段階の料金、来館者によって額を変える料金設定。ルーブルの例を説明するときに使える
deter visitors / a barrier to access 来館をためらわせる、利用を妨げるもの。反対側の議論の中心になる語
widen access to the arts 芸術に触れる機会を広げる。無料化の目的を述べるときの言い方
よくある誤り
✗
Many museums charge an expensive admission.この意味の admission は不可算なので an は付かない。額の高さも、expensive より high のほうが安全
○
Many museums charge a high admission fee.
✗
Visitors can see many valuable exhibitions in the museum.展示されている品を指すなら exhibit。exhibition は催しのほう
○
Visitors can see many valuable exhibits in the museum.
✗
The government should subsidise to national museums.subsidise は他動詞で、うしろに to は続かない
○
The government should subsidise national museums.
✗
Museums protect the cultural heritages of a country.heritage は不可算。複数形にしない
○
Museums protect the cultural heritage of a country.
fee と charge の使い分け
どちらも払うお金を指し、an admission fee も an admission charge も使えます。fee は、あらかじめ額が決められているものに使いやすい語です。charge は名詞としては請求される額を広く指し、動詞では「請求する」という意味で使えるので、この設問のように料金を取る側の行為を書くときは charge を使います。
無料であることを言うときは、free admission、admission is free、free of charge のいずれも使えます。名詞の charge を使った free of charge は、サービスに料金がかからないと述べるときの決まった言い方です。
ここに並べた表現をすべて暗記する必要はありません。自分が使いやすいものを数個選び、実際の回答で使えるようにしておきましょう。
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admission や subsidise のような語を入力すると、その語と自然に組み合わさる表現を確認できます
07 モデルアンサーはどう作るか
モデルアンサーは、自分の材料で1本書いたあとに比較対象として用意すると学習になります。だからこの記事には載せていません。作る手順はどの回でも同じなので、5つのステップとモデルアンサーの使い方は、シリーズの総論で解説しています。
実際に書いたあと、次の3点を確かめてみましょう。
誰にとっての話かがそろっているか: 各段落で、博物館、来館者、税を払う人のどれについて論じているのかが読み取れるか
どちらが上回るかを言い切っているか: 利点と欠点を並べただけで終わらず、結論で判断を示しているか
語の数と形が正しいか: admission、heritage、funding を複数形にしていないか、exhibit と exhibition を取り違えていないか
同じ構造のタスクで練習したい場合は、収録タスクから芸術や文化を扱ったものを探せます。公的なお金で文化を支えるべきかを問うタスクは、音楽、映画、歴史的な建物のテーマでも出ます。
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08 よくある質問
入場料を取ることの利点が思いつきません。どう考えればよいですか。
払う人にとっての得を探しているうちは見つかりません。誰にとっての利点なのかを先に決めてみましょう。館にとっては自分の裁量で使えるお金が持てること、税を払っている人にとっては行かない施設の費用を負担せずに済むことが利点になります。
外国人観光客からだけ料金を取る案を書いてもよいですか。
書けます。ただし賛成側の理由として書くと設問からずれます。このタスクが聞いているのは、来館者から一律に料金を取ることの是非です。一律に取ることの欠点を認めたうえで、対象を限れば緩和できる、という順にすると、欠点が上回るという立場の材料になります。
利点と欠点を両方書けば、それで答えたことになりますか。
それだけでは足りません。設問は outweigh を使って、どちらが上回るかをたずねています。両側を書いたうえで、結論でどちらの側に立つのかを言い切っておきましょう。
イギリスの無料化を、無料にすべき根拠として使えますか。
来館者が大きく増えた例としては使えます。ただし、来る人の層が変わったという根拠には使えません。無料化のあともDE層の来館率は23%から25%までしか動いておらず、来館者の構成は従来からの層に偏ったままだったと報告されています。
日本の65%という数字は、入場料でまかなう割合のことですか。
違います。展示事業に係る費用に対する自己収入の割合の目標で、自己収入には入館料以外の収入も含まれます。館の運営費全体に対する割合でもありません。回答で使うときは、入場料だけで65%をまかなうという意味に読めない書き方にしましょう。
museum は博物館ですか、美術館ですか。美術館の話を書いてもよいですか。
museum はどちらも指します。美術品も、科学や歴史の資料も対象に含む上位の語なので、このタスクの museums には美術館も入ります。ルーブル美術館を実例に使っても対象からは外れません。美術館だけに話を限りたいときは art museum と書くと誤解がありません。
exhibit と exhibition はどう使い分けますか。
exhibit は展示されている個々の品を指します。exhibition は、それらを集めて公開する催しのほうを指します。ガラスケースの中の土器は exhibit で、その土器が並んでいる展覧会が exhibition です。
このテーマの準備は、他のタスクにも使えますか。
使えます。公的なお金で文化を支えるべきかという論じ方は、音楽、映画、歴史的な建物、図書館を扱うタスクでもそのまま使えます。誰が費用を負担するのか、料金を取ることで誰が来なくなるのか、という2つの問いは、対象が変わっても同じように使えます。
09 まとめ
このタスクで最初に決めたいのは、利点と欠点が誰にとってのものなのかです。そこを段落ごとにそろえたら、無料化と料金設計の実例を使って両側を書き、最後にどちらが上回るのかを言い切ります。
利点と欠点を並べる前に、誰にとっての利点なのかを段落ごとに決める
outweigh を問われたら、両側を書くだけで終わらせず、結論で判断を示す
賛否のどちらにも強い材料があるときは、どこに線を引くかで立場を作る
シリーズの共通の進め方は、総論の記事から確認できます。
タスク深掘りシリーズ
タスク深掘りシリーズ:アイデア・実例・語彙・モデルアンサーまで1問ずつ徹底解説【総論】